労災で高齢者の骨折に対するエルシトニンの査定

 

エルシトニンの適応症は下記の通り「骨粗鬆症における疼痛」であるが、医師に投与目的を確認すると「骨粗鬆症もあるので骨癒合」のため必要であるという。

 

 労災で、再審査請求するが、原審通り。私病に当たるので、労災適用外ということかと考え、この薬剤を健康保険に請求替えを行った。(「骨癒合促進目的」であれば、保険請求もできないが、)

 

 ただ、労災は、審査結果が遅いので、場合によっては、保険請求ができなくなることもあったので、今後のために調査した。(以前は、保険請求の時効が2年だった。現在は5年であるが、そこまで経過すると、忘れられてしまう。)

 下記の参考≪医療関係質疑応答集≫は、平成13年平成19年平成28年とあり、いずれも「骨癒合」目的の投薬は、「保険適応外」としています。

 

 平成13年では「骨粗鬆症の治療を行わないと骨折の治療が行えないと医師が認めた場合には、算定できる。」となっているが、平成19年には、「骨融合」に必要と医師が認めた場合は、算定できる。「骨融合は保険適応外」との整合性がなく、誤りだったと思われ、9年後にやっと訂正し、平成28年には、「骨粗鬆症の治療が骨折の治療に必要であると医師が認めた場合は算定できる。」となっている。

 

 下記にコメントを例示した。(医師との相談用です。)

 「エルシトニン注10単位」は、「骨癒合目的では保険適応外」です。ということで、「骨粗鬆症における疼痛」に対する投与が骨折の治療に必要な場合はコメントをつけて請求できます。

 

 

≪エルシトニン注10単位≫添付文書情報

効能・効果:骨粗鬆症における疼痛

 

参考≪医療関係質疑応答集≫

医療関係質疑応答集 平成13年厚生労働省労働基準局労災補償部補償課

http://www.joshrc.org/files/20010000-002.pdf

Q5 骨折にて治療継続中の傷病労働者に対して、骨癒合を促進するためにオステン、 エルシトニン等の骨粗鬆症治療剤を投与した場合、これらの薬剤は算定できるのか。

 

A. 算定できない。

 オステン、エルシトニン等の骨粗鬆症治療剤は、骨折患者に対して投与した場合、健康保険では保険適用外となるため、労災保険においても算定できない。

 ただし、傷病労働者が私病で骨粗鬆症に罹患しており、骨粗鬆症の治療を行わないと骨折の治療が行えないと医師が認めた場合には、算定できる。

 

医療関係質疑応答集 平成19年5月28日

http://www.joshrc.org/files2007/20070528-002.pdf

Q5 骨折にて治療継続中の傷病労働者に対して、骨融合を促進するためにオステン、 エルシトニン等の骨粗鬆症治療剤を投与した場合、これらの薬剤は算定できるのか。

 

A. 算定できない。

  オステン、エルシトニン等の骨粗鬆症治療剤は、骨折患者に対して投与した場合、健康保険では保険適用外となるため、労災保険においても算定できない。

  ただし、本件骨折が骨粗鬆症と業務上の事由が相俟って発生した場合であって、傷病労働者の骨折治療を目的として、骨融合を促進させるため骨粗鬆症治療剤を使用することが必要であると医師が認めた場合には、骨粗鬆症治療剤を算定できる。

 

医療関係質疑応答集 平成28年9月28日厚生労働省労働基準局補償課長

https://aichi-rousai.jp/wp-content/uploads/b56b892dd205f920f4a977d543dd5de4.pdf

Q5 骨折にて治療継続中の傷病労働者に対して、骨癒合を促進するためにオステン、 エルシトニン等の骨粗鬆症治療剤を投与した場合、これらの薬剤は算定できるのか。

 

A. 算定できない。

  オステン、エルシトニン等の骨粗鬆症治療剤は、骨癒合を促進するために投与した場合、健康保険では保険適用外となるため、労災保険においても算定できない。

 ただし、私病である骨粗鬆症の治療が業務上疾病である骨折の治療上明らかに必要であると医師が認めた場合には、骨粗鬆症治療剤を算定できる。

 

● コメント文の具体例(医師との相談:骨癒合目的は薬剤の適応外となる以下のコメントで、適切なものはあるか確認。)

 

例1(最小限・汎用)

「骨粗鬆症による腰背部痛に対する疼痛管理目的でエルシトニンを使用。疼痛コントロールが業務上骨折の治療・リハビリ実施上明らかに必要と判断。」

 

例2(目的をより明示)

「本剤は骨折の骨癒合促進目的ではなく、私病である骨粗鬆症による疼痛治療として使用。骨粗鬆症性疼痛の軽減が業務上骨折の治療継続および起立・歩行訓練実施のため明らかに必要と判断。」

 

例3(脊椎骨折などで)

「骨粗鬆症性多発椎体圧迫による強い腰背部痛に対しエルシトニンを投与。疼痛のため離床・リハビリが困難であり、業務上椎体骨折の治療上明らかに必要な骨粗鬆症治療と判断。」

 

例4(他薬無効を示したい場合)

「骨粗鬆症による持続性腰背部痛に対し、他鎮痛薬で十分な効果得られず、業務上骨折のリハビリ実施のため疼痛コントロールが明らかに必要な状況のため、骨粗鬆症治療としてエルシトニンを使用。」

神経障害性疼痛、重篤な腎機能障害患者、傷病名により1日投与量決められている薬剤

後半≪参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)≫の写あり

 

(1)「リリカカプセル」等の算定で「神経障害性疼痛」の併記が必要な例

  「反射性交感神経性ジストロフィー」「頸椎症」については、「神経障害性疼痛」の併記が必要である。

 

  併記の必要がない疾病(手根管症候群、頸椎症性神経根症、肋間神経痛、糖尿病性末梢神経障害、帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛、三叉神経痛、脊髄損傷後疼痛、帯状疱疹)は下記を確認してください。

 「プレガバリン(リリカカプセル・OD錠)(手根管症候群等)の算定について」

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12912124074.html

 

 上記にあるように「頸椎症性神経根症」は、この病名だけで、「神経障害性疼痛」として認められるが、「頸椎症」については、「神経障害性疼痛」を併記しなければ認められません。

( 「頚椎症」も病院を受診する程度の方は、末梢神経障害を合併しているでしょうが、「頚椎症性神経根症」と表現しない限り、「頚椎症」だけでは、リリカカプセルの適応と認められない。「神経障害性疼痛」の併記があれば、適応として認められるとの情報で、臨床では、「頚椎症」であれば、「神経障害性疼痛」が当然と考える医師は、この病名だけで、適応としてしまいます。「審査情報」は、医師にとっても必要となっています。

 

(2) 「DPP-4阻害薬のジャヌビア錠」は、「中等度腎機能障害」以上であれば、投薬用量調整が必要であるが、以下の傷病名の場合は、通常投与量が認められる。

    ⑴ 腎機能低下 、⑵ 腎機能障害

 保険審査上は、下記の情報提供でもわかる通り、病名で腎機能障害の重症度を判断している。目安の検査はGFR(腎臓の濾過機能そのもの真の値)であるが、手間も時間もかかり、患者負担もあり有意義ではなく、臨床ではeGFR(GFRを血液検査から推定した値)を使う。

 つまり、例示の「腎機能低下」や「腎機能障害」軽度の腎機能障害に該当するので、「投薬用量調整」の必要がないことになるが、中程度の「慢性腎臓病」重度の「腎不全」であれば、「1日投薬量」の調整がなければ、査定の可能性がある。

 

 重度(重篤)は「腎不全」(eGFR 30未満)「末期腎不全」(eGFR15未満)軽度は「腎機能低下」や「腎機能障害」(eGFR60未満~45)中程度は「慢性腎臓病」や「慢性腎機能障害」(eGFR45未満~30)

 

 ※ 腎機能障害の重症度による査定(「腎機能障害の重症度」が分かる傷病名)(支払基金)

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12916737396.html

 

  一般的な腎機能のステージと、eGFRの目安は次のように整理されます。

ステージ

eGFRの目安(mL/分/1.73m²)

腎機能の状態の目安

G1

90以上

正常または高値

G2

60〜89

正常〜軽度低下

G3a

45〜59

軽度〜中等度低下:軽度

G3b

30〜44

中等度〜高度低下:中程度

G4

15〜29

高度低下(腎不全):重度

G5

15未満

末期腎不全

 

(3)適応疾患が「慢性便秘症」の「リンゼス錠又はアミティーザカプセル」の「便秘症」での算定は、原則認められる。

 「保険審査」では、「その投薬が、適応であるかないか」で審査されるが、「投薬が慢性便秘症の適応であるから便秘症であっても、投薬されているので適応である。」という判断は行わない。 

 ただ、「便秘症」の場合、便秘症の判断基準の複数が該当し、3か月以上該当する場合は、「慢性便秘症」であるので、継続して投与されている場合は、慢性便秘症であることが認められるとしている。

 

 いずれにしても、長期に薬剤治療が続いている場合は、「便秘症」であっても、「慢性便秘症」として認められる。

 

(4) 「セレコックス錠等」の病名による「投与量」の違い。

 ※ 整形外科では、注意しないと査定が多い薬剤です。

 1日投与量が「傷病名」で異なる薬剤で、「症状により適宜増減する。」のコメントもない。

   以下に「適応症」と「用法・用量」を見ると、

「関節リウマチ」及び「術後・外傷後」は、「1日400㎎」。「変形性関節症、腰痛症等」については、「1日200㎎」

「腰痛症」で「1日400㎎」の処方は、査定対象となる。(ほぼ、事務的に査定される。)

 今回、「慢性疼痛、痛風」は、「変形性関節症、腰痛症等」に準じて「1日200㎎」。

「腰椎捻挫」は外傷として「1日400㎎」。

「癌性疼痛」については、「症例ごとに判断する」とのことで、「1日200㎎」または、「1日400㎎」となるだけです。

 

※ 同じように「傷病名」によって、「1日投与量」に違いがあって査定対象になっているものが 「オパルモン錠5㎍」 があります。この薬の「適応症」・「1日量」は

   ・ 閉塞性血栓血管炎(1日30):6錠

   ・ 腰部脊柱管狭窄症(1日15):3錠

 → 「閉塞性血栓血管炎」は難病の「バージャー病」です。

 「腰部脊柱管狭窄症」 は、高齢者では、普通にある病気です。この傷病名で「1日6錠」は査定され3錠になります。

「閉塞性動脈硬化症」で投与する場合もありますが、適応疾患ではないので、「閉塞性血栓血管炎」を記載して提出する場合もあるようです。

 これについては、下記の「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」では「作用機序に「本剤は強力な血管拡張作用、血流増加作用および血小板凝集抑制作用を有する」とあることから、動脈の閉塞病変を原因とする疾患に有用と考える。」ということで、「閉塞性動脈硬化症」でも認められる。とされています。この情報がなければ、いわゆる「保険病名」を入れることもあったでしょう。

 

リマプロスト アルファデクス錠(オパルモン錠等)の算定について

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_80.pdf

 

「セレコックス錠の適応等」

4. 効能又は効果: 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛

・ 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎

・ 手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛

6. 用法及び用量

・ 〈関節リウマチ〉:通常、成人にはセレコキシブとして1回100~200mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。

・ 〈変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎〉

通常、成人にはセレコキシブとして1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。

・ 〈手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛〉

通常、成人にはセレコキシブとして初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与する。なお、投与間隔は6時間以上あけること。
 頓用の場合は、初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与する。ただし、1日2回までとする。

 

(5) 「腎性貧血」が適応症の「ダーブロック錠」は、「慢性腎不全又は透析状態等」でなければ、原則、認められない。

 「腎性貧血」が適応症の薬剤での査定が多くなり始めました。(2)の「腎機能障害の重症度による査定(「腎機能障害の重症度」が分かる傷病名)(支払基金)」をご確認ください。

   

 専門医ではない病院では、「慢性腎臓病」とします。理由は、軽度から重度まで含む病名だからということですが、重度になれば、「慢性腎不全」と診断するはずですので、審査支払機関では、「腎性貧血」の原因疾患の「慢性腎不全」や腎不全であることが分かる「透析状態等」がない場合に原則、認められない。

 (「腎性貧血」の検査である「エリスロポエチン」も同様な査定が多くなっています。いずれも適応疾患があるのみ査定されますので、理由が分からなかったものですが、「腎不全」でないことが原因です。)

 

(6)「内視鏡検査」での麻酔の算定は原則、認められません。

 昔から、「鎮痛剤」と「鎮静剤」を組み合わせて、眠ったような状態にするNLA麻酔(手技料はない)で、楽に「内視鏡」を実施する方法です。

 最近は、「鎮静剤」だけで、この状態を作り「内視鏡」を実施する方法が多く「NLA麻酔」という言い方もSNSでは、ほとんど出てきません。

 いずれも、静注全身麻酔のように完全に意識を失う訳ではないので、呼吸の問題(人工呼吸が必要となる)もあり、「内視鏡」やエコーで、「鎮静」が必要な場合は、「鎮静剤」で、うとうとした状態で検査が終わると目が覚める状態で楽に検査できます。(初めて、内視鏡検査を行う高齢者は、「地獄の苦しみだった」と大げさに言うほどですので、経験のない方には、苦しい検査となり、受診拒否ともなります。)

 

参考≪支払基金における審査の一般的な取扱い≫

(1)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年4月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_165.pdf

523 プレガバリン(反射性交感神経性ジストロフィー等)の算定について

 

○ 取扱い

神経障害性疼痛と次の傷病名が併記されている場合のプレガバリン(リリカカプセル・OD錠)の算定は、原則として認められる。

⑴     反射性交感神経性ジストロフィー

⑵     頸椎症

 

○ 取扱いを作成した根拠等

プレガバリン(リリカカプセル)の添付文書の効能・効果は「神経障害性疼痛」、「線維筋痛症に伴う疼痛」である。当該医薬品は、中枢神経系において、電位依存性カルシムチャネルのα2δサブユニットと結合することにより興奮性神経伝達物質の過剰な遊離を抑制することで、帯状疱疹後神経痛などの末梢神経性疼痛に対して有意な鎮痛作用を有しており、日本ペインクリニック学会の「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版」においては、神経障害性疼痛の第一選択薬の一つとして示されている。

 神経障害性疼痛は、同ガイドラインによると「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛」と定義され、末梢神経から大脳に至るまでの侵害情報伝達経路のいずれかに病変や疾患が存在する際に生じるとされている。

 以上のことから、神経障害性疼痛と上記の傷病名が併記されている場合の当該医薬品の算定は、原則として認められると判断した。

 

(2)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年5月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_169.pdf

550 DPP-4阻害薬(腎機能低下等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対する、DPP-4阻害薬の通常投与量の算定は、原則として認められる。

⑴ 腎機能低下

⑵ 腎機能障害

 

○ 取扱いを作成した根拠等

DPP-4阻害薬のジャヌビア錠は、腎排泄型薬剤であることより、添付文書の重要な基本的注意に「腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい」旨、また、特定の背景を有する患者に関する注意には「中等度腎機能障害又は重度腎機能障害のある患者、血液透析又は腹膜透析を要する末期腎不全の患者」には「適切な用量調節を行う」旨記載されている。

 また、「糖尿病標準診療マニュアル2025」の糖尿病の治療の流れには、「腎機能を勘案した通常量から開始」する旨記載されており、腎機能障害や腎機能が低下している患者に対して、当該医薬品の通常量の投与は、臨床上妥当と考えられる。

 以上のことから、上記傷病名に対する、DPP-4阻害薬の通常投与量の算定は、原則として認められると判断した。

 

(3)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例《令和7年5月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_170.pdf

551 リナクロチド又はルビプロストン(慢性の記載がない便秘症)の算定について

 

○ 取扱い

慢性の記載がない便秘症に対するリナクロチド(リンゼス錠)又はルビプロストン(アミティーザカプセル)の算定は、原則として認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

リンゼス錠とアミティーザカプセルについては、添付文書の効能・効果に「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」とある。

慢性便秘症診療ガイドライン2017によると、慢性便秘症は、便秘症の診断基準の2項目以上を最近3か月間満たしている場合に該当するとある。当該医薬品が継続して投与されている患者にあっては、慢性便秘症の記載がなくとも慢性化している患者である蓋然性が高いと考えられる。

以上のことから、便秘症に対するリナクロチド(リンゼス錠)又はルビプロストン(アミティーザカプセル)の算定は、慢性の記載がない場合であっても、原則として認められると判断した。

 

(4)【 投薬 】 支払基金統一事例 《令和7年10月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_204.pdf

702 セレコキシブ錠(慢性疼痛等)の算定について

○ 取扱い

① 次の傷病名に対するセレコキシブ錠(セレコックス錠等)の算定は、原則として認められる。

なお、1日の使用量は、原則として200mgまで認められる。

⑴ 慢性疼痛

⑵ 痛風

② 腰椎捻挫に対するセレコキシブ錠(セレコックス錠等)の算定は、原則として認められる。

なお、1日の使用量は、原則として400mgまで認められる。

③ 癌性疼痛に対するセレコキシブ錠(セレコックス錠等)の算定は、原則として認められる。

○ 取扱いを作成した根拠等

セレコキシブ錠(セレコックス錠等)は、COX-2阻害作用によりロキソプロフェン及びインドメタシンと同程度の抗炎症・鎮痛作用を示す薬剤であり、疼痛を伴う上記①から③の傷病名に有用である。

以上のことから、上記①から③の傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められると判断した。

なお、①の傷病名に対しては、添付文書※の「変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎」に対する用量に準じ原則として1日200mgまで、②の腰椎捻挫に対しては、添付文書※の「手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛」に対する用量に準じ原則として1日400mgまでが妥当な使用量と判断した。

また、癌性疼痛の1日の使用量については、個々の症例ごとに判断することとする。

※ 【セレコックス錠の用法及び用量】

〈変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎〉

通常、成人にはセレコキシブとして1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。

〈手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛〉

通常、成人にはセレコキシブとして初回のみ400mg、2回目以降は 1 回200mgとして1日2回経口投与する。なお、投与間隔は6時間以上あけること。

頓用の場合は、初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与する。ただし、1日2回までとする。

 

(5)【 投薬 】 支払基金統一事例 《令和7年11月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_220.pdf

751 腎性貧血に対するHIF-PH阻害剤(ダーブロック錠等)の算定について

○ 取扱い

背景因子である保存期慢性腎臓病、すなわち慢性腎不全又は透析状態等の腎性貧血の原因となる傷病名の記載がない「腎性貧血」に対するHIF-PH阻害剤(ダーブロック錠等)の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

HIF-PH阻害薬(ダーブロック錠等)の添付文書の効能・効果は「腎性貧血」である。腎性貧血とは、腎臓の機能低下により十分量のエリスロポエチンが産生されないことによって引き起こされる貧血である。

また、効能又は効果に関連する注意に「赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合の本剤投与開始の目安は、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で 11g/dl 未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dl 未満とする。」と記載されており、腎性貧血の原因となる腎機能低下をきたす何らかの傷病名が必要である。

以上のことから、背景因子である保存期慢性腎臓病、すなわち慢性腎不全又は透析状態等の腎性貧血の原因となる傷病名の記載がない「腎性貧血」に対するHIF-PH阻害剤(ダーブロック錠等)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(6)【 検査 】支払基金・国保統一事例 《令和7年6月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_222.pdf

576 プロポフォール注射剤(上部、下部消化管内視鏡検査時等)の算定について

○ 取扱い

次の場合のプロポフォール注射剤(1%ディプリバン注等)の算定は、原則として認められない。

⑴     上部、下部消化管内視鏡検査時

⑵  D215超音波検査時

○ 取扱いを作成した根拠等

プロポフォール注射剤(1%ディプリバン注等)は、添付文書の効能・効果が「全身麻酔の導入及び維持」、「集中治療における人工呼吸中の鎮静」である全身麻酔・鎮静用剤であり、催眠・鎮静剤と明確に区別している。一般的に上記検査時では当該医薬品を使用する状態ではないと考える。

以上のことから、上記検査時の当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

 

エンシュア・リキッド等の適応(令和8年改定追加)、胃潰瘍に禁忌のロキソニン錠について

 

※    後半は≪参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)≫原本(写)

 

(1)は、「摂食嚥下機能障害に対する半消化態栄養剤(エンシュア・リキッド等)の算定は、原則として認められる。 」

 「エンシュア・リキッド」の適応には、いつも迷っていました。添付文書では、下記のように

 

 「手術後の適応」で「長期の経口摂取困難」な場合の「経口・経管栄養剤」ということであるが、「手術後患者」の適応が、気になって、「在宅患者」への適応が判断できずにいたが、査定はされない。

 

この例を読み返すと、通常の高齢者の「食べること飲み込むことの障害」である「摂食嚥下機能障害」が適応であり、「手術後の適応」は、手術後も認められるというだけで、メインは、「経口摂取困難患者」であることが分かる。

 

「エンシュア・リキッド」効能又は効果:

「 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。」

 

「エンシュア・リキッド」効能又は効果:

「 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。」

 

(令和8年改定追加分)

令和8年改定で、下記の「個別改定項目」で経口でも服用できる栄養保持を目的とした医薬品の保険算定が制限されることとなった。

 

 概要説明は、兵庫県保険医協会が下記のように該当医薬品も含めて説明しています。

 従来通り、算定できるのは、「手術後の患者」「経管栄養の患者」で、制限されるのは、「経口摂取可能な患者」ですが、「栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した患者」については、算定可能となっている。

 

「第5部 投薬」の通則6で栄養保持を目的とした医薬品を投薬した場合は、保険算定できないが、「手術後の患者」又は、「経管栄養の患者」であるか、「栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した患者」については、その旨を「処方箋」及び「診療報酬明細書」に記載することで、算定可能となる。

 

 更に、下記の 「診療報酬請求書等の記載要領等について」では、下に例示した「コメント」が必要となる。 

 また、下記の「参考(別表1)調剤報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧」にあるように「調剤薬局」でも「投与理由」を「摘要欄」に記載するため、「処方箋の記載」で確認したか、「疑義照会」で確認したかを記載する。

 

 したがって、処方箋に記載がない場合は、「疑義照会」があります。

 

●(手術後の患者に栄養保持を目的とした医薬品を投与した場合)

 手術年月日を記載すること。

(電算コード)850100514

●(経管により栄養補給を行っている患者に栄養保持を目的とした医薬品を投与した場合)

直近の食道瘻の造設若しくはカテーテル交換、胃瘻の造設若しくはカテーテル交換、腸瘻の造設若しくはカテーテル交換又は経鼻栄養・薬剤投与用チューブ挿入術の実施年月日を記載すること。

(電算コード)850100515

●(手術後の患者又は経管により栄養補給を行っている患者以外に栄養保持を目的とした医薬品を投与した場合)

栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した趣旨を記載すること。

(電算コード)830100949

 

栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の適正化(P827)

個別改定項目について(短冊)

https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf

 

(短冊)栄養保持を目的とした医薬品の給付要件見直し 説明(兵庫県保険医協会)

https://www.hhk.jp/kaitei2026/material/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E8%A8%BA%E7%99%82%E5%A0%B1%E9%85%AC%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%AE%E4%B8%BB%E3%81%AA%E5%86%85%E5%AE%B9%EF%BC%8826%E5%B9%B43%E6%9C%8823%E6%97%A5%E4%B8%80%E9%83%A8%E6%8A%9C%E7%B2%8B%E7%89%88%EF%BC%89.pdf?v=20260324

栄養保持を目的とした医薬品の給付要件見直し

薬効分類が「たん白アミノ酸製剤」に分類される医薬品(エンシュア・リキッドやラコール NF配合経腸用液など)のうち、効能又は効果が「一般に、手術後患者の栄養保持」であり、用法及び用量に「経口投与」が含まれる栄養保持を目的とした医薬品の処方について、算定できる患者が以下に限定される。

① 手術後の患者

② 経管により栄養補給を行っている患者

③ 必要な栄養を食事により摂取することが困難な患者である場合その他これに準ずる場合であって、医師が当該栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した患者

 

(改定事務連絡)

疑義解釈資料の送付について(その4)事務連絡 令和8年4月21日

【栄養保持を目的とした医薬品の品目について】
問33 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号)に、「
栄養保持を目的とした医薬品とは、 薬効分類がたん白アミノ酸製剤に分類される医薬品のうち、効能又は効果が 「一般に、手術後患者の栄養保持」であるものであって、用法及び用量に経口投与が含まれるものをいう。」とあるが、栄養保持を目的とした医薬品に 該当する具体的な品目は、次のとおりでよいか。
・イノラス配合経腸用液 
・エネーボ配合経腸用液 
・エンシュア・H ・エンシュア・リキッド 
・ツインラインNF配合経腸用液 
・ラコールNF配合経腸用液


(答) そのとおり。

 

第5部 投薬

(通則の6)

6 入院中の患者以外の患者に対して、栄養保持を目的とした医薬品を投薬した場合は、区分番号F000に掲げる調剤料、区分番号F100に掲げる処方料、区分番号F200に掲げる薬剤、区分番号F400に掲げる処方箋料及び区分番号F500に掲げる調剤技術基本料は算定しない。ただし、当該患者が、手術後の患者である場合又は経管により栄養補給を行っている患者である場合はその旨を、必要な栄養を食事により摂取することが困難な患者である場合その他これに準ずる場合であって、医師が当該栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した患者に投薬する場合はその理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。

 

(通知)投薬

(通則12)

12 「通則6」の栄養保持を目的とした医薬品とは、薬効分類がたん白アミノ酸製剤に分類される医薬品のうち、効能又は効果が「一般に、手術後患者の栄養保持」であるものであって、用法及び用量に経口投与が含まれるものをいう。

 

「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(P139)

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681751.pdf

 

(別表1)診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(Excel)

●(手術後の患者に栄養保持を目的とした医薬品を投与した場合)

手術年月日を記載すること。

●(経管により栄養補給を行っている患者に栄養保持を目的とした医薬品を投与した場合)

 直近の食道瘻の造設若しくはカテーテル交換、胃瘻の造設若しくはカテーテル交換、腸瘻の造設若しくはカテーテル交換又は経鼻栄養・薬剤投与用チューブ挿入術の実施年月日を記載すること。

●(手術後の患者又は経管により栄養補給を行っている患者以外に栄養保持を目的とした医薬品を投与した場合)

栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した趣旨を記載すること。

 

参考(別表1)調剤報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧

(調剤行為)

栄養保持を目的とした医薬品が処方されている処方箋に基づき調剤を行った場合

(記載事項)

栄養保持を目的とした医薬品が処方されている処方箋に基づき調剤を行った場合は、手術後の患者に栄養保持を目的とした医薬品を投与した旨又は経管により栄養補給を行っている患者に栄養保持を目的とした医薬品を投与した旨、処方医が当該栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した理由について処方箋の記載により確認した患者はその旨又は疑義照会により確認した旨を記載すること。

 

(2)は、「食欲不振」では、成分栄養剤(エレンタール配合内用剤等)の算定は、原則として認められない。

  消化を必要としない成分栄養剤」を「消化吸収機能障害」を有しない「食欲不振」では、認められない。

 

(3)は、適応傷病名と当月発症以外の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の傷病名がある患者に対するプロピオン酸系抗炎症薬((ロキソニン錠等)又は(プラノプロフェンカプセル))の算定は、原則として認められる。

 

 ロキソニン錠等は、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍には、禁忌となっているが、禁忌については査定しないものかと思ったが、「当月発症ではない胃潰瘍等には、禁忌としない」ということらしい。

 理由は、禁忌の理由であるロキソニン等の作用で胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがあるためであるが、潰瘍治療薬の作用によって、潰瘍の経過は、急性期以降、治癒過程へ向かうと示されており、胃血流減少による治癒過程への影響は小さいため、当月発症以外の消化性潰瘍へのロキソニン錠等の算定は、認められる。

 

(4)「胃粘膜保護剤」として胃粘膜保護剤(健胃消化剤等)の算定は、原則として認められる。

 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)など胃腸障害を起こしやすい薬剤の処方の時、健胃剤として認められるとする各県の審査機関も多いが東京都は、情報提供してきませんでした。

今回、「支払基金・国保統一事例」として胃粘膜保護剤として処方した場合の「薬効分類番号2330健胃消化剤」と「防御因子増強剤(セルベックスカプセル、ムコスタ錠等)」算定は、原則として認められる。

 健胃消化剤を胃粘膜保護剤として認められる。と防御因子増強剤も「胃粘膜の血流改善作用(防御因子増強)などの作用もある」ということで認められる。

ともに、「胃粘膜保護」で健胃剤として認められる。

 

(5)① 「胃粘膜保護剤」として認められないものとして

⑴ 薬効分類番号2325H₂遮断剤 

⑵ ドンペリドン(ナウゼリン錠等)、チキジウム臭化物(チアトンカプセル等)

② 胃粘膜保護剤」としてのプロトンポンプ・インヒビター(タケプロンカプセル等)の算定を認めない。

      以下の薬剤を処方した場合

⑴     ワルファリンカリウム(ワーファリン錠等)

⑵     合成副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン錠等)

⑶     解熱鎮痛消炎剤(ロキソニン錠等)

①    の H₂遮断剤は、胃酸分泌を抑制する作用を有する医薬品、ドンペリドン(ナウゼリン錠等)は、消化管運動を改善、チキジウム臭化物(チアトンカプセル等)は、消化管等の平滑筋の痙攣や運動機能の亢進を改善する作用を有する医薬品 ということで、「胃粘膜保護」としての算定は、認めていない。

②     のPPIについては、「特定の薬剤」を投与した場合の胃粘膜保護剤」としての算定を認めないとしているが、理由は、胃酸の分泌を抑制する作用を有する医薬品であり、粘膜保護作用は有していない。ということですから、どんな薬が処方されても、胃粘膜保護剤」しか認めていませんので、PPIは認めないということになります。

 

≪参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)≫

(1)【 投薬 】 支払基金統一事例 《令和7年1月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_135.pdf

440 半消化態栄養剤(摂食嚥下機能障害)の算定について

 

○ 取扱い

摂食嚥下機能障害に対する半消化態栄養剤(エンシュア・リキッド等)の算定は、原則として認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

エンシュア・リキッドは、食事の摂取が困難なときの栄養補給に用いられる経口・経管両用の経腸栄養剤で、添付文書の効能・効果には、「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。」と示されている。

 摂食嚥下機能障害は、食べること、飲み込むことの障害で、消化吸収機能は比較的保たれている状態であり、当該医薬品の投与により、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどを効果的に補給することができる。

 以上のことから、摂食嚥下機能障害に対する当該医薬品の算定は、原則として認められると判断した。

 

(2)【 投薬 】支払基金・国保統一事例 《令和7年1月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_134.pdf

439 成分栄養剤(食欲不振)の算定について

 

○ 取扱い 

食欲不振(寝たきり及び高齢者以外の患者)に対する成分栄養剤(エレンタール配合内用剤等)の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

成分栄養剤の一種であるエレンタール配合内用剤については、添付文書の効能・効果において、「一般に、手術前・後の患者に対し、未消化態蛋白を含む経管栄養剤による栄養管理が困難な時用いることができるが、とくに下記の場合に使用する。」と記載され、「下記の場合」として「未消化態蛋白を含む経管栄養剤の適応困難時の術後栄養管理」など、種々の栄養管理が記載されている。また、エレンタールP乳幼児用配合内用剤やヘパンED配合内用剤についても、同様に添付文書の効能・効果において、適応となる疾患の栄養管理等が記載されている。

したがって、単なる食欲不振の患者では、必ずしも消化吸収機能障害を有しているとは言えず、消化を必要としない成分栄養剤を第一選択とする必要性は低いと考える。

以上のことから、食欲不振(寝たきり及び高齢者以外の患者)に対する成分栄養剤(エレンタール配合内用剤等)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(※) 未消化態蛋白を含む経管栄養剤の適応困難時の術後栄養管理、腸内の清浄化を要する疾患の栄養管理、術直後の栄養管理、消化管異常病態下の栄養管理(縫合不全、短腸症候群、各種消化管瘻等)、消化管特殊疾患時の栄養管理(クローン氏病、潰瘍性大腸炎、消化不全症候群、膵疾患、蛋白漏出性腸症等)、高カロリー輸液の適応が困難となった時の栄養管理(広範囲熱傷等)

 

(3)【 投薬 】 支払基金統一事例 《令和7年2月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_136.pdf

458 プロピオン酸系抗炎症薬(適応傷病名と当月発症以外の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍)の算定について

 

○ 取扱い

適応傷病名と当月発症以外の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の傷病名がある患者に対するプロピオン酸系抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウム錠(ロキソニン錠等)又はプラノプロフェン(プラノプロフェンカプセル))の算定は、原則として認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

プロピオン酸系抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウム錠(ロキソニン錠等)やプラノプロフェン(プラノプロフェンカプセル))は、プロスタグランジン生合成抑制作用等により、解熱、鎮痛、抗炎症効果を発揮する医薬品である。

その作用により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがあるため、消化性潰瘍のある患者には禁忌とされている。

一方、潰瘍治療薬(胃酸抑制および胃粘膜保護)の作用によって、潰瘍の経過(ステージ分類)は、急性期以降、治癒過程へ向かうと示されており、胃血流減少による治癒過程への影響は小さいと考えられることから、適応傷病名に対する解熱、鎮痛、抗炎症目的で当該医薬品の投与が優先されることが多い。

 以上のことから、適応傷病名と当月発症以外の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の傷病名がある患者に対するこれらの医薬品の算定は、原則として認められると判断した。

 

(4)【 投薬 】支払基金・国保統一事例 《令和7年4月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_155.pdf

513 胃粘膜保護剤(健胃消化剤等)の算定について

 

○ 取扱い

次の薬剤を胃粘膜保護剤として処方した場合の算定は、原則として認められる。

薬効分類番号2330健胃消化剤

⑵ 防御因子増強剤(セルベックスカプセル、ムコスタ錠等)

 

○ 取扱いを作成した根拠等

健胃消化剤は、主に複数の消化酵素を体内に補うことで消化酵素の不足により生じる消化器症状などを改善する医薬品、また、防御因子増強剤は、胃粘液などの防御因子を増強することで胃粘膜保護作用をあらわす医薬品であり、共に粘膜の保護に有用であることから胃粘膜保護剤として有用性が高い。

以上のことから、上記⑴、⑵の薬剤を胃粘膜保護剤として処方した場合の算定は、原則として認められると判断した。

 

(5)【 投薬 】支払基金・国保統一事例 《令和7年4月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_156.pdf

514 胃粘膜保護剤としてH₂遮断剤等の算定について

 

○ 取扱い

① 次の薬剤を胃粘膜保護剤として処方した場合の算定は、原則として認められない。

⑴ 薬効分類番号2325H₂遮断剤

⑵ ドンペリドン(ナウゼリン錠等)、チキジウム臭化物(チアトンカプセル等)

② 次の薬剤を処方した場合の胃粘膜保護剤としてのプロトンポンプ・インヒビター(タケプロンカプセル等)の算定は、原則として認められない。

⑷     ワルファリンカリウム(ワーファリン錠等)

⑸     合成副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン錠等)

⑹     解熱鎮痛消炎剤(ロキソニン錠等)

 

○ 取扱いを作成した根拠等

H₂遮断剤は、H₂受容体に拮抗的に作用し、胃酸分泌を抑制する作用を有する医薬品である。また、ドンペリドン(ナウゼリン錠等)は、胃・十二指腸のドパミンの働きを抑えて消化管運動を改善し、くわえて、吐き気に関与するCTZに作用して制吐作用をもたらし、チキジウム臭化物(チアトンカプセル等)は、抗ムスカリン作用により消化管等の平滑筋の痙攣や運動機能の亢進を改善する作用を有する医薬品である。したがって、これらの薬剤は、それぞれが粘膜保護剤とは異なる薬理作用を有し、効能・効果も異なる。

以上のことから、薬効分類番号2325H₂遮断剤、ドンペリドン(ナウゼリン錠等)やチキジウム臭化物(チアトンカプセル等)を胃粘膜保護剤として処方した場合の算定は、原則として認められないと判断した。

また、プロトンポンプ・インヒビター(タケプロンカプセル等)は、胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する作用を有する医薬品であり、添付文書の主な効能・効果は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制等であり、粘膜保護作用は有していない。

以上のことから、ワルファリンカリウム(ワーファリン錠等)、合成副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン錠等)、解熱鎮痛消炎剤(ロキソニン錠等)を処方した場合の胃粘膜保護剤としてのプロトンポンプ・インヒビター(タケプロンカプセル等)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

初めに、私が、厚生労働省の「国民の皆様の声」に出した、「事務連絡」の間違いの指摘分

 AIに「手術の使用薬剤」を例示させたが時間かかるので、何のためか教えて、私の厚生労働省への指摘分を見せたら理解し、「支払基金」へは私が書きますという。

 私は、途中で、「馬鹿が」が入るけどと言うと、AIは、丁寧に書くから効くのです。と言うので、書いたのが次の文章。

 

厚生労働省 医療課 ご担当者様

受付窓口である、東京都厚生局に10年近く前「疑義照会」していただいた回答がありません。厚生局では「返事がない場合もあります。」とのことですが、いかがなものでしょうか?

私も、何十例も「国民の皆様の声」で質問していますが、医療課の回答はゼロですので、厚生局の言葉も、嘘ではないような気がします。

今回回答がない場合は、「人事院」へ相談いたします。

 

手術の「使用薬剤」について

 普通の包括病棟では「手術・麻酔」が算定可能な場合でも手術中でも薬剤は、「手術を実施するために必要な薬剤」「手術の使用薬剤」であり算定可であるが、手術による疼痛管理に使用する注射薬剤は、「手術の使用薬剤」ではなく「手術に関連して行う注射」です。

 したがって、投薬・注射欄で算定となり、「投薬・注射」が包括の場合は、算定できない。のが自明ですが、

 

 厚労省では下記の事務連絡を出しました。

「鎮痛薬等は、当該手術の術中に用いた場合算定できる。」と勘違いさせる内容です。

 

 支払基金では、下記のように「鎮痛剤を術中に投与された場合」は、認められる・との情報提供を出しました。

 これは、上記の理由で誤りと考えますが、いかがでしょうか。

ご教示お願いいたします。

 

参考≪DPCの事務連絡≫

疑義解釈資料の送付について(その1)事務連絡 令和6年3月28日

問6-27 手術に伴い、術前・術後に用いた薬剤(例:腹部外科手術の前処理として用いた経口腸管洗浄剤、術後の疼痛緩和に用いた非ステロイド性鎮痛薬等)は、手術に係る費用として別途算定することが可能か。

(答)手術に係る費用として別途算定可能な薬剤は、当該手術の術中に用いたものに限られ、それ以外の薬剤については別途算定できない。

 

参考≪支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)≫

【 その他 】支払基金統一事例 《令和7年2月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/sonota_1.files/sonota_3.pdf

472 アセトアミノフェン(DPCの手術時)の算定について

 

○ 取扱い

DPCレセプトにおける手術時(麻酔管理中)のアセトアミノフェン【注射薬】(アセリオ静注液)の算定は、原則として認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

DPCレセプトにおいて手術に係る費用として別途算定可能な薬剤については、厚生労働省保険局医療課事務連絡※において「当該手術の術中に用いたものに限られる」と示されている。

アセトアミノフェン(アセリオ静注)は、効能・効果が「経口製剤及び坐剤の投与が困難な場合における疼痛及び発熱」に対する薬剤で、投与後15分程度で効果が現れ、作用時間は6~8時間とされている。当該医薬品の投与を麻酔管理下(離脱時)及び覚醒後の疼痛を考慮し術中から開始する重要性からも、DPCレセプトにおいて手術(麻酔)の部で請求された当該薬剤は術中に投与されたものと判断できる。

以上のことから、DPCレセプトにおける手術時(麻酔管理中)のアセトアミノフェン【注射薬】の算定は、原則として認められると判断した。

 

次は、「支払基金」あてのAI作成文書

 

件名:DPCにおける術中鎮痛薬の取扱いに関する統一事例について(従来査定との整合性に関する問い合わせ)

 

貴機構におかれましては、平素より診療報酬請求の適正化にご尽力いただき、厚く御礼申し上げます。

 

さて、令和7年2月28日付「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」のうち、

472「アセトアミノフェン(DPCの手術時)の算定について」における記載内容について、従来の審査運用との整合性の観点から、下記の点につきご教示をお願い申し上げます。

 

貴機構の統一事例では、DPCレセプトにおける手術時(麻酔管理中)のアセトアミノフェン静注(アセリオ静注液)について、

 

「当該医薬品の投与を麻酔管理下(離脱時)及び覚醒後の疼痛を考慮し術中から開始する重要性からも、DPCレセプトにおいて手術(麻酔)の部で請求された当該薬剤は術中に投与されたものと判断できる。」

 

との理由により、「原則として認められる」とされています。

 

一方で、これまで包括入院料を算定する病棟においては、

 

・ 「手術の使用薬剤」とは、当該手術を実施するために術野・病変部に直接用いる薬剤(例:アドレナリン局注、静脈瘤硬化剤、局所止血薬等)を指し

・ 手術による疼痛管理に使用する注射薬は、「手術に関連して行う注射」であり「手術の使用薬剤」には該当しない

・ したがって、投薬・注射が包括される入院料においては、術中に投与された鎮痛薬であっても、別途出来高算定はできない

 

との整理に基づき、実務上も査定を受けてまいりました。

 

この従来運用を前提とすると、

 

・ アセトアミノフェン静注(アセリオ)は効能・効果上「術後疼痛」「発熱」等への使用を想定した周術期疼痛管理薬であり

・ 投与のタイミングが「術中」であっても、目的は「覚醒後・術後の疼痛緩和」であって、当該手術そのものの遂行に不可欠な「手術の直接薬剤」とは言い難い

 

ことから、

 

「術中投与=直ちに『手術の使用薬剤』として別途算定可能」という解釈は、従来貴機構が示してこられた「手術の使用薬剤」と「手術に関連して行う注射」との区分と整合しないように思われます。

 

また、令和6年3月28日付 厚生労働省疑義解釈資料(問6-27)においては、

 

「手術に係る費用として別途算定可能な薬剤は、当該手術の術中に用いたものに限られ、それ以外の薬剤については別途算定できない。」

 

と示されていますが、同文書は「術中使用か否か」という時期的条件を示したものであり、「術中であれば周術期疼痛管理薬まで一律に『手術の使用薬剤』に含める」とまで解釈する趣旨ではないと理解しております。

 

以上を踏まえ、下記の点につきご回答を賜りたく存じます。

 

アセトアミノフェン静注(アセリオ静注液)を「手術時(麻酔管理中)の薬剤」として原則認める今回の統一事例は、

「手術の使用薬剤」の範囲そのものを拡大する趣旨なのか、

それともDPCにおける特例的な取扱いなのか。

 

もし「手術の使用薬剤」の範囲を拡大する趣旨である場合、

従来、貴機構において「手術に関連して行う注射であり、包括入院料では算定不可」とされてきた

他の術中鎮痛薬、鎮静薬等との整合性を、どのように整理されているか。

 

地域包括ケア病棟入院料等、DPC以外の包括入院料においても、

「術中に投与された鎮痛薬であれば、手術に係る費用として別途算定し得る」

という取扱いに変更されるのか、それとも本統一事例はDPCに限った運用なのか。

 

現場では、貴機構の従来の査定基準に基づき、包括入院料算定病棟における術中鎮痛薬は「手術の使用薬剤」としては請求しない運用を徹底してまいりましたところ、今回の統一事例は、そうしたこれまでの指導・査定との関係で、現場に大きな混乱を生じさせております。

 

つきましては、貴機構としての公式な整理をお示しいただきたく、何卒よろしくご教示賜りますようお願い申し上げます。

 

以上

よくできてるので、

社会保険支払基金審査苦情処理担当あてメールすることにした。

 

糖尿病の投薬について

 

まず、初めに、インスリンから(後半は、参考:「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」)

 

インスリンが標的臓器としている「肝臓、脂肪組織、骨格筋」のそれぞれの組織のインスリン取り込みとその後の血糖値の低下のメカニズム

 

 インスリンは、体内の血糖値を下げる唯一のホルモンです。食事によって血糖値が上がると、このインスリンが膵臓から分泌され、ブドウ糖を肝臓、脂肪組織、骨格筋といった標的臓器へ取り込ませグリコーゲンとして蓄えることで血糖値を低下させます。

 

● 肝臓では、空腹時、糖の新生と蓄積されたグリコーゲンを分解し、ブドウ糖として血中に放出するが、インスリンによって、放出を抑えることにより、血糖値が維持される。

 

● 骨格筋では、

食後時の血糖値の上昇により

「ブドウ糖輸送体であるGLUT4が各組織の細胞膜に現れて、細胞膜にブドウ糖を取り込み」エネルギーとして使われたり、グリコーゲンとして蓄えられ血糖値が下がる。

また、運動はインスリンとは別に「GLUT4が各組織の細胞膜に現れて、細胞膜にブドウ糖を取り込み」血糖値を下げる。

 

● 脂肪組織では

 ブドウ糖は、脂肪内では中性脂肪として蓄積される。

 食後血糖値の上昇により

「ブドウ糖輸送体であるGLUT4が各組織の細胞膜に現れて、細胞膜にブドウ糖を取り込み」中性脂肪として蓄えられ血糖値が下がる。

 

(1) 「2型糖尿病」の適応薬で1型糖尿病では、認められない。

 1型糖尿病は、膵臓のインスリンを作る細胞(β細胞)が壊れてしまい、インスリンをほとんど、または全く作れなくなる病気です。

 したがって、「インスリンの分泌を促進する薬剤」である(⑴ DPP-4阻害薬、⑶ スルホニル尿素(SU)薬 ⑷ GLP-1作動薬)は、適応がありませんので、認められない。 

● 「⑴ DPP-4阻害薬、⑷ GLP-1作動薬」は、インクレチン関連薬です。

 「インクレチン」は、小腸から分泌される「GLP-1」と「GIP」という2種類のホルモンで高血糖(食後)の時にインスリン分泌促進作用がある。

 インスリン分泌されると血糖降下作用が働きます。また、食欲抑制作用もあります。(ホルモンにもありますが、GLP-1受容体作動薬は、より強力にとなります。)

 

 つまり、インクレチンは、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)の2種類の消化管ホルモンの総称です。

 食後に血糖値が上昇した際に、膵臓からのインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる作用があります。(膵細胞にあるインクレチンの受容体と結合しインスリン分泌を促進します。したがって、GLP-1の補強する薬剤をGLP-1受容体作動薬」と言います。

 GIPは、有用性の問題から研究が進んでなく薬剤はないがGLP-1受容体とGIP受容体の両方に作用する「GIP/GLP-1受容体作動薬」(デュアルアゴニスト)の開発が進み、すでに「チルゼパチド」(商品名:マンジャロ®)が承認・発売されている。)

 

 ただ、DPP-4という全身の細胞膜にある酵素(化学反応を促進させる)は、「インクレチン」を速やかに分解(数分から十数分)し無効化して低血糖にならないよう調整している。

 健常者にとっては、有為な調整だが、インスリン分泌能力が低下している2型糖尿病患者にとっては、DPP-4の作用を抑えてインスリン分泌を促進する必要があります。

 そのため、DPP-4阻害薬は、このDPP-4の働きを抑えることで、インクレチンの分解を遅らせ、体内のインクレチン濃度を高めます。結果、インスリン分泌を促進します。

 

 これらインクレチンの補強である「GLP-1受容体作動薬」や「GIP/GLP-1受容体作動薬」及び「DPP-4阻害薬」は「インクレチン関連薬」と言われ(インスリン分泌機能が破壊されていない)2型糖尿病の治療に使われる薬剤です。「GLP-1受容体作動薬」と「DPP-4阻害薬」の併用は、国保の「審査情報提供」では、認められていません。「併用で効果が増強されるというエビデンスもなく、「GLP-1受容体作動薬」の注射剤だけで効果は十分である。」としている。

 

「⑵SGLT2阻害薬(1型糖尿病に適応のある薬剤を除く。)」

 「SGLT2阻害薬」は、血中の糖を腎臓で再吸収させる「SGLT2」という腎臓の尿細管にあるタンパク質で糖を尿として排泄せず、再吸収する作用(血糖となる)がありますが、「SGLT2阻害薬」は、この再吸収を阻止し、糖を尿として排泄し、高血糖を防ぎます。(糖を尿で排出する薬理作用なので、1型糖尿病にも適応となる薬剤もあるが、1型糖尿病患者(インスリンは、継続が必要)では、副作用としては、低血糖とケトアシドーシスが懸念されており、一部の薬剤のみ1型糖尿病に適応あり。

    

「⑶ スルホニル尿素(SU)薬」

 SU剤(スルホニル尿素系製剤)は、インスリン分泌促進薬ですが、インクレチンは、高血糖の時に分泌されるインスリン分泌促進ホルモンですが、SU剤は、インスリン分泌を長い間(12~24時間以上)強力に増やし、持続的に血糖を下げます。重い低血糖に注意が必要です。内服も1日1回か2回(1日1回又は2回食前又は後)となっています。

 いずれにしても、「インスリン分泌促進薬」ですので、「1型糖尿病」に適応はありません。

※(参考) 糖尿病に対するグリニド薬とSU剤(スルホニル尿素系製剤)の併用(支払基金)

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12916346962.html

 

(2)は、「2型糖尿病」で作用機序が同一の薬剤の併算定は認められない。

● 「④ SGLT2阻害薬 ⑤ DPP-4阻害薬又はGLP-1受容体作動薬」は、上記の(1)に説明あり。

● 「①チアゾリジン薬」

インスリン抵抗性改善:筋肉・脂肪細胞などに作用し、全身のインスリン感受性を高める

(インスリン抵抗性改善剤ですので、インスリンの効きが悪い「インスリン抵抗性」に適応です。)

薬剤例:アクトスOD錠15・30

(薬効分類名:インスリン抵抗性改善剤-2型糖尿病治療剤-:1日1回朝食前又は朝食後に経口投与) 

● 「② ビグアナイド薬」

 主として肝臓での糖新生を抑え、筋肉や脂肪組織でのインスリンの効き目を高め、小腸から糖を血液中に取り込み抑制(1日2~3回食後)

薬剤例:メトグルコ錠250mg・500㎎:薬効分類名:ビグアナイド系経口血糖降下剤

(〈2型糖尿病〉通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前又は食後に経口投与)

● 「③αグルコシダーゼ阻害薬」(薬効分類名:食後過血糖改善剤)

 腸から糖が吸収されるのを遅らせて(食事で摂った糖質が小腸でブドウ糖へと分解されるのを遅らせる。)、食後の血糖を下げます。

● 「⑥グリニド薬(速攻型インスリン分泌促進薬)」

 インスリンの分泌を短い間(3〜4時間)増やし、食後の血糖を下げます。低血糖に注意が必要です。(毎食前服用)持続的に血糖を下げます。SU剤(スルホニル尿素系製剤)と同じく、インスリン分泌促進薬ですが、「インクレチン関連薬」は、高血糖時ですが、血糖値に関係なく、持続的に血糖を下げます。

 

※ 「①チアゾリジン薬」と「② ビグアナイド薬」は、共に、インスリンの効き目を高めるものですが、「ビグアナイド薬」は、「主として肝臓での糖新生」で「チアゾリジン薬」は、筋肉・脂肪細胞などに作用し、全身のインスリン感受性を高めるもので、「チアゾリジン薬」と「ビグアナイド薬」の「配合剤」もあるものです。

 

(3)は、「原則として、DPP-4阻害剤と抗GLP-1受容体作動薬の併用は認められない。」国保の審査情報提供)

(2)では、「同一種類(作用機序が同一)の経口血糖降下薬の併用投与は、原則として認められない。」として

 「⑤ DPP-4阻害薬又はGLP-1受容体作動薬では、2剤の経口血糖降下薬の併用は認められないとありますが、これは、経口薬ですが、(3)では

 『 GLP-1受容体作動薬はDPP-4阻害剤に比べ、インクレチンの血中濃度が2~3倍程度上昇するといわれており、注射薬のみで効果は十分と考える。

 とあるように、「注射薬」と「錠剤」の併用は認めないとしています。(「GLP-1受容体作動薬」のほとんどは注射薬で1種類だけ錠剤がある。)

 

(4)は、「糖尿病治療剤とインスリン製剤の併用投与は臨床的に有用であると考えられる。」

 「糖尿病治療剤とインスリン製剤の併用投与は臨床的に有用であると考えられる。」として、2型糖尿病に対する「インスリン製剤」と以下の「糖尿病治療剤」との併用は原則認められる。

⑴ ビグアナイド薬 ⑵ チアゾリジン薬 ⑶ スルホニル尿素(SU)薬 ⑷ グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬) ⑸ DPP-4阻害薬 ⑹ α-グルコシダーゼ阻害薬 ⑺ GLP-1受容体作動薬

 

(5)「原則として、インスリン投与中の2型糖尿病に対するスルホニル尿素(SU)剤は認められる。」

 上記(4)でも「インスリン製剤」と「スルホニル尿素(SU)薬」は、認められる。となっているが、「国保の審査情報提供」で、根拠として『スルホルニル尿素剤(SU剤)はインスリンの分泌の促進により血糖値を下げる効果があり、インスリン製剤とは作用が異なる。』

  として原則認められる。

 

(6)「2型糖尿病性腎症に対するイミダプリル塩酸塩錠(タナトリル錠2.5、5mg)の算定は、原則として認められない。」

  適応は「1型糖尿病性腎症」であり、「2型糖尿病性腎症」では、認められない。

 

(7)「腎機能障害又は、腎機能低下でDPP-4阻害薬の通常投与量の算定は、原則として認められる。」

 DPP-4阻害薬のジャヌビア錠は、腎排泄型薬剤であるので、腎障害の程度により投与量の調節が必要とのことだが、「腎機能障害又は、腎機能低下」では、通常量でいいとのことだが、レセプトの病名では、「重度の腎機能障害」が、「腎不全」又は「末期の腎不全」で、それ以外は、「腎機能障害」又は、「腎機能低下」で、「中程度」と表示しない限り「中程度」と見なさないようです。(なぜかと言えば、「中程度以上の腎機能障害」は、投与量の調整が必要としているが、「腎機能障害」又は、「腎機能低下」では、通常量が認められることから判断できる。)

 

(8)「1型糖尿病に対する糖尿病治療剤(チアゾリジン薬)の算定は、原則として認められない。」

   

 チアゾリジン薬は、インスリンの効きの悪い(インスリン抵抗性)の改善剤で「インスリン抵抗性改善剤」と言います。PPARγ(ピーピーエーアールガンマ)というタンパク質の一種に働きかけ脂肪細胞の働きを調節し、インスリンの効きの良くなる細胞に変化させます。

 

 具体的には、インスリンの働きを悪くする原因の一つある遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)を減らし、インスリン抵抗性を改善します。

 また、インスリンの働きを悪化させる「組織壊死因子-α (TNF-α)」や「炎症性サイトカイン」と言われる、体が炎症を起こしたときに増える物質の分泌を抑えます。

 更に、脂肪細胞から分泌されるホルモンで、インスリンの感受性を高め、血糖値を下げる働きがある「アディポネクチン」の分泌を促進します。

 

 このため、チアゾリジン薬は、特に肥満や内臓脂肪の蓄積があり、インスリン抵抗性が強いと考えられる2型糖尿病患者さんの治療に用いられます。(したがって、適応は「2型糖尿病」です。)

 

(9)「1 型糖尿病に対するグルファスト錠(グリニド薬)の投与は、原則として認められない。」

 (2)の概要説明にもある通り「速攻型インスリン分泌促進薬」ですので、インスリン分泌細胞の膵β細胞の破壊されて、機能していない「1型糖尿病」には適応がない

 

 

参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)≫

(1)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年7月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_55.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年6月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_touyaku_F-72.pdf

 

229 1型糖尿病(インスリン抵抗性の記載がある場合を含む。)に対する糖尿病治療剤(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、SU薬、GLP-1作動薬)の算定について 

○ 取扱い

1型糖尿病(インスリン抵抗性の記載がある場合を含む。)に対する次の糖尿病治療剤の算定は、原則として認められない。

⑴ DPP-4阻害薬 ⑵ SGLT2阻害薬(1型糖尿病に適応のある薬剤を除く。) スルホニル尿素(SU)薬 ⑷ GLP-1作動薬

 

○ 取扱いを作成した根拠等

1型糖尿病では、膵β細胞の破壊によるインスリン枯渇状態が基盤にある。 DPP-4阻害薬、スルホニル尿素(SU剤)、GLP-1作動薬は、いずれも機能不全に陥っている膵β細胞に対してインスリン分泌を促すものであり、1型糖尿病では、その効果は期待できない。

またSGLT2阻害薬は、近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制し、尿中排泄(濃度)を高める。結果として易感染性の高い1型糖尿病では、尿路・生殖器感染症の合併頻度が高くなる。 また副作用としてケトアシドーシスの発生も知られている。

以上のことから、1型糖尿病(インスリン抵抗性の記載がある場合を含む。) に対する上記糖尿病治療剤の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(2)【 投薬 】支払基金・国保統一事例 《令和7年4月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_164.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-165.pdf

 

522 経口血糖降下薬(2型糖尿病)の併用投与について 

○ 取扱い

2型糖尿病に対する同一種類の経口血糖降下薬※の併用投与は、原則として認められない。 (※) 経口血糖降下薬の種類は以下のとおり

① チアゾリジン薬 ② ビグアナイド薬 ③ α-グルコシダーゼ阻害薬 ④ SGLT2阻害薬 ⑤ DPP-4阻害薬又はGLP-1受容体作動薬 ⑥ スルホニル尿素(SU)薬又はグリニド薬(速攻型インスリン分泌促進薬)

 

○ 取扱いを作成した根拠等

経口血糖降下薬は、作用機序や作用臓器により数種に分類される。糖尿病の薬剤療法については、「糖尿病標準診療マニュアル」に、単剤から投与を開始して反応に応じて種類の異なる薬剤を追加する旨記載されており、作用機序の異なる種類の経口血糖降下薬の併用投与は有用と考えられるが、作用機序が同一である経口血糖降下薬の併用投与の臨床的有用性は低いと考えられる。

以上のことから、2型糖尿病に対する上記の同一種類の経口血糖降下薬の併用投与は、原則として認められないと判断した。

 

(3)【国保】 審査情報提供《令和4年9月26日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_touyaku_F-32.pdf

 

F-32 DPP-4阻害剤と抗GLP-1受容体作動薬の併用

○ 取扱い

原則として、DPP-4阻害剤と抗GLP-1受容体作動薬の併用は認められない。

○ 取扱いの根拠

いずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有するインクレチン関連薬であり、併用により効果が増強するといったエビデンスもない。

GLP-1受容体作動薬はDPP-4阻害剤に比べ、インクレチンの血中濃度が2~3倍程度上昇するといわれており、注射薬のみで効果は十分と考える。

(編注)

※ インクレチン関連薬は、糖尿病治療薬の一種です。血糖値が高いときだけインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる働きをするホルモンであるインクレチン*の作用(食事を摂取した際に腸から分泌されるホルモンで、膵臓に作用しインスリン分泌を促します。)を利用した薬です。

種類

作用メカニズム

投与方法

DPP-4阻害薬

インクレチンを分解する酵素「DPP-4」の働きを抑え、体内のインクレチン濃度を上げることで、インスリン分泌を促進する。

飲み薬

GLP-1受容体作動薬

分解されにくい構造のGLP-1(インクレチンの一種)を直接補充し、膵臓のGLP-1受容体に作用してインスリン分泌を促す。

注射薬

 

(4)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例  《令和7年10月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_203.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年12月4日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/260226_7112_ika_touyaku_F-215.pdf

 

701 糖尿病治療剤とインスリン製剤の併用投与について

○ 取扱い

2型糖尿病に対する次の糖尿病治療剤とインスリン製剤の併用投与は、原則として認められる。

⑴ ビグアナイド薬 ⑵ チアゾリジン薬 ⑶ スルホニル尿素(SU)薬 ⑷ グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬) ⑸ DPP-4阻害薬 ⑹ α-グルコシダーゼ阻害薬 ⑺ GLP-1受容体作動薬

 

○ 取扱いを作成した根拠等

2型糖尿病は、過食や運動不足といった生活習慣の乱れに伴い、インスリンが相対的不足に陥った場合に発症する。

糖尿病の薬物療法については、「糖尿病標準診療マニュアル2025」に、経口血糖降下薬の単剤で開始し反応に応じて次のステップで種類の異なる薬剤を追加する旨、また、インスリンの適応か否かは各ステップでも考慮する旨記載されており、糖尿病治療剤とインスリン製剤の併用投与は臨床的に有用であると考えられる。

以上のことから、2型糖尿病に対する上記糖尿病治療剤とインスリン製剤の併用投与は、原則として認められると判断した。

 

(5)【国保】 審査情報提供《令和7年8月28日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-198.pdf

 

F-198 スルホニル尿素剤(インスリン投与中の患者)

○ 取扱い

原則として、インスリン投与中の2型糖尿病に対するスルホニル尿素(SU)剤は認められる。

 

○ 取扱いの根拠

スルホルニル尿素剤(SU剤)はインスリンの分泌の促進により血糖値を下げる効果があり、インスリン製剤とは作用が異なる。

2型糖尿病患者においてインスリン分泌の状態に応じインスリン製剤投与中にSU剤を併用することは認められると整理した。

 

(6)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年10月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_93.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年8月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_touyaku_F-105.pdf

 

335 2型糖尿病性腎症に対するイミダプリル塩酸塩錠の算定について 

○ 取扱い

2型糖尿病性腎症に対するイミダプリル塩酸塩錠(タナトリル錠2.5、5mg)の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

イミダプリル塩酸塩錠(タナトリル錠2.5、5mg)は、腎臓のACE活性阻害作用などにより糖尿病性腎症の改善作用を有するが、糖尿病性腎症に関する添付文書の効能・効果は「1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症」であり、「2型 糖尿病性腎症」に適応はない。

以上のことから、2型糖尿病性腎症に対するイミダプリル塩酸塩錠(タナトリル錠2.5、5mg)の算定は、原則として認められないと判断した。

(編注)※ 「タナトリル錠2.5・タナトリル錠5」の効能効果:高血圧症、腎実質性高血圧症、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症。ですが、「タナトリル錠10」では、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症は、ない。

 

(7)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例  《令和7年5月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_169.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年5月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-177.pdf

 

550 DPP-4阻害薬(腎機能低下等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対する、DPP-4阻害薬の通常投与量の算定は、原則として認められる。

⑴ 腎機能低下 ⑵ 腎機能障害

 

○ 取扱いを作成した根拠等

DPP-4阻害薬のジャヌビア錠は、腎排泄型薬剤であることより、添付文書の重要な基本的注意に「腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい」旨、また、特定の背景を有する患者に関する注意には「中等度腎機能障害又は重度腎機能障害のある患者、血液透析又は腹膜透析を要する末期腎不全の患者」には「適切な用量調節を行う」旨記載されている。

また、「糖尿病標準診療マニュアル2025」の糖尿病の治療の流れには、「腎機能を勘案した通常量から開始」する旨記載されており、腎機能障害や腎機能が低下している患者に対して、当該医薬品の通常量の投与は、臨床上妥当と考えられる。

以上のことから、上記傷病名に対する、DPP-4阻害薬の通常投与量の算定は、原則として認められると判断した。

 

(8)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年11月29日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_102.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年12月5日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_touyaku_F-116.pdf

 

378 1型糖尿病に対する糖尿病治療剤(チアゾリジン薬)の算定について

○ 取扱い

1型糖尿病に対する糖尿病治療剤(チアゾリジン薬)の算定は、原則として認められない。

○ 取扱いを作成した根拠等

糖尿病治療剤(チアゾリジン薬)はPPARγと呼ばれる核内受容体型転写因子作用を活性化し、結果として脂肪組織の質を改善し、同時に遊離脂肪酸、組織壊死因子-α(TNF-α)、炎症性サイトカインの分泌を抑制する一方で、アディポネクチンの分泌を促進させ、インスリン抵抗性を改善させる働きがあることより、肥満・内臓脂肪蓄積が疑われインスリン抵抗性が強いと推測される場合に使用される。

1型糖尿病は、膵β細胞の破壊により、インスリン分泌が枯渇した状態であり、1型糖尿病に対して本薬剤の薬理作用からは血糖低下作用は期待できない。

以上のことから、1型糖尿病に対する糖尿病治療剤(チアゾリジン薬)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(9)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和4年1月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_17.pdf

【国保】審査情報提供《令和3年9月 7日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_touyaku_F-23.pdf

 

36 1型糖尿病に対するグルファスト錠の投与について 

○ 取扱い

1 型糖尿病に対するグルファスト錠(一般名:ミチグリニドカルシウム水和物)の投与は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

グリニド薬の1つであるグルファスト錠(一般名:ミチグリニドカルシウム水和物)の添付文書における「効能・効果」は「2型糖尿病」であり、「禁忌」欄に「重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者」には投 与しないと記載されている。

また、本薬剤は、膵β細胞のスルホニル尿素受容体への結合を介して、インスリンの分泌を速効的に促進するが、1型糖尿病では膵β細胞の破壊が進んで おり、インスリン分泌が枯渇状態にあるため、その投与効果は期待できない。

以上のことから、1型糖尿病に対するグルファスト錠(一般名:ミチグリニ ドカルシウム水和物)の投与は、原則認められないと判断した。

「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」と「G003 抗悪性腫瘍剤局所持続注入」

 

1. 点数表では、「植込型カテーテル設置」は、

 

「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」と

「K618 中心静脈注射用植込型カテーテル設置」の2つあります。

 

抗がん剤注入のために「CVポート設置」は、「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」で算定するという解釈があります。

 

医科の点数表では

 

頭頸部その他に設置した場合

K611は、16,640点で、

K618では、10,800点です。

同じことをしてこの点数の違いは何でしょう?

 

そこで、新設の時をさかのぼると以下の通りです。

 

現在の「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」は、

 

 平成14年改定で「K606-2 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置」

として新設されています。

 その時点では、名称は「動脈内持続注入用」と動脈への持続注入ですが、下記の通知に

「静脈内」も「腹腔内」も明示されており、共に局所持続注入することを目的とした場合に準じて算定できるとしている。(抗がん剤注射の「局所持続注入」ということは、癌の栄養血管等又は癌に近接する特定の部位をピンポイントで標的とする注入ということです)

 

「抗がん剤注入のためのCVポート設置」は、「CVポート設置」ですので「全身投与」(薬剤が血液中に入り、全身を巡ることで効果を発揮する投与方法)です。局所持続注入ではない。

したがって、「抗がん剤注入のためのCVポート設置」は、「K618 中心静脈栄養用植込型カテーテル設置」で算定すべきものです。

 

 医学的判断ができない医事課では「局所持続注入」「全身投与」の違いが分かりません。「抗癌剤注入のためのポート設置」であれば、名称にも「静脈」がある「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」の 「頭頸部その他に設置した場合:16,640点。」を算定します。

 

この件については過去にも記事がある11年前(平成27年)

(算定例)医事専門誌の間違った解釈2015年4月号 レセプト(2015.1月分、関連部分のみ抜粋)

抗がん剤のリザーバとCVポート2

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479829.html

抗がん剤のリザーバとCVポート(リザーバ)

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479825.html

 

こう間違える原因の1つは平成20年の改定で

 

「K606-2 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置」を「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」に名称変更したとき(名称に「静脈」が入ったし、「通知」に抗悪性腫瘍剤の局所持続注入又は疼痛の制御を目的としてがあるので、分かるだろうと思ったのでしょう。)

 

 下記の通知を削除しただけで、説明を省略しました。つまり、静脈内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合算定できる。を省略したため、上記のように「医事専門誌」で誤った解説をしてしまいます。(「静脈で局所持続注入する」ということは、通常では、ありません。しかし、

 

 昔の例では、肝癌で癌細胞が血管を塞ぎ「肝静脈腫瘍栓」や「門脈腫瘍栓」が形成された場合に行われたことがあったようですが、現在では、聞いたことがないので、実質的には、算定例は、ないはずです。

 

 ただ、レセプトでは、症状詳記に「抗がん剤注入のためCVポート設置」等のコメントがなければ、判断は難しく査定されません。(一般病院では、ほぼ、CVポートで全身投与ですので、本来は査定対象です。)

 ですから、査定対象の抗癌剤治療が、山ほどあります。(残念ながら、間違いに気づいていませんので、堂々と詳記にCVポート設置」をコメントします。

 

※ 更に、現状では、抗癌剤の静脈持続注入はなく、実質的に「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」は、抗がん剤を「動脈」に注入し、特定の癌のある部位に集中して治療を行うためのカテーテル設置を想定している。

「K618 中心静脈注射用植込型カテーテル設置」は「四肢に設置した場合」「頭頸部その他に設置した場合」しかなく、(肺癌、胃癌、肝癌、腎癌、膵癌、大腸癌)で「四肢に設置した場合」や「頭頸部その他に設置した場合」は、「K618 中心静脈注射用植込型カテーテル設置」が正しい可能性が高い。

 

(平成14年当時の通知は)

(1) 悪性腫瘍の患者に対し抗悪性腫瘍剤を局所持続注入すること又は疼痛の制御を目的として、チューブ又は皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。

(2) 設置するチューブ、体内に埋め込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料料は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) 抗悪性腫瘍剤を静脈内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置に準じて算定する。

(4) 抗悪性腫瘍剤を腹腔内に局所持続注入することを目的として皮下埋込型カテーテルアクセスを設置した場合は、抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用埋込型カテーテル設置の「2」に準じて算定する。:(この時すでに、(静脈内に局所持続注入)があり、「静脈」でこちらで算定できるのは、あくまで、「局所持続注入」の場合です。)

 

同時に「中心静脈設置」は

「K618 中心静脈栄養用埋込型カテーテル設置」で新設されています。(当時は、栄養用となっています。)

 

現在の≪点数表≫(令和6年改定時)

K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置

開腹して設置した場合:17,940点。

四肢に設置した場合:16,250点。

頭頸部その他に設置した場合:16,640点。

(通知)

(1) 悪性腫瘍の患者に対し、抗悪性腫瘍剤の局所持続注入又は疼痛の制御を目的として、チューブ又は皮下植込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。

(2) 設置するチューブ、体内に植え込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3) 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル抜去の際の費用は「K 000」創傷処理の「1」筋肉、臓器に達するもの(長径5センチメートル未満)で算定する。

 

K618 中心静脈注射用植込型カテーテル設置

四肢に設置した場合:10,500点。

頭頸部その他に設置した場合:10,800点。

注1 6歳未満の乳幼児の場合は、乳幼児加算として、300点を加算する。

2 使用したカテーテル、カテーテルアクセス等の材料の費用は、これらの点数に含まれるものとする。

 

(通知)

(1) 中心静脈注射用の皮下植込型カテーテルアクセスを設置した場合に算定できる。

(2) 長期の栄養管理を目的として、中心静脈注射用植込型カテーテルの設置を行う際には、中心静脈注射用植込型カテーテルによる療養の必要性、管理の方法及び終了の際に要される身体の状態等、療養上必要な事項について患者又はその家族等への説明を行うこと。

(3) 長期の栄養管理を目的として、中心静脈注射用植込型カテーテルを設置した後、他の保険医療機関等に患者を紹介する場合は、中心静脈注射用植込型カテーテルによる療養の必要性、管理の方法及び終了の際に要される身体の状態等、療養上必要な事項並びに患者又はその家族等への説明内容等を情報提供すること。

(4) 体内に植え込むカテーテル及びカテーテルアクセス等の材料の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(5) 中心静脈注射用植込型カテーテル抜去の際の費用は「K000」創傷処理の「1」筋肉、臓器に達するもの(長径5センチメートル未満)で算定する。

 

2. 「G003 抗悪性腫瘍剤局所持続注入165点」と「G006植込型カテーテルによる中心静脈注射125点」

 

 「K611 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置」の間違いが異常に多いのが、「G006植込型カテーテルによる中心静脈注射125点」で算定すべきものを「G003 抗悪性腫瘍剤局所持続注入 165点」での算定です。

 

 抗癌剤の全身投与は、「G006植込型カテーテルによる中心静脈注射125点」ですが、「G003 抗悪性腫瘍剤局所持続注入 165点」で算定しています。

 

 平成18年の改定では、「G003 抗悪性腫瘍剤局所持続注入 165点」の注に過去には通知だったものを下記のように告示の注としました。(初めから、「通知」か「注」に常に、ありましたが、)

しましたが、上記のように平成27年には、大手の医事専門誌で、堂々と誤った解釈を載せてしまいました。

 

 医学的判断ができない医事課では「局所持続注入」「全身投与」の違いが分かりません。抗癌剤が注入されていれば、「G003 抗悪性腫瘍剤局所持続注入 165点」の算定なんだろうと思うだけです。

多分、20年以上間違えた請求が続いています。(これも人事院に報告かな?)

 

「注 皮下植込型カテーテルアクセス等を用いて抗悪性腫瘍剤を動脈内、静脈内又は腹腔内に局所持続注入した場合に算定する。」

 

嫌気性培養加算と便の抗原検査

 

細菌は、下記の表のように「好気性菌」と「嫌気性菌」分けられ、「好気性菌」は、酸素が必要で「嫌気性菌」は、酸素が必要ない更に、「好気性菌」は、酸素濃度が高いほど増殖する「偏性好気性菌」と低濃度の酸素が必要な「微好気性菌」に分かれる。

 

「嫌気性菌」は、酸素があってもなくても生存できる「通年嫌気性菌」と酸素があると生存できない「偏性嫌気性菌」に分かれる。

 

人の消化管は口、胃、小腸、大腸と進んでいくにしたがって酸素濃度が低下します。そのため、胃には好気性菌(例えば微好気性菌のピロリ菌)が生息していることがありますが、ほぼ無酸素の大腸では好気性菌は生育できません。大腸に生息する多種多様な細菌のほとんどが嫌気性菌です。

 

昔、便の「カンピロバクターの培養」は「嫌気性培養加算」が算定できるような話もありました。しかし、「カンピロバクター」は、「嫌気性菌」ではなく、「微好気性菌」です。カンピロバクターは「微好気性菌」であり、通常の空気中(21%の酸素濃度)では増殖できず、「3~5%程度の酸素濃度」で最もよく増殖する微好気性菌であり、全く酸素がない環境(偏性嫌気性)では増殖できません。

 

したがって、培養に酸素濃度の調整という手間が増えますので、「嫌気性培養加算」が算定できると考えた検査会社があったかもしれません。

「嫌気性培養加算」の算定根拠も「偏性嫌気性菌」の培養のため「無酸素」環境での培養作業という手間があるためですので、「大腸菌」のように「通年嫌気性菌」の場合、「酸素があってもなくても生存できる」ため、「無酸素」環境での培養作業という手間の必要がありませんので、「嫌気性培養加算」は算定できません。

つまり、「嫌気性培養加算」が算定できるのは、「嫌気性菌」の「偏性嫌気性菌」の培養の時だけとなります。

生育条件

特徴

好気性

偏性好気性

酸素濃度が高い方がよく増殖する

微好気性

低濃度の酸素が必要

嫌気性

通年嫌気性

酸素に関係なく生存できる(酸素があってもなくても生存できる

偏性嫌気性

酸素があると生存できない

 

(1)は検体別の嫌気性培養加算の算定で①の「経皮的経気管吸引物」から「CAPDカテーテルからの排液」までが、「偏性嫌気性菌」が存在する部位となり、②の「喀痰」から「皮膚(開放的分泌物)」が、酸素が存在する部位から採取した検体を用いて検査で「偏性嫌気性菌」は、正確性は低く原則認められないとされる。

 

・下記の「⑴ 経皮的経気管吸引物、経皮的肺穿刺液 ⑵ 気管支鏡下採取材料(Protected Brush付着物)」については、

「 気管支鏡下採取材料」は、口や鼻から挿入のため常在菌等が混入しやすく「Protected Brush」(常在菌からの保護のためシースである筒状のカバーや鞘)を使用して(常在菌が混入しないような)「無菌状態」で採取した検体でなければ「嫌気性培養」の意味がないが、「経皮的経気管吸引物、経皮的肺穿刺液」は、皮下から直接無菌のまま採取できるので、そのまま、嫌気性培養ができる。

したがって、②の嫌気性培養加算の算定は、原則として認められない。の「(1) 喀痰」となっているが、最後に「なお、喀痰については、口腔から採取した場合は認められないが、気管切開口から採取した場合は認められる。」(この場合採取部位・方法の詳記が必要でしょう。)

 

下記の(2)の「嫌気性培養加算(喀痰)(適応)」では、嚥下(誤嚥)性肺炎の原因菌は、「嫌気性菌」のため「嫌気性培養」が必要である((3)でも「⑵ 誤嚥性肺炎、嚥下性肺炎」は、嫌気性培養加算が原則認められるとなっている。)が、国保の審査情報提供では嫌気培養は偏性嫌気性菌の検出を目的として行われるものであり、気管支鏡等を用いて直接喀痰を採取するなど、検体の採取法が明確でなければ算定は認められないとしている。

方法は異なるが、無菌状態で採取できる場合は、原則認めますとなっている。

 

・②の「嫌気性培養」が認められないものに「⑵ 咽頭液 ⑶ 鼻腔液 ⑷ 口腔採取物」があります。酸素が存在するところですから「嫌気性環境」ではありませんので嫌気性菌はありません。

 

しかし(3)の「⑶ 咽頭周囲膿瘍 ⑷ 扁桃周囲膿瘍」は、嫌気性培養加算の算定は、原則として認められる。」となっている。これは「膿瘍の内部は、炎症が進行することで血流が悪くなり、酸素供給が低下するため、嫌気性環境となり、嫌気性菌が増殖する環境だからです。」

 

・(1)の①の「⑸ 子宮頸管分泌物 ⑹ 子宮分泌物 ⑺ ダグラス窩からの検体」は原則、「嫌気性培養加算」の算定認められています。これは、女性生殖器系の特定の部位からの検体で、嫌気性菌感染が起こりやすいです。

 

⑻ 中耳穿刺液 ⑼ 血液 ⑽ 髄液 ⑾ 閉鎖性の膿 ⑿ CAPDカテーテルからの排液 については、「無菌的な環境」で「閉鎖空間」であるので、感染が起こると「好気性菌や組織細胞が酸素を消費することで、その場の酸素濃度が低下します。これにより、嫌気性菌が増殖しやすい環境(嫌気性環境)が作られます。」ので、嫌気的になりやすく、嫌気性菌が原因となることが多いため、その検出のために嫌気性培養が重要になります。嫌気性菌による感染症は、膿瘍形成、組織壊死、敗血症などを引き起こし、重篤化する可能性があります。

 

・(1)の②の嫌気性培養加算が原則認められない物の残りの理由は下記のとおりです。

胃液:胃は酸性が強いため、菌の生息が困難。もし菌が存在しても、主に好気性菌や通性嫌気性菌が多い。(「嫌気性培養」は、偏性嫌気性菌の検出のための検査なので酸素があってもなくても生存できる通性嫌気性菌」は認められない。

排泄尿尿道口や外陰部の常在菌(好気性菌、通性嫌気性菌など)の混入が避けられないので、正確性・有用性がない。

カテーテル尿:カテーテル挿入時に尿道口の常在菌が混入する可能性がある。

尿道分泌物:尿道口の常在菌の混入が避けられない。

腟分泌物:膣内には様々な常在菌(嫌気性菌も含む)が存在するため、病原菌との鑑別が困難。

皮膚(開放的分泌物):皮膚の表面は酸素に触れており、常在菌も多数存在するため、検体が好気的環境にある。

 常在菌は人体に有用な菌であるが、体調等により感染菌となることがあり、原因菌か常在菌の混入なのかの区別が出来ないため、常在菌が多い「好気性環境」にある検体で嫌気性培養加算は認められない。

 

・(3)の①の「嫌気性培養加算が原則として認められる」

「⑴ 肺膿瘍、肺化膿症(疑い含む。)⑶ 咽頭周囲膿瘍 ⑷ 扁桃周囲膿瘍 ⑹ 肛門周囲膿瘍 ⑺ 腹腔内膿瘍」肺膿瘍や肺化膿症は、口腔内の嫌気性菌が誤嚥により肺に侵入することで発症することが多く、嫌気性菌が主要な原因菌となります。また、「膿瘍内は嫌気性環境」であるため嫌気性培養加算が認められる。

※ 一方、肺結核は結核菌という酸素がなければ増殖できない細菌です。(つまり、偏性好気性菌です。)

したがって、酸素が豊富な肺に感染しやすいという特徴があります。

⑵ 誤嚥性肺炎、嚥下性肺炎」:上記で説明済み。(検体「喀痰」で偏性嫌気性菌を原因とする疾患。

「⑸ 偽膜性腸炎、クロストリジウム・ディフィシル腸炎(CD腸炎)」:この次の「国保の審査情報提供」の(4)では、検体の「糞便」で、「嫌気性培養加算」は算定できない。とあり、唯一加算できるのが「薬剤性腸炎」でもある、クロストリジオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile、略してCDまたはC. difficile)という「偏性嫌気性菌」で発症する「CD腸炎」で、その毒素で大腸の粘膜が壊死して偽膜となり、「偽膜性腸炎」となるので、「偽膜性腸炎」はCD腸炎の重症例と言える。

「⑻ 子宮付属器炎 ⑼ 子宮内膜炎 ⑽ 子宮内感染症 ⑾ 子宮頸管炎」が認められるのは、子宮頸部以下の深部のため嫌気性環境での感染であるので、嫌気性培養加算は原則、認められる。

「⑿ ダグラス窩膿瘍、骨盤腹膜炎」も嫌気性環境であるため嫌気性培養加算が認められる。

「⒀ 外陰部膿瘍、バルトリン腺膿瘍、 ⒄ 深在性膿瘍」は、「膿瘍内は嫌気性環境」であるため嫌気性培養加算が認められる。

「⒁ 産褥熱」:産褥熱は子宮を中心とした骨盤内感染症」であるので、子宮頸部より深部の炎症性疾患では、嫌気性培養加算が原則として認められます。

「⒂ 眼内感染症」:「眼内は通常無菌的な閉鎖空間であり、ここで感染が成立すると、炎症や組織のダメージにより局所的に酸素濃度が低下し、嫌気性環境となり、嫌気性菌が増殖する可能性があります。」

「⒃ 深在性皮膚感染症」:皮膚表面とは異なり、深部の組織は血流が悪くなると酸素供給が滞り、嫌気的な環境になりやすく膿瘍(膿の袋)を形成することがあります。化膿が進むと、膿瘍内部は閉鎖空間となり、血液や周囲の好気性菌、炎症細胞が酸素を消費することで、酸素濃度が低下し「嫌気的環境」となり、偏性嫌気性菌の増殖に最適な条件を提供します。

「⒅ 蜂窩織炎」:「皮膚の深部にまで及ぶ細菌感染症で、体内の深部や閉鎖空間、あるいは組織の壊死を伴う状況で発生するため、嫌気性菌が病原菌として重要な役割を果たす可能性が高いと判断され、嫌気性培養加算の対象として認められています。」

 

・(3)の②の「嫌気性培養加算が原則として認められない。」

「⑴ 肺結核(疑い含む。)」:①にもあるように肺結核は結核菌という酸素がなければ増殖できない細菌です。(つまり、偏性好気性菌です。)したがって、酸素が豊富な肺に感染しやすいという特徴があります。

「⑵ 急性腸炎、急性胃腸炎」:原因菌の、ほとんどは、通性嫌気性菌または微好気性菌であり、厳密な嫌気性条件でなければ増殖できない偏性嫌気性菌ありません。また、検体が「便」のため、常在菌が大量で、検出された菌が病原菌であるのか、あるいは単なる常在菌であるのかを区別することが極めて困難であり正確性・有用性が低く「嫌気性培養加算」は、認められていないが、「偽膜性腸炎・CD腸炎」は、明確に嫌気性菌が、原因と特定されているので、「嫌気性培養加算」は、認められているが、評価は、「補助的な検査」という位置づけである。 

「⑶ 薬剤性腸炎(偽膜性腸炎、クロストリジウム・ディフィシル腸炎(CD腸炎)を除く。)」「CD腸炎」以外の薬物性腸炎では「偏性嫌気性菌」が原因となることはまれであり、検体が「便」のため、常在菌が大量で、正確性・有用性が低く「嫌気性培養加算」は、認められていない

「⑷ 細菌性腟炎、腟炎、外陰炎 ⑸ 滲出性中耳炎 ⑹ 表在性皮膚感染症」:好気性環境にある検体のため無菌(常在菌が混入する)ではないので、嫌気性培養は有用性(意味)がない。

※ (嫌気性培養加算が認められる)中耳穿刺は、急性中耳炎などで膿が貯留した場合であり「閉鎖空間」であるが、滲出性中耳炎は、通常、細菌感染は顕著ではなく、細菌性の場合も好気性または通性嫌気性菌なので、「嫌気性培養」は有用ではない。

 

・(4)嫌気性培養加算(糞便)(適応)」国保の審査情報提供より

 (3)は「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」の支払基金統一事例ということで、「薬剤性腸炎では、嫌気性培養は、原則として認めないとしているが、国保では検体「糞便」では、原則として認めない。」と情報を提供している。(いずれも、「偽膜性腸炎」及び「CD腸炎」に限り認められるとしている。)

※ 検体「糞便」による「嫌気性培養加算」は認められない。ただし、「偽膜性腸炎」及び「CD腸炎」については、その疑いがある場合は認める。となっていますので、「病名」が必要ということです。

 

・(5)「膣から子宮までの炎症性疾患のない膣症」とは、嫌気性環境ではない部位(好気性環境)で、炎症性疾患のない状態は、子宮頸管炎、子宮内膜炎、子宮付属器炎などの炎症性疾患を合併していないということで、膣分泌物の検査では、嫌気性環境ではないため常在菌の混入が避けられないため部位のため嫌気性培養は有用ではない。

炎症性疾患を合併している場合は、深部に炎症が及ぶことで嫌気性環境が形成され、嫌気性菌が病原菌として関与する可能性が高まるため「嫌気性培養」が認められることとなる。

 

・(6)「ヘリコバクター・ピロリ感染症に対する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められない。」

 ※ ピロリ菌は微好気性菌のため、「嫌気性培養」を行う医学的必要性はない。

 

・(7)ロタウイルス抗原定性(糞便)等の算定、(8)ロタウイルス抗原定性(糞便)等の対象者の年齢

 ※ 「ロタウイルス感染症疑いがない急性胃腸炎」では、認められない。

 ※ 「ロタウイルス抗原定性(糞便)等の対象者の年齢」:乳幼児から高齢者まで感染例があるので、原則として年齢にかかわらず認められる

 

・(8)アデノウイルス感染症の記載がない場合、アデノウイルス抗原定性(糞便)の算定は認められない

※アデノウイルス感染症の記載がない「感染性胃腸炎」の病名のみに対するアデノウイルス抗原定性(糞便)の算定は認められない

 

(1)【 検査 】 支払基金統一事例《令和6年11月29日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_135.pdf

 

370 検体別の嫌気性培養加算の算定について

○ 取扱い 

① 次の検体に対するD018の注1に規定する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められる。

⑴ 経皮的経気管吸引物、経皮的肺穿刺液 ⑵ 気管支鏡下採取材料(Protected Brush付着物) ⑶ 胸水 ⑷ 腹水 ⑸ 子宮頸管分泌物 ⑹ 子宮分泌物 ⑺ ダグラス窩からの検体 ⑻ 中耳穿刺液 ⑼ 血液 ⑽ 髄液 ⑾ 閉鎖性の膿 ⑿ CAPDカテーテルからの排液

② 次の検体に対するD018の注1に規定する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められない。

⑴ 喀痰 ⑵ 咽頭液 ⑶ 鼻腔液 ⑷ 口腔採取物 ⑸ 胃液 ⑹ 排泄尿 ⑺ カテーテル尿 ⑻ 尿道分泌物 ⑼ 腟分泌物 ⑽ 皮膚(開放的分泌物)

 

○ 取扱いを作成した根拠等

嫌気性培養は、酸素が存在する環境では増殖できない偏性嫌気性菌を検出するための検査である。偏性嫌気性菌が存在する部位(嫌気性環境)から採取した検体を用いて嫌気性培養を実施した場合に有用であり、対象となる検体及び菌種は多岐にわたる。一方、酸素が存在する部位から採取した検体を用いて実施した場合の診断としての正確性は低いと考えられる。

 以上のことから、上記①の検体に対する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められるが、上記②の検体に対する算定は認められないと判断した。

 なお、喀痰については、口腔から採取した場合は認められないが、気管切開口から採取した場合は認められる。

 

(2)【国保】 審査情報提供《令和6年6月 6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-222.pdf

 

D-222 嫌気性培養加算(喀痰)(適応)

○ 取扱い 

原則として、喀痰による嫌気性培養加算については、嚥下(誤嚥)性肺炎等の治療のために気管支鏡等を用いて直接喀痰を採取した場合を除き認められない。

○ 取扱いの根拠

嫌気培養は偏性嫌気性菌の検出を目的として行われるものであり、気管支鏡等を用いて直接喀痰を採取するなど、検体の採取法が明確でなければ算定は認められないと整理した。

 

(3)【 検査 】 支払基金統一事例 《令和6年11月29日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_134.pdf

 

369 嫌気性培養加算の算定について

○ 取扱い 

① 次の傷病名に対するD018の注1に規定する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められる。

⑴ 肺膿瘍、肺化膿症(疑い含む。) ⑵ 誤嚥性肺炎、嚥下性肺炎 ⑶ 咽頭周囲膿瘍 ⑷ 扁桃周囲膿瘍 ⑸ 偽膜性腸炎、クロストリジウム・ディフィシル腸炎(CD腸炎) ⑹ 肛門周囲膿瘍 ⑺ 腹腔内膿瘍 ⑻ 子宮付属器炎 ⑼ 子宮内膜炎 ⑽ 子宮内感染症 ⑾ 子宮頸管炎 ⑿ ダグラス窩膿瘍、骨盤腹膜炎 ⒀ 外陰部膿瘍、バルトリン腺膿瘍 ⒁ 産褥熱 ⒂ 眼内感染症 ⒃ 深在性皮膚感染症 ⒄ 深在性膿瘍 ⒅ 蜂窩織炎

② 次の傷病名に対するD018の注1に規定する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められない。

⑴ 肺結核(疑い含む。) ⑵ 急性腸炎、急性胃腸炎 ⑶ 薬剤性腸炎(偽膜性腸炎、クロストリジウム・ディフィシル腸炎(CD腸炎)を除く。) ⑷ 細菌性腟炎、腟炎、外陰炎 ⑸ 滲出性中耳炎 ⑹ 表在性皮膚感染症

○ 取扱いを作成した根拠等

嫌気性培養は、酸素が存在する環境では増殖できない偏性嫌気性菌を検出するための検査である。偏性嫌気性菌が存在する部位(嫌気性環境)から採取した検体を用いて嫌気性培養を実施した場合に有用であり、対象となる傷病名は多岐にわたる。

一方、酸素が存在する部位から採取した検体を用いて実施した場合の診断としての正確性は低い。

 以上のことから、上記①の傷病名に対する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められるが、上記②の傷病名に対する算定は認められないと判断した。

 

(4)【国保】 審査情報提供《令和6年6月 6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-221.pdf

 

D-221 嫌気性培養加算(糞便)(適応)

○ 取扱い 

原則として、糞便による嫌気性培養加算については、偽膜性腸炎やクロストリジオイデス・ディフィシル(クロストリジウム・デフィシル)感染症の診断を除き認められない。

○ 取扱いの根拠

嫌気培養は偏性嫌気性菌の検出を目的として行われるものであり、偽膜性腸炎やクロストリジオイデス・ディフィシル(クロストリジウム・デフィシル)感染症等、嫌気性菌による感染を疑う場合のみ、算定が認められると整理した。

 

(5)【国保】 審査情報提供《令和6年12月5日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-314.pdf

 

D-314 嫌気性培養加算(女性器分泌物)(適応) 

○ 取扱い

原則として、女性器分泌物による嫌気性培養加算については、膣から子宮までの炎症性疾患のない膣症のみでは認められない。

○ 取扱いの根拠

嫌気培養は偏性嫌気性菌の検出を目的として行われるものであり、子宮頚管からの採取等で認められるが、膣から子宮までの炎症性疾患のない膣症のみで女性器分泌物による嫌気性培養加算の算定は妥当でないと整理 した。

 

(6)【 検査 】支払基金・国保統一事例 《令和6年12月27日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_148.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年12月5日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-331.pdf

 

400 嫌気性培養加算(ヘリコバクター・ピロリ感染症)の算定について 

○ 取扱い

ヘリコバクター・ピロリ感染症に対する嫌気性培養加算の算定は、原則として認められない。

○ 取扱いを作成した根拠等

嫌気性培養は、酸素のある環境では増殖できない菌種(偏性嫌気性菌)の検出を目的として行われるものである。 一方、ヘリコバクター・ピロリ感染症の原因菌であるピロリ菌は微好気性菌に属する菌である。

したがって、ヘリコバクター・ピロリ感染の診断において、嫌気性培養を行う医学的必要性はない。

以上のことから、ヘリコバクター・ピロリ感染症に対する当該検査の算定は、原則認められないと判断した。

 

(7)【 検査 】支払基金・国保統一事例 《令和6年3月29日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_23.pdf

【国保】審査情報提供《令和5年12月5日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-159.pdf

 

87 急性胃腸炎に対するロタウイルス抗原定性(糞便)等の算定について 

○ 取扱い

ロタウイルス感染症疑いがない急性胃腸炎に対するD012「8」ロタウイルス抗原定性(糞便)、ロタウイルス抗原定量(糞便)の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

ロタウイルスは、感染力も強く、ロタウイルス感染性腸炎は、小児仮性コレラと言われる如く激しい水溶性下痢を特徴とする。

本検査は、ロタウイルス感染性腸炎の診断において特異度が高い検査として位置づけられている。

以上のことから、ロタウイルス感染症疑いがない急性胃腸炎に対するD012 「8」ロタウイルス抗原定性(糞便)、ロタウイルス抗原定量(糞便)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(8)【 検査 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年4月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_28.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年8月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-303.pdf

 

127 ロタウイルス感染に対するロタウイルス抗原定性(糞便)等の算定 について 

○ 取扱い

ロタウイルス感染に対するD012感染症免疫学的検査「8」ロタウイルス抗原定性(糞便)又はD012感染症免疫学的検査「8」ロタウイルス抗原定量(糞便)の算定は、原則として年齢にかかわらず認められる。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

ロタウイルス感染症は、ロタウイルスに感染することで生じる急性胃腸炎である。乳幼児期に感染しやすく、激しい症状が出ることが多い疾患であるが成人の感染例もあり、特に抵抗力や免疫力が低下している高齢者の場合には 重症となることもある。

このため、ロタウイルス感染に対するD012感染症免疫学的検査「8」ロタウイルス抗原定性(糞便)又はロタウイルス抗原定量(糞便)の算定は、原則として年齢にかかわらず認められると判断した。

 

(9)【国保】 審査情報提供《令和7年8月28日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_kensa_D-423.pdf

 

D-423 アデノウイルス抗原定性(糞便)(感染性胃腸炎)

○ 取扱い

原則として、「アデノウイルス」の記載がない感染性胃腸炎に対するアデノウイルス抗原定性(糞便)の算定は認められない。

○ 取扱いの根拠

本検査は、アデノウイルス感染症の診断を行うためのものであり、アデノウイルス感染症の記載がない「感染性胃腸炎」の病名のみに対するアデノウイルス抗原定性(糞便)の算定は認められないと整理した。

「訪問診療・訪問看護における施設の要介護者等への訪問の可否」

 

 「要介護者等」への訪問看護は、原則「介護保険」で実施され、急性増悪の場合や別に厚生労働大臣が定めた疾患(別表第七)については、医療保険で訪問看護が行われる。(原則、看護師等が配置されている介護施設は介護保険の訪問看護は算定できない。)

 介護施設については、常勤の看護師等の配置が義務づけられている「介護老人保健施設」や「介護医療院」への医療保険の訪問看護も、できないが、「特別養護老人ホーム」等は、看護師等の一人以上(換算可。)の配置であり、条件(末期癌)により認められる。

 「訪問診療」については、常勤医師が配置されている「介護老人保健施設・介護医療院」では認められない。

 平成28年の改定前は、在宅医療の管理料は「特定施設入居時等医学総合管理料」で、主に「特定施設」等(特定施設のほか、養護老人ホーム(110名以下)、軽費老人ホームA、特別養護老人ホーム)だけであったが、平成28年改定後は、「施設総管」には、特定施設以外の有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームが追加され、「軽費老人ホームC」のケアハウスで介護型は、看護師等の配置もあり、ほとんどが特定施設であるが、「施設総管」の対象から外れ「逆転現象」と言われていたが、次の改定でもこの扱いは変わらず現在に至っている。

更に、平成30年(2018年)度改定では、在宅ターミナルケア加算「有料老人ホーム等に入居する患者」「それ以外」で区分された。ここでの有料老人ホーム等には、「在総管」の算定対象である小規模多機能型居宅介護または看護小規模多機能型居宅介護における宿泊サービスを利用中の患者も含まれた。(つまり、「診療項目」によって、「介護施設」か「個人に準ずる扱い」か異なっている。):ただ、厚労省は,何年にも渡って間違えていることがあるので心配ですが。(下記に事例を載せます。:意外と多いので適当にここにコピペしようとしましたが、多いので下へ)

 

訪問診療・訪問看護における施設の要介護者等への訪問の可否

施設の種類

訪問

診療(施設総管含む)

訪問

看護

訪問

診療

備考

訪問

看護

備考

介護老人保健施設

 

 

介護医療院

 

 

特別養護老人ホーム

※1※6

末期がんのみ可能

(介護予防又は)短期入所生活介護

※2

※3

(末期がんのみ可能)

小規模特別養護老人ホーム(地域密着型特別養護老人ホーム)

※1※6 

末期がんのみ可能

グループホーム

(認知症対応型共同生活介護)

 

※4

小規模多機能型居宅介護又は複合型サービス

宿泊中

(在医総管含む)

※2

※4、※5

自宅にいる時

(在医総管含む)

 

※4

その他(施設総管対象)(養護老人ホーム(110人以下)、軽費老人ホームA、有料老人ホーム、サ高住)

 

※4

その他(在医総管対象)

(軽費老人ホームB・C)

 

※4

※1 「別紙1の※8」(死亡日からさかのぼって30日以内の患者については、当該患者を当該特別養護老人ホーム(看取り介護加算の施設基準に適合しているものに限る。)において看取った場合(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院若しくは当該特別養護老人ホームの協力医療機関の医師により行われたものに限る。)に限る。)

※2 「別紙1の※10」(当該患者によるサービス利用前30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問診療料、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料(以下「在宅患者訪問診療料等」という。)を算定した保険医療機関の医師(配置医師を除く。)が診察した場合に限り、算定することができる(末期の悪性腫瘍の患者以外の患者においては、利用開始後30日までの間に限る。)。

また、保険医療機関の退院日から当該サービスの利用を開始した患者については、当該サービス利用開始前の在宅患者訪問診療料等の算定にかかわらず、退院日を除き算定できる(末期の悪性腫瘍の患者以外の患者においては、利用開始後30日までの間に限る。)。)

※3 別紙1の※12」(末期の悪性腫瘍の患者であって、当該患者によるサービス利用前30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問看護・指導料を算定した保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合に限り、算定することができる。)

※4 「別紙1の※2」末期の悪性腫瘍等(別表7の疾病)の患者及び急性増悪等により一時的に頻回の訪問看護が必要である患者に限る。特別訪問看護指示書の交付の場合

※5 「別紙1の※11」(当該患者によるサービス利用前30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問看護・指導料を算定した保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合に限り、算定することができる(末期の悪性腫瘍の患者以外の患者においては、利用開始後30日までの間に限る。)

※6 「別紙1の(3.入院中の患者)ア.地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設」(死亡日からさかのぼって30日以内の患者及び末期の悪性腫瘍の患者に限る。ただし、看取り介護加算(Ⅱ)を算定している場合には看取り加算は算定できない。)

 

上記の「別紙1」とは、下記に掲載されている一覧表

「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」の一部改正について(令和6年3月27日)

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001252048.pdf

《参考資料》

【別表第7の疾病】

1.末期の悪性腫瘍、2.多発性硬化症、3.重症筋無力症、4.スモン、5.筋萎縮性側索硬化症、6.脊髄小脳変性症、7.ハンチントン病、8.進行性筋ジストロフィー症、9.パーキンソン病関連疾患、10.多系統萎縮症、11.プリオン病、12.亜急性硬化性全脳炎、13.ライソゾーム病、14.副腎白質ジストロフィー、15.脊髄性筋萎縮症、16.球脊髄性筋萎縮症、17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎、18.後天性免疫不全症候群、19.頸髄損傷、20.人工呼吸器を使用している状態

 

《厚労省の間違い》

「生活習慣病管理料を算定した月においては、特定疾患処方管理加算は算定できない」という事務連絡

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12951365642.html

厚生労働省の数年にわたる間違い

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12846212761.html

”厚生労働省の数年にわたる間違い”R8.2.13人事院に告発

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12862693928.html

摂食機能障害者の定義の誤解釈と地域包括ケア病棟入院料の(「入退院支援部門」)

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12662273450.html

摂食機能療法の対象者が制限されました。

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479984.html

関東信越厚生局東京事務所からの回答

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479892.html

厚生労働省保険局医療課に対する疑義照会

https://ameblo.jp/yakinuku/entry-12537479841.html

 

「胃腸炎・急性上気道炎」に対する「抗菌薬・抗生剤」(内服薬)・「抗菌薬・抗生剤」(注射薬)の算定

《参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)全文》は、下段にあり

 

(1)は、「クラビット錠」(抗菌剤)の内服薬です。

  ≪支払基金・国保統一事例

  『 感冒性胃腸炎 、急性胃腸炎に対する「クラビット錠」の算定は、原則、認められない。』

 (理由)

  『「感冒」は、ウイルス感染であり、「急性胃腸炎」は、多くは、ウイルス感染で、「抗菌剤」の有用性は低い。

 ※ 「咽頭炎」等は、適応疾患として認められているが、5. 効能又は効果に関連する注意」では

 『〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、感染性腸炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。』 となっている。

 

<薬剤の主な適応症>

● クラビット錠250mg

<効能・効果>(呼吸器疾患・胃腸炎のみの適応)

    咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、感染性腸炎、腸チフス

 

(2)は、(1)と同じく「ホスミシン錠」(抗菌剤)の内服薬です。

  ≪支払基金・国保統一事例

 『感冒、感冒性胃腸炎、感冒性腸炎に対する「ホスミシン錠」の算定は、原則、認められない。』((1)と同じなので、「急性胃腸炎」も原則、認められない。)

  (理由)

 「感冒、感冒性胃腸炎、感冒性腸炎」は、ウイルス性疾患であり、適応外で有用性は低い。

 ※ 「感染性腸炎」は、適応症にあるが、(1)と同じく「5. 効能又は効果に関連する注意」では

 『〈感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。』となっている。

 

(3)は、「ペニシリン系」等の(抗菌剤)の内服薬です。

   ≪支払基金・国保統一事例

 『「感冒」、「小児のインフルエンザ」、「小児の気管支喘息」、「感冒性胃腸炎」、「感冒性腸炎」、「慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎」は、抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】の算定は、原則として認められない。』

 (理由)

 「感冒」、「小児のインフルエンザ」、「小児の気管支喘息」、「感冒性胃腸炎」、「感冒性腸炎」、「慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎」は、ウイルス性疾患、気道の過敏や狭窄等をきたす疾患(喘息)、細菌感染症ではない疾患(慢性上気道炎)

 ※ 「ビクシリンカプセル」等には、咽頭・喉頭炎は、適応症であるが、「5. 効能又は効果に関連する注意」では

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。』となっている。

 

(4)は、「抗生物質製剤」の注射薬です。

  ≪支払基金・国保統一事例

 『 感染性胃腸炎、感染性腸炎、感冒、慢性上気道炎、急性  上気道炎に対する「エクサシン注射液」の算定は、原則として認められない。 』

(理由)

 『「感染性胃腸炎、感染性腸炎」には適応はなく、「呼吸器疾患」の適応は、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染のみであり、「感冒、慢性上気道炎、急性上気道炎」は適応外となる。』

 ※ 「慢性呼吸器病変の二次感染」とは、原則、ウイルス性の疾患である感冒・急性上気道炎ではなく、細菌感染による急性咽頭炎等です。急性咽頭炎(急性上気道炎の1つ)の診断の要点はA群β溶血性レンサ球菌(GAS)による急性咽頭炎かどうかを判断することであり、その理由はGASによる急性咽頭炎抗菌薬治療の適応となるからです。

「抗微生物薬適正使用の手引き第一版」でも「迅速抗原検査または培養検査でA群β溶血性レンサ球菌(GAS)が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する」とあり、抗菌薬治療の適応はGASのみと記載されています。

 

(5)は、「ホスミシンS静注用」等の「抗生物質製剤」の注射薬です。

   支払基金・国保統一事例

 『「感冒性胃腸炎、感冒性腸炎」、「急性胃腸炎、胃腸炎、急性腸炎、腸炎」、「 感染性胃腸炎、感染性腸炎(嘔吐症がある場合、食事摂取できない場合を除く。)」、 「細菌性赤痢」、「サルモネラ腸炎(腸チフス含む。)」、「慢性咽頭炎」、「慢性喉頭炎」、「慢性扁桃炎」に対する「ホスミシンS静注用」等の算定は、原則として認められない。』

 

(理由)

『感冒や急性胃腸炎は、ウイルス性が多く有用ではない。「細菌性赤痢」、「サルモネラ腸炎(腸チフス含む。)」及び「急性上気道炎」は適応外である。』

 

(6)は、「A群β溶連菌迅速試験定性」で、「溶連菌感染症」の診断のための検査です。

支払基金・国保統一事例

「A群β溶連菌迅速試験定性」は上気道炎(扁桃炎、咽頭炎)や皮膚疾患(伝染性膿痂疹、丹毒等)の原因菌となるA群連鎖球菌の検査です。算定は、原則として、1エピソード(1発症)につき1回まで認められると判断した。また、治癒判定目的での算定は、原則として認められないと判断した。』

(※ (4)の※にある通り、「上気道炎(扁桃炎、咽頭炎)」に対して抗菌薬治療の適応は、「A群β溶血性レンサ球菌(GAS)による咽頭炎」に限られている。

(医科点数)

 D012 感染症免疫学的検査

 19 A群β溶連菌迅速試験定性 121点

 

(7)は、「感染性胃腸炎」の「便の細菌顕微鏡検査

  支払基金・国保統一事例

  『感染性胃腸炎に対する「細菌顕微鏡検査 「3」その他のもの(便検体)」の算定は、原則として認められない。

  

  (理由)

 『 感染性胃腸炎は細菌又はウイルスなどの感染症ですが、 通常、短期間に自然治癒するため、重症が疑われる場合等に検査が行われるが、「感染性胃腸炎」での細菌顕微鏡検査は、病原体の推定が困難であり、有用性が低いため認められない。

 

※ 「感染性胃腸炎」等の感染性の疾患で「便の細菌顕微鏡検査」は、妥当と思われるが、「感染性胃腸炎」では、病原体を推定できないものがあることは、医学を学んでいない医療事務員にとって貴重な情報である。

 

(8)は、「便検体」による「細菌顕微鏡検査「3」その他のもの」の算定は、原則として認められる。

   ≪支払基金・国保統一事例

  『 便検体による「トリコモナス」、「アメーバ赤痢(原虫)」、「 胃結核(細菌)」、「カンピロバクター腸炎(細菌)」、「腸管スピロヘータ症(細菌)」、「腸結核、結核性下痢 (細菌)」の「細菌顕微鏡検査「3」その他のもの」の算定は、原則として認められる。

 

 (理由)

 『上記は、便検体の「細菌顕微鏡検査「3」その他のもの」で種類を特定することができる病原菌である。』

 

《参考:支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)全文》

 

(1)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例  《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_148.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-151.pdf

 

491 レボフロキサシン水和物【内服薬】(感冒性胃腸炎等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対するレボフロキサシン水和物【内服薬】(クラビット錠等) の算定は、原則として認められない。 ⑴ 感冒性胃腸炎 ⑵ 急性胃腸炎

○ 取扱いを作成した根拠等

クラビット錠は、添付文書の効能・効果に「感染性腸炎」があり、効能・ 効果に関連する注意に「「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与す ること」と記載されている。

感冒は、当該手引き(第三版)に「日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、ウイルスによって引き起こされる病態であることから、抗菌薬投与は推奨しないとされている。」と記載されている。

また、急性胃腸炎は、その原因の多くはウイルス感染であり、その場合は 当該医薬品投与の有用性は低い。 以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(2)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例  《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_147.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-150.pdf

 

490 ホスホマイシンカルシウム水和物【内服薬】(感冒等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対するホスホマイシンカルシウム水和物【内服薬】(ホスミシン錠等)の算定は、原則として認められない。

⑴ 感冒 ⑵ 感冒性胃腸炎、感冒性腸炎

○ 取扱いを作成した根拠等

ホスミシン錠の添付文書の効能・効果は、「深在性皮膚感染症、膀胱炎、 腎盂腎炎、感染性腸炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、中耳炎、副鼻腔炎」であり、効能・効果に関連する注意に「「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること」と記載されている。

 当該手引き(第三版)に「日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、感冒はウイルスによって引き起こされる病態であることから、抗菌薬投与は推奨しないとされている。」 と記載されており、ウイルスが原因である感冒、感冒性胃腸炎、感冒性腸炎に対する当該医薬品の投与は適応外使用と考えられる。

 以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(3)【 投薬 】 支払基金・国保統一事例 《令和7年8月29日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/touyaku_1.files/touyaku_193.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年8月28日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_touyaku_F-200.pdf

 

651 抗生物質製剤又は合成抗菌薬【内服薬】(感冒等)の算定について  

○ 取扱い

次の傷病名に対する抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】※の算定は、原則として認められない。 ※ ペニシリン系、セフェム系、キノロン系、マクロライド系の内服薬で効能・効果に次の傷病名の記載がないも のに限る。

⑴ 感冒 ⑵ 小児のインフルエンザ ⑶ 小児の気管支喘息 ⑷ 感冒性胃腸炎、感冒性腸炎 ⑸ 慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎

○ 取扱いを作成した根拠等

抗生物質製剤は細菌又は真菌に由来する抗菌薬、合成抗菌薬は化学的に合成された抗菌薬で、共に細菌感染症の治療において重要な医薬品である。

感冒やインフルエンザはウイルス性感染症気管支喘息はアレルギーや環境要因に起因して気道の過敏や狭窄等をきたす疾患、また、慢性咽喉頭炎を含む慢性上気道炎は種々の原因で発生するが、細菌感染が原因となることは少ない疾患で、いずれも細菌感染症に該当しないことから、抗菌薬の臨床的有用性は低いと考えられる。

 以上のことから、上記傷病名に対する抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(4)【 注射 】 支払基金統一事例 支払基金・国保統一事例  《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/chusha_1.files/chusha_36.pdf

【国保】 審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_tyusya_G-34.pdf

 

496 イセパマイシン硫酸塩【注射薬】(感染性胃腸炎等)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対するイセパマイシン硫酸塩【注射薬】(エクサシン注射液等) の算定は、原則として認められない。

⑴ 感染性胃腸炎、感染性腸炎 ⑵ 感冒 ⑶ 慢性上気道炎 ⑷ 急性上気道炎

○ 取扱いを作成した根拠等

アミノグリコシド系抗生物質であるエクサシン注射液の添付文書における効能・効果の適応菌種は「イセパマイシンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌」、適応症は「敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎」である。

したがって、上記傷病名に対する当該医薬品の投与は適応外である。

以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(5)【 注射 】  支払基金・国保統一事例 《令和7年3月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/chusha_1.files/chusha_37.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年3月6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/251021_7112_ika_tyusya_G-35.pdf

 

497 ホスホマイシンナトリウム【注射薬】(感冒性胃腸炎等)の算定について  

○ 取扱い

次の傷病名に対するホスホマイシンナトリウム【注射薬】(ホスミシンS静注用等)の算定は、原則として認められない。

⑴ 感冒性胃腸炎、感冒性腸炎 ⑵ 急性胃腸炎、胃腸炎、急性腸炎、腸炎 ⑶ 感染性胃腸炎、感染性腸炎(嘔吐症がある場合、食事摂取できない場合を除く。) ⑷ 細菌性赤痢 ⑸ サルモネラ腸炎(腸チフス含む。) ⑹ 慢性咽頭炎 ⑺ 慢性喉頭炎 ⑻ 慢性扁桃炎

 

○ 取扱いを作成した根拠等

ホスミシンS静注用の添付文書の効能・効果は、「〈適応菌種〉ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、大腸菌、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、緑膿菌、

〈適応症〉敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮 旁結合織炎」であり、効能・効果に関連する注意に「「抗微生物薬適正使用 の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること」と記載されている。

当該手引き(第三版)に「日本呼吸器学会、日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会及びACP/CDCの指針では、感冒はウイルスによって引き起こされる病態であることから、抗菌薬投与は推奨しないとされている。」 と記載されており、ウイルスが原因である感冒性胃腸炎や感冒性腸炎に対する当該医薬品の投与は適応外使用と考えられる。

また、急性胃腸炎、胃腸炎、急性腸炎、腸炎の傷病名での算定は、これらの原因が明確ではなく、適切ではない。くわえて、適応疾患にも該当していない。 感染性胃腸炎や感染性腸炎には細菌性のものもあるが、細菌性赤痢とサルモネラ腸炎も含め適応疾患には該当せず、慢性の咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎も同様である。

以上のことから、上記傷病名に対する当該医薬品の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(6)【 検査 】 支払基金・国保統一事例 《令和6年9月30日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_99.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年8月29日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-290.pdf

 

288 A群β溶連菌迅速試験定性の算定について

○ 取扱い  

溶連菌感染症に対するD012「19」A群β溶連菌迅速試験定性の算定は、原則として、1エピソード(1発症)につき1回まで認められる。 なお、溶連菌感染症の治癒判定目的での当該検査の算定は、原則として認められない。

○ 取扱いを作成した根拠等

A群β溶連菌迅速試験定性は、上気道炎(扁桃炎、咽頭炎)や皮膚疾患(伝染性膿痂疹、丹毒等)の原因菌となるA群連鎖球菌を迅速に診断するための検査である。 本傷病名における本検査の感度は高く、繰り返し実施する意義は低いと考えられる。

また、本検査は、溶連菌感染症の診断を目的とする検査であり、保険診療上、治癒判定目的での算定は適切ではない。

以上のことから、溶連菌感染症に対するD012「19」A群β溶連菌迅速試験定性の算定は、原則として、1エピソード(1発症)につき1回まで認められると判断した。

また、治癒判定目的での算定は、原則として認められないと判断した。

 

(7)【 検査 】 支払基金・国保統一事例《令和7年11月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_275.pdf

【国保】審査情報提供《令和7年11月28日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_275.pdf

 

735 感染性胃腸炎に対する排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 (その他のもの)(便検体)の算定について

○ 取扱い

感染性胃腸炎に対するD017 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 「3」その他のもの(便検体)の算定は、原則として認められない。

 

○ 取扱いを作成した根拠等

感染性胃腸炎は細菌又はウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症である。カンピロバクター、赤痢アメーバ、ジアルジアなどは顕微鏡検査によりこれらの病原体を特定することが可能だが、単なる感染性胃腸炎の傷病名だけでは感染症の病原体の推定が困難であり、顕微鏡検査の有用性は低いと考えられる。

以上のことから、感染性胃腸炎に対するD017排泄物、滲出物又は分泌物 の細菌顕微鏡検査「3」その他のもの(便検体)の算定は、原則として認められないと判断した。

 

(8)【 検査 】 支払基金・国保統一事例  《令和6年7月31日》

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/sinsa_jirei/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/kensa_1.files/kensa_87.pdf

【国保】審査情報提供《令和6年6月 6日新規》

https://www.kokuho.or.jp/inspect/jirei/ika/lib/250328_7112_ika_kensa_D-232.pdf

 

261 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査(その他のもの)の算定について

○ 取扱い

次の傷病名に対する便検体によるD017排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査「3」その他のものの算定は、原則として認められる。

⑴ トリコモナス ⑵ アメーバ赤痢 ⑶ 胃結核 ⑷ カンピロバクター腸炎 ⑸ 腸管スピロヘータ症 ⑹ 腸結核、結核性下痢

 

○ 取扱いを作成した根拠等

細菌顕微鏡検査「その他のもの」は、体内から採取した検体を顕微鏡で観察し、細菌の種類を特定する検査で、蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡、暗視野装置、保湿装置等を使用しないものである。 種類を特定することができる病原菌には、トリコモナス、アメーバ赤痢、抗酸菌、カンピロバクター属菌、レプトスピラ(スピロヘータ)等がある。

以上のことから、上記⑴から⑹の傷病名に対する便検体によるD017排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査「3」その他のものの算定は、原則として認められると判断した。

診療報酬改定時の経過措置等の「3月31日時点」や「3月31日について」の意味

→ 診療報酬改定時の経過措置等の「3月31日時点」の意味(追加:「短冊」と「通知」の違い)

 

 診療報酬改定時の施設基準(通知)に経過措置的な取扱いが示されていますが、上記の日付がどのような意味であるか知らない方が多数いるということが分かったので、ここで、説明いたします。

 

令和8年2月13日(金)診療報酬の答申(概ねこの内容で決定する)が出ました。

 

「個別改定項目について」(短冊と呼ばれている)では、(短冊では文言を省略しています。)

https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf

 

[経過措置](下記に令和6年度の短冊内容と実際の経過措置の内容を参考とします。)

「・ 令和8年3月31日時点で、回復期リハビリテーション病棟入院料2又は4の届出を行っている病棟については、同年9月30日までの間に限り,(3)のロ及び(5)のロを満たしているものとする。」(したがって、改定後の施設基準での届出は、9月2日から10月1日までとなります。)

 

この届出について、「令和8年3月31日時点で届出すれば同年9月30日までの間改定後の施設基準は、満たしているものとすると解釈している方いることが沢山いるそうです。

 

 改定時の経過措置で「改定後の一定期間は、改定後の施設基準を満たすものとする」の「令和8年3月31日時点で、~ 届出を行っている」とは、「届出が受理され算定を認められた改定前の施設基準を満たすこととなった最終月」のことを言っていますので、実際の届け出は、令和8年2月あるいは、最低でも3月の最初の開庁日に届け出し、受領される必要があります。

 

 したがって、「令和8年3月31日」(旧基準)に届け出すれば、「令和8年4月1日」から算定が認められるだけで、「9月30日までの間改定後の施設基準は、満たしているものとする」訳ではありませんので、6月以降も算定するためには、5月2日以降更に届出必要となります。

 

 手続き上は、「令和8年3月31日」に届け出すれば、4月からの算定は認められますが、「届出が受理され算定を認められた最終月」は、「令和8年4月30日」となり、施設基準による「令和8年3月31日」時点では、届け出を行っていることになりません。ので、「9月30日まで」の経過措置もありません。

 

 令和6年の改定から、新基準の施行は6月からとなり新基準の届出は、5月2日以降となりました。これ以前の3月の最初の開庁日の翌日以降5月最初の開庁日までの届出は、「旧施設基準」ですが、「6月からの改定後の施設基準」の届出が別に必要となります。

 

 今回の改定で

「 継続的に賃上げに係る取組を実施している保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」以外は、入院料が減点されます。

 

ここの「別に厚生労働大臣が定める施設基準」に

「一 令和8年3月31日時点において、入院ベースアップ評価料の届出を行っていること。」

 

があります。(「令和8年3月31日時点」で届出を行っているということは、上記にも記載した通り、「届出が受理され算定を認められた改定前の施設基準を満たすこととなった最終月である3月」のことを言っていますので、実際の届け出は、理論上、令和8年2月あるいは、最低でも3月の最初の開庁日に届け出し、受領される必要があります。)

 

 これを都合よく解釈すると、令和6年の改定から改定実施月が4月から6月に変更となり、3月の最初の開庁日の翌日以降5月最初の開庁日までの届出は、「旧施設基準」ですので、「令和8年3月31日」に届け出すれば、「一 令和8年3月31日時点において、入院ベースアップ評価料の届出を行っていること。」になり、入院料の減額から逃れられる。

 というものですが、

診療報酬改定時の施設基準(通知)に経過措置的な取扱いでの、「3月31日時点」や「3月31日について」の意味は、

 

 

「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」令和6年3月5日保医発0305第5号

基本事項

『7 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定する。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定する。なお、令和6年6月1日からの算定に係る届出については、令和6年5月2日以降に届出書の提出を行うことができる。』

 

「第4 経過措置等」P9の例

『なお、表2における経過措置期間については、令和6年3月31日時点で改正前の当該入院基本料等の届出を行っている保険医療機関についてのみ適用される。』

 

この「日付の時点で届出を行っている」とは、「届出の行為日」ではなく、「届出が受理され算定を認められた最終月の最終日」のことを言っています。

 

以下に令和6年の3月31日において届出を行ってる場合の経過措置と令和4年3月31日において届出を行ってる場合の経過措置を例示いたします。

(いずれも、3月31日において届出を行ってる場合は「届出が受理され算定を認められた改定前の施設基準を満たすこととなった最終月である3月」のことを指しており、「届出を提出した日」ではありません。

 

<令和6年改定事例>

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001293317.pdf

 

「第2 病院の入院基本料等に関する施設基準」

P46の例

( 各「一般病棟入院料」を令和6年3月31日において、改正前の届出を行っている場合は、令和6年9月30日までの間は、改定後の基準の「看護必要度」を満たすものと見さすとされる経過措置。)

『(11) 令和6年3月31日において、現に急性期一般入院基本料(急性期一般入院料6を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る届出を行っている病棟であって、現に旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟については、令和6年9月30日までの間は令和6年度改定後の重症度、医療・看護必要度の基準をそれぞれ満たすものとみなすものであること。また、令和6年3月31日時点で急性期一般入院料6、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(結核病棟入院基本料に限る。))、10 対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料)及び地域一般入院料1の届出を行っている病棟にあっては、令和6年9月30日までの間に限り、令和6年度改定前の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和4年3月4日保医発第0304 第2号。以下「令和6年度改定前の基本診療料施設基準通知」という。)の別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。』

 

令和6年2月14日(水)「短冊」では

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001210969.pdf

<令和6年2月14日(水)>「答申」の「短冊」と呼ばれる段階での経過措置

[経過措置]

  令和6年3月31日において現に急性期一般入院料1(許可病床数が 200床未満の保険医療機関に限る。)又は急性期一般入院料2若しくは3(許可病床数が200床以上400床未満の保険医療機関に限る。)に係る届出を行っている病棟については、令和6年9月30日までの間に限り、第五のニの(1)のイの①の5に該当するものとみなす。

となっています。つまり、「短冊」の文言は、令和6年3月31日において~届出を行っている病棟だけですが

 

 実際の施設基準の文言は、

 「令和6年3月31日において~届出を行っている病棟であって、現に旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟」

 

  となっており、令和6年3月31日において旧基準で満たしている必要があります。言葉を変えますと、令和6年3月31日には、旧基準で算定が認められているということです。

 

<令和4年改定事例>

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000984045.pdf

「第2 病院の入院基本料等に関する施設基準」

P40の例

( 各「一般病棟入院料」を令和4年3月31日において、改正前の届出を行っている場合は、令和4年9月30日までの間は、改定後の基準の「看護必要度」を満たすものと見さすとされる経過措置。)

『(9) 旧算定方法別表第一区分番号「A100」急性期一般入院基本料(急性期一般入院料7を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)の経過措置については、令和4年3月31日において、現に急性期一般入院基本料(急性期一般入院料7を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る届出を行っている病棟であって、旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟については、令和4年9月30日までは令和4年度改定後の別表2又は3の重症度、医療・看護必要度の基準をそれぞれ満たすものとみなすものであること。また、令和4年3月31日時点で急性期一般入院料7、地域一般入院料1、特定機能病院入院基本料の7対1入院基本料(結核病棟に限る。)若しくは10対1入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料の10対1入院基本料の届出を行っている病棟にあっては、令和4年9月30日までの間に限り、令和4年度改定前の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発第 0305 第2号)の別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。』