「訪問診療・訪問看護における施設の要介護者等への訪問の可否」

 

 「要介護者等」への訪問看護は、原則「介護保険」で実施され、急性増悪の場合や別に厚生労働大臣が定めた疾患(別表第七)については、医療保険で訪問看護が行われる。(原則、看護師等が配置されている介護施設は介護保険の訪問看護は算定できない。)

 介護施設については、常勤の看護師等の配置が義務づけられている「介護老人保健施設」や「介護医療院」への医療保険の訪問看護も、できないが、「特別養護老人ホーム」等は、看護師等の一人以上(換算可。)の配置であり、条件(末期癌)により認められる。

 「訪問診療」については、常勤医師が配置されている「介護老人保健施設・介護医療院」では認められない。

 平成28年の改定前は、在宅医療の管理料は「特定施設入居時等医学総合管理料」で、主に「特定施設」等(特定施設のほか、養護老人ホーム(110名以下)、軽費老人ホームA、特別養護老人ホーム)だけであったが、平成28年改定後は、「施設総管」には、特定施設以外の有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームが追加され、「軽費老人ホームC」のケアハウスで介護型は、看護師等の配置もあり、ほとんどが特定施設であるが、「施設総管」の対象から外れ「逆転現象」と言われていたが、次の改定でもこの扱いは変わらず現在に至っている。

更に、平成30年(2018年)度改定では、在宅ターミナルケア加算「有料老人ホーム等に入居する患者」「それ以外」で区分された。ここでの有料老人ホーム等には、「在総管」の算定対象である小規模多機能型居宅介護または看護小規模多機能型居宅介護における宿泊サービスを利用中の患者も含まれた。(つまり、「診療項目」によって、「介護施設」か「個人に準ずる扱い」か異なっている。):ただ、厚労省は,何年にも渡って間違えていることがあるので心配ですが。(下記に事例を載せます。:意外と多いので適当にここにコピペしようとしましたが、多いので下へ)

 

訪問診療・訪問看護における施設の要介護者等への訪問の可否

施設の種類

訪問

診療(施設総管含む)

訪問

看護

訪問

診療

備考

訪問

看護

備考

介護老人保健施設

 

 

介護医療院

 

 

特別養護老人ホーム

※1※6

末期がんのみ可能

(介護予防又は)短期入所生活介護

※2

※3

(末期がんのみ可能)

小規模特別養護老人ホーム(地域密着型特別養護老人ホーム)

※1※6 

末期がんのみ可能

グループホーム

(認知症対応型共同生活介護)

 

※4

小規模多機能型居宅介護又は複合型サービス

宿泊中

(在医総管含む)

※2

※4、※5

自宅にいる時

(在医総管含む)

 

※4

その他(施設総管対象)(養護老人ホーム(110人以下)、軽費老人ホームA、有料老人ホーム、サ高住)

 

※4

その他(在医総管対象)

(軽費老人ホームB・C)

 

※4

※1 「別紙1の※8」(死亡日からさかのぼって30日以内の患者については、当該患者を当該特別養護老人ホーム(看取り介護加算の施設基準に適合しているものに限る。)において看取った場合(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院若しくは当該特別養護老人ホームの協力医療機関の医師により行われたものに限る。)に限る。)

※2 「別紙1の※10」(当該患者によるサービス利用前30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問診療料、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料(以下「在宅患者訪問診療料等」という。)を算定した保険医療機関の医師(配置医師を除く。)が診察した場合に限り、算定することができる(末期の悪性腫瘍の患者以外の患者においては、利用開始後30日までの間に限る。)。

また、保険医療機関の退院日から当該サービスの利用を開始した患者については、当該サービス利用開始前の在宅患者訪問診療料等の算定にかかわらず、退院日を除き算定できる(末期の悪性腫瘍の患者以外の患者においては、利用開始後30日までの間に限る。)。)

※3 別紙1の※12」(末期の悪性腫瘍の患者であって、当該患者によるサービス利用前30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問看護・指導料を算定した保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合に限り、算定することができる。)

※4 「別紙1の※2」末期の悪性腫瘍等(別表7の疾病)の患者及び急性増悪等により一時的に頻回の訪問看護が必要である患者に限る。特別訪問看護指示書の交付の場合

※5 「別紙1の※11」(当該患者によるサービス利用前30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問看護・指導料を算定した保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合に限り、算定することができる(末期の悪性腫瘍の患者以外の患者においては、利用開始後30日までの間に限る。)

※6 「別紙1の(3.入院中の患者)ア.地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設」(死亡日からさかのぼって30日以内の患者及び末期の悪性腫瘍の患者に限る。ただし、看取り介護加算(Ⅱ)を算定している場合には看取り加算は算定できない。)

 

上記の「別紙1」とは、下記に掲載されている一覧表

「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」の一部改正について(令和6年3月27日)

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252048.pdf

《参考資料》

【別表第7の疾病】

1.末期の悪性腫瘍、2.多発性硬化症、3.重症筋無力症、4.スモン、5.筋萎縮性側索硬化症、6.脊髄小脳変性症、7.ハンチントン病、8.進行性筋ジストロフィー症、9.パーキンソン病関連疾患、10.多系統萎縮症、11.プリオン病、12.亜急性硬化性全脳炎、13.ライソゾーム病、14.副腎白質ジストロフィー、15.脊髄性筋萎縮症、16.球脊髄性筋萎縮症、17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎、18.後天性免疫不全症候群、19.頸髄損傷、20.人工呼吸器を使用している状態

 

《厚労省の間違い》

「生活習慣病管理料を算定した月においては、特定疾患処方管理加算は算定できない」という事務連絡

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12951365642.html

厚生労働省の数年にわたる間違い

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12846212761.html

”厚生労働省の数年にわたる間違い”R8.2.13人事院に告発

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12862693928.html

摂食機能障害者の定義の誤解釈と地域包括ケア病棟入院料の(「入退院支援部門」)

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12662273450.html

摂食機能療法の対象者が制限されました。

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479984.html

関東信越厚生局東京事務所からの回答

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479892.html

厚生労働省保険局医療課に対する疑義照会

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479841.html

 

「胃腸炎・急性上気道炎」に対する「抗菌薬・抗生剤」(内服薬)・「抗菌薬・抗生剤」(注射薬)の算定

《参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)全文》は、下段にあり

 

(1)は、「クラビット錠」(抗菌剤)の内服薬です。

  ≪支払基金・国保統一事例

  『 感冒性胃腸炎 、急性胃腸炎に対する「クラビット錠」の算定は、原則、認められない。』

 (理由)

  『「感冒」は、ウイルス感染であり、「急性胃腸炎」は、多くは、ウイルス感染で、「抗菌剤」の有用性は低い。

 ※ 「咽頭炎」等は、適応疾患として認められているが、5. 効能又は効果に関連する注意」では

 『〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、感染性腸炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。』 となっている。

 

<薬剤の主な適応症>

● クラビット錠250mg

<効能・効果>(呼吸器疾患・胃腸炎のみの適応)

    咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、感染性腸炎、腸チフス

 

(2)は、(1)と同じく「ホスミシン錠」(抗菌剤)の内服薬です。

  ≪支払基金・国保統一事例

 『感冒、感冒性胃腸炎、感冒性腸炎に対する「ホスミシン錠」の算定は、原則、認められない。』((1)と同じなので、「急性胃腸炎」も原則、認められない。)

  (理由)

 「感冒、感冒性胃腸炎、感冒性腸炎」は、ウイルス性疾患であり、適応外で有用性は低い。

 ※ 「感染性腸炎」は、適応症にあるが、(1)と同じく「5. 効能又は効果に関連する注意」では

 『〈感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。』となっている。

 

(3)は、「ペニシリン系」等の(抗菌剤)の内服薬です。

   ≪支払基金・国保統一事例

 『「感冒」、「小児のインフルエンザ」、「小児の気管支喘息」、「感冒性胃腸炎」、「感冒性腸炎」、「慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎」は、抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】の算定は、原則として認められない。』

 (理由)

 「感冒」、「小児のインフルエンザ」、「小児の気管支喘息」、「感冒性胃腸炎」、「感冒性腸炎」、「慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎」は、ウイルス性疾患、気道の過敏や狭窄等をきたす疾患(喘息)、細菌感染症ではない疾患(慢性上気道炎)

 ※ 「ビクシリンカプセル」等には、咽頭・喉頭炎は、適応症であるが、「5. 効能又は効果に関連する注意」では

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。』となっている。

 

(4)は、「抗生物質製剤」の注射薬です。

  ≪支払基金・国保統一事例

 『 感染性胃腸炎、感染性腸炎、感冒、慢性上気道炎、急性  上気道炎に対する「エクサシン注射液」の算定は、原則として認められない。 』

(理由)

 『「感染性胃腸炎、感染性腸炎」には適応はなく、「呼吸器疾患」の適応は、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染のみであり、「感冒、慢性上気道炎、急性上気道炎」は適応外となる。』

 ※ 「慢性呼吸器病変の二次感染」とは、原則、ウイルス性の疾患である感冒・急性上気道炎ではなく、細菌感染による急性咽頭炎等です。急性咽頭炎(急性上気道炎の1つ)の診断の要点はA群β溶血性レンサ球菌(GAS)による急性咽頭炎かどうかを判断することであり、その理由はGASによる急性咽頭炎抗菌薬治療の適応となるからです。

「抗微生物薬適正使用の手引き第一版」でも「迅速抗原検査または培養検査でA群β溶血性レンサ球菌(GAS)が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する」とあり、抗菌薬治療の適応はGASのみと記載されています。

 

(5)は、「ホスミシンS静注用」等の「抗生物質製剤」の注射薬です。

   支払基金・国保統一事例

 『「感冒性胃腸炎、感冒性腸炎」、「急性胃腸炎、胃腸炎、急性腸炎、腸炎」、「 感染性胃腸炎、感染性腸炎(嘔吐症がある場合、食事摂取できない場合を除く。)」、 「細菌性赤痢」、「サルモネラ腸炎(腸チフス含む。)」、「慢性咽頭炎」、「慢性喉頭炎」、「慢性扁桃炎」に対する「ホスミシンS静注用」等の算定は、原則として認められない。』

 

(理由)

『感冒や急性胃腸炎は、ウイルス性が多く有用ではない。「細菌性赤痢」、「サルモネラ腸炎(腸チフス含む。)」及び「急性上気道炎」は適応外である。』

 

(6)は、「A群β溶連菌迅速試験定性」で、「溶連菌感染症」の診断のための検査です。

支払基金・国保統一事例

「A群β溶連菌迅速試験定性」は上気道炎(扁桃炎、咽頭炎)や皮膚疾患(伝染性膿痂疹、丹毒等)の原因菌となるA群連鎖球菌の検査です。算定は、原則として、1エピソード(1発症)につき1回まで認められると判断した。また、治癒判定目的での算定は、原則として認められないと判断した。』

(※ (4)の※にある通り、「上気道炎(扁桃炎、咽頭炎)」に対して抗菌薬治療の適応は、「A群β溶血性レンサ球菌(GAS)による咽頭炎」に限られている。

(医科点数)

 D012 感染症免疫学的検査

 19 A群β溶連菌迅速試験定性 121点

 

(7)は、「感染性胃腸炎」の「便の細菌顕微鏡検査

  支払基金・国保統一事例

  『感染性胃腸炎に対する「細菌顕微鏡検査 「3」その他のもの(便検体)」の算定は、原則として認められない。

  

  (理由)

 『 感染性胃腸炎は細菌又はウイルスなどの感染症ですが、 通常、短期間に自然治癒するため、重症が疑われる場合等に検査が行われるが、「感染性胃腸炎」での細菌顕微鏡検査は、病原体の推定が困難であり、有用性が低いため認められない。

 

※ 「感染性胃腸炎」等の感染性の疾患で「便の細菌顕微鏡検査」は、妥当と思われるが、「感染性胃腸炎」では、病原体を推定できないものがあることは、医学を学んでいない医療事務員にとって貴重な情報である。

 

(8)は、「便検体」による「細菌顕微鏡検査「3」その他のもの」の算定は、原則として認められる。

   ≪支払基金・国保統一事例

  『 便検体による「トリコモナス」、「アメーバ赤痢(原虫)」、「 胃結核(細菌)」、「カンピロバクター腸炎(細菌)」、「腸管スピロヘータ症(細菌)」、「腸結核、結核性下痢 (細菌)」の「細菌顕微鏡検査「3」その他のもの」の算定は、原則として認められる。

 

 (理由)

 『上記は、便検体の「細菌顕微鏡検査「3」その他のもの」で種類を特定することができる病原菌である。』

 

《参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)全文》

 

(1)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例  《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_148.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-151.pdf

 

491 レボフロキサシン水和物【内服薬】(感冒性胃腸炎等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対するレボフロキサシン水和物【内服薬】(クラビット錠等) の算定は、原則として認められない。 ⑴ 感冒性胃腸炎 ⑵ 急性胃腸炎

○ 取扱いを作成した根拠等

クラビット錠は、添付文書の効能・効果に「感染性腸炎」があり、効能・ 効果に関連する注意に「「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与す ること」と記載されている。

感冒は、当該手引き(第三版)に「日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、ウイルスによって引き起こされる病態であることから、抗菌薬投与は推奨しないとされている。」と記載されている。

また、急性胃腸炎は、その原因の多くはウイルス感染であり、その場合は 当該医薬品投与の有用性は低い。 以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(2)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例  《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_147.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-150.pdf

 

490 ホスホマイシンカルシウム水和物【内服薬】(感冒等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対するホスホマイシンカルシウム水和物【内服薬】(ホスミシン錠等)の算定は、原則として認められない。

⑴ 感冒 ⑵ 感冒性胃腸炎、感冒性腸炎

○ 取扱いを作成した根拠等

ホスミシン錠の添付文書の効能・効果は、「深在性皮膚感染症、膀胱炎、 腎盂腎炎、感染性腸炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、中耳炎、副鼻腔炎」であり、効能・効果に関連する注意に「「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること」と記載されている。

 当該手引き(第三版)に「日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、感冒はウイルスによって引き起こされる病態であることから、抗菌薬投与は推奨しないとされている。」 と記載されており、ウイルスが原因である感冒、感冒性胃腸炎、感冒性腸炎に対する当該医薬品の投与は適応外使用と考えられる。

 以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(3)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年8月29日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_193.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年8月28日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-200.pdf

 

651 抗生物質製剤又は合成抗菌薬【内服薬】(感冒等)の算定について  

○ 取扱い

次の傷病名に対する抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】※の算定は、原則として認められない。 ※ ペニシリン系、セフェム系、キノロン系、マクロライド系の内服薬で効能・効果に次の傷病名の記載がないも のに限る。

⑴ 感冒 ⑵ 小児のインフルエンザ ⑶ 小児の気管支喘息 ⑷ 感冒性胃腸炎、感冒性腸炎 ⑸ 慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎

○ 取扱いを作成した根拠等

抗生物質製剤は細菌又は真菌に由来する抗菌薬、合成抗菌薬は化学的に合成された抗菌薬で、共に細菌感染症の治療において重要な医薬品である。

感冒やインフルエンザはウイルス性感染症気管支喘息はアレルギーや環境要因に起因して気道の過敏や狭窄等をきたす疾患、また、慢性咽喉頭炎を含む慢性上気道炎は種々の原因で発生するが、細菌感染が原因となることは少ない疾患で、いずれも細菌感染症に該当しないことから、抗菌薬の臨床的有用性は低いと考えられる。

 以上のことから、上記傷病名に対する抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(4)【 注射 】 支払基金統一事例 支払基金・国保統一事例  《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/chusha_1.files/chusha_36.pdf

【国保】 審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_tyusya_G-34.pdf

 

496 イセパマイシン硫酸塩【注射薬】(感染性胃腸炎等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対するイセパマイシン硫酸塩【注射薬】(エクサシン注射液等) の算定は、原則として認められない。

⑴ 感染性胃腸炎、感染性腸炎 ⑵ 感冒 ⑶ 慢性上気道炎 ⑷ 急性上気道炎

○ 取扱いを作成した根拠等

アミノグリコシド系抗生物質であるエクサシン注射液の添付文書における効能・効果の適応菌種は「イセパマイシンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌」、適応症は「敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎」である。

したがって、上記傷病名に対する当該医薬品の投与は適応外である。

以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(5)【 注射 】  支払基金・国保統一事例 《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/chusha_1.files/chusha_37.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_tyusya_G-35.pdf

 

497 ホスホマイシンナトリウム【注射薬】(感冒性胃腸炎等)の算定について  

○ 取扱い

次の傷病名に対するホスホマイシンナトリウム【注射薬】(ホスミシンS静注用等)の算定は、原則として認められない。

⑴ 感冒性胃腸炎、感冒性腸炎 ⑵ 急性胃腸炎、胃腸炎、急性腸炎、腸炎 ⑶ 感染性胃腸炎、感染性腸炎(嘔吐症がある場合、食事摂取できない場合を除く。) ⑷ 細菌性赤痢 ⑸ サルモネラ腸炎(腸チフス含む。) ⑹ 慢性咽頭炎 ⑺ 慢性喉頭炎 ⑻ 慢性扁桃炎

 

○ 取扱いを作成した根拠等

ホスミシンS静注用の添付文書の効能・効果は、「〈適応菌種〉ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、大腸菌、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、緑膿菌、

〈適応症〉敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮 旁結合織炎」であり、効能・効果に関連する注意に「「抗微生物薬適正使用 の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること」と記載されている。

当該手引き(第三版)に「日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、感冒はウイルスによって引き起こされる病態であることから、抗菌薬投与は推奨しないとされている。」 と記載されており、ウイルスが原因である感冒性胃腸炎や感冒性腸炎に対する当該医薬品の投与は適応外使用と考えられる。

また、急性胃腸炎、胃腸炎、急性腸炎、腸炎の傷病名での算定は、これらの原因が明確ではなく、適切ではない。くわえて、適応疾患にも該当していない。 感染性胃腸炎や感染性腸炎には細菌性のものもあるが、細菌性赤痢とサルモネラ腸炎も含め適応疾患には該当せず、慢性の咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎も同様である。

以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(6)【 検査 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年9月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_99.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年8月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-290.pdf

 

288 A群β溶連菌迅速試験定性の算定について

○ 取扱い  

溶連菌感染症に対するD012「19」A群β溶連菌迅速試験定性の算定は、原則として、1エピソード(1発症)につき1回まで認められる。 なお、溶連菌感染症の治癒判定目的での当該検査の算定は、原則として認められない。

○ 取扱いを作成した根拠等

A群β溶連菌迅速試験定性は、上気道炎(扁桃炎、咽頭炎)や皮膚疾患(伝染性膿痂疹、丹毒等)の原因菌となるA群連鎖球菌を迅速に診断するための検査である。 本傷病名における本検査の感度は高く、繰り返し実施する意義は低いと考えられる。

また、本検査は、溶連菌感染症の診断を目的とする検査であり、保険診療上、治癒判定目的での算定は適切ではない。

以上のことから、溶連菌感染症に対するD012「19」A群β溶連菌迅速試験定性の算定は、原則として、1エピソード(1発症)につき1回まで認められると判断した。

また、治癒判定目的での算定は、原則として認められないと判断した。

 

(7)【 検査 】 支払基金・国保統一事例《令和7年11月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_275.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年11月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_275.pdf

 

735 感染性胃腸炎に対する排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 (その他のもの)(便検体)の算定について

○ 取扱い

感染性胃腸炎に対するD017 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 「3」その他のもの(便検体)の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

感染性胃腸炎は細菌又はウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症である。カンピロバクター、赤痢アメーバ、ジアルジアなどは顕微鏡検査によりこれらの病原体を特定することが可能だが、単なる感染性胃腸炎の傷病名だけでは感染症の病原体の推定が困難であり、顕微鏡検査の有用性は低いと考えられる。

以上のことから、感染性胃腸炎に対するD017排泄物、滲出物又は分泌物 の細菌顕微鏡検査「3」その他のもの(便検体)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(8)【 検査 】 支払基金・国保統一事例  《令和6年7月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_87.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年6月 6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-232.pdf

 

261 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査(その他のもの)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対する便検体によるD017排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査「3」その他のものの算定は、原則として認められる。

⑴ トリコモナス ⑵ アメーバ赤痢 ⑶ 胃結核 ⑷ カンピロバクター腸炎 ⑸ 腸管スピロヘータ症 ⑹ 腸結核、結核性下痢

 

○ 取扱いを作成した根拠等

細菌顕微鏡検査「その他のもの」は、体内から採取した検体を顕微鏡で観察し、細菌の種類を特定する検査で、蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡、暗視野装置、保湿装置等を使用しないものである。 種類を特定することができる病原菌には、トリコモナス、アメーバ赤痢、抗酸菌、カンピロバクター属菌、レプトスピラ(スピロヘータ)等がある。

以上のことから、上記⑴から⑹の傷病名に対する便検体によるD017排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査「3」その他のものの算定は、原則として認められると判断した。

診療報酬改定時の経過措置等の「3月31日時点」や「3月31日について」の意味

→ 診療報酬改定時の経過措置等の「3月31日時点」の意味(追加:「短冊」と「通知」の違い)

 

 診療報酬改定時の施設基準(通知)に経過措置的な取扱いが示されていますが、上記の日付がどのような意味であるか知らない方が多数いるということが分かったので、ここで、説明いたします。

 

令和8年2月13日(金)診療報酬の答申(概ねこの内容で決定する)が出ました。

 

「個別改定項目について」(短冊と呼ばれている)では、(短冊では文言を省略しています。)

https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf

 

[経過措置](下記に令和6年度の短冊内容と実際の経過措置の内容を参考とします。)

「・ 令和8年3月31日時点で、回復期リハビリテーション病棟入院料2又は4の届出を行っている病棟については、同年9月30日までの間に限り,(3)のロ及び(5)のロを満たしているものとする。」(したがって、改定後の施設基準での届出は、9月2日から10月1日までとなります。)

 

この届出について、「令和8年3月31日時点で届出すれば同年9月30日までの間改定後の施設基準は、満たしているものとすると解釈している方いることが沢山いるそうです。

 

 改定時の経過措置で「改定後の一定期間は、改定後の施設基準を満たすものとする」の「令和8年3月31日時点で、~ 届出を行っている」とは、「届出が受理され算定を認められた改定前の施設基準を満たすこととなった最終月」のことを言っていますので、実際の届け出は、令和8年2月あるいは、最低でも3月の最初の開庁日に届け出し、受領される必要があります。

 

 したがって、「令和8年3月31日」(旧基準)に届け出すれば、「令和8年4月1日」から算定が認められるだけで、「9月30日までの間改定後の施設基準は、満たしているものとする」訳ではありませんので、6月以降も算定するためには、5月2日以降更に届出必要となります。

 

 手続き上は、「令和8年3月31日」に届け出すれば、4月からの算定は認められますが、「届出が受理され算定を認められた最終月」は、「令和8年4月30日」となり、施設基準による「令和8年3月31日」時点では、届け出を行っていることになりません。ので、「9月30日まで」の経過措置もありません。

 

 令和6年の改定から、新基準の施行は6月からとなり新基準の届出は、5月2日以降となりました。これ以前の3月の最初の開庁日の翌日以降5月最初の開庁日までの届出は、「旧施設基準」ですが、「6月からの改定後の施設基準」の届出が別に必要となります。

 

 今回の改定で

「 継続的に賃上げに係る取組を実施している保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」以外は、入院料が減点されます。

 

ここの「別に厚生労働大臣が定める施設基準」に

「一 令和8年3月31日時点において、入院ベースアップ評価料の届出を行っていること。」

 

があります。(「令和8年3月31日時点」で届出を行っているということは、上記にも記載した通り、「届出が受理され算定を認められた改定前の施設基準を満たすこととなった最終月である3月」のことを言っていますので、実際の届け出は、理論上、令和8年2月あるいは、最低でも3月の最初の開庁日に届け出し、受領される必要があります。)

 

 これを都合よく解釈すると、令和6年の改定から改定実施月が4月から6月に変更となり、3月の最初の開庁日の翌日以降5月最初の開庁日までの届出は、「旧施設基準」ですので、「令和8年3月31日」に届け出すれば、「一 令和8年3月31日時点において、入院ベースアップ評価料の届出を行っていること。」になり、入院料の減額から逃れられる。

 というものですが、

診療報酬改定時の施設基準(通知)に経過措置的な取扱いでの、「3月31日時点」や「3月31日について」の意味は、

 

 

「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」令和6年3月5日保医発0305第5号

基本事項

『7 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定する。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定する。なお、令和6年6月1日からの算定に係る届出については、令和6年5月2日以降に届出書の提出を行うことができる。』

 

「第4 経過措置等」P9の例

『なお、表2における経過措置期間については、令和6年3月31日時点で改正前の当該入院基本料等の届出を行っている保険医療機関についてのみ適用される。』

 

この「日付の時点で届出を行っている」とは、「届出の行為日」ではなく、「届出が受理され算定を認められた最終月の最終日」のことを言っています。

 

以下に令和6年の3月31日において届出を行ってる場合の経過措置と令和4年3月31日において届出を行ってる場合の経過措置を例示いたします。

(いずれも、3月31日において届出を行ってる場合は「届出が受理され算定を認められた改定前の施設基準を満たすこととなった最終月である3月」のことを指しており、「届出を提出した日」ではありません。

 

<令和6年改定事例>

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001293317.pdf

 

「第2 病院の入院基本料等に関する施設基準」

P46の例

( 各「一般病棟入院料」を令和6年3月31日において、改正前の届出を行っている場合は、令和6年9月30日までの間は、改定後の基準の「看護必要度」を満たすものと見さすとされる経過措置。)

『(11) 令和6年3月31日において、現に急性期一般入院基本料(急性期一般入院料6を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る届出を行っている病棟であって、現に旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟については、令和6年9月30日までの間は令和6年度改定後の重症度、医療・看護必要度の基準をそれぞれ満たすものとみなすものであること。また、令和6年3月31日時点で急性期一般入院料6、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(結核病棟入院基本料に限る。))、10 対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料)及び地域一般入院料1の届出を行っている病棟にあっては、令和6年9月30日までの間に限り、令和6年度改定前の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和4年3月4日保医発第0304 第2号。以下「令和6年度改定前の基本診療料施設基準通知」という。)の別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。』

 

令和6年2月14日(水)「短冊」では

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001210969.pdf

<令和6年2月14日(水)>「答申」の「短冊」と呼ばれる段階での経過措置

[経過措置]

  令和6年3月31日において現に急性期一般入院料1(許可病床数が 200床未満の保険医療機関に限る。)又は急性期一般入院料2若しくは3(許可病床数が200床以上400床未満の保険医療機関に限る。)に係る届出を行っている病棟については、令和6年9月30日までの間に限り、第五のニの(1)のイの①の5に該当するものとみなす。

となっています。つまり、「短冊」の文言は、令和6年3月31日において~届出を行っている病棟だけですが

 

 実際の施設基準の文言は、

 「令和6年3月31日において~届出を行っている病棟であって、現に旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟」

 

  となっており、令和6年3月31日において旧基準で満たしている必要があります。言葉を変えますと、令和6年3月31日には、旧基準で算定が認められているということです。

 

<令和4年改定事例>

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984045.pdf

「第2 病院の入院基本料等に関する施設基準」

P40の例

( 各「一般病棟入院料」を令和4年3月31日において、改正前の届出を行っている場合は、令和4年9月30日までの間は、改定後の基準の「看護必要度」を満たすものと見さすとされる経過措置。)

『(9) 旧算定方法別表第一区分番号「A100」急性期一般入院基本料(急性期一般入院料7を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)の経過措置については、令和4年3月31日において、現に急性期一般入院基本料(急性期一般入院料7を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る届出を行っている病棟であって、旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟については、令和4年9月30日までは令和4年度改定後の別表2又は3の重症度、医療・看護必要度の基準をそれぞれ満たすものとみなすものであること。また、令和4年3月31日時点で急性期一般入院料7、地域一般入院料1、特定機能病院入院基本料の7対1入院基本料(結核病棟に限る。)若しくは10対1入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料の10対1入院基本料の届出を行っている病棟にあっては、令和4年9月30日までの間に限り、令和4年度改定前の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発第 0305 第2号)の別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。』

輸血関連の検査(支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)より)

 

(1)の① 「輸血前検査」(スクリーニングとして認められる検査)

・ 「HBs抗原定性・半定量」、「HBs抗原」、「HBc抗体半定量・定量」、「HCV抗体定性・定量」

 

 下記の参考資料では、この中で「入院時」や「術前検査」で認められているのは、「(1)D013「1」HBs抗原定性・半定量(29点)、「3」HBs抗原(88点)」と「(3)D013「5」HCV抗体定性・定量(102点)」です。

 

・ 「(2)D013「6」HBc抗体半定量・定量(130点)」については、支払基金等では、「入院時」や「術前検査」で認められる検査になっていません。

 

 「HBc抗体」は、過去または現在のHBV感染を示します。HBs抗体」は過去のHBV感染を示しますが、ワクチン接種でも陽性となるので、HBs抗体」陽性でも「HBc抗体」陰性であれば、過去にHBV感染したわけではなく、HBVワクチン接種後、免疫獲得したということになります。

 

 「HBc抗体」が陽性ということは、「HBs抗原」が陰性でも、潜在性ウイルスが残存する場合があり、「他者の血液の輸血」に伴う負荷により免疫抑制治療等(免疫力が落ちる)を行うことがある、「輸血の必要な患者」の場合、潜在性ウイルスが再活性化するリスクがあります。

この再活性化は、劇症肝炎等の重症となる場合が多いので輸血の中止を考慮することとなる。

 

※    したがって、輸血前にかかせない検査と言える。

 

HBV感染状態のマーカー組み合わせ(簡略版)

HBs抗原

HBs抗体

HBc抗体

臨床的解釈

陽性

陰性

陽性

現在HBVに感染している状態。感染期間が6か月以上の場合はHBVキャリア。6か月未満であれば急性HBV感染の可能性もあります。

陰性

陽性

陰性

HBVワクチン接種後、免疫獲得

陰性

陽性

陽性

過去にHBVに感染し、自然に回復・免疫を獲得した状態(既往感染)

陰性

陰性

陽性

過去にHBVに感染したが、HBs抗体が消失しているか低力価。潜在性HBV感染(隠れB型肝炎)の可能性も

陰性

陰性

陰性

HBVに感染したことがなく、免疫もない状態

 

(1)の③ 「輸血後検査」(スクリーニングとして認められる検査)

 ・ 「HBV核酸定量」と「HCVコア蛋白」

 

※ ウインドウ期感染初期で抗体や抗原が検出されない期間)が短い検査が認められている。

  下記の「ウインドウ期一覧」では、HCV(C型ウイルス)の「HCVコア蛋白」のウインドウ期は「HCV核酸定量」と同程度で、「約2週間」で最も早い。

 HBV(B型ウイルス)の「HBV核酸定量」のウインドウ期は、最も短いが「約34日」です。

 したがって、「輸血後検査」は、輸血後3か月後が推奨されている。(以前は「HBV核酸定量」のウインドウ期2か月を超えていた。)

 

※ 「輸血後検査」は、輸血による再活性化や感染(供給血がウインドウ期により検出されなかった場合)を早期に検査するので、ウインドウ期の短い検査が認められている。

  「輸血後検査」に比較して「輸血前検査」は、現状確認であるので、「遺伝子検査」等の高額な検査は必要なくウインドウ期が長いものになっている。

 したがって、「輸血前検査」では、「HBV」(B型肝炎ウイルス)の場合は、一番早い「HBs抗原定性・半定量」でもウインドウ期は、約50日〜97日で、その他のものは、それ以上の日数を要するものとなっている。

 

(1)の②「輸血前検査」(スクリーニングとして認められない検査)、④「輸血後検査」(スクリーニングとして認められない検査)

 

 ※ HIV関連検査は、(疑いがないスクリーニング検査)としては、原則、認めない。とされている。

 

・    原則、 認められない「輸血前検査」としては、HBV(B型肝炎ウイルス)の検査もHCV(C型肝炎ウイルス)の検査も「核酸定量検査」となっている。

 これは、「輸血前検査」であるので、「ウインドウ期が短い」高額な遺伝子検査は、必要ではないという判断です。

( ただし、日赤血液センターの献血血液は、厳格な検査が実施されており、患者の輸血前検査として認められないとする検査も献血血液に対しては、実施済みです。)

 

・     認められない「輸血後検査」としては、「HBV」(B型肝炎ウイルス)の検査だけで「ウインドウ期が長い」抗体検査となっている。(これは、輸血後ウイルス感染を早期に診断できれば、症状が出る前に治療が開始でき、その治療効果が期待できるためです。)

※ 「HCV」(C型肝炎ウイルス)の抗原検査は、「HCV核酸定量」も「HCVコア蛋白(抗原)」もウインドウ期が2週間以内に対して、「HBV」(B型肝炎ウイルス)の抗原検査は、HBV核酸定量でもウインドウ期が「約34日」であるので、「HCV」(C型肝炎ウイルス)の抗原検査は、認めない物はないが、「HBV」(B型肝炎ウイルス)の抗原検査は、ウインドウ期が長い「抗体検査」は、認めないとなっている。

 

<肝炎検査の主なウインドウ期>

ウインドウ期とは、ウイルスに感染してから各検査で陽性反応が出るまでの期間を指します。この期間は感染していても検査結果が陰性となる「偽陰性」の可能性があります。

検査項目

ウインドウ期(感染からの期間)

主な臨床的意義

D013「1, 3」HBs抗原定性・半定量/定量

約50日〜97日(平均約59日)

HBVの現在の感染状態を確認する指標です。陽性であれば、HBVに現在感染している状態を示します。

D013「2, 3」HBs抗体定性・半定量/定量

HBs抗原陰性化後、またはワクチン接種から数ヶ月後。感染後、HBs抗原が消失した後に陽転化する。

HBVに対する免疫の有無(過去の感染による自然治癒またはワクチン接種による獲得免疫)を示します。

D013「6」HBc抗体半定量・定量

HBs抗原が検出されるよりも遅れて陽性になる傾向 があるものの、感染早期より出現し長期間陽性を示す 。

過去または現在のHBV感染の既往を示します。HBs抗原が陰性であってもHBc抗体陽性の場合は、免疫抑制下でのHBV再活性化リスクを考慮する必要があります。

D013「5」HCV抗体定性・定量

約6〜12週。一般に感染後3ヶ月くらいで検出される。

HCV感染のスクリーニング検査です。陽性の場合、HCV感染歴があることを示しますが、現在ウイルスが存在するかはHCV-RNAまたはHCVコア蛋白の検査で確認が必要です。

D023「4」HBV核酸定量

HBs抗原よりも早く検出可能で、感染後約34日

 

HBVのウイルス量を測定し、HBV感染の有無や活動性を評価します。HBs抗原よりも早期に検出可能であり、ウインドウ期は短いです。

D023「9/15」HCV核酸検出 / HCV核酸定量

感染後1〜2週間。

HCVの遺伝子を直接検出し、最も感度が高く、感染早期から検出が可能です。現在の感染の有無、ウイルス量、治療効果の判定に用いられます。

D013「5」HCVコア蛋白(HCVコア抗原)

感染後約2週間で検出可能。

HCVのコア抗原を検出する検査で、HCV抗体よりも早期に感染を捉えることができます。HCV感染の有無やインターフェロン治療の経過観察、病態把握に用いられます。感度ではPCR法に劣る場合があり、陰性の場合にはHCV-RNA検査による確認が必要です。

 

(2) 輸血料の算定がない輸血前検査の算定について

  レセプト内容から輸血前又は輸血予定であることが判断できない場合は、「輸血前検査」又は「輸血予定」のコメントが必要というものです。

 

※ 遺伝子検査について

ウイルスの遺伝子(核酸)検査について

 

ウイルスの遺伝子(核酸)は、RNAウイルス(C型肝炎ウイルス (HCV)、HIV、新型コロナウイルスなど。)DNAウイルス(B型肝炎ウイルス (HBV) (エプスタイン・バールウイルス(EBV)は、伝染性単核球症の原因ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV))など。)に分かれ、遺伝子(核酸)ウイルス検出のため、NAT (核酸増幅検査)という核酸(遺伝子)を検出できるように増幅させる検査法で、コロナ禍で有名になった「PCR法」(Polymerase Chain Reaction=ポリメラーゼ連鎖反応)「等温核酸増幅法」(Isothermal Nucleic Acid Amplification)がある。

 

 当初は、「PCR法」だけだったが、装置が大型で、温度変化も必要な高額のものだったが、コロナ禍で検査委託会社も設備投資をして実施していたが、「等温核酸増幅法」という「NAT (核酸増幅検査)」法は、装置も、コンパクトで、温度変化の必要もないということで、拡大すると思ったが、「PCR法」で高額な投資をしていることで、減価償却するまでは、切り替えることもできないようで、「PCR法」から「等温核酸増幅法」への切り替えが進んでいないのが実情のようだ。

 

(遺伝子検査の具体例)

HCV-RNA 定性および定量検査とは、C型肝炎ウイルス (HCV)の遺伝子(核酸)は、RNAなので検査は

https://www.falco.co.jp/business/pdf/19-059.pdf

HCV-RNA 定量HCV核酸定量412点

HCV-RNA 定性HCV核酸検出330点 であり

 

B型肝炎ウイルス (HBV)の遺伝子(核酸)は、「DNA」なので検査は

HBV‐DNA定量HBV核酸定量256点  となる。

 

※ 「HCV抗体検査」は、入院前でも術前でも内視鏡前でも認められているが、新しく「HCV抗体・HCVコア蛋白同時検出定性」として認められた。点数は、HCV抗体と同じで、こちらで検査したほうが確実となるので、「HCV抗体検査」単独検査はなくなるのでは? 

  く令和 6年 10月 1日 より保険適用 >

https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2024/241001_16.pdf

 (10) HCV抗体・HCVコア蛋白同時検出定性は、ECLIA法により測定した場合に、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「5」HCV抗体定性・定量の所定点数を準用して算定する。【保険点数】102点

 

<参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)>

 

(1)【 検査 】 支払基金・国保統一事例《令和7年4月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_187.pdf

 

499 輸血前後(HBs抗原定性・半定量等)の算定について

○ 取扱い

① B型肝炎、C型肝炎等(疑い含む。)がない次の輸血前検査の算定は、原則として認められる。

⑴ D013「1」HBs抗原定性・半定量(29点)、「3」HBs抗原(88点) 

⑵ D013「6」HBc抗体半定量・定量(130点)

⑶ D013「5」HCV抗体定性・定量(102点)

② B型肝炎、C型肝炎、HIV感染症等、HTLVー1感染症(疑い含む。)がない次の輸血前検査の算定は、原則として認められない。

⑴ D023「4」HBV核酸定量(256点) 

⑵    D023「15」HCV核酸定量(412点)

⑶    D023「18」HIV-1核酸定量(520点) 

⑷ D012「58」HIV-2抗体(ウエスタンブロット法)(380点)

⑸ D012「13」HTLV-Ⅰ抗体定性(85点)、「31」HTLV-Ⅰ抗体(159点)

③     B型肝炎、C型肝炎等(疑い含む。)がない次の輸血後検査の算定は、原則として認められる。

⑴ D023「4」HBV核酸定量(256点)

⑵ D013「5」HCVコア蛋白(102点)

④ B型肝炎、HIV感染症等、HTLVー1感染症(疑い含む。)がない次の輸血後検査の算定は、原則として認められない。

⑴ D013「2」HBs抗体定性、HBs抗体半定量(32点)、「3」HBs抗体(88点)

⑵ D013「6」HBc抗体半定量・定量(130点)

⑶ D023「18」HIV-1核酸定量(520点)

⑷ D012「58」HIV-2抗体(ウエスタンブロット法)(380点)

⑸ D012「13」HTLV-Ⅰ抗体定性(85点)、「31」HTLV-Ⅰ抗体(159点)

○ 取扱いを作成した根拠等

 輸血に伴うB型及びC型肝炎ウイルス感染、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、及びヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型に係る検査については、「輸血療法の実施に関する指針(厚生労働省医薬・生活衛生局血液対策課)」に感染リスクを考慮し実施することを含めて記載されている。

B型及びC型肝炎ウイルス感染が疑われる場合は、関係学会のガイドライン等を参考として、肝炎ウイルス関連マーカーの検査等を行うとされており、輸血前後に基本的な検査を実施したうえで、必要に応じて精密検査を実施するとされているが、一般的には従来どおり、輸血前にはスクリーニング的検査を、輸血後には精密検査を実施するのが通例である。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染は、「供血者がウインドウ期にあることによる感染も含めて極めてまれ」で、「感染が疑われる場合等には、輸血後2~3ヶ月以降に抗体検査等を行う」旨記載されている。

 また、ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型は、「輸血によるヒトTリンパ球向性ウイルスⅠ型(HTLV―1)などの感染の有無や免疫抗体産生の有無などについても、問診や必要に応じた検査により追跡することが望ましい。」旨記載されており、上記記載内容より、輸血前後のHIV関連検査並びにHTLV関連検査の有用性は低いと考えられる。

以上のことから、B型肝炎、C型肝炎等(疑い含む。)がない上記①及び③の検査の算定は原則として認められ、B型肝炎、C型肝炎、HIV感染症等、HTLVー1感染症(疑い含む。)がない上記②及び④の検査の算定は、原則として認められないと判断した。

ただし、関連学会が発出した文書※において「輸血された患者全例に実施すべき検査ではない」と示されていることに留意する。

※ 日本輸血・細胞治療学会「輸血後感染症検査実施症例の選択について」

 

(2)【 検査 】支払基金・国保統一事例《令和7年3月31日》  https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_186.pdf

 

483 輸血料の算定がない輸血前検査の算定について

○ 取扱い

① 輸血前又は輸血予定の記載がある場合の輸血前検査の算定は、原則として認められる。

② 輸血前又は輸血予定の記載がない場合の輸血前検査の算定は、原則として認められない。

○ 取扱いを作成した根拠等

輸血の実施に当たっては、肝炎ウイルス等の感染リスクを考慮して関連検査を実施する必要がある。したがって、輸血料の算定がない場合における輸血前検査は、輸血前又は輸血予定の記載がある場合は原則として認められるが、これらの記載がなくレセプト内容からも輸血前又は輸血予定であることが判断できない場合はその必要性は認められない。

以上のことから、上記①の輸血前又は輸血予定の記載がある場合は原則として認められ、②の記載がない場合は原則として認められないと判断した。

 

輸血時の「間接クームス法による血液交叉試験」の出版社の誤りと「検査の流れ」

 

IG社編集部 ご担当者様

 

「間接クームス法による血液交叉試験」について

 

IG社の「診療報酬Q&A」では、長きに亘り下記の解釈をしています。

「輸血」の項目で

 

「 交叉試験あたって(不規則抗体についての抗原抗体反応の出現の有無の検出に)」間接クームス法を用いた場合は、「間接クームス検査」の所定点数により算定する。その他の検査法については、「交叉試験」の所定点数による。」

 

というもので、2005年(21年前)のものなので、今は訂正しているだろうと思ったら

検査・画像診断事典(2024−25年版)の「交叉試験」の記述については、ほぼ同じ趣旨の記述
 『 交叉試験にあたって間接クームス法を用いた場合は,“間接クームス法”の所定点数により算定し,その他の検          査法による交叉試験については“血液交叉試験”の所定点数により算定する。』

 

  つまり、「間接クームス法による血液交叉試験」は、「間接クームス法加算」の「47点」で算定する。

 その他の検査法(血清法・生食法、高蛋白法・ブロメリン法)は、「血液交叉試験」の「30点」で算定する。

 

 というものです。

 

しかし、「間接クームス法による血液交叉試験」は、「間接クームス検査加算と血液交叉試験加算」が算定できます。

( 多くの病院で、このように算定しています。;ただ時々上記の解釈が出てきて調べてみるとIG社も元凶の1つでしょう。

 ただ、「点数表の編集本」は、50年近くお世話になっていて、近年は、事務連絡も充実して社会保険研究所の点数表の売り上げが問題にならないほどでしょう。感謝していますので、長年の誤りを訂正したいと思います。

 

交叉試験が別に血液交叉試験加算として加算できるのは、輸血時の「間接クームス法による血液交叉試験」は間接クームス検査での検体である赤血球は、供給血(保存血)の赤血球を取り出し洗浄して患者の血清と混合するという交叉作業と反応全体を確認するものですので「血液交叉試験加算」として評価されています。

「間接クームス法による血液交叉試験」は「間接クームス検査加算と血液交叉試験加算」が算定できるのである。

 

 輸血の前に患者の赤血球と供給血の血清を混合し間接クームス法で不規則抗体の出現の有無を調べるもので、推奨されている検査法が間接クームス法(抗ヒトグロブリン血清(クームス試薬))です。

 

 ここでは、「患者の赤血球」「供給血の血清」を混合し遠心分離で凝集を確認する「血液交叉試験」と臨床で意義のある不規則抗体の検出を容易とするために不規則抗体(抗原抗体反応)の凝集状態が目視できるようにした検査法が「間接クームス法」です。

 したがって、手技料としては、「血液交叉試験加算」30点「間接クームス検査加算」47点の算定となる。

 「点数表のそれぞれ加算する。」とは、「それぞれ算定できるという意味でもある。」

 

※    患者の血清にある抗体が供給血の赤血球と結合(抗体抗原反応:不規則抗体)していれば、「クームス試薬」が反応して凝集が起こり遠心分離で判定時に凝集が目視で確認できる。

 

 以上が、出版社に対するメールです。

 

 輸血時に必要な検査の輸血直前の「交叉試験」です。輸血のこの部分の注を見ると「注5の血液型検査」、「注6の不規則抗体検査」、「注8の間接クームス法による交叉試験」(「コンピュータクロスマッチ」は大学病院クラスの設備なので今回は触れません。)

 

 輸血の検査の目的と流れが分からないために「頓珍漢な回答」が出ている「医事関連のSNSのサイト」でのQ&Aを検査の目的と流れを説明しながら見てみます。

 

 輸血時の不規則抗体検査加算と間接クームス検査加算の併算定の間接クームス検査加算の査定についての質問です。

 

 まず、この検査の目的と流れを

1.    輸血が予定される前には、当然「ABO血液型、Rh(D)血液型24点」をします。この点数は、輸血時は血液型検査(ABO式及びRh式)54点として加算点となります。(輸血時は、最低でも2度検査します。)

 

2.   「不規則抗体検査加算」と「間接クームス検査加算」について

「不規則抗体検査加算」は、「日本赤十字社血液センター」に保存血(供給血)を依頼するために「患者さん血漿(又は血清)に不規則抗体の有無」の確認のため実施するスクリーニング検査です。

「不規則抗体検査」は、「保存血(供給血)」を依頼するための「抗体の検査」ですので、検体は患者さんの血清と検査法は、間接クームス法となります。保存血依頼前なので試薬である「スクリーニング赤血球(抗体検出用赤血球パターンセット)」を使い「抗原抗体反応」(不規則抗体)の有無を検査します。

( 臨床的に意義のある不規則抗体を検査します。意義のある不規則抗体があった場合は同定(特定)し、抗原を特定し、その抗原をない保存血を依頼します。この時の試薬はパネル赤血球(抗体同定用赤血球パターンセット)で別の試薬を使用します。):不規則抗体の中には、低温(25度以下で検出される不規則抗体)で検出(反応)されるものもあるがこれは、体温(約37℃)の体内では赤血球とほとんど反応しないため「臨床的に意義のある不規則抗体」とは言わない。

 「体温と同じ37度で検出(反応)される不規則抗体」が「臨床的に意義のある不規則抗体」であり、輸血で重大な副作用を起こす不規則抗体(「輸血された赤血球を体内で破壊して溶血性輸血副作用(HTR)を引き起こす可能性のある抗体反応をする抗体」)ですので、副作用を起こす可能性がない低温で検出(反応)される不規則抗体は問題ないので「臨床的に意義のある不規則抗体」と言わない。結果、「臨床的に意義のある不規則抗体」とは、間接クームス法で検出される不規則抗体及び生食法であっても、37度で反応する不規則抗体の一部(間接クームス法で検出される)である。と言える。

● 検査の「D011 不規則抗体又は輸血の加算の「不規則抗体検査加算」の検査目的は、「輸血のために日本赤十字社血液センターに血液をオーダーするために必要な検査」である。

 したがって、点数表では、輸血の加算の「不規則抗体検査加算」と検査項目での「不規則抗体」は、輸血歴又は妊娠歴のある患者(「不規則抗体保有者」である確率が高い)で輸血が必要となる可能性が高い手術時当日の算定しか認められていません。

(最後に(医科点数表より)あり。)

※ 血液は、血球(赤血球、白血球、血小板等)を除く液体部分の血漿(主にタンパク質(アルブミン、免疫グロブリン(抗体)、血液凝固因子など)、ブドウ糖等を含む)と血清(血漿から血液凝固因子を除いたもの)です。

  輸血時の、不規則抗体検査の検体は、抗体が存在する血清又は血漿となります。

 

 3. 「間接クームス法による血液交叉試験」

 保存血(供給血)が来てから行う検査であり、医療機関での「不規則抗体スクリーニング検査」で抗原抗体反応(不規則抗体)があった場合は、該当抗原がない供給血を依頼します。

 依頼した供給血の赤血球で患者の血清を混合し抗原抗体反応(不規則抗体)の有無のために交叉試験を行います。

 

 血液交叉試験自体は、供給血の赤血球と患者の血清を検体として抗原抗体反応(不規則抗体)の有無を検査しますが、交叉試験は供給血の赤血球と患者の血清を混合するという交叉作業と反応全体を確認するものですので「血液交叉試験加算」として評価されています。

 

「臨床的に意義のある不規則抗体」を検出することで推奨されている検査法が間接クームス法を用いるものです。

 検査の精度を上げるため赤血球の洗浄(血漿成分(タンパク質など)を生理食塩液で洗い流して取り除いた赤血球にする。)してから、患者の血清と混合して凝集すれば抗原抗体反応(不規則抗体)が起きたことになりますが、そのままでは、直ちに凝集は起きません。

 

 抗原抗体反応(不規則抗体)によって起こる凝集が目視で確認できる程度にするために抗ヒトグロブリン抗体(クームス血清)を添加し、赤血球上の抗体を凝集させることで、抗体の存在を検出します。この凝集法が「間接クームス検査加算」として評価されるものです。

 

 この輸血時の検査は、交叉試験の主試験と呼ばれるもので、日本赤十字社血液センターの供給血を使う場合、血液型検査が適切に行われていること等の条件を満たしている場合は副試験(主試験とは逆に供給血の血清と患者の赤血球が検体となる:供給血の血清は日赤血液センターで厳重な検査済みであるということ)は省略されます。

 

上記を踏まえて下記のQ&Aを見てください。(赤字で解説いたします。)

 

<SNSでの医事課コミュニティQ&A>

不規則抗体検査加算と間接クームス検査加算の併算定について解決済回答2

Nさん  医療事務(医事以外)投稿日:2021/12/04

https://shirobon.net/qabbs_detail.php?bbs_id=25208

 

 輸血部に確認すると、不規則抗体検査と間接クームス検査をそれぞれ行っているとのことで、算定要件上は併算定不可のルールはないため、これまでそれぞれの加算を併算定してきました。

 

 しかしあるときから、支払基金からのみ、併算定していると医学的判断として間接クームス検査加算が査定されるようになりました。そこで詳記を記載して出すようにしましたが、それでも査定され続けております。

国保連合会からはそのような査定はこれまで来ておりません。

 

やはり併算定はすべきではないのでしょうか。

 

 今度から併算定しないようにすべきかと考えていますが、国保では査定されていない現状があるため、みすみす院内査定するのもどうかと思っています。国保では算定し、社保では算定しない、というやり方も腑に落ちません。

よろしくお願いいたします。

※    輸血時の「不規則抗体検査」は、日赤血液センターへ「保存血(供給血)」依頼時に行うスクリーニング検査です。(患者の血清で、スクリーニング赤血球(抗体検出用赤血球パターンセット)を試薬として、抗原抗体反応(不規則抗体)の有無を調べます。「臨床的に意義のある不規則抗体」があれば、当該抗原のない赤血球の保存血をオーダーします。)

 「間接クームス検査」については、依頼して医療機関に着いた「保存血(供給血)」の赤血球と患者の血液(血清)の交叉試験で(不規則抗体がある場合)の凝集(抗原抗体反応)を目視できるようにする検査法です。

 ともに必要な検査ですが、査定内容状況が分からないので、何とも言えない。

 

医科診療報酬 手術 回答ベストアンサー

回答者: Hさん  医療事務(医事以外)投稿日:2021/12/04 11:33

 

 不規則抗体検査を実施していれば、不規則抗体の有無をみる間接クームス検査は必要ありません。

 

 おそらく同時に実施されたと思いますが、間接クームス検査で不規則抗体が陽性となり、不規則抗体検査で同定したのでしたら、その経過をコメントしましょう。

 おそらく院内でセットで検査されていると思うので、医療機関としてどうするか検討したほうがいいかも知れません。

※    「不規則抗体検査」も「間接クームス検査」は、共に「不規則抗体」の検出検査ですが、上記の説明にもある通り、一方は、日赤血液センターに保存血(供給血)を依頼時に行う、スクリーニング検査で、「間接クームス検査加算」は、依頼した保存血(供給血)が着いてから、輸血前にその保存血(供給血)の赤血球と患者の血清を検体とした「不規則抗体」の検出検査ですから、それぞれ必要不可欠の検査です。

回答は、患者の血清だけを検体としている、不規則抗体スクリーニング検査である、「不規則抗体検査」と保存血が到着してから交叉試験で保存血(供給血)の赤血球と患者の血清を検体とした「不規則抗体」の検検査を間接クームス法でしていることが分かっていない。

 

Hさん N さんからのコメント

 この質問をする前にこれらの検査の目的や方法を調べてみましたが、いまいちよく理解できなかったのですが、そういうことだったのですね。

 たしかにセットで検査しており、間接クームス検査で陽性になったから不規則抗体検査を行った、という流れではないようですので、算定しない方向で進めようと思います。

 以前輸血部に相談したときには、医療安全上どちらも行う、というような話をされた記憶があるので、そもそも検査をしないことにするかどうかは、別途検討したいと思います。

ありがとうございました。

※  「検査目的」も「検体が何であるか」も理解していませんので、回答に納得してしまいます。

 

回答者: Zさん 医療事務(医事)投稿日:2021/12/04 23:44

 ご質問文にあります医学的判断につき詳細を社保に確認されてはいかがでしょうか(すでにご確認されているのであれば申し訳ないです。)。

 その医学的判断を覆すことができる医学的根拠がなければ、今後も認められることは難しいと思いますので社保のみ算定をしない等の院内ルールを決められたらいかがでしょうか。

査定されることがわかっているのに提出し続けるのは、事務処理につき改善されてないとみなされるかと思いますので。

 

※    はぼ、検査内容には触れません。(内容が分かっていません。)

 

Zさん N さんからのコメント

ありがとうございます。

 社保に聞いたことがあるのですが、「審査委員会の判断です」としか説明されなかった経緯があります。もっと突っ込んで聞いてみてもよかったかもしれません。

 事務処理が改善されていないと見なされて心象が悪くなるのは避けたいところです。

社保国保どちらも算定しない方向で進めようと思います。

 

※    輸血でこの検査を実施しないということは検査技師さんが言うように「医療安全上どちらも行う」ということですが、上記の「検査目的」と「検査の流れ」が分かっていれば、当然のことですが、検査技師でも、かみ砕いて説明できないので、このようになります。

 

 

<その他輸血に関連する検査>

D011 免疫血液学的検査

 「1 ABO血液型、Rh(D)血液型               24点」

 「2 Coombs試験

    イ 直接                                   34点

    ロ 間接                                   47点」

 「4 不規則抗体                                 159点」

(通知)

『(2) 「4」の不規則抗体は、輸血歴又は妊娠歴のある患者に対し、第2章第10部手術第7款の各区分に掲げる胸部手術、同部第8款の各区分に掲げる心・脈管手術、同部第9款の各区分に掲げる腹部手術又は「K877」子宮全摘術、「K879」子宮悪性腫瘍手術、「K889」子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)、「K898」帝王切開術若しくは「K912」異所性妊娠手術が行われた場合に、手術の当日に算定する。

また、手術に際して輸血が行われた場合は、本検査又は「K920」輸血の「注6」に定める不規則抗体検査加算のいずれかを算定する。 この場合、診療報酬明細書の摘要欄に輸血歴がある患者又は妊娠歴がある患者のいずれに該当するかを記載する。』

 

<輸血の注にある検査>

 『注5 輸血に伴って行った患者の血液型検査(ABO式及びRh式)の費用として54点を所定点数に加算する。』

 『注6 不規則抗体検査の費用として検査回数にかかわらず1月につき197点を所定点数に加算する。ただし、頻回に輸血を行う場合にあっては、1週間に1回に限り、197点を所定点数に加算する。』

 『注8 輸血に伴って、血液交叉試験、間接クームス検査又はコンピュータクロスマッチを行った場合は、血液交叉試験加算間接クームス検査加算又はコンピュータクロスマッチ加算として、1回につき30点47点又は30点をそれぞれ加算する。ただし、コンピュータクロスマッチを行った場合は、血液交叉試験加算及び間接クームス検査加算は算定できない。』

「EDチューブ挿入術」も「透視診断料」、「画像診断の費用」は算定可では』のその後 

 「EDチューブ挿入術」も「透視診断料」、「画像診断の費用」は算定可では 2014-11-05 22:10:31

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479816.html?frm=theme

 

平成26年11月5日事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その11)」で 

【透視診断・経管栄養カテーテル交換法】(平成30年:J043-4 経管栄養・薬剤投与用カテーテル交換法に名称変更)
(問1)「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(平成26年3月5日保医発0305第3  号)」のJ043-4には、経管栄養カテーテル交換法の際に行われる画像診断及び内視鏡等の費用は、当該点数の算定日に限り1回に限り算定するとされているが、E000 透視診断には、他の処置の補助手段として行う透視については算定できないとされている。
胃瘻カテーテル交換の際に併せて行った「透視診断」の費用は別に算定できるか。

(答)当該点数の算定日に限り、1回に限り算定できる。

 

とあります。

本来、従来の算定条件より算定できないはずの「透視診断」の費用が別に算定できるとなりました。

「J034-2 EDチューブ挿入術 180点」では、その通知では「X線透視下にEDチューブを挿入」とあります。また、確認のため、画像診断も実施される場合が多いものですが、事務連絡では下記のように算定不可となっています。

EDチューブ挿入術 180点より確認のための画像診断がより高い点数の場合もあり、EDチューブ挿入術は算定せず、画像診断を算定する医療機関もあるようです。

「経管栄養カテーテル交換法」に関する通知・事務連絡から見ると「EDチューブ挿入術」も「透視診断料」、「画像診断の費用」は算定可とすべきものではないでしょうか。

 ここまでが、前回(2014年11月)ブログのですが、下記の平成26年の事務連絡の解説を追加します。

  この事務連絡では、上記の「経管栄養カテーテル交換法」の事務連絡では、「経管栄養カテーテル交換法」は、画像診断及び内視鏡等の費用は算定でき、更に、本来、算定できない「処置に伴う透視診断の費用」も算定日に限り、1回に限り算定できる。

という、ルール無視の事務連絡です。

 

 その後、名称が平成30年の改定で「J034-2 EDチューブ挿入術 180点」から「J034-2 経鼻栄養・薬剤投与用チューブ挿入術 180点」へ変更になりました。(経腸栄養であることは変わりませんが、分かりにくくなりました。)

 更に、令和2年改定にて、現在の通知(5)に(なお、この場合の画像診断及び内視鏡等の費用は、当該点数の算定日に限り算定する。)が追加となり、「レボドパ・カルビドパ水和物製剤を投与する目的の場合には、画像診断及び内視鏡等の費用」が算定可能となりました。

 

また、令和4年10月28日適用から通知(3)新設され、在宅では下記のように内視鏡も算定可能となったと勘違いしましたが、令和4年(令和4年10月28日新たに保険適用された医療機器(令和4年10月28日適用)1.一時的使用胃食道用滅菌済みチューブ及びカテーテル【販売名】タムガイドファイバー)https://www.saitama.med.or.jp/hoken/2022/51.pdf

が、承認されて、この規定が令和4年10月28日適用となったようです。当初、ファイバーとあったので、内視鏡が認められたと思いましたが、チューブの先に光源をつけて外から確認できるものということです。

 したがって、この代金だけ費用がかかり定価ですと1個3,000円程度らしいので、持ち出しとなります。

 

 以上のように、通知の(5)だけで、制限はありますが、画像診断及び内視鏡等の費用が算定可能となりました。令和4年10月28日医療機器の承認で通知の(3)・(4)がそれぞれ、(4)・(5)となり、現在の配列となっています。

 

「(3) 経胃の栄養摂取が必要な患者に対して在宅などX線装置が活用できない環境下において、経鼻栄養・薬剤投与用チューブの挿入に際して、ファイバー光源の活用によりチューブの先端が胃内にあることを確認する場合にも算定できる。なお、医学的必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。」

 

疑義解釈資料の送付について(その3)事務連絡平成26年4月10日
【EDチューブ挿入術】(平成30年:J034-2 経鼻栄養・薬剤投与用チューブ挿入術 に名称変更)
(問31) 留意事項通知の(2)において、X線透視下で挿入するとされているが、この際、以下の費用は算定できる  か。
①  透視診断料(使用した薬剤含む)の費用
②  画像診断の費用
 留意事項通知の(1)における「経口又は経胃の栄養摂取では十分な効果が得られない患者」に該当すれば、病名に関係なく算定は可能か。
(答) (1)①、②の評価は所定点数に含まれる。
(2) 可能。 

 

<令和6年通知>

(1) EDチューブを用いて経管栄養を行うためにEDチューブを挿入した場合は、胃食道逆流症や全身状態の悪化等により、経口又は経胃の栄養摂取では十分な効果が得られない患者に対して実施した場合に限り算定する。

(2) 経鼻栄養・薬剤投与用チューブ挿入術は、X線透視下に経鼻栄養・薬剤投与用チューブを挿入し、食道から胃を通過させ、先端が十二指腸あるいは空腸内に存在することを確認した場合に算定する。

(3) 経胃の栄養摂取が必要な患者に対して在宅などX線装置が活用できない環境下において、経鼻栄養・薬剤投与用チューブの挿入に際して、ファイバー光源の活用によりチューブの先端が胃内にあることを確認する場合にも算定できる。なお、医学的必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(4) EDチューブを用いて経管栄養を行う場合には、「J120」鼻腔栄養(1日につき)の所定点数により算定する。

(5) 経鼻薬剤投与を行う場合は、レボドパ・カルビドパ水和物製剤を投与する目的の場合に限り算定する。なお、この場合の画像診断及び内視鏡等の費用は、当該点数の算定日に限り算定する。

「関節リウマチ疑い」で認められる検査・認められない検査、「関節リウマチ」診断後認められる検査

後半に資料:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」等

 

1.「関節リウマチの疑い」で認められる検査

下記資料(支払基金における審査の一般的な取扱い(医科))あり。

 

● (1)の「免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)」は、「関節リウマチ」で増加する特に、免疫グロブリンのIgG及びIgAの増加がみられることが多いとの理由で原則認められる。

 

※(医科点数表資料)

D015 血漿蛋白免疫学的検査

 「4 免疫グロブリン」 38点

(通知:(1) 「4」の免疫グロブリンは,IgG,IgA,IgM及びIgDを測定した場合に,それぞれ所定点数を算定する。)

(編注: 免疫グロブリンは,「ガンマグロブリン」とも呼ばれ、体を細菌やウイルスといった異物から守る特殊なタンパク質でできた「抗体」のことです。)

 

● (2)の「抗核抗体」は、膠原病の診断等に広く用いられる検査であり、関節リウマチも膠原病の一種であるとの理由で原則認められる。

 

※ (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

「5 抗核抗体(蛍光抗体法)定性,抗核抗体(蛍光抗体法)半 定量,抗核抗体(蛍光抗体法)定量」 99点

「7 抗核抗体(蛍光抗体法を除く。)」 110点

 

● (3)の「リウマトイド因子(RF)定量」は、「膠原病の疑い」となっているが、膠原病の代表疾患である関節リウマチ(RA)の診断に欠かせない検査であり、リウマトイド因子(RF)定量は抗核抗体とともに、膠原病の自己抗体の存在を検討する上で基本的な検査である。とのことで認められる。
 

※    (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

「2 リウマトイド因子(RF)定量」 30点

 

● (4)の「抗核抗体定性等」も「(3)」と同じく、「膠原病の疑い」となっているが、膠原病の代表疾患である関節リウマチ(RA)の診断に欠かせない検査とのことで、認められる。

 

※ (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

「5 抗核抗体(蛍光抗体法)定性,抗核抗体(蛍光抗体法)半定量,抗核抗体(蛍光抗体法)定量」 99点

 

● (5)の「抗CCP抗体」は、「リウマトイド因子(RF)定量」を実施していなくとも「抗CCP抗体」を選択することはあり得るとのことで認められる。

 

※ (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

24 抗シトルリン化ペプチド抗体定性、抗シトルリン化ペプチド抗体定量(抗CCP抗体) 193点

 

● (6)の「IgG型リウマトイド因子」は、リウマトイド因子(RF)定量よりも関節リウマチの活動性に関連すると言われているとの理由で原則認められる。(全身性エリテマトーデス(疑い含む。)では、認められない。)

 

※    (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

「26 IgG型リウマトイド因子」 198点

「2 リウマトイド因子(RF)定量」 30点

 

2.「関節リウマチの疑い」で認められない検査

 

● (7)の「マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP‐3)」は、「関節リウマチ」の特異度は低いため、診断の有用性は低いため、「関節リウマチの疑い」では認められない。ただ、骨破壊と相関するとされるため、「関節リウマチ」の診断確定後の検査として有用である。

 

※    (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

 「9 マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)」 116点

 

● (8)の「抗Sm抗体」抗Sm抗体定性、抗Sm体半定量又は抗Sm抗体定量は、全身性エリテマトーデスに特異的な抗体であり、その診断基準となるが、「関節リウマチ疑い」では原則認めない。

 

※    (医科点数表資料)

D014 自己抗体検査

 「14 抗Sm抗体定性、抗Sm抗体半定量、抗Sm抗体定量」147点

 

3.「関節リウマチ」の診断確定後は認められる検査

 

● (9)の「リウマトイド因子(RF)定量」は、疾患活動性を評価する指標であるが、変化は緩徐であるので月1回は認められるが、1回を超える算定は過剰となる。

 

● (10)の「リウマトイド因子(RF)定量」も「(9)」と同じ理由で、連月の算定は認められず、必要な場合は理由の記載が必要。

 

● (11)の「MMP-3とRF定量の併算定」は、原則として認められる。

「MMP-3」は、関節の内側にある滑膜という部分の炎症(滑膜炎)を反映しており、関節の破壊に関連するものであり、「RF定量」は、活動性評価の指標となるとのことで、併算定は、原則認められる。

 

※    (医科点数表資料):関連通知

『 D014 自己抗体検査 

(1) 「2」のリウマトイド因子(RF)定量,「8」の抗ガラクトース欠損IgG抗体定性、同定量,「9」のマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3),「15」のC1q結合免疫複合体,「25」のモノクローナルRF結合免疫複合体及び「26」のIgG型リウマトイド因子のうち3項目以上を併せて実施した場合には,主たるもの2つに限り算定する。

(2) 「8」の抗ガラクトース欠損IgG抗体定性、同定量は,ECLIA法又はレクチン酵素免疫測定法による。なお,「2」のリウマトイド因子(RF)定量を併せて実施した場合は,主たるもののみ算定する。』

 

● (12)の「マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)は、滑膜炎の活動性指標となるが上記、リウマトイド因子(RF)定量と同じく変化は緩徐であるので月1回は認められるが、1回を超える算定は過剰となる。

 

● (13)の「MMP-3」も「(12)」と同じ理由で、連月の算定は認められず、必要な場合は理由の記載が必要。

 

● (14)の「血清補体価(CH50)」については、補体として抗体の作用を補う作用を行うため、一般的に免疫疾患では、補体が消費され補体蛋白(C3、C4等)・補体活性(CH50)共に低下する。

関節リウマチでは、高値を示す傾向にあるが、血管炎を伴う悪性関節リウマチでは逆に低下し、両者の病態把握の指標の一つでもある。とのことで、これらの検査は、原則認められ、「悪性関節リウマチ」に対しては、これらの検査の併算定も原則認められる。

 

※ (医科点数表資料):関連通知

D015 血 漿蛋白免疫学的検査

  「4 血清補体価(CH50)」 38点

  「8 C3、C4」      70点

 

4.「若年性特発性関節炎(旧称:若年性関節リウマチ)」で認められる検査

 

● (15)の「若年性特発性関節炎のリウマトイド因子(RF)定量」算定は、若年性特発性関節炎は、自己免疫現象を基盤とした疾患であるので、RF定量は、診断と経過観察に必要で原則認められる。

 

● (16)の「若年性特発性関節炎のMMP-3の算定」は、「(15)」と同じ理由で経過観察時の有用であり、原則認められる。

 

● (17)の「フェリチン半定量」の算定は、マクロファージによる作用により、フェリチンが血中に放出されるため「フェリチン半定量」の算定は、診断及び経過観察時に原則認められる。

 

※ (医科点数表資料):関連通知

D007 血液化学検査

「25 フェリチン半定量、フェリチン定量」 102点

 (編注)

 「 マクロファージは体を守る「実働部隊」で、体内の異物(細菌、ウイルス、死んだ細胞など)を直接「食べる」ことで排除する「貪食作用」で感染の初期段階から体を守る。抗体は異物と結合することで「無力化し、排除を助ける戦略家」という役割分担をしています。

 

5.「関節リウマチ」に対する画像診断等

 

● (18)の「E202磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(四肢)」の算定は、関節リウマチ(初診時・経過観察時)に対す、関節、軟部組織、骨内部の評価に有用であり、滑膜炎の描出やⅩ線写真で認識できない骨変化の評価などが可能である。

 以上のことから、関節リウマチ(初診時・経過観察時)に対するE202磁気共鳴コンピューター断層撮影MRI撮影)(四肢)の算定は、原則として認められる。

 

● (19)の「超音波検査(断層撮影法)」は、「関節リウマチ」の骨破壊の原因である滑膜炎の存在と、リウマチの特徴的な骨破壊像である骨びらんを描出することができるため診断及び経過観察を目的とした「超音波検査(断層撮影法)(その他)」が有用である。(経過観察としての算定間隔は症例による。)

 

● (20)の「超音波検査(断層撮影法)の回数」は、原則として、関節リウマチに対する超音波検査(断層撮影法)は、急性期及び症状の変化(急性増悪)時を除き、通常は緩徐のため3か月に1回まで算定が認められる。

 

(資料)

≪支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)等≫

 

(1) 【 検査 】 支払基金・国保統一事例《令和6年7月31日》 

258 免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)の算定について 

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_84.pdf

【国保】《令和6年12月5日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-343.pdf

 

○ 取扱い

関節リウマチ疑い及び関節リウマチの経過観察に対するD015「4」免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)の算定は、原則として認められる。 また、算定間隔は、原則として3か月に1回とする。

○ 取扱いを作成した根拠等

 免疫グロブリンは、抗体活性を持つ血清蛋白であり、IgG、IgA、IgMは感染防御の生理的活性を持つ。関節リウマチにおいては免疫グロブリンが増加し、特にIgG及びIgAの増加がみられることが多い。

 以上のことから、関節リウマチの疑い及び関節リウマチの経過観察におけるD015「4」免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)の算定は、原則として認められると判断した。

なお、認められる算定間隔は、原則として3か月に1回が一般的とされている。

 

(2) 【 検査 】 支払基金統一事例 支払基金・国保統一事例 《令和6年6月28日》

212 関節リウマチの疑い又は診断時に対する抗核抗体(蛍光抗体法)定性等の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_67.pdf

 

○ 取扱い

 次の場合の関節リウマチに対するD014「5」抗核抗体(蛍光抗体法)定性、抗核抗体(蛍光抗体法)半定量、抗核抗体(蛍光抗体法)定量又は「7」抗核抗体(蛍光抗体法を除く。)の算定は、原則として認められる。

 ⑴ 疑い ⑵ 診断時

○ 取扱いを作成した根拠等

 抗核抗体(蛍光抗体法)定性、抗核抗体(蛍光抗体法)半定量、抗核抗体(蛍光抗体法)定量又は抗核抗体(蛍光抗体法を除く。)は、膠原病の診断等に広く用いられる検査であり、関節リウマチも膠原病の一種である。 また、関節リウマチの診断においては、さまざまな疾患の除外診断を行う必要がある。

以上のことから関節リウマチの疑い、又は診断時におけるこれらの検査の算定は、原則として認められると判断した。

 

(3) 【社保】審査情報提供 最終更新日:2016年9月14日 《平成19年3月16日新規》 《平成20年7月31日更新》 《平成24年9月24日更新》 《平成26年9月22日更新》 

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/ika/kensa/jirei39.html

【国保】 審査情報提供《令和3年9月7日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-93.pdf

 

39 リウマトイド因子(RF)定量(膠原病の疑い)

取扱い

 原則として、初診時に「膠原病の疑い」の病名に対する、リウマトイド因子(RF)定量は認められる。

取扱いを定めた理由

 リウマトイド因子(RF)定量などのリウマトイド因子の測定は、膠原病の代表疾患である関節リウマチ(RA)の診断に欠かせない検査であり、リウマトイド因子(RF)定量は抗核抗体とともに、膠原病の特徴である自己抗体の存在を検討する上で基本的な検査である。
 したがって、リウマトイド因子(RF)定量は膠原病の診断を進める際に用いる検査として有用である。

 

(4) 【 検査 】支払基金・国保統一事例  《令和6年6月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_68.pdf

213 膠原病の疑いに対する抗核抗体定性等の算定について

○ 取扱い

 膠原病の疑いに対するD014「5」抗核抗体(蛍光抗体法)定性・半定量・ 定量の算定は、原則として認められる。

○ 取扱いを作成した根拠等

 膠原病には自己抗体としての抗核抗体群が存在する疾患が多く、抗核抗体 (蛍光抗体法)は多数の抗核抗体群のいずれかの存在を明らかにする目的のスクリーニング検査である。陽性の場合は染色パターンにより対応抗体をある程度推測することが可能で、疾患標識自己抗体検査の選択指標となり得る。

 以上のことから、膠原病の疑いに対するD014「5」抗核抗体(蛍光抗体法) 定性・半定量・定量の算定は、原則として認められると判断した。

 

(5) 【国保】 審査情報提供《令和4年9月26日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-121.pdf

 

D-121 抗CCP抗体(関節リウマチ疑いに対して、リウマトイド因子(RF)の算定がない場合)  

○ 取扱い

 原則として、関節リウマチ疑いに対して、リウマトイド因子(RF)の算定がない場合でも、抗CCP抗体の算定は認められる。

○ 取扱いの根拠

 臨床症状、炎症反応などから、関節リウマチが強く疑われる場合、RFを実施せず、抗CCP抗体を選択することはあり得ると考える。

 

(6) 【 検査 】 支払基金統一事例 支払基金・国保統一事例《令和6年6月28日》  

215 IgG型リウマトイド因子の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_70.pdf

【国保】審査情報提供 《令和6年6月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-238.pdf

○ 取扱い

1 関節リウマチ(疑い含む。)に対するD014「26」IgG型リウマトイド 因子の算定は、原則として認められる。

2 全身性エリテマトーデス(疑い含む。)に対するD014「26」IgG型リウマトイド因子の算定は、原則として認められない。

○ 取扱いの根拠

 D014「26」IgG型リウマトイド因子は、血清中のIgG型リウマトイド因子を測定するものであり、通常用いられるD014「2」リウマトイド因子(RF)定量よりも関節リウマチの活動性に関連すると言われている。 また、全身性エリテマトーデスの診断基準として用いられる1997年ACR分類基準や2012年SLICC分類基準の種々の自己抗体検査の中にIgG型リウマトイド因子は含まれていない。

以上のことから、当該検査について、関節リウマチ(疑い含む。)に対する算定は、原則として認められる、全身性エリテマトーデス(疑い含む。) に対する算定は、原則として認められないと判断した。

 

(7) 【 検査 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年5月30日》

539 MMP-3(関節リウマチ疑い)の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_205.pdf

【国保】《令和7年5月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_kensa_D-395.pdf

 

○ 取扱い

 関節リウマチ疑いに対するD014「9」マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMPー3)のみの算定は原則として認められない。

○ 取扱いを作成した根拠等

 MMPー3は関節リウマチの疾患活動性マーカーで骨破壊と相関するとされるが、抗CCP抗体やRFと比べて感度は高いが特異度は低く、関節リウマチ診断の有用性は低いただ、関節リウマチ診断確定後では将来の骨破壊と有意の相関があるため、早期治療の必要性評価に優れているとされる。

 以上のことから、関節リウマチ疑いに対するMMPー3のみの算定は、原則として認められないと判断した。

 

(8) 【 検査 】支払基金・国保統一事例 《令和6年5月31日》

157 抗Sm抗体定性等の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_53.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年3月 7日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-183.pdf

 

○ 取扱い

1 全身性エリテマトーデス(疑い含む。)に対するD014「12」抗Sm抗体定性、抗Sm抗体半定量又は抗Sm抗体定量の算定は、原則として認められる。

2 関節リウマチの疑いに対するD014「12」抗Sm抗体定性、抗Sm体半定量又は抗Sm抗体定量の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いの根拠

 抗Sm抗体は、全身性エリテマトーデスに特異的な抗体であり、当該抗体の陽性は全身性エリテマトーデスの診断基準の一つとされている※。

 以上のことから、全身性エリテマトーデス(疑い含む。)に対する上記検査の算定は、原則として認められる。

 一方、関節リウマチの疑いに対する上記検査の算定は、原則として認められないと判断した。

(※)アメリカリウマチ学会(ACR)分類基準(1997)、厚生労働省ホームページ 自己免疫疾患に関する調査研究班

 

(9) 【国保】 審査情報提供 《令和6年6月 6日新規》」

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-197.pdf

 

D-197 リウマトイド因子(RF)定量(回数)  

○ 取扱い

 原則として、リウマトイド因子(RF)定量は月1回を超える算定は認められない。

○ 取扱いの根拠

 リウマトイド因子(RF)定量は疾患活動性を評価する指標であるが、当該検査の変動は緩徐であり、同一月内で急速に変動することはないため、 同一月に1回を超える算定は過剰であると整理した。

○ 留意事項 「月1回」というのは、連月の算定を示しているものではない。

 

(10)【国保】 審査情報提供 《令和6年8月29日新規》

D-270 リウマトイド因子(RF)定量(回数)  

○ 取扱い

 原則として、リウマトイド因子(RF)定量の連月の算定は認められな い。 連月の算定が必要な場合は理由の記載が必要。

○ 取扱いの根拠

 関節リウマチの活動性評価に有効であるが、赤沈、CRP と異なり疾患活動性スコアの計算に用いられる項目ではないことから連月測定する意義は乏しいと整理した。

 

(11) 【 検査 】  支払基金・国保統一事例 《令和6年10月31日》

324 関節リウマチに対するMMP-3とRF定量の併算定について  https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_113.pdf

【国保】《令和7年3月6日新規》https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_kensa_D-365.pdf

 

○ 取扱い

 関節リウマチに対するD014「9」MMP-3とD014「2」RF定量の併算定は、原則として認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

 関節リウマチは全身の関節に炎症が起る自己免疫疾患である。MMP-3は滑膜で産生される酵素蛋白で関節破壊の病態を反映し、RF定量はIgGに対する自己抗体であり、活動性評価の指標となる。

 以上のことから、関節リウマチに対するD014「9」MMP-3とD014「2」 RF定量の併算定は、原則として認められると判断した。

 

(12) 【国保】審査情報提供 《令和6年3月 7日新規》

D-163 マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-163.pdf

 

○ 取扱い

原則として、月1回を超えるMMP-3の算定は認められない。

○ 取扱いの根拠

 MMP-3は滑膜炎の活動性指標となるが、変動は緩徐であり頻回に施行する必要性は乏しいため月1回を超える実施は不適当と整理した。

○ 留意事項 「月1回」というのは、連月の算定を示しているものではない。

 

(13)【国保】 審査情報提供 《令和6年8月29日新規》

D-271 マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)(回数)

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-271.pdf

 

○ 取扱い

 原則として、関節リウマチに対するマトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)の連月の算定は認められない。

○ 取扱いの根拠

 マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)は関節リウマチの滑膜の炎症を反映するものであるが、日々の関節炎の病勢を把握する指標として用いることは不適当であり、連月測定することは認められないと整理し た。

○ 留意事項

「関節リウマチ」における疾患活動性が高い時期及び新規治療導入後のモニタリング時期を除く。

 

(14) 【 検査 】 支払基金統一事例 《令和7年7月31日》

616 血清補体価(CH50)等(悪性関節リウマチ等)の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_232.pdf

 

○ 取扱い

① 次の傷病名に対するD015「4」血清補体価(CH50)、「8」C3又は C4の算定は、原則として認められる。

 ⑴ 悪性関節リウマチ ⑵ 関節リウマチ

② 悪性関節リウマチに対するD015「4」血清補体価(CH50)、「8」C3 及びC4の併算定は、原則として認められる。

○ 取扱いを作成した根拠等

補体は、主に抗体の作用を補い効果を高める作用を有している。一般的に抗体活性の高い免疫疾患では補体が消費され、補体蛋白(C3、C4等)・補体活性(CH50)共に低下する。関節リウマチでは、高値を示す傾向にあるが、関節外症状としての血管炎を伴う悪性関節リウマチでは逆に低下し、両者の病態把握の指標の一つでもある。なお、CH50、C3、C4を併せて測定することにより、補体価の変動のパターン等を把握することは、その診断や治療効果の判定、経過観察に有用である。

 以上のことから、悪性関節リウマチ、関節リウマチに対するこれらの検査の算定は、原則として認められると判断した。また、悪性関節リウマチに対するこれらの検査の併算定は、原則として認められると判断した。

 

(15) 【 検査 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年10月31日》

322 若年性特発性関節炎に対するRF定量の算定について 

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_111.pdf

国保《令和7年3月6日新規》https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_kensa_D-365.pdf

 

○ 取扱い

 若年性特発性関節炎に対するD014「2」RF定量の算定は、原則として認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

 若年性特発性関節炎(旧称:若年性関節リウマチ)は自己免疫現象を基盤とした疾患でRF定量検査はその診断と経過観察に必要である。

 以上のことから、若年性特発性関節炎に対するD014「2」RF定量の算定は、原則として認められると判断した。

 

(16) 【 検査 】支払基金・国保統一事例 《令和6年10月31日》

323 若年性特発性関節炎に対するMMP-3の算定について  https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_112.pdf

【国保】《令和6年8月29日新規》https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-300.pdf

 

○ 取扱い

若年性特発性関節炎に対するD014「9」MMP-3の算定は、原則として認められる。

○ 取扱いを作成した根拠等

若年性特発性関節炎(旧称:若年性関節リウマチ)は自己免疫現象を基盤とした疾患である。MMP-3は関節炎の程度を反映し、本症における経過観察時の活動性マーカーとして有用である。

以上のことから、若年性特発性関節炎に対するD014「9」MMP-3の算定は、原則として認められると判断した。

 

(17)【 検査 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年10月31日》 

318 若年性特発性関節炎に対するフェリチン半定量の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_107.pdf

【国保】《令和7年3月6日新規》https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_kensa_D-364.pdf

 

○ 取扱い

若年性特発性関節炎に対するD007「25」フェリチン半定量の算定は、原則として認められる。

○ 取扱いを作成した根拠等

フェリチンは、活性化されたマクロファージによる炎症・組織破壊に伴い血中へ逸脱し、若年性特発性関節炎(旧称:若年性関節リウマチ)、特に全身型で高率に上昇する。

以上のことから、若年性特発性関節炎の診断及び経過観察に対するD007 「25」フェリチン半定量の算定は、原則として認められると判断した。

 

(18) 【 画像診断 】 支払基金統一事例 支払基金・国保統一事例《令和6年5月31日》

162 関節リウマチに対するMRI撮影の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/gazoushindan_1.files/gazoushindan_8.pdf

 

○ 取扱い

関節リウマチ(初診時・経過観察時)に対するE202磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(四肢)の算定は、原則として認められる。

○ 取扱いを作成した根拠等

 関節リウマチに対する磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)は、関節、軟部組織、骨内部の評価に有用であり、滑膜炎の描出やⅩ線写真で認識できない骨変化の評価などが可能である。

 以上のことから、関節リウマチ(初診時・経過観察時)に対するE202磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(四肢)の算定は、原則として認められると判断した。

 

(19) 【社保】審査情報提供最終更新日:2017年2月27日 《平成29年2月27日新規》

310 超音波検査(断層撮影法)(関節リウマチ)

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/teikyojirei/ika/kensa/jirei310.html

【国保】 審査情報提供 《令和3年9月7日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-95.pdf

 

取扱い

 原則として、「関節リウマチ」に対する診断及び経過観察を目的として実施した「超音波検査(断層撮影法)(その他)」の算定は認められる。

取扱いを定めた理由

 「関節リウマチ」の骨破壊の原因である滑膜炎の存在と、リウマチの特徴的な骨破壊像である骨びらんを描出することができるため「超音波検査(断層撮影法)(その他)」が有用である。

留意事項

 経過観察として認める場合の期間(算定間隔)については、個々の症例により適正なものとすること。

 

(20) 【国保】 審査情報提供 《令和6年6月 6日新規》

D-198 超音波検査(断層撮影法)(関節リウマチ)(回数)

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-198.pdf

 

○ 取扱い

原則として、関節リウマチに対する超音波検査(断層撮影法)は、急性期及び症状の変化(急性増悪)時を除き、3か月に1回まで算定が認められる。

 

○ 取扱いの根拠

超音波検査(断層撮影法)は関節リウマチに伴う滑膜炎の状態をみるために行うものであり、通常は頻回に行う必要性はなく、3か月に1回までの算定が妥当であると整理した。

ただし、急性期及び症状の変化(急性増悪)が判断できればその限りではない。

 

疑い病名か症状詳記がないと認められない病理診断

 

(1) 鼠経ヘルニアの切除組織には通常「鼠経ヘルニア」に悪性のものはないため「病理組織標本作製」は、認められない。

  ※ 疑い病名か症状詳記が必要。

 

<参考資料>

(1)【 病理診断 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年9月30日》

688 病理組織標本作製(鼠径ヘルニア)の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/byourishindan_1.files/byourishindan_10.pdf

【国保】 《令和7年8月28日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_byourisindan_N-13.pdf

○ 取扱い

鼠径ヘルニアのみの傷病名において、切除組織に対して行ったN000病理組織標本作製の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

鼠径ヘルニアは、一般的に悪性のものでなく鼠経ヘルニアのみに対する一律的なN000病理組織標本作製の算定の必要性はないと考える。

以上のことから、鼠径ヘルニアのみの傷病名において、切除組織に対して行ったN000病理組織標本作製の算定は、原則として認められないと判断した。

 ただし、悪性腫瘍を疑わせるような傷病名や医学的な必要性のコメント等が記載されている場合は、その必要性について記載内容から医学的に判断することとする。

 

(2) 子宮頸管炎では細胞診は認められない。感染症やアレルギー・異物による原因の炎症状態で、悪性腫瘍の可能性が低いので、必要な場合は、症状詳記が必要と思われる。

 

<参考資料>

(2)【 病理診断 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年7月31日》

641 細胞診(婦人科材料等によるもの)(子宮頸管炎)の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/byourishindan_1.files/byourishindan_8.pdf

○ 取扱い

子宮頸管炎に対するN004 細胞診「1」婦人科材料等によるものの算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

子宮頸管炎は細菌やクラミジア等感染症、薬物等によるアレルギー、ペッサリー等異物による刺激が原因で子宮頸部に炎症が生じた状態であり、悪性腫瘍の可能性は低い。

細胞診(婦人科材料等によるもの)は、子宮頸部・内膜、腟部から採取した細胞より悪性腫瘍の細胞学的診断を実施するものであり、上記子宮頸管炎に対する臨床的有用性は低いと考えられる。

 以上のことから、子宮頸管炎に対するN004細胞診「1」婦人科材料等によるものの算定は、原則として認められないと判断した。

 

(3) 細胞診の「婦人科材料等よるもの」で同時に子宮頸部 と子宮腟部のそれぞれから、検体を採取した場合も細胞診の通知に「同一又は近接した部位より同時に数検体を採取して標本作製を行った場合であっても、1回として算定する。」とあるので2回の算定は認められない。

 

<参考資料>

(3)【 病理診断 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年7月31日》

642 細胞診(婦人科材料等によるもの)の算定回数について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/byourishindan_1.files/byourishindan_9.pdf

【国保】《令和7年5月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_kensa_D-413.pdf

○ 取扱い

子宮頸部と子宮腟部に対するN004細胞診「1」婦人科材料等によるものの2回の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

N004 細胞診は、厚生労働省通知※に「同一又は近接した部位より同時に数検体を採取して標本作製を行った場合であっても、1回として算定する」旨記載されている。子宮頸部は、腟側に接する子宮腟部と子宮腔に向かう頸管部で構成されており、これらは近接した部位に該当することから、1回の算定が妥当と考えられる。

以上のことから、子宮頸部と子宮腟部に対するN004細胞診「1」婦人科材料等によるものの2回の算定は、原則として認められないと判断した。

(※)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について

 

 

(4) 早期胃癌に対する「免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製(HER2タンパク)」の算定は認められない。とされた。

 「N002 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製」の「3 HER2タンパク」は、「抗癌剤:ハーセプチン注射用」の治療対象の選別のため行われる検査として「乳癌」については、通知があるが、「胃癌」等については「抗癌剤:ハーセプチン注射用」適応で判断するしかない。

 

 「胃癌」についての「効能・効果」は、「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」となっており、「早期胃癌」に適応がなく「免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製(HER2タンパク)」は、認められない。

 

<参考資料>

【国保】審査情報提供  《令和6年6月 6日新規》

D-216 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製(HER2タンパク)

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-216.pdf

 

○ 取扱い

  原則として、早期胃癌に対する免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製(HER2タンパク)の算定は認められない。

 

○ 取扱いの根拠

免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製(HER2タンパク)検査については、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体治療薬ハーセプチンの治療対象となる患者の選別を行うことを目的に実施されるが、ハーセプチン注射液の適応はHER2過剰発現が確認された治療切除不能な進行・再発胃癌とされていることから、「早期胃癌」に対しては適応がなく認められないと整理した。

生活習慣病管理料を算定した月においては、特定疾患処方管理加算は算定できないという事務連絡

 

厚生労働省の「国民の皆様の声」で医療課へ質問

 

「医療課」からの回答がないことは、前回、苦言しているが、「国民の皆様の声」の担当者に催促を依頼したが、いまだ回答はありません。

 

それこそ、「国民を馬鹿にしてるのですか」

 

前回も言いましたが、最近2・3年前の質問だけは回答ください。

 

「地域包括ケア病棟入院料60日超えは在宅復帰率等の計算から除外か」、「地域包括ケア病棟入院料の急性期患者支援病床初期加算の別表1の誤り」等

 

これがだめなら、別の件を含めて、「会計検査院」に依頼しないと駄目でしょうか?

 

今回の質問は

 

以下の事務連絡は間違いでは? 間違いなら、訂正していただけますか?

 

疑義解釈資料の送付について(その11)事 務 連 絡 令和6年8月29日

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001297359.pdf

【特定疾患処方管理加算】

問3 生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を算定した月において、当該算定日とは別日に、当該保険医療機関において、同一患者に対して特定疾患処方管理加算を算定することは可能か。

(答) 特定疾患処方管理加算は、特定疾患療養管理料における特定疾患と同じ特定疾患を対象に処方した際に算定できるが、特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料は併算定できないことから、生活習慣病管理料を算定した月においては、特定疾患処方管理加算は算定できない。

 

「特定疾患」から高血圧症等、脂質代謝異常症等、糖尿病が除外されたが、「家族性高コレステロール血症」等の遺伝性疾患は「特定疾患のまま」である。

 

したがって、「生活習慣病管理料の対象疾患であり、特定疾患療養管理料の対象疾患でもある疾患」が下記のようにあります。(「傷病名マスタ」より)

 

事務連絡で

『生活習慣病管理料を算定した月においては、特定疾患処方管理加算は算定できない。』として、その根拠が「特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料は併算定できないこと」とあるが、「特定疾患処方管理加算」の算定要件は「特定疾患療養管理料」を算定していることではなく「特定疾患」を主病にしていることである。

 

つまり「特定疾患」と「生活習慣病管理料の対象疾患」が同じ場合は、『生活習慣病管理料を算定した月においても、特定疾患処方管理加算を算定できる』ということです。

 

厚労省の「傷病名マスタ」(生活習慣病管理料の対象疾患であり、特定疾患療養管理料の対象疾患でもある疾患)では以下の20傷病名がある。

 

高血圧性悪性脳症、高血圧性うっ血性心不全、高血圧性心不全、高血圧性脳症、高血圧性脳循環障害、高血圧性脳内出血、家族性複合型高脂血症、家族性高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症・ヘテロ接合体、家族性高コレステロール血症・ホモ接合体、先天性脂質代謝異常、家族性高トリグリセライド血症、家族性高リポ蛋白血症1型、家族性高リポ蛋白血症2a型、家族性高リポ蛋白血症2b型、家族性高リポ蛋白血症3型、家族性高リポタンパク血症4型、家族性高リポ蛋白血症5型、家族性低ベータリポ蛋白血症1・ホモ接合体、家族性複合型高脂血症、脂肪萎縮性糖尿病

※   「特定疾患」は(家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限る。)とのこと

※   「高血圧性心不全」は、「心不全」であり、特定疾患となる。(「脂肪萎縮性糖尿病」は、脂肪萎縮が特定疾患である「リポジストロフィー」の一種です。)

 

参考にこちらもご確認
生活習慣病管理料と悪性腫瘍を主病とする特定疾患療養管理料
https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12868151769.html

特定健診等の実施日等における初診料及び再診料の算定

(会計検査院に指摘されて出た事務連絡)

 

下記の初診料に関する通知は、昔からあるものです。

 

 『保険診療ではない「健康診断」で疾患が発見された場合、保険治療はできるが初診料は算定できない。』というものですが、「再診料」については、昔から触れていないので、健康診断は、初診料という診察料が含まれているものだから、当然、当日の「再診料」は算定できないと解釈していました。

 

 しかし、2024年の12月6日の事務連絡で「健康診断に該当しない疾患の治療がある場合」は、再診料が算定できるというものです。

 ただ、読めばわかりますが、相変わらず、分かりにくい文書です。(これは答えを知らないと読めない文書といいます。)点数表の文書は、このようなものが多いです。(ベテラン事務員は、新人に点数表読んどけと言いますが、答えを知らないと読めませんので、そういう事務員は、大体間違っています。)

 

 さて、そんな事務連絡ですから、気にしていません。多分、大体の方は、このブログで気が付くでしょう。

 

私が気付いたのは、下記にある(京都府保険医協会のQ&A)です。(2025年5月25日):事務連絡から半年近くかかっています。:検討していたのでしょう。厚労省へ疑義照会したかもしれません。

ここでは

『 逆説的に言うと、特定健診は生活習慣病の早期発見・予防を目的としたものであり、この患者の通院理由は気管支喘息、腰痛症で生活習慣病とは異なることから、本事例では再診料を算定できます。

 

 はて、健康診断等と同時の保険診療では診察料(初・再診料等)は算定できない。と考えてた私は、これは、ブログに上げないという訳で、寝る間も惜しんで書いています。

 

 ただ、厚労省の誘導で「生活習慣病」の指導料が多くなって問題があります。

 

 厚生労働本省名があるパンプレットで下記の説明文が出ています。

ここで、最後に注として、またわかりにくい文書で

「保険診療として治療中の疾病又は負傷に対する医療行為を、健康診断として実施する場合は、再診料を算定できない」として

 

(注)生活習慣病等で通院中の被保険者等が特定健診等を受診する場合等』としています。

 

ほぼ、「生活習慣病等で通院中の再診料は算定できない」とも取れますが、別に保険診療があれば再診料は算定できると考えます。

 

(厚生労働本省名のパンプレット)

特定健診等の実施日等における初診料及び再診料の算定 (処置済)

https://www.jbaudit.go.jp/report/new/kobetsu06/pdf/070310_point.pdf

(このアドレス「会計検査院」です。特定健診での診察料の算定を調べたのでしょうか?金額も出ています。)

会計検査院に突っ込まれて、「健康診断の受診者が同じ医療機関で治療を受けた場合の再診料の算定に関する取扱いを明確にした規定はなし」として、再診料の算定については、全部が「国の損失にならない」と弁解し、規定を明確にしたのかも。

会計検査院の結果報告によると
https://www.jbaudit.go.jp/report/new/kobetsu06/pdf/070310_zenbun.pdf

初診料は
1億3646万円(国の負担相当額5104万円)、再診料は4億4648万円(同1億5786万円)

返還手続中
ただ、不適切かどうかの調査も必要とのことで上記は実際の返還金とは言えない。
● これを見ると、初診料の単価は高いのに当初の返還予想金額は再診料が高い。(要するに、かかりつけ患者さんが特定健診を受けているので、再診患者が多いのがわかる。⇒同時に調査の結果、再診料の算定は適切とされる場合も予想される。)

 

(初診料の通知)

『(4) 自他覚的症状がなく健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者について、 当該保険医が、特に治療の必要性を認め治療を開始した場合には、初診料は算定できない。 ただし、当該治療(初診を除く。)については、医療保険給付対象として診療報酬を算定できること。』

 

 

(疑義解釈資料の送付について(その16)事 務 連 絡 令和6年12月6日)

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001347924.pdf

【再診料】
問2 保険医療機関が実施する健康診断を受診する患者について、健康診断の同一日に当該保険医療機関におい        て、1回の受診で保険診療を行う場合は、再診料を算定することは可能か。
(答) 保険診療として治療中の疾病又は負傷に対する医療行為を、健康診断として実施する場合は、再診料を算定できない。

 

保険診療 Q&A 520 (京都府保険医協会)(2025年5月25日

https://healthnet.jp/paper/paper-49012/paper-50536/paper-50551/

 

通院中の患者が特定健診と同一日に受診した際の再診料

 

Q、 気管支喘息、腰痛症で通院中の患者が特定健診で受診した同一日に、同一医療機関で、1回の受診で保険診療を行う場合、再診料を算定できるか。

 

A、  24年12月6日に厚生労働省から「保険診療として治療中の疾病または負傷に対する医療行為を、健康診断として実施する場合は、再診料を算定できない」という疑義解釈が示されました。

逆説的に言うと、特定健診は生活習慣病の早期発見・予防を目的としたものであり、この患者の通院理由は気管支喘息、腰痛症で生活習慣病とは異なることから、本事例では再診料を算定できます。

 なお、初診料については「健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者について、治療を開始した場合は、初診料は算定できない」と通知に明記されています。