レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)は,1970年1月7日バーミンガムのバーミンガム・タウン・ホール公演を皮切りに,2月17日エジンバラのアッシャー・ホール公演まで行われた UKツアー,2月23日フィンランドはヘルシンキのクルトゥーリタロ公演を皮切りに 3月12日ドイツはデュッセルドルのフラインハレ公演まで行われた欧州ツアーに続き,3月21日カナダはブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのパシフィック・コロシアム公演を皮切りに,4月18日アリゾナ州はフェニックスのアリゾナ・コロシアム公演まで春の北米ツアーを行います.

 ファンの方ならばご存知だとは思いますが,レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の1970年春の北米ツアー(1970年3月21日~4月18日)は音源に恵まれていません.
 因みに 1月~3月中旬に行われた英国・欧州ツアーにはそれぞれ ジミー・ペイジ(Jimmy Page)の誕生日である 1月9日に行われたロイヤル・アルバート・ホール公演や,3月7日のモントルー公演という代表的音源が存在しますが,春の北米ツアーからは『 Pb 』(『 Mudslide 』) を除くと,相応に高音質な音源は殆ど存在しない,というか音源自体も少ないのが実情です.

 そんな中,編集を含めたマスタリングには定評のある Graf Zeppelinレーベルから,上述の春の北米ツアー中盤に当たる 4月9日フロリダ州タンパはカーティス・ヒクソン・ホール公演のオーディエンス録音を収録した 『 Makundju : Tampa 1970 (LZSC-409) 』 がリリースされました.
 今回は,今年に入って レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の貴重な音源や映像を公開し続けている The Dogs Of Doomチームにより公開された Source 2 と,従来の Source 1 を組み合わせ可能な限り最長版にしています.

 Source 1(Recorder 1)に親しんできた公演日(既発 『 Tampa 1970 (No Label) 』 他)だけに,Source 1(Recorder 1)と比較すると,音質の差が大きいのは否めませんが,Source 2(Recorder 2)も,音像は割と近く,ヴォーカル・パートは引っ込んでいるものの,各パートの出音が割と分離しており,聴き易いオーディエンス録音で,年代を考えれば,こちらも高音質と言えると思います.

 それにしても,50年経って新たな音源が発掘されたのも驚きでしたが,それが音源の少ない春の北米ツアーの音源があったの事,且つ,ピッチの狂いまくっている新発掘の Source 2 のピッチを(”Dazed And Confused” 部分にピッチ調整が完全でない部分も若干あるものの)
ここまでアジャストした事にも驚きを隠せません.

 メーカー情報では
 『'70年春の北米ツアーよりタンパ公演の決定盤が3枚組プレスCDで登場!
 今回は以前からお馴染みの高音質ステレオ・Aud音源をベースに、近年初登場したソース2(モノ・Aud音源) でライブ前半部分を中心にした欠落部が丁寧に補填され、なおかつピッチも徹底アジャストされたベスト・バージョンでの登場です!

 メインのステレオ音源は、アナログLP時代には『MAKUNDJU』(Screaming Oiseau)としてファンには有名な音源であり、'90年代にも旧タラやPOT盤、コブラ盤などでCD化されてきたもの。元々それなりに高音質の音源でしたが、2000年代に入ると録音者自らがオリジナルマスターからNo EQでデジタル化したバージョンも出回り鮮度も格段にアップ。しかしBring It Home途中からの収録であり、ライブ冒頭が未収録である点が災いしたのか、オリジナルマスターからのCD化は意外にも進まず、2010年代半ばに『TAMPA 1970』(2CD No Label)などでやっと実現する程度にとどまります。

 そんななか、近年貴重な初登場音源を公開し続けるチーム「DoD」が今回もまたまた快挙!
 今回の初登場音源は収録時間が約60分と短いながらも、十分高音質と言えるモノラルAud音源。
 しかも、ラッキーなことに今まで聴けなかったライブ序盤部分を捉えているのが超高ポイント。もっとも、初登場の「Heartbreaker」は2分弱の収録であり、また「Bring It On Home」は未収録、またライブ終盤部も未収録であり、補填しきれない箇所もあるため完全収録とまでは行きませんが、この新音源で補填することにより一応当日演奏された全曲の収録が実現。
 「What Is And What Should Never Be」は前半部がこの新音源で補填され疑似ながら初の完成版での収録が実現。他にもWhite Summer演奏後曲間、「Moby Dick」イントロ部などがこの新音源で丁寧に違和感なく補填されています。
 なお、この新音源はオルガンソロ辺りからバッテリー切れの影響なのか、テープスピードがヨレヨレで非常に聞きづらいものでしたが、本盤ではそのヨレヨレワカメが徹底アジャストされています。当然「What Is And」の序盤部分の補填部も補正は丁寧に施されており、ピッチヨレの問題が本盤で初めて解消、ストレスも違和感もなく終始鑑賞頂けます。
 また、メインのソース1でもオルガン・ソロにて所々スピードの揺れが確認されましたが、そちらも見事にアジャストされ、既存のソース1についても本盤にて初めてピッチの問題が解消されています。

 またボーナス的にDisc3に今回の新ソースが改めて丸ごと収録されています。Disc1のライブ序盤にてこの新音源が大々的に使われているため、イントロから「Heartbreaker」までは重複収録とはなりますが、Disc3は実質ボーナスディスクであり、ここでは資料性を重視した新ソース・オンリーでの収録となっております。
 この新ソースオンリーという形態でのCD化は初めてであり、本編Disc1、2で補填に使用された以外のパーツが聴けるのがポイントです。本編では編集バージョンだった「What Is And」は新ソースでの一気通貫バージョンであり、「White Summer」以降のトラックは「What Is And」を除くと殆どが初CD化パートとなります。
 なお、当然ここでもピッチは徹底アジャストされており、元音源でヨレヨレで聴くに堪えなかったオルガン・ソロ以降も全く違和感なく鑑賞頂けます。

 ★初登場の新ソース(収録時間60分弱のもの)をサブソースに、前半部や既発欠落部を補填収録!
 完全収録ではありませんが、前半28分ほどが初収録のほか、「What Is And What Should Never Be」も初の完成版で収録!
 ★ボーナスにその新ソース改めてDisc3に丸ごと収録した3枚組のプレス決定盤!
 ★新ソースでヨレヨレだったピッチは初めて徹底アジャスト!
 当然「What Is And What Should Never Be」序盤部の補填もピッチヨレが本盤で初めて解消!

 限定ナンバリング入りで、ステッカーが添付された仕様。
 CDラベルはピクチャーディスクの永久仕様の愛蔵盤で登場です!』

Makundju : Tampa 1970 (LZSC-409)
 
 Live At Curtis Hixon Hall,Tampa,FL,USA 09th April 1970

  Disc 1
   1. Introduction
   2. We're Gonna Groove
   3. Dazed And Confused
   4. Heartbreaker (cut out)
   5. Bring It On Home (cut in)
   6. White Summer (incl. Black Mountain Side)
   7. Since I've Been Loving You
   8. Organ Solo
   9. Thank You
   TOTAL TIME (64:59)

  Disc 2
   1. What Is And What Should Never Be
   2. Moby Dick
   3. How Many More Times
   4. Whole Lotta Love
   TOTAL TIME (56:36)

  Disc 3
   1. Introduction
   2. We're Gonna Groove
   3. Dazed And Confused
   4. Heartbreaker (cut out)
   5. White Summer (cut in)
   6. Since I've Been Loving You
   7. Organ Solo
   8. Thank You
   9. What Is And What Should Never Be
   10. Moby Dick (cut out)
   TOTAL TIME (60:00)

 We're Gonna Groove (Source 2)
 
 Dazed And Confused (Source 2)
 
 Since I've Been Loving You (Source 1)
 
 What Is And What Should Never Be (Source 1 + 2)
 
 How Many More Times (Source 1)
 
 Since I've Been Loving You (Source 2)
 
 Thank You (Source 2)
 

[参考]
 詳細情報(メーカー情報より)
  Disc 1
   1. Introduction
      ⇒ ★丸ごと Source 2
   2. We're Gonna Groove
      ⇒ ★丸ごと Source 2
   3. Dazed And Confused
      ⇒ ★丸ごと Source 2
   4. Heartbreaker (cut out)
      ⇒ ★丸ごと Source 2
   5. Bring It On Home (cut in)
   6. White Summer incl. Black Mountain Side
   7. Since I've Been Loving You
   8. Organ Solo
      ⇒ ★出だし付近のピッチヨレ補正
   9. Thank You

  Disc 2
   1. What Is And What Should Never Be (Source 1 + 2)
      ⇒ ★補填 Source 2 はピッチヨレ補正済み
   2. Moby Dick (Source 1 + 2)
   3. How Many More Times
   4. Whole Lotta Love

  Disc 3
   初登場の Source 2 を単体で丸ごと収録!
   ⇒Source 2 を丸ごと収録したCDは本タイトルのみ。
   ⇒Source 2 は元々全曲ではなく,これで全てであり,1CDに収まる.
   ★ピッチは徹底補正。
   1. Introduction
   2. We're Gonna Groove
   3. Dazed And Confused
   4. Heartbreaker (cut out)
   5. White Summer (cut in)
      ⇒ ★Source 2 CD初収録
   6. Since I've Been Loving You
      ⇒ ★Source 2 CD初収録
   7. Organ Solo
      ⇒ ★Source 2 CD初収録
   8. Thank You
      ⇒ ★Source 2 CD初収録
   9. What Is And What Should Never Be
      ⇒ ★Src2 単体のバージョンはCD初収録
   10. Moby Dick (cut out)
      ⇒ ★Source 2 CD初収録

 Tampa 1970 (No Label) 
 

 1970 North American Tour [Spring]
 March
  21 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  22 Seattle Center Arena,Seattle,WA,USA
  23 Memorial Coliseum,Portland,OR,USA
  25 Denver Auditorium Arena,Denver,CO,USA
  26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
  27 The Forum,Inglewood,CA,USA
  28 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  29 Hofheinz Pavilion,Houston,TX,USA
  30 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
  31 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA

 April
  01 Boston Garden,Boston,MA,USA
  02 Charleston Civic Center,Charleston,SC,USA
  03 Macon Coliseum,Macon,GA,USA
  04 Indiana State Fairgrounds Coliseum,Indianapolis,IN,USA
  05 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA 
  06 Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
  07 Charlotte Coliseum,Charlotte,NC,USA
  08 Dorton Auditorium,Raleigh,NC,USA
  09 Curtis Hixon Hall,Tampa,FL,USA
  10 Miami Beach Convention Center,Miami Beach,FL,USA
  11 Kiel Auditorium,St. Louis,MO,USA
  12 Met Center,Bloomington,MN,USA
  13 Montreal Forum,Montreal,QC,CANADA
  14 Ottawa Civic Centre,Ottawa,ON,CANADA
  15 Winnipeg Arena,Winnipeg,MB,CANADA
  16 Roberts Municipal Stadium,Evansville,IN,USA
  17 Mid-South Coliseum,Memphis,TN,USA
  18 Arizona Veterans Memorial Coliseum,Phoenix,AZ,USA
  19 Las Vegas Convention Center,Las Vegas,NV,USA

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#2021‐05‐18