写経屋の覚書-フェイト「今回は何を見るの?やっぱり報償運動の団体なの?」

写経屋の覚書-なのは「うん。今回は国債報償連合会議所っていう団体について見てみるよ」

写経屋の覚書-はやて「会議所?あー、国債報償金費消事件(1)で、なのはちゃんが、李東暉とかが設立を計画しとった団体やって言うとったねぇ」

写経屋の覚書-フェイト「ほんとだ。4月に同名の別団体との並立を避けて設立を撤回したって言ってるね」

写経屋の覚書-なのは「うん。そのとおり「国債報償連合会議所」は2つあったの。まずは李東暉たちが設立を計画したほうを見るよ。1907年(光武11年)4月1日、李東暉たちは各団体の代表に呼びかけて会議所の設立総会を開催したの」


写経屋の覚書-19070330万歳報_李東暉の連合所結成

1907年3月30日付万歳報
●報償連合会発起 李商在李鍾一劉猛尹孝定兪星濬呉世昌李東暉諸氏가発起写経屋の覚書-ha17야国債報償連合会議所写経屋の覚書-rar17剏設写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17写経屋の覚書-thai17其趣旨인則今番報償事件이甚히重大写経屋の覚書-ha17니京郷各団体에一定写経屋の覚書-han17規制가압시면諸般事項에疎漏写経屋の覚書-ham17弊가不無写経屋の覚書-han17지라各社会에셔代表二人式会同写経屋の覚書-ha17야処理方法을講究写経屋の覚書-har17터인写経屋の覚書-thai17来四月一日下午七時에大韓自強会館에셔会議写経屋の覚書-ha17가로定写経屋の覚書-ha17얏더라

写経屋の覚書-フェイト「京城内の各団体を規制して諸般事項に疎漏がないようにしなきゃいけないっていう趣旨なんだね」

写経屋の覚書-はやて「要するに、各団体を統括する、少なくとも連絡調整する団体にするつもりやねんな。連合いう名前もそのつもりでつけたんかな」

写経屋の覚書-なのは「そうだろうね。総合所規程に発起人として記載されたのに無関係を表明した李鍾一がこっちの発起人になっているでしょ」

写経屋の覚書-フェイト「前回なのはちゃんが、李鍾一は総合所の設立について離脱したんじゃないかって言ってたね」

写経屋の覚書-はやて「ちゅうことは、総合所から手ぇ引いた後、新たに上位団体つくろうとして会議所設立を企画したんかな?」

写経屋の覚書-なのは「そういう流れだと考えるよ。ところが、同時期に別の人々が全く同じ名称の国債報償連合会議所って団体の設立をしてたの」


写経屋の覚書-19070406万歳報_李東暉らの連合所撤回

1907年4月6日付万歳報
●発起文書撤銷 嚮日에有志紳士諸氏가国債報償에対写経屋の覚書-ha17야国債報償連合臨時会議所를発起写経屋の覚書-ha17고典洞自強会館에셔一次臨時開会写経屋の覚書-ha17엣다写経屋の覚書-nan17写経屋の覚書-nan17已報写経屋の覚書-ha17얏거니와近日에磚洞普成館에셔写経屋の覚書-sto17写経屋の覚書-han17
国債報償連合会議所를成立写経屋の覚書-han17
故로同様名称의会를畳設写経屋の覚書-har17必要가업슴으로認定写経屋の覚書-ha17야昨日에各社会에定日請邀写経屋の覚書-ha17얏든事를一切発函中止写経屋の覚書-ha17얏고幷히該発発起趣旨文도撤消写経屋の覚書-han17全文이如左写経屋の覚書-ha17더라
敬啓者向以国債報償連合会議事로有所函請写経屋の覚書-ha17야已経一次会議이은바発起以来로自致時日之延拖写経屋の覚書-ha17야現自他之方面으로亦将本旨与名称写経屋の覚書-ha17야既有国債報償連合会議所之成立者写経屋の覚書-ha17야業経任員組織及新紙広佈写経屋の覚書-ha17니均是愛国精神으로同名畳設이実無義諦오且恐相妨이라本人等発起趣旨写経屋の覚書-nan17自行撤銷이은즉来土曜日에
貴代表員의虚労 高駕于臨時会所〔自強会館〕가極渉悚汗이写経屋の覚書-ap17기先期仰佈写経屋の覚書-ha17오니照亮写経屋の覚書-ha17심읗敬要
光武十一年四月五日
  発起人一同  僉閣下

写経屋の覚書-はやて「完全にかぶってもおたんやなぁ」

写経屋の覚書-なのは「そういうわけで、李東暉たちは混乱を防ぐために、自分たちの会議所設立を撤回することにしたんだよ」

写経屋の覚書-フェイト「素直というか、控えめなんだね。普通は先発が本家を名乗って、後発を非難すると思うよ」

写経屋の覚書-はやて「そやそや。本家と元祖の仁義なき党争になるんがお約束やで」

写経屋の覚書-なのは「しかもね、後発の会議所の役員人事を見ると、撤回しただけじゃなくて後発の会議所に合流した形跡があるの」


写経屋の覚書-19070408皇城新聞_連合所李儁議長

1907年4月8日付皇城新聞
●任員組織 普成館内의国債報償連合会議所에셔任員을組織写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17写経屋の覚書-thai17議長은李儁氏로副議長은金光済氏로委員長은尹孝定氏로選定写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17写経屋の覚書-thai17副議長金光済氏写経屋の覚書-nan17固辞写経屋の覚書-han17다더라

写経屋の覚書-フェイト「先発の方の発起人だった尹孝定が委員長になってるね。だから合流したって判断したんだね」

写経屋の覚書-なのは「そういうことなの。議長に李儁が選ばれているのが笑えるけどね」

写経屋の覚書-はやて「李儁?ハーグ密使の李儁やんなぁ。病死なのに「憤死」って美化されとった」

写経屋の覚書-なのは「うん。結局こちらの会議所も各団体の上位団体とはなれずに、一団体として活動することになったんだよ」

写経屋の覚書-フェイト「うまくいかないもんなんだねぇ…」

写経屋の覚書-なのは「4月末には国債報償中央義務社との統合交渉を進めて、いいところまでいったんだけど、こっちもダメだったの」


写経屋の覚書-19070426大韓毎日申報_義務社と連合所の合併不調

1907年4月26日付大韓毎日申報
●中央連合 国좨報상에対写経屋の覚書-ha17야中央義務社에셔連合会議所人員을請邀写経屋の覚書-ha17야両会를合設写経屋の覚書-ha17기可否를取決写経屋の覚書-ha17야中央義務社写経屋の覚書-nan17廃止写経屋の覚書-ha17기로決議写経屋の覚書-ha17얏더니再昨日에普성館에総会를開写経屋の覚書-ha17고提議写経屋の覚書-ha17되中央義務四字를統히勿施写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17거시事不穏当이라写経屋の覚書-ha17야更히可否取決写経屋の覚書-ha17야中央연合会議所라写経屋の覚書-ha17얏시나衆論이不一写経屋の覚書-ha17야更히明日에開会妥決写経屋の覚書-ha17기로결定写経屋の覚書-ha17얏다더라

写経屋の覚書-フェイト「義務社を廃止して統合する所まで話は行ってたんだね。でも、中央義務って字を削るかどうかでもめたってことかな?」

写経屋の覚書-はやて「最後、明日開会して妥決するって書いとるけど、結局あかんかったっていうことなん?」

写経屋の覚書-なのは「うん。4月30日付大韓毎日申報には会議所の所長交代などの役員人事が載ってるから、統合は不成立だったと見るのが妥当だね」


写経屋の覚書-19070430大韓毎日申報_連合所役員改選

写経屋の覚書-フェイト「財務処理の役員に銀行のえらい人が4人も入ってるね。これなら金銭トラブルは起きないね」

写経屋の覚書-はやて「…つか、自分らの銀行に預けさせるいうかたちで利益誘導しそうやでw」

写経屋の覚書-なのは「にゃはは、はやてちゃんさすがにそれは疑い過ぎだよ…って言いきれない気がするよ…結局、会議所は6月に総合所に統合されることになったんだよね」


写経屋の覚書-19070630大韓毎日申報_連合所を総合所へ統合

1907年6月30日付大韓毎日申報
●一破疑眩 国債報償連合会議所장김宗漢씨와総務김光済씨가日昨에会議을開写経屋の覚書-ha17고従今以後로写経屋の覚書-nan17京郷償債義金事務를志願金総合所로専担視務케写経屋の覚書-ha17고連合所■연為廃止写経屋の覚書-ha17야全国同胞애疑眩을破게写経屋の覚書-ha17■다고声言写経屋の覚書-ha17얏다더라

写経屋の覚書-はやて「所長が金宗漢て、またトップ代わっとるやん!しかも最初に副議長を固辞した金光済も知らん間に総務になっとるし。組織が全然安定せぇへんねんなぁ」

写経屋の覚書-フェイト「発起人の移動と役員の異動が激しいよね。なんだかアーティストのグループみたい」

写経屋の覚書-なのは「うん。作者は60年代後半から70年代のイギリスやアメリカのロックバンドを連想したんだよね。じゃ、今回はここまでにするね」

国債報償金費消事件(1)   国債報償金費消事件(2)   国債報償金費消事件(3)
国債報償金費消事件(4)   国債報償金費消事件(5)   国債報償金費消事件(6)
国債報償金費消事件(7)   国債報償金費消事件(8)   国債報償金費消事件(9)
国債報償金費消事件(10)  国債報償金費消事件(11)  国債報償金費消事件(12)
国債報償金費消事件(13)  国債報償金費消事件(14)  国債報償金費消事件(15)

国債報償運動(1)   国債報償運動(2)   国債報償運動(3)
国債報償運動(4)   国債報償運動(5)   国債報償運動(6)

写経屋の覚書-なのは「今回は皇城新聞社(以下皇城)の国債報償運動への参加について見ていくよ」

写経屋の覚書-フェイト「当時の韓国では、大韓毎日申報社と並ぶ大新聞だったんだよね」

写経屋の覚書-なのは「うん。その皇城は1907年(光武10年)2月25日付の論説「断烟報国債」で大邱断烟同盟会を紹介・称賛したの」


写経屋の覚書-19070225皇城新聞_論説

写経屋の覚書-はやて「えーっと「吾敢て此の機が挙国の一動に響応することを信ず。将に六洲列国をして我大韓国に敬服せざることなからしめんとす、将に五種民族をして我大韓人を崇拝せざることなからしめんとす。即ち此の20世紀の今日世界に大韓国民の名誉声価が全球を照耀することは壮ならんや」って、所謂ホルホルやね」

写経屋の覚書-なのは「そうだよねぇ。この運動によって世界諸国がウリナラに敬服するニダ!世界の全民族がウリたちを崇拝するニダ!20世紀のこの世界、ウリたちの名誉と声価が全地球上を照らすのは素晴らしいハセヨ!だもんねぇw」

写経屋の覚書-フェイト「最後に「此の好時期に乗じ国民の義務を為すことを失うなかれ」って言ってるし、大韓毎日申報と違って最初から全面的な応援姿勢をとっているんだね」

写経屋の覚書-なのは「うん。国債報償運動(2)で見たように、国債報償期成会が2月25日付の皇城新聞に掲載した趣旨書の中でも報償金受入先に指定されてたんだけど、3月1日付紙面に報償金受入の広告を出したの」


写経屋の覚書-19070301皇城新聞_報償金受入広告

写経屋の覚書-フェイト「申報社みたいに他の団体に移管はしないで、自社で全部受け取って銀行に保管するんだね」

写経屋の覚書-はやて「申報社と総合所みたいに特定の団体と連携せえへんねんな」

写経屋の覚書-なのは「3月2日付皇城新聞の記事によると、国債報償中央義務所って団体が皇城を受け取り先に指定したんだけどね」


写経屋の覚書-19070302皇城新聞_中央義務社布告

写経屋の覚書-フェイト「ほんとだ。規程の6番目に「一 収金所は皇城新聞社に定む」って書いてるね」

写経屋の覚書-なのは「実際に3月12日には義務社から43円20銭が皇城に渡されているの。まぁこれは皇城から要求したことでもなさそうなんだけどね。皇城は国債報償運動(4)で触れたように、3月9日付紙面で各団体を統括する上位団体の設立を提議してたんだよ」


写経屋の覚書-19070309_皇城新聞_上位団体設立の提言

●国債報償金募集에対写経屋の覚書-han17処理方法〔公衆注意〕
爾来에断烟報償事로京城内一般有志之十들이紛紛然起議写経屋の覚書-ha17야趣旨書를刊佈写経屋の覚書-ha17고結社集会写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17発起人이不可指数이며各地方人十들이従以継焉写経屋の覚書-ham17으로京城内議事諸氏들이総会所를特設写経屋の覚書-ha17고事務員一百人으로選定写経屋の覚書-han17写経屋の覚書-ha17니此説이果然인지写経屋の覚書-nan17不知写経屋の覚書-ha17되或如所伝이면十分穏当写経屋の覚書-han17措置라謂케難写経屋の覚書-ha17기로該事에対写経屋の覚書-han17方法을左開홈

一総会所와事務員百人은置之勿設홈

一各社会의代表者一人식만会議写経屋の覚書-ha17되総員数写経屋の覚書-nan17十人以内로定홈

一各社会代表者의会議所写経屋の覚書-nan17大韓自強会事務所内로定홈

一各社会代表者의議定写経屋の覚書-han17結果로各収銭所와発起人及会와社가指導措処를一応케홈

一収銭所写経屋の覚書-nan17各新聞社로定写経屋の覚書-ha17되該新聞社의志願을随写経屋の覚書-ha17야定写経屋の覚書-ha17고義捐人의姓名及金額을新聞에一一掲佈写経屋の覚書-ha17며収入金은銀行에儲置케홈

一各地方収集所에셔로姓名과金額을京収金所로都聚送致写経屋の覚書-ha17야新聞에一切掲載케홈
但新聞에不掲写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17収金所写経屋の覚書-nan17不得収金케홈


写経屋の覚書-フェイト「総会所は大韓自強会の事務所内に置くってあるんだけど、この提言は自強会の動きと関係があったのかな?」

写経屋の覚書-なのは「上位団体設立に関与はあったかもしれないね。自強会員の李鍾一は総合所の発起人に名前が載ってるんだけど、金光済と同じ広告で総合所とは無関係だって表明したから、それ以上は関与できずに離脱したんだろうね」

写経屋の覚書-はやて「構想通りに進まへんかったとか、主導権を取れへんかったとか、排除されたとか、そのへんの話なんかなぁ」

写経屋の覚書-なのは「そういうわけで総合所自体はできたんだけど、皇城は4月4日付の論説でそれに対して疑問を呈しているの」


写経屋の覚書-19070404皇城新聞_総合所への疑問

写経屋の覚書-フェイト「えーっと「今此の義金の集送はこれ乃ち高尚純潔の愛国心から湧出したものであり、以て一毫の依頼性もその中に渾入すべからざるに、今その事務所をなんすれぞ毎日申報社か」って、総合所の事務所を申報社内に置くことに疑問を持っているんだね」

写経屋の覚書-なのは「実際にできた総合所が完全な上位団体になってないことに対して批判したってことだよ」

写経屋の覚書-はやて「一毫の依頼性も混入するなって言うとるから、この運動は韓国民が自主的主体的に行なわなあかん!ってことなんやろね」

写経屋の覚書-なのは「うん。「該報筆は曰く言論激揚して我が国を愛すること自国の如く、我が国人を憐れむこと自国人の如し。此に固より衆心の歓迎するところと雖も、該報主筆は即ちこれ英国人裴説氏」と続くから、英国人に頼るようなことはするなって言いたいんだろうね」

写経屋の覚書-はやて「額面どおり受け取ってええんかなぁ?新聞社同士の主導権争いってことはないんかな?」

写経屋の覚書-なのは「総合所のあり方について衝突はあったとは思うんだけどね」

写経屋の覚書-フェイト「発起人の6人に対しても、各団体の代表者じゃなくて個人の資格で発起したことを疑問に思ってるね。「各社会代表者を以て一処に結合し、総議所を以て指定し、善美規程を以て構成し、天下の人心をたやすく一団となし、すべて一人の岐を二とするものなからしむるかな」って書いてるし、これも先の論説での提議に則った態度だよね」

写経屋の覚書-はやて「各団体の代表者を集めて総会所をつくらなあかんって主張やったね。国債報償運動(4)でなのはちゃんが言うとったように、総合所を各団体の上位団体にするにはそれしかあらへんしね」

写経屋の覚書-フェイト「上位団体の監督があったら期成会の横領も防げたかもしれないよね。それと、最低限でも総合所が申報社外にあったらベセルも簡単に横領できなかったかもしれないよね」

写経屋の覚書-なのは「そうだよね。結局、各団体の調整と統合ができなかった運動参加者のグデグデが大元にあるんだよねぇw 皇城が報償金を総合所に渡さず自社で管理し続けたのも、運動消滅後の処理の段階でもなかなか処理会に渡さなかったのも、グデグデな他団体から一線を引いて態度を一貫したってことだと思うよ。皇城は報償金を500円一口にして、500円貯まった時点で銀行に預けていくってかたちをとったんだけど、皇城新聞広告からその状況をまとめるとこの表になるの」

移管日回次金額月合計
1907年3月6日15003,500
11日2500
15日3500
25日4,51,000
29日6,71,000
4月2日8,91,00012,500
3日10500
4日11,121,000
5日13,141,000
8日15500
9日16500
10日17,181,000
11日19,201,000
18日21,221,000
19日23,241,000
22日25,261,000
23日27,281,000
26日29,301,000
29日31,321,000
5月2日33,341,00016,000
6日35,361,000
8日37,381,000
9日39,401,000
14日41,421,000
15日43,441,000
17日45,461,000
20日47,481,000
21日49,501,000
23日51,521,000
24日53,541,000
27日55,561,000
28日57,581,000
29日59,601,000
30日61,621,000
31日63,641,000
6月2日65,661,00013,000
3日67,681,000
5日69,701,000
7日71,721,000
10日73,741,000
17日75,761,000
18日77,781,000
20日79,801,000
24日81,821,000
25日83,841,000
26日85,861,000
27日87,881,000
28日89,901,000
7月4日91,921,0004,000
5日93,941,000
12日95,961,000
29日97,981,000
8月5日99,1001,0001,000
10月30日101,1021,0001,000
12月10日103,1041,0002,000
18日105,1061,000
1908年1月10日107,1081,0002,000
24日109,1101,000
4月9日111,1121,0002,000
18日113,1141,000
総計57,000

写経屋の覚書-はやて「こっちは6月から7月の落ち込みようがすごいなぁ」

写経屋の覚書-なのは「ただ、これは銀行預入の状況だから、その月に皇城にどれだけ報償金が集まったかを見るには、毎日の皇城新聞の広告欄を確認しなきゃダメなんだよ。で、実際に1907年7月分まで計算して確認したんだけど、ちゃんと500円あるいは1,000円を銀行に預け入れた後は500円未満しか残らなかったよ」

写経屋の覚書-フェイト「それを次回の預け入れまで繰り越してたんだね。申報社と違って報償金処理はちゃんとしていたんだね」

写経屋の覚書-なのは「うん。ただね、申報社みたいに月ごとの集計を出してないから、最終的に皇城に繰越金がどれだけ残ったか、どう処理したかは毎日の皇城新聞の広告欄の数字を積み上げていかなきゃいけないんだよねぇ…それで7月分までで挫折したの」

写経屋の覚書-はやて「さすがに1年分を計算するんは嫌やなぁ…申報社は処理方法がええ加減やけど統計はしっかりしとって、皇城は処理方法はええんやけど統計が見えにくいってことやね」

写経屋の覚書-なのは「そうなんだよ…だから、上の表の57,000円は銀行預入額の総額だけど、皇城の報償金保管残額がどれくらいかはちょっとわからないんだよ」

写経屋の覚書-フェイト「最終的にはどう処理されたのかな?さっきなのはちゃんは「運動消滅後の処理の段階でもなかなか処理会に渡さなかった」って言ってたけど…」

写経屋の覚書-なのは「それについては、10月15日のエントリーから見ていく予定の費消事件後の報償金の後始末の中で触れるんだけどね、最終的な結果だけを言うと1910年8月に国債報償金処理会に引き渡したの」


写経屋の覚書-19100810皇城_報償金移管

1910年8月10日付皇城新聞
○本社에셔各銀行에保管写経屋の覚書-ha17얏던国債報償金과同本社에留置写経屋の覚書-ha17얏던銀属物을国債報償金処理会에越交写経屋の覚書-ha17기로本社総会의可決을経写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-sap17기該通帳及印鑑과並銀属物을該会로如左히越交写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-ap17고茲에広佈写経屋の覚書-ha17오니国内同胞写経屋の覚書-nan17 照亮写経屋の覚書-ham17
  左開
韓一銀行定期預金二万九千九百九十五円三十六銭
漢城銀行定期預金二万九千八百二十九円三十二銭
漢湖農工銀行定期預金八千百十八円一銭
   銀属物二十四両二十三分重
   玉歯兒筒一件
    皇城新聞社

写経屋の覚書-はやて「各銀行に預けた現金の合計が67,942円26銭9厘?なんで10,000円も増えとるん?そんなに金利が良かったんかなぁ?」

写経屋の覚書-なのは「どうなんだろうねぇ?ともかく、横領等もなさそうでよかったと思うよ。じゃ皇城についてはこれでおしまい。今回はここまでにするね」

国債報償金費消事件(1)   国債報償金費消事件(2)   国債報償金費消事件(3)
国債報償金費消事件(4)   国債報償金費消事件(5)   国債報償金費消事件(6)
国債報償金費消事件(7)   国債報償金費消事件(8)   国債報償金費消事件(9)
国債報償金費消事件(10)  国債報償金費消事件(11)  国債報償金費消事件(12)
国債報償金費消事件(13)  国債報償金費消事件(14)  国債報償金費消事件(15)

国債報償運動(1)   国債報償運動(2)   国債報償運動(3)
国債報償運動(4)   国債報償運動(5)   国債報償運動(6)

写経屋の覚書-はやて「今回は総合所について見るって言うてたけど、基本的には申報社見た時にほぼ触れとるやんね」

写経屋の覚書-フェイト「総合所規程も見たしね」

写経屋の覚書-なのは「そうなんだけど、規程については第5条と第7条をちょっと見ただけで、他の条項を突っ込んで見ていないでしょ?だから大事なところをここで見ておこうかなって思ったの。じゃ、1907年(光武11年)3月28日付大韓毎日申報に掲載されている総合所の規程を見るよ」

写経屋の覚書-19070328申報新聞_総合所規程

写経屋の覚書-なのは「最初に第4条を見て」

第四条 本所総合金額은毋論内外国写経屋の覚書-ha17고信実写経屋の覚書-han17銀行에姑令随人任置写経屋の覚書-ha17야以完償還이되随到按朔計殖写経屋の覚書-ha17여担任該銀行写経屋の覚書-ha17되其契約은一依第五条판法写経屋の覚書-ha17야無違施行写経屋の覚書-har17

第4条 総合所の報償金は韓国外国を問わず信実たる銀行にまず預け入れさせ、報償金を償還し終えるに到るまで利殖の計画を任せ、該銀行はその契約を第5条によって違うことなく施行すること。


写経屋の覚書-フェイト「これは国債報償金費消事件(4)でちょっとふれたよね」

写経屋の覚書-はやて「せやね。電気会社内銀行に預け入れるて定められとった大韓毎日申報社と(ちご)て、総合所の方は預ける銀行が決められてへんかったんやね」

写経屋の覚書-なのは「うん。内外国を論じず信実たる銀行に預けるとあるから、総合所の報償金を電気会社内銀行から仁川淮豊銀行へ預け替えること自体は違反行為には当たらないんだよ。でも、それは総合所役員が預け替えをしてたらの話で、総合所の役員じゃないし総合所に対して何の権限も持っていないはずのベセルがしていいことじゃないんだよね」

第五条 国債報償志願金聚合이来有遠近写経屋の覚書-ha17■合有先後즉決欲■図나緩急難揣키로担任金額時에一従該銀行取殖規則写経屋の覚書-ha17야以為任置하야俾箚万一之助이되報償時推金方法은各新聞에限一箇月広告写経屋の覚書-han17後各収金所에셔異議가無写経屋の覚書-har17時에総所員이連署하야従約推還写経屋の覚書-har17

第5条 国債報償志願金の取りまとめが、場所の遠近もあり前後もあり即決を図るのは難しく、報償金を任せた時に該銀行の規則に従って預け入れ、万一のことだが、引き出す方法は、各新聞に一ケ月間広告を出した後、各集金所から異議がない時に総合所員が連署して規約に従い引き出し返金すること。

写経屋の覚書-フェイト「これは銀行についての話だね。推金って何なの?」

写経屋の覚書-なのは「口座からお金を引き出すことだよ。だからこの条項の後半は銀行口座から報償金を引き出して返金する時の手続について書いているんだよ」

写経屋の覚書-はやて「新聞に一ヶ月間広告して、総合所員が連署して…あれ?どっかで見たような気がするで?」

写経屋の覚書-なのは「うん。国債報償金費消事件(10)で見た警秘第291号「総合所評議員会の状況」(『統監府文書4』p385収録)によく似た箇所があったね」

右及報告候也

一. 国債報償金総合所は既報の如くにして金曜日午後二時商業会議所に評議員会を開く会するもの臨時評議員長韓錫鎮以下十三名会員は「ベセル」を会場に招致せしに「マーンハム」同道来場せり
評議員長は先つ「ベセル」に向ひ総合所より預りたる義捐金の措置を問ふ「ベセル」答へて曰く「コールブラン」の金礦株券の買入及「アスター,ハウスホテル」に預入其他電気会社の銀行に貯置せり其証拠は現に携帯する書類にて明暸なり必竟するに其金礦株券を買入たるは利殖を図らんか為めにして今より三ヶ月の後機械完備礦業着手の曉には多大の利益を受くるものなれは国民か其利益に依り斯の僅少の基金を以て他日夫の巨額の負債を償還するを得は洵に本懐ならすや云々
評議員長は忿然容を改めて曰く国民か此報償金を捐する何ん利殖の為めならんや即時現金を調へ返納すへしと強硬なる談判を試みしに「ベセル」は恬然として曰く朴容圭,梁起鐸の如き役員已に辞し去れり更に信用ある役員を置き其連署したる請求書を携帯し且つ其措置に付て一ヶ月新聞紙に広告の後受取に来らは交付せんと放言せり如此にして問答再三遂に要領を得さる儘午後六時閉会せり

一. 評議員中金麟外六名は「ベセル」の一味にして此評議員会を利用し報償金費消問題を揉潰さんとの魂胆ありとは既報の如し然るに本日に於ける会場の光景全く之に反せしは大韓協会の尹孝定及一進会総代六名は昨日来金允五其他「ベセル」派の評議員を訪ひ報償金費消者を庇護する言動あるを詰り忠告を与へたるか為めなりしと形勢如此なるを以て英国領事舘へ現金保管等の議は成立せさるへしと認む尚此後の成行観察中

               隆熙二年八月二十八日
警視総監 丸山 重俊
     副統監 子爵 曾禰 荒助 殿


写経屋の覚書-フェイト「あ!ベセルが横領金の返還要求に対して突きつけた手続と同じだ!」

写経屋の覚書-はやて「ほんまや!ベセルは、報償金を横領した立場で、預かった銀行でも何でもないのに、報償金を返してほしかったら返金と同じ手続を取れ言いよったんやな!」

写経屋の覚書-なのは「そうなんだよ。ベセルは韓国人役員たちをコケにしたというか、喧嘩を売ったというか、かなり人をなめた真似をしたってことなんだよ」

写経屋の覚書-フェイト「こんな真似をされたら、そりゃ、李康鎬が激高してベセルを殺害するなんて口走っても無理はないような気がしてきたよ…」

第六条 外債報償写経屋の覚書-ha17写経屋の覚書-nan17事外에写経屋の覚書-nan17該銀行領受人이毋得許推写経屋の覚書-har17

第6条 外債報償することの外に該銀行領受人は引き出しを許すことを得ない。

写経屋の覚書-はやて「電気会社内銀行から上海淮豊銀行への預け替えの正当性については措くとしたかて、預け替えた報償金を金鉱の株購入・マルタンへの融資に使ったことは、完全な横領やし、この第6条に明白に違反しとるんやな」

第七条 本所에셔写経屋の覚書-nan17各支収所에셔送交하写経屋の覚書-nan17金額을無滞合置于銀行하고該金額을新聞에掲載하며毎月終에総額数目을亦詳広告写経屋の覚書-har17

第7条 総合所では、各集金所から送られた金額を滞りなく銀行に預け入れ、該金額を新聞に掲載し毎月末に総額を詳しく広告すること。

第八条 銀行에셔写経屋の覚書-nan17領納金額을従第七条写経屋の覚書-ha17야来領金額을綜詳載明하고但随事業年期規式写経屋の覚書-ha17야総額与利殖을並詳広告写経屋の覚書-har17

第8条 銀行では納付された金額を第七条に従って受け入れて詳しく載せる。但し期間の決まった事業については総額と利益を詳しく広告すること。

写経屋の覚書-なのは「第7条・第8条は銀行の行為についての条項だよ。だから第8条の後半の事業というのは銀行が預入金を融資する事業を指していて、総合所が報償金を運用することを規定しているんじゃないよ」

第二十五条 本所総会写経屋の覚書-nan17毎箇月第一日曜日下午一時로評議会写経屋の覚書-nan17第三土曜日下午七時로開会写経屋の覚書-har17
 但緊要写経屋の覚書-han17事項이有写経屋の覚書-han17写経屋の覚書-nan17臨時開会写経屋の覚書-har17

第25条 総合所の総会は毎月第一日曜日午後1時、評議会は第3土曜日午後7時に開会すること。但し緊要事項がある時は臨時に開会すること。

写経屋の覚書-フェイト「総会と評議会の開催日についての規程だね。緊急の重要事項があった場合は臨時に総会や評議会を開くことができるようにも定めているんだね」

写経屋の覚書-はやて「っちゅうことは、ベセルがやった報償金の預け替えや、報償金の投資運用も総会や評議会に諮って(とお)ぉとったら、オッケーやったってことなん?」

写経屋の覚書-なのは「預け替えはセーフかもしれないけど、投資運用は第6条に明白に違反するからダメだよ」

二十六条 本所나支収所에一応経費写経屋の覚書-nan17각其所員이担当하고或賛成금이나寄附금으로支用하되義捐금中에셔写経屋の覚書-nan17一分犯用이無케写経屋の覚書-har17

第26条 総合所と支所の経費はその所員が担当し、賛成金や寄附金で支弁するが、義捐金中からはわずかでも使い込みが無いようにすること。

写経屋の覚書-なのは国債報償金費消事件(10)で見た警秘収第7764号に添付されている尹雄烈の請願書には、ベセルはマルタンに貸し付けた報償金の利子を総合所の経費に充てたことをうかがわせる記述があったのは憶えているかな?」

写経屋の覚書-フェイト「えーっと…尹雄烈に対して「電気会社の利子は三円二三厘なるものゝみにあらす不信用なれは該金額中三万円丈仁川の匯香銀行に預替すれは利子も六厘にて利害殊に明に且本所の経費も心配なしとの事」って言った部分だね」

写経屋の覚書-はやて「あー、それが事実やったら経費調達のために報償金を運用するいうことになるから、この第26条に違反する行為になるんやね」

写経屋の覚書-なのは「そういうこと。最後は第29条だよ」

第二十九条 本規程에未備写経屋の覚書-han17事項과応行細則은評議会에셔随時議定写経屋の覚書-har17

第29条 本規程に無い事項と対応の細則は評議会で随時議定すること。

写経屋の覚書-はやて「これはさっき見た第25条と(おんな)しようなもんやね。総合所規程にええとも悪いとも定められてへん、部外者が預け替えに関与するいう行為について、評議会で許可承認を与えることは不可能(ちゃ)ういう話やな」

写経屋の覚書-フェイト「そうだよね。でも、評議会によってベセルの預け替えが許可承認された形跡なんてなかったよね?たしか警秘収第7764号にあるように、預け替えは総合所長の尹雄烈の許諾を受けて行なったんだったよね?」

写経屋の覚書-なのは「うん。だいたい、預け替えは重要なことなんだし、総会や評議会で討議しないで所長が決定して部外者に任せたということ自体がおかしいんだよね。

写経屋の覚書-はやて「せやけど、こうやって総合所規程を見ていったら、ベセルが総合所の報償金の取扱についてやったことって、全部総合所規程に違反しとるか違反の可能性が高いもんやったんやねぇ…」

写経屋の覚書-フェイト「ほんとだね。でも、それを制止しないで預け替えを任せてしまった尹雄烈所長にもそれなりの責任はあるだろうね。大体ベセルは部外者なんだし」

写経屋の覚書-なのは「うん。いくらベセルが事実上の中心人物として主管していたとしても、その行動を見過ごしていた評議員たちの役員幹部にも責任はあるよね。今回はここまでにして、次回は皇城新聞社について見ていくね」

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