yamasigeのブログ

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気分が乗ったら、何でもバンバン気ままに書くぜぃ!

Spotifyで公開している私のプレイリスト「C-POP歌番組TOP100」から、一曲ずつ紹介するシリーズです。(題名順)


No.033 《忘了



YouTubeはこちら:


披露曲:《忘了

歌手黄子弘凡黄丽玲A-Lin

番組名:『天赐的声音 第六季』第8期

放送日:2025年6月6日 

音楽総監:刘卓

プロデューサー:刘卓、郎梓朔

編曲:孔凡东

歌唱設計:石行

音響総監:何飚

音楽Mixing:林梦洋、佟尚泽、邢猷佳

ハーモニー・アレンジ:石行

ハーモニー:石行、马思莹、邢晏侨

バンド統括:裴若岐

演奏メンバー


V-Band(刘卓バンド)

  • Drums:卢炜
  • Percussion:刘效松
  • Bass:李九君
  • Guitar:金天、崔万平
  • Piano:傅一峥
  • Keyboard:李海郡
  • Program:郎梓朔
  • Chorus:石行、马思莹、邢晏侨 

原曲:《忘了》

  • 作詞:张俊波
  • 作曲:张俊波、曲多美
  • 原唱:周林枫
  • リリース:2024年
  • コメントネット発の失恋ソングとして注目を集めた周林枫の楽曲。別れを受け入れようとしながらも、「先に愛してくれたあなたが、なぜ忘れてしまったのか」という未練を歌った、現代的な中国ポップスのラブソング。

私の評価・感想


原曲 ★★★★☆

アレンジ ★★★☆☆

演奏 ★★★☆☆

歌唱 ★★★★☆

ステージパフォーマンス ★★★☆☆

玄人受け ★★☆☆☆


原曲は、周林枫が歌ったネット発の失恋ソング《忘了》。


A-Lin黄子弘凡という、世代も歌唱スタイルも異なる二人が、この曲をかなり繊細なデュエットとして再構築しています。


主旋律の後ろで絡む「ウウウウ〜」というボーカル・オブリガートが、原曲同様に中毒性があり、耳に残る独特の世界観を作り出しています。


刘卓を中心とした『天赐的声音』の制作チームが、バンドサウンドと精密なボーカル・アレンジを施し、さらにA-Lin黄子弘凡の異なる声質を組み合わせることで、原曲の物悲しげな雰囲気を、より情緒豊かなデュエットへと仕上げています。


A-Linは、声量で押し切るのではなく、息遣いや声の揺らぎ、語尾のニュアンスを大切にした歌唱。圧倒的な歌唱力を持ちながら、それをあえて前面に押し出さないことで、むしろ「余裕」すら感じさせます。


一方の黄子弘凡は、2018年の『声入人心』で注目された、クラシック音楽をルーツに持つ若手歌手。透明感のある伸びやかな声が特徴で、A-Linの深みのある歌声とは対照的な、繊細で軽やかな質感を持っています。


そして面白いのが、この《忘了》の原唱である周林枫自身も、同じ『天赐的声音6』の終盤に登場していることです。


周林枫は、ネット上で歌唱やオリジナル曲を発表しながら知名度を高めてきた歌手。


2024年12月20日放送の『有歌2024』第11期では、自身のオリジナル曲《阿嬷》を张信哲と披露。この曲は番組の「十大金曲」にも選ばれました。


有歌2024』は、「年度唱作人を探す」ことを大きなコンセプトにした番組で、『天赐的声音』と同じ制作チームが手掛けています。


そして、その翌年には『天赐的声音6』で、自身の代表曲《忘了》がA-Lin黄子弘凡という一線級の歌手によってカバーされ、シーズン終盤には原唱本人も番組のステージに登場しました。


ネット発の歌手が、ネットで人気を得た楽曲を足掛かりに大型歌番組へ進出し、そこで一流の制作陣や歌手と共演する。


最近の中国音楽シーンでは、こうした流れが目立つようになりました。


番組側にとっても、ネットで大きな支持を得ている歌手を無視できなくなり、積極的に出演の機会を与えるようになったのでしょう。時代の変化を感じます。


例えば、「en」名義で長い間、顔を出さずに活動してきたネット歌手・王翊恩も、『天赐的声音6』第7期で初めて顔を出し、《嚣张》を披露しました。


彼は現在放送中の『天赐的声音7』にも引き続き出演しており、まさにこうした流れを象徴する存在です。


中国好声音』の初期からC-POPを追いかけてきた私のような人間からすると、ガチのコンペティション番組を勝ち抜き、従来の王道を進んでスターになってほしい、という気持ちもあります。


実際、そうした登竜門をくぐり抜けてきた実力者たちは、今でも大型歌番組の大舞台で、ネット発の歌手に簡単には主役の座を譲っていないと思います。


とはいえ、『天赐的声音6』自体が、黄子弘凡王赫野姚晓棠ら新世代の歌手を、番組を通じてさらに押し上げたシーズンだったことも確かです。


ネットから生まれた才能と、従来の音楽業界で培われてきた実力者たちが、同じステージで交わる。


こうした新旧の融合も、C-POPが成熟していく過程として受け入れるべきでしょうし、現在の中国の音楽番組を観る面白さの一つなのかもしれません。


Spotifyのプレイリストはこちら:


Spotifyで公開している私のプレイリスト「C-POP歌番組TOP100」から、一曲ずつ紹介するシリーズです。(題名順)


No.032 《我们》+《归零

※Spotifyの配信は《归零》のみ。


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披露曲:《我们》+《归零

歌手李佩玲Jeryl Lee)、徐子未

番組名:『舞台2023The Next 2023)』第9期

放送日:2023年9月23日

音楽総監:荒井十一

音響デザイン:何飚

音楽デザイン:王皓

プロデューサー:周品

Mixing:周天澈混音团队

ステージ指導総監:郭挺筠(Tina)


《我们》パート

編曲:mMAO-7

演奏メンバー

  • Drums:肖博文
  • Guitar:谭鑫
  • Bass:崔文正
  • Keyboards:张效衡
  • Chorus:张恋歌、叶俊
  • PGM:林克昶、姚书寰

《归零》パート

編曲:何山

演奏メンバー

  • Drums:肖博文
  • Guitar:谭鑫
  • Bass:崔文正
  • Keyboards:张效衡
  • Chorus:张恋歌、叶俊
  • PGM:林克昶、姚书寰

原曲①:《我们》

  • 作詞:葛大为
  • 作曲:陈建骐
  • 原唱:陈奕迅(Eason Chan)
  • リリース:2018年
  • 収録:アルバム『认了吧』
  • コメント:陈奕迅が歌った刘若英(レネ・リウ)監督の映画『后来的我们』の主題曲。過ぎ去った恋愛を振り返りながら、「私たち」という関係が終わってしまったことを静かに受け入れていく、喪失と未練を描いたバラード。

原曲②:《归零》

  • 作詞:常石磊
  • 作曲:常石磊
  • 原唱:林忆莲(Sandy Lam)
  • リリース:2014年
  • コメント:作詞・作曲・編曲はすべて常石磊。「归零(ゼロに戻る)」というタイトルの通り、過去をリセットし、新たな一歩を踏み出そうとする再生の歌。

番組紹介


舞台2023』は、2023年に中国で放送された女性アーティスト中心の音楽リアリティ番組。26名の歌手・アーティストが集結し、ソロやコラボレーションによるステージを通じて競い合い、最終的に年間優勝者を決定する。

単なる歌唱力勝負ではなく、選曲・アレンジ・パフォーマンス・ステージ表現まで含めて「舞台」を作り上げることに重点を置いた番組で、若手から実力派まで幅広いアーティストが参加。


私の評価・感想


原曲 ★★★★☆

アレンジ ★★★★★

演奏 ★★★★☆

歌唱 ★★★★★

ステージパフォーマンス ★★★★☆

玄人受け ★★★☆☆


舞台2023』の第8~9期で行われた「酸甜8分钟」という企画は、残った舞台歌手たちが2人組、あるいは3人組となり、通常の一曲ではなく、約8分間を使った“小型演唱会”のようなステージを作り上げるというものでした。26組からスタートした番組も、この頃には11組まで絞り込まれており、いよいよ終盤戦。


約8分間という長尺を使ったステージですが、単純に2人の実力派ボーカリストが歌唱力を競い合うだけではなく、前半の《我们》から後半の《归零》へと、まるで一つの物語を描くように構成されているところが、このステージの大きな魅力だと思います。


李佩玲Jeryl Lee)はマレーシア出身の華人。2016年の『中国新歌声』では那英チームに入り、全国総決赛6強まで進出。2020年には『歌手・当打之年』にも出演しましたが、そこで袁娅维TIA RAY)にわずか8票差で敗退。


その後、しばらく大きな音楽番組から離れていましたが、2023年に『舞台2023』で再び中国の大舞台へカムバックしました。


この番組では、最初から順風満帆だったわけではなく、初戦は26人中24位。それでも一つ一つのステージで評価を上げ、ついには決勝へ進出。そして最終的には9月30日の決勝で優勝を果たしました。


我们》は、過ぎ去った恋を振り返り、別れを受け入れていく「過去」を振り返る曲なのに対して、《归零》は完全に「未来」を向いた曲です。


我们》の歌唱は、本当に素晴らしい。序盤の美しいハーモニー。間奏の後からは、荘厳な空気を切り裂くような高音。


我们》の切ない余韻から《归零》へと移り、過去を振り返る時間から、未来へ踏み出す時間へと空気が変わっていきます。


特に後半は、2人が高音域で互いに応酬するような展開で、2人の歌唱が徐々に熱を帯びていき、最後には互いの声がぶつかり合うような迫力を見せます。


その変化が、2人の歌唱だけでなく、アレンジ、演奏、コーラス、ステージ全体のダイナミクスによって丁寧に作られています。


2020年に僅差で敗れたステージから、3年後にもう一度立ち上がり、今度は頂点まで駆け上がった李佩玲


過去の失敗や挫折を一度リセットして、もう一度ここから始める。《归零》というタイトルが本当に象徴的に感じられます。


実力派ボーカリスト2人による素晴らしいデュエットであると同時に、李佩玲という歌手の復活と飛躍を象徴する、非常にドラマティックなステージだと思います。


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Spotifyで公開している私のプレイリスト「C-POP歌番組TOP100」から、一曲ずつ紹介するシリーズです。(題名順)


No.031 《开往春天的地铁



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披露曲:《开往春天的地铁

歌手袁娅维TIA RAY

番組名:『歌手2017』第11期(突围赛)

放送日:2017年3月31日

音楽プロデューサー:赵兆

編曲:甯子达、温奕哲

Program:甯子达、温奕哲

演奏メンバー

  • Bass:甯子达
  • 二胡:王颖
  • Drums:Tony Parker
  • Keyboards:Jay Dub

原曲:《开往春天的地铁》

  • 作詞:吴向飞
  • 作曲:张亚东
  • 原唱:羽泉
  • リリース:2002年
  • コメント:張一白監督の同名映画『开往春天的地铁』のために制作された、羽泉の楽曲。映画の主人公たちが北京での生活の中で出会い、愛し合いながらも、次第にすれ違っていく物語と重なるように、冬から春へ向かう地下鉄を人生や愛の象徴として描いている。2003年には第3届华语流行乐传媒大奖の「十大华语歌曲」を受賞。

私の評価・感想


原曲 ★★★★☆

アレンジ ★★★★☆

演奏 ★★★★★

歌唱 ★★★★★

ステージパフォーマンス ★★★☆☆

玄人受け ★★★★★


私が袁娅维Tia Ray)の歌唱力だけでなく、音楽家としての凄さを強く感じたステージの一つです。


「冬の最後の夜 春へ向かう地下鉄を待つ」という「冬→春」という象徴を使いながら、実際に歌っているのは失われそうな恋を追いかける焦燥感を歌っています。


原曲は羽泉の楽曲ですが、このカバーは、原曲の良さを残しながら、SoulやR&Bを軸とした全く別のライブ作品へと大胆に再構築されています。


何より興味深いのが、その制作陣と演奏メンバーです。


編曲を担当したのは、台湾を代表するセッション・ベーシストの甯子达と、金曲獎「最佳編曲人獎」も受賞している温奕哲


そして、ベースを甯子达、ドラムをTony Parker、キーボードをJay Dubが担当しています。


甯子达はJazz、Fusion、Funk、R&Bをバックグラウンドに持つベーシストであり、編曲家で、今回は自らベースを弾いています。


Tony Parkerは、アメリカ出身で、現在は台湾を拠点に活動。邓紫棋G.E.M.)、方大同Khalil Fong)、王力宏ワン・リーホン)、陶喆David Tao)、A-Lin林俊杰JJ Lin)などのツアーやステージでドラムを叩いている、トップクラスのC-POP/R&Bアーティストから引っ張りだこなセッション・ドラマー


そして、Jay Dubもアメリカ出身のキーボーディスト・マルチプレーヤーで、こちらも、方大同のワールドツアーでは主要キーボーディストを務め、莫文蔚A-Lin顺子陈坤李幸倪といったトップアーティストと仕事をしています。そして、『中国好声音』『中国最强音』『我是歌手』などの音楽制作にも関わっています。

Tiaとは初期から音楽制作を共にしてきた音楽的パートナーで、Tiaの最初のアルバム『Tia』ではプロデューサー/音楽監督を務め、その後の『Tiara』にも関わっています。


つまり、リズム隊から鍵盤まで、TiaのR&B的な歌唱を理解しているミュージシャンが揃っている。


中盤では、坂本龍一の《Merry Christmas Mr. Lawrence》を思わせるピアノフレーズが現れ、「冬の苦しみから春の再生へ向かう転換」を表現しているかのようです。


そして、Tiaの長いホイッスルボイスを境に、《Kiss From A Rose》へ展開します。

Tiaのパフォーマンスではお馴染みの洋楽マッシュアップ。

この曲は、1994年のSealの代表曲で、映画『Batman Forever』で使用されたことでも世界的に知られる曲です。


このマッシュアップは単なる奇をてらったものではなく、「冬の中で愛する人を追い続ける」という《开往春天的地铁》の世界に、《Kiss From A Rose》の光と薔薇のイメージを重ねることで、楽曲の情景を一段広げているように感じます。


そして、ここから再び《开往春天的地铁》へ戻る。それまで抑えていたTiaの感情が一気に解放され、連続するBeltingでクライマックスへ向かっていきます。


Tiaというと、高音やホイッスルボイス、R&B特有の細かな転音など、派手な歌唱テクニックに目が行きがちですが、前半では中低音を中心に、声量を抑え、息遣いや声のニュアンスを大切にしている。

そこから少しずつ声の密度と音域を広げ、ホイッスルボイスを一つの転換点として、最後には強烈なBeltingへと持っていく。


甯子达温奕哲による緻密なアレンジ、Tony Parker甯子达によるグルーヴィーなリズムセクション、Jay DubのR&B/Soulを感じさせる鍵盤、そして二胡という中国的な音色。


そこに、Tiaの繊細な中低音から、转音、怒音、ホイッスルボイス、そして強烈なBeltingまでを自在に操るボーカルが重なる。それぞれの要素が好き勝手に主張しているのではなく、すべてがTiaの歌を最大限に引き立てる方向へ機能している。


まさに「歌手が歌う」のではなく、優れたミュージシャンたちが一人の歌手のために、一曲の作品を丸ごと設計しているようなステージです。


Tiaも、歌唱後にはバックアップメンバーを紹介し、彼らに敬意を表します。


开往春天的地铁》は、Tia Rayの圧倒的な歌唱力を堪能できるステージであると同時に、彼女を支えるミュージシャンたちの音楽性まで含めて聴くと、さらに奥深さが見えてくる、非常に完成度の高いパフォーマンスだと思います。


Spotifyのプレイリストはこちら: