アンビリバボーで取り扱われた実録事件ですが、なんといいますか〝サラ〟という名前がやけに多い気がします。ちなみにあたくしが一番最初にアンビリバーの事件の記事をUPしたのも、被害者が〝サラ〟という美少女。UPしてはおりませんが、前にも年齢の違う〝サラ〟ちゃんが被害者になっていたような。
そして、今回も受難な〝サラ〟さん……ということで、オンエアされた黒い(笑)事件はたぶん前半だけでしょうから、その『【全米戦慄
実録
仲良しママ友の惨劇】同じ名前と同じ境遇の2人…運命の出会いが一転…悪魔の殺人鬼はどっち
』を追いかけてみました。
2人の妊婦★運命の出会いが招いた悲劇
今から10年前、事件はある2人の女性が出会ったことから始まったのです。
「ようこそ、サラ」
「初めまして、サラ」
ともにサラという名前で、初めての出産を控えた妊婦同士だった2人。
「助けて! 刺された!」という通報が911に入り
「女の人、名前はサラ」と――
警察が現場に向かうと、肩から血を流していたのは通報者のサラだったのです。
病院に搬送されたものの、彼女は出血多量で死亡。
そして、時を同じくしてもう1件の通報が入ります。
「助けて!」と。
「どうしたんですか?」
「助けて!」と何度も助けを求める声ばかりするのです。
路上では、気を失ったもう1人のサラが…
「おい、これを見ろ」
そばには血塗れのナイフが落ちていたのです。
白昼の刺殺事件の容疑者は、出産間近の妊婦。
この衝撃的な事件に多くのメディアが殺到したのも当然です。
殺人を犯したのは果たしてどちらのサラなのかと。
そこには恐るべき真相が隠されていたのですから。
迫り来る悲劇の瞬間★真の悪人はどちらの妊婦?
通報からさかのぼること24時間。
妊娠9か月のサラ・ブローディは、ある人物に電話をかけていたのです。
「サラ・ブローディですが、サラ・ブレイディさんですか。
実は出産祝いのリクエストサービスから間違ってうちに届いていた…」と。
出産祝いのリクエストサービスとは、ベビー洋品店が提供するインターネットサービスで、利用する妊婦があらかじめ住所を登録したページに欲しい商品を載せておくと、それを見た友人がサイトと通してその商品をお祝いに贈ることができるというもの。
「私も同じサイトに登録してたんだけど…
よく似た名前のあなたと間違ったんじゃないかしら?」
確かにそれはサラ・ブレイディがリクエストしたものだったのです。
彼女は自宅の住所を伝えると、「それなら車ですぐ行くわ」とサラ・ブレイディ。
お互いの家は8キロしか離れていなかったのです。
「取りに行っていいかしら?」
「もちろんよ。午後ならいつでも」
これが2人の運命を大きく変えることになるとは。
サラ・ブローディの家は高級住宅街にありました。
「ようこそ、サラ」
「初めまして、サラ」
これが2人のサラの最初の出会いだったのです。
「どうぞ」
「わあ、立派なおうちね」
「そんなことないわ、普通よ。さ、入って」
「コーヒーでいいかしら」(と、聞いたと思います)
「妊娠中だからカフェインは控えてるの」
「そうよね、うっかりしてたわ」
実はここでミステリ読みすぎ(笑)のあかずきんは、サラ・ブローディに不審を抱きました。〝妊婦はコーヒーを飲めないのよぉ〟というみずほちゃんの悲痛な叫びを思い出したからです。(※みずほちゃん→津島瑞穂さんのことです。ご存知の方は古いアニメファン
)
「妊娠9月目だから、いつ生まれてもおかしくないのよ」と。
2人とも妊娠9か月目で初産だったのです。
まるで運命に引き寄せられるように出会った2人は……これまでのことを語り合ったのです。
「エンジニアの夫、マットと2人。最近引っ越してきたばかりなの」
「立派なお仕事ね」
「いいのは稼ぎだけ。出張ばかりで殆ど家にいないのよ、お宅は?」
一方、サラ・ブレイディは、同じ高校の元スター選手だったスコットと、2002年に結婚。
「まあ、でも夫はうちのことは手伝ってくれるし、とっても頼りになるの」
「うちとは大違いね」
高級住宅街に住むサラ・ブローディですが、なんだか精神的には余裕があっても、金銭的には余裕のないサラ・ブレイディをうらやんでいるように見えました。
「実はてっきり自分のものだと思って開けちゃったの」と悪びれる様子もなく話すブローディ。
それは仕方がないわと言うブレイディが、伝票はどうしたのかを聞くと、
「伝票ね、すぐに剝がしちゃったのよ」
「誰が送ってくれたものか知りたいんだけど」
「捨てちゃったかもしれないわ、ごめんなさい」
「そう、大丈夫。心当たりのある人に聞いてみるから」
「ちょっと失礼」
「じゃあ私」とブレイディが帰ろうとすると、ブローディは「せっかくだから見てもらおうかしら」と誘います。
「まあ、すてきね」
そこは子供部屋で、すべてが揃っていたのです。
「生まれてくる赤ちゃんの部屋なの」
「この服もかわいい~」
「もしよかったらさしあげるわ」
「だめよ。これってすごく高いブランド物じゃない」
「いいのいいの。家計大変なんでしょ? うちは新しいモノを買えばいいんだから」
「ありがとう」と喜ぶブレイディ。
「きょうはありがとう、サラ」
「元気な子が生まれるといいわね」とブローディはブレイディのお腹に…。
「これも何かの縁。また会わない?」
これこそが悲劇のはじまりだったのです。
別れた2人は名前だけでなく、多くの共通点を持っていました。
午前10時30分
サラ・ブローディの家に再び訪れるサラ・ブレイディ。
「あなたの知り合いは慌てんぼが多いのかしらね。
はい、どうぞ」
「何度もごめんね」
また、サラ・ブレイディの荷物が間違って届けられてしまったのです。
「そういえば、これの伝票はあるかしら?」
「またどこかへやっちゃったのかしら」
「もしかして、また捨てちゃった?」
「どこかに仕舞ったはずなんだけど、一緒に探してもらってもいい?」とブローディに言われ、一緒に家の中を探すことにした2人でしたが。
「可愛い寝室ね。でもダンナさん、女性ぽくって嫌がらない?」
「嫌がるわけないじゃない。趣味が良いって言ってくれてるわ」
とても夫婦の寝室には見えませんでした。ここでも不審……
「どこへしまったのかしら?」とあれこれ探すブローディを見て、不思議な表情のブレイディ。
「どうかした?」
「ううん、別に」
ですが、伝票は一向に見つからず。
「クローゼットにしまったのかもしれないわ。サラ、ちょっと見てくれない?」
ブローディはブレイディにクローゼットを探すように言います。
「伝票ありそう?」
「ううん、ないわ」
「じゃあ私はこっちを探してみるね」
完璧に不審を抱くブレイディ。
ブローディに近づき、「サラ」と声をかけます。このサラ・ブレイディの行動により……
運命の時刻まであと10分。
偶然出会った2人のサラ。お互いに家が近く、初めての出産を控えている……
幸せそうな妊婦がなぜ?★秘められた戦慄の動機
「サラ」と声をかけたブレイディは「私もう帰るわ」と。
「どうしたの、急に」
「これまでのことは本当にありがとう」
突然帰ると言い出したブレイディ。
そのとき、ブローディが慌てて玄関の鍵をかけてしまったのです。
恐ろしい表情を向け「まだ帰さないわよ、サラ」と不敵な笑いを浮かべます。
〝重大な秘密とは
彼女は何者なのか
このあと、悪魔のような計画が明らかになります〟とたけちゃん。
それは、先ほど寝室でのこと。
「これって…?」ブローディが使っていたのは喘息用の吸引器だったのですが、「そんな…」と驚きます。そこには…〝キャサリン・スミス〟と書かれていたのですから。
彼女の本当の名前は〝サラ・ブローディ〟ではなかったのです
その吸引器に書かれていた名前は「キャサリン…スミス?」
ブレイディには他にも気になっていたことがあったのです。
夫が出張ばかりだとはいえ、家には女性の服ばかりで、男性の服がなかったこと。
そして、2日連続の配達ミス。無くなった伝票…
それまでは単なる違和感に過ぎなかったのですが、まったく違った名前を見た瞬間、得体の知れない恐怖感に変わっていったのでした。
赤ちゃん欲しさに殺人を計画★戦慄の動機とは?
「残念ね。あんたこの家から二度と出られないわ」
「どういう意味?」
うふふふふ…と不気味に笑うキャサリン。
そういえば…と思い出すサラ。
『ごめんなさい、ちょっとちらかっていて。コーヒーでいい?』
『妊娠中だからカフェインは控えてるの』
キャサリンはなんとお腹に詰め物をしていたのです。妊婦の振りをして。
「そうよ、妊娠なんて最初からしてない」
真っ赤な嘘だったのです。
「なんで?」
「妊婦を装ったのはおびき寄せるためよ、あなたを」
「私を
」
『あなた宛ての荷物が間違ってうちに届いたみたいなの』
それはすべてサラをおびき寄せるための、キャサリンの仕組んだ罠だったのです。
彼女は出産間近の妊婦の名前をリクエストサービスから探し出します。
サラをターゲットにするため、電話番号は電話帳から簡単に探し出すことができたのです。
そして、サラがリクエストした商品を自ら購入し、間違えて届いたと連絡。
しかも偽名を使って、です。
「嘘、なんのために?」
「なんのため? そんなの決まってるじゃない」とナイフを取り出し、「私、赤ちゃんが欲しいの」と。
赤ちゃん欲しさに殺人を計画★一体なぜ?
怯えるサラに、ナイフを持って近づくキャサリン。
「おとなしくお腹の子を渡しなさい!」
「やめて、お願い!」
容赦なく襲い掛かるキャサリン。
その時、サラは近くにあった灰皿をキャサリンにぶつけました。
「ごめんなさい。こうするしかなかったの」
玄関に急ぐサラ。「お願い、開いて!」
逃げようとしますが、
「絶対に渡さない。その子は私の子よ!」と倒れていたはずのキャサリンは立ち上がり、再びサラに襲い掛かってきたのです。2人で揉み合ううち、ナイフがサラの手に
そして次の瞬間、サラの奪ったナイフがキャサリンの肩に突き刺さってしまったのです。
キャサリンの家を飛び出したサラは、すぐに911に助けを求めました。
「助けて!」
「どうしたんですか?」
「助けて! 助けて!」
「状況がわかりません」
「助けて! 助けて! 助けて! ……」
「女性が叫び続けたまま、電話が切れました」
911につながった直後、サラは気を失ってしまったのです。
一方、サラの通報とほぼ同じ時刻、まだ息のあったキャサリンも911に通報します。
「助けて! 刺された!」
「女の人、名前はサラ」
「いません、お願い助けて」
その後、2人はすぐに病院に搬送されましたが、サラ・ブローディことキャサリン・スミスは出血多量で死亡。
サラ・ブレイディは通報の途中で気を失ったものの、母子ともに命に別状はありませんでした。
ですが、出産間近の妊婦による殺人というセンセーショナルな事件のため、サラにマスコミが殺到。多くのマスコミに注目される中、サラは女の子を無事出産したのです。
ところが、キャサリン・スミスが死んだことによって、思いも寄らない展開を迎えることになって……
事件のその後を――
それは、サラ・ブレイディさん本人の出演で。
「彼女が死んだと聞いた時はとてもショックでした。
証言者は私しかいませんでしたから、故意に殺したのではないかと疑われたんです。
正当防衛が認められるには確かな証拠が……」
すると…警察が到着する前に、キャサリンが妊婦を装う時に使用したお腹の詰め物がクローゼットから発見されたのです。
さらに、驚きの事実も判明したのです。
キャサリンの夫だと紹介した男マットは、以前付き合っていた元恋人だったのです。
それは事件の4か月前
「あなたの子供を妊娠したの。もうすぐ生まれるわ」と。
マットに振られ、とっさに嘘をついたキャサリン。
「本当なら証拠を見せてくれ。話はそれからだ」とマット。
そんなとき、「これだわ」と、ある新聞記事を見つけたキャサリン。
ケンタッキー州の隣のミズーリ州で、妊婦を殺害し、胎児を強奪した事件が起きていたのです。
彼女は妊婦から赤ちゃんを奪い、恋人の気持ちを引き止めようとしたのです。
そのために、出産間近のサラ・ブレイディをおびき寄せた…。
証拠は、サイトから入手したと思われる3人の妊婦の連絡先と、出産用の手術器具。
仕組まれた殺人計画!★命がけで我が子守った母
「3日に及ぶ嘘発見器にかけられたわ。でも、生まれてくる子供のためになんとしても潔白を証明したかった」というサラは正当防衛が認められ、罪に問われることはなかったのです。
それから2015年5月。事件から10年……
命を賭けて守ったミケーラちゃんと夫のスコットさんと、現在は幸せな生活を送るサラさん。
「時折あの日のことが夢に出てきてうなされます。
でも娘を守ることができて本当に良かった。成長を見られることが何よりも喜びです」
なんだか〝正義は勝ち、悪は滅びる〟が通ったような事件でした。
妊婦さんのお腹から赤ちゃんを奪うなんて、まあ、本当になんというバカげたことを、とは思いますが、かなり猟奇じみていて、まるで切り裂きジャックです。
こんなことをして恋人を取り戻せると思うところが浅はかなところ……。
とにかく、死ぬほど怖い思いをしたサラさんも赤ちゃんも助かり、現在は幸せなことだけは救いです。
しかしですね、キャサリンの執念ですね。やることやって果てるとは
やはり女は恐ろしいということでしょうか、たぶん……。
そして、今回も受難な〝サラ〟さん……ということで、オンエアされた黒い(笑)事件はたぶん前半だけでしょうから、その『【全米戦慄



2人の妊婦★運命の出会いが招いた悲劇
今から10年前、事件はある2人の女性が出会ったことから始まったのです。
「ようこそ、サラ」
「初めまして、サラ」
ともにサラという名前で、初めての出産を控えた妊婦同士だった2人。
「助けて! 刺された!」という通報が911に入り
「女の人、名前はサラ」と――
警察が現場に向かうと、肩から血を流していたのは通報者のサラだったのです。
病院に搬送されたものの、彼女は出血多量で死亡。
そして、時を同じくしてもう1件の通報が入ります。
「助けて!」と。
「どうしたんですか?」
「助けて!」と何度も助けを求める声ばかりするのです。
路上では、気を失ったもう1人のサラが…

「おい、これを見ろ」
そばには血塗れのナイフが落ちていたのです。
白昼の刺殺事件の容疑者は、出産間近の妊婦。
この衝撃的な事件に多くのメディアが殺到したのも当然です。
殺人を犯したのは果たしてどちらのサラなのかと。
そこには恐るべき真相が隠されていたのですから。
迫り来る悲劇の瞬間★真の悪人はどちらの妊婦?
通報からさかのぼること24時間。
妊娠9か月のサラ・ブローディは、ある人物に電話をかけていたのです。
「サラ・ブローディですが、サラ・ブレイディさんですか。
実は出産祝いのリクエストサービスから間違ってうちに届いていた…」と。
出産祝いのリクエストサービスとは、ベビー洋品店が提供するインターネットサービスで、利用する妊婦があらかじめ住所を登録したページに欲しい商品を載せておくと、それを見た友人がサイトと通してその商品をお祝いに贈ることができるというもの。
「私も同じサイトに登録してたんだけど…
よく似た名前のあなたと間違ったんじゃないかしら?」
確かにそれはサラ・ブレイディがリクエストしたものだったのです。
彼女は自宅の住所を伝えると、「それなら車ですぐ行くわ」とサラ・ブレイディ。
お互いの家は8キロしか離れていなかったのです。
「取りに行っていいかしら?」
「もちろんよ。午後ならいつでも」
これが2人の運命を大きく変えることになるとは。
サラ・ブローディの家は高級住宅街にありました。
「ようこそ、サラ」
「初めまして、サラ」
これが2人のサラの最初の出会いだったのです。
「どうぞ」
「わあ、立派なおうちね」
「そんなことないわ、普通よ。さ、入って」
「コーヒーでいいかしら」(と、聞いたと思います)
「妊娠中だからカフェインは控えてるの」
「そうよね、うっかりしてたわ」


「妊娠9月目だから、いつ生まれてもおかしくないのよ」と。
2人とも妊娠9か月目で初産だったのです。
まるで運命に引き寄せられるように出会った2人は……これまでのことを語り合ったのです。
「エンジニアの夫、マットと2人。最近引っ越してきたばかりなの」
「立派なお仕事ね」
「いいのは稼ぎだけ。出張ばかりで殆ど家にいないのよ、お宅は?」
一方、サラ・ブレイディは、同じ高校の元スター選手だったスコットと、2002年に結婚。
「まあ、でも夫はうちのことは手伝ってくれるし、とっても頼りになるの」
「うちとは大違いね」
高級住宅街に住むサラ・ブローディですが、なんだか精神的には余裕があっても、金銭的には余裕のないサラ・ブレイディをうらやんでいるように見えました。
「実はてっきり自分のものだと思って開けちゃったの」と悪びれる様子もなく話すブローディ。
それは仕方がないわと言うブレイディが、伝票はどうしたのかを聞くと、
「伝票ね、すぐに剝がしちゃったのよ」
「誰が送ってくれたものか知りたいんだけど」
「捨てちゃったかもしれないわ、ごめんなさい」
「そう、大丈夫。心当たりのある人に聞いてみるから」
「ちょっと失礼」
「じゃあ私」とブレイディが帰ろうとすると、ブローディは「せっかくだから見てもらおうかしら」と誘います。
「まあ、すてきね」
そこは子供部屋で、すべてが揃っていたのです。
「生まれてくる赤ちゃんの部屋なの」
「この服もかわいい~」
「もしよかったらさしあげるわ」
「だめよ。これってすごく高いブランド物じゃない」
「いいのいいの。家計大変なんでしょ? うちは新しいモノを買えばいいんだから」
「ありがとう」と喜ぶブレイディ。
「きょうはありがとう、サラ」
「元気な子が生まれるといいわね」とブローディはブレイディのお腹に…。
「これも何かの縁。また会わない?」
これこそが悲劇のはじまりだったのです。
別れた2人は名前だけでなく、多くの共通点を持っていました。
午前10時30分
サラ・ブローディの家に再び訪れるサラ・ブレイディ。
「あなたの知り合いは慌てんぼが多いのかしらね。
はい、どうぞ」
「何度もごめんね」
また、サラ・ブレイディの荷物が間違って届けられてしまったのです。
「そういえば、これの伝票はあるかしら?」
「またどこかへやっちゃったのかしら」
「もしかして、また捨てちゃった?」
「どこかに仕舞ったはずなんだけど、一緒に探してもらってもいい?」とブローディに言われ、一緒に家の中を探すことにした2人でしたが。
「可愛い寝室ね。でもダンナさん、女性ぽくって嫌がらない?」
「嫌がるわけないじゃない。趣味が良いって言ってくれてるわ」
とても夫婦の寝室には見えませんでした。ここでも不審……

「どこへしまったのかしら?」とあれこれ探すブローディを見て、不思議な表情のブレイディ。
「どうかした?」
「ううん、別に」
ですが、伝票は一向に見つからず。
「クローゼットにしまったのかもしれないわ。サラ、ちょっと見てくれない?」
ブローディはブレイディにクローゼットを探すように言います。
「伝票ありそう?」
「ううん、ないわ」
「じゃあ私はこっちを探してみるね」
完璧に不審を抱くブレイディ。
ブローディに近づき、「サラ」と声をかけます。このサラ・ブレイディの行動により……
運命の時刻まであと10分。
偶然出会った2人のサラ。お互いに家が近く、初めての出産を控えている……
幸せそうな妊婦がなぜ?★秘められた戦慄の動機
「サラ」と声をかけたブレイディは「私もう帰るわ」と。
「どうしたの、急に」
「これまでのことは本当にありがとう」
突然帰ると言い出したブレイディ。
そのとき、ブローディが慌てて玄関の鍵をかけてしまったのです。
恐ろしい表情を向け「まだ帰さないわよ、サラ」と不敵な笑いを浮かべます。
〝重大な秘密とは

彼女は何者なのか

このあと、悪魔のような計画が明らかになります〟とたけちゃん。
それは、先ほど寝室でのこと。
「これって…?」ブローディが使っていたのは喘息用の吸引器だったのですが、「そんな…」と驚きます。そこには…〝キャサリン・スミス〟と書かれていたのですから。
彼女の本当の名前は〝サラ・ブローディ〟ではなかったのです

その吸引器に書かれていた名前は「キャサリン…スミス?」
ブレイディには他にも気になっていたことがあったのです。
夫が出張ばかりだとはいえ、家には女性の服ばかりで、男性の服がなかったこと。
そして、2日連続の配達ミス。無くなった伝票…
それまでは単なる違和感に過ぎなかったのですが、まったく違った名前を見た瞬間、得体の知れない恐怖感に変わっていったのでした。
赤ちゃん欲しさに殺人を計画★戦慄の動機とは?
「残念ね。あんたこの家から二度と出られないわ」
「どういう意味?」
うふふふふ…と不気味に笑うキャサリン。
そういえば…と思い出すサラ。
『ごめんなさい、ちょっとちらかっていて。コーヒーでいい?』
『妊娠中だからカフェインは控えてるの』
キャサリンはなんとお腹に詰め物をしていたのです。妊婦の振りをして。
「そうよ、妊娠なんて最初からしてない」
真っ赤な嘘だったのです。
「なんで?」
「妊婦を装ったのはおびき寄せるためよ、あなたを」
「私を

『あなた宛ての荷物が間違ってうちに届いたみたいなの』
それはすべてサラをおびき寄せるための、キャサリンの仕組んだ罠だったのです。
彼女は出産間近の妊婦の名前をリクエストサービスから探し出します。
サラをターゲットにするため、電話番号は電話帳から簡単に探し出すことができたのです。
そして、サラがリクエストした商品を自ら購入し、間違えて届いたと連絡。
しかも偽名を使って、です。
「嘘、なんのために?」
「なんのため? そんなの決まってるじゃない」とナイフを取り出し、「私、赤ちゃんが欲しいの」と。
赤ちゃん欲しさに殺人を計画★一体なぜ?
怯えるサラに、ナイフを持って近づくキャサリン。
「おとなしくお腹の子を渡しなさい!」
「やめて、お願い!」
容赦なく襲い掛かるキャサリン。
その時、サラは近くにあった灰皿をキャサリンにぶつけました。
「ごめんなさい。こうするしかなかったの」
玄関に急ぐサラ。「お願い、開いて!」
逃げようとしますが、
「絶対に渡さない。その子は私の子よ!」と倒れていたはずのキャサリンは立ち上がり、再びサラに襲い掛かってきたのです。2人で揉み合ううち、ナイフがサラの手に

そして次の瞬間、サラの奪ったナイフがキャサリンの肩に突き刺さってしまったのです。
キャサリンの家を飛び出したサラは、すぐに911に助けを求めました。
「助けて!」
「どうしたんですか?」
「助けて! 助けて!」
「状況がわかりません」
「助けて! 助けて! 助けて! ……」
「女性が叫び続けたまま、電話が切れました」
911につながった直後、サラは気を失ってしまったのです。
一方、サラの通報とほぼ同じ時刻、まだ息のあったキャサリンも911に通報します。
「助けて! 刺された!」
「女の人、名前はサラ」
「いません、お願い助けて」
その後、2人はすぐに病院に搬送されましたが、サラ・ブローディことキャサリン・スミスは出血多量で死亡。
サラ・ブレイディは通報の途中で気を失ったものの、母子ともに命に別状はありませんでした。
ですが、出産間近の妊婦による殺人というセンセーショナルな事件のため、サラにマスコミが殺到。多くのマスコミに注目される中、サラは女の子を無事出産したのです。
ところが、キャサリン・スミスが死んだことによって、思いも寄らない展開を迎えることになって……

事件のその後を――
それは、サラ・ブレイディさん本人の出演で。
「彼女が死んだと聞いた時はとてもショックでした。
証言者は私しかいませんでしたから、故意に殺したのではないかと疑われたんです。
正当防衛が認められるには確かな証拠が……」
すると…警察が到着する前に、キャサリンが妊婦を装う時に使用したお腹の詰め物がクローゼットから発見されたのです。
さらに、驚きの事実も判明したのです。
キャサリンの夫だと紹介した男マットは、以前付き合っていた元恋人だったのです。
それは事件の4か月前
「あなたの子供を妊娠したの。もうすぐ生まれるわ」と。
マットに振られ、とっさに嘘をついたキャサリン。
「本当なら証拠を見せてくれ。話はそれからだ」とマット。
そんなとき、「これだわ」と、ある新聞記事を見つけたキャサリン。
ケンタッキー州の隣のミズーリ州で、妊婦を殺害し、胎児を強奪した事件が起きていたのです。
彼女は妊婦から赤ちゃんを奪い、恋人の気持ちを引き止めようとしたのです。
そのために、出産間近のサラ・ブレイディをおびき寄せた…。
証拠は、サイトから入手したと思われる3人の妊婦の連絡先と、出産用の手術器具。
仕組まれた殺人計画!★命がけで我が子守った母
「3日に及ぶ嘘発見器にかけられたわ。でも、生まれてくる子供のためになんとしても潔白を証明したかった」というサラは正当防衛が認められ、罪に問われることはなかったのです。
それから2015年5月。事件から10年……
命を賭けて守ったミケーラちゃんと夫のスコットさんと、現在は幸せな生活を送るサラさん。
「時折あの日のことが夢に出てきてうなされます。
でも娘を守ることができて本当に良かった。成長を見られることが何よりも喜びです」
なんだか〝正義は勝ち、悪は滅びる〟が通ったような事件でした。
妊婦さんのお腹から赤ちゃんを奪うなんて、まあ、本当になんというバカげたことを、とは思いますが、かなり猟奇じみていて、まるで切り裂きジャックです。
こんなことをして恋人を取り戻せると思うところが浅はかなところ……。
とにかく、死ぬほど怖い思いをしたサラさんも赤ちゃんも助かり、現在は幸せなことだけは救いです。
しかしですね、キャサリンの執念ですね。やることやって果てるとは

やはり女は恐ろしいということでしょうか、たぶん……。