ウドー音楽事務所が企画した 『 ROCKUPATION SPECIAL スーパーギタリスト#1 』 として 1976年12月に初来日を果たした レインボー(Rainbow:当時は,リッチー・ブラックモアズ・レインボー:Ritchie Blackmore's Rainbow)は,12月2日の東京体育館公演を皮切りに,12月16日日本武道館公演まで,追加公演を含め 6都市10公演の初来日公演を行います.
 
 そして,この初来日の模様 (#) は,オフィシャル・アルバム 『 On Stage (レインボー・オン・ステージ) 』 として 1977年7月にリリースされます.

 (#) 最初に収録した大阪公演(5日,8日,9日)は,メンバーからクレームにより没となり、改めて16日の東京での最終公演(日本武道館・昼&夜の部)を収録.しかし最終的に "Kill The King","Mistreated","Still I'm Sad" が,同9月25日のケルン公演,9月28日のニュルンベルク公演,9月29日のミュンヘン公演の録音を使用.

 本CDは,初来日 7公演目に当たる 12月13日福岡県福岡市は中央区の九電記念体育館公演のオーディエンス録音を収録し,2005年に Rising Arrowレーベルよりリリースされた 『 Allied Force : Fukuoka 1976 (Rising Arrow-011S) 』 で,今回限定再入荷との事で購入.
 因みにサブ・タイトルの 「 Fukuoka 1976 」 は,今回の再入荷に伴って判り易くする為に便宜上記載されているだけであり,ジャケットやタイトルは,2005年当時のままです.

 この日の音源は,メーカー情報でも触れられていますが,Langleyレーベルから 『 Hakata 1976 (Langley-066) 』 がリリースされており,2018年春には該当アイテムを復刻したギフト・アイテム 『 Hakata 1976 (Gift CDR) 』 がリリースされていますが,本 『 Allied Force : Fukuoka 1976 (Rising Arrow-011S) 』 は,『 Hakata 1976 (Langley-066) 』 に使用されているマスター・カセットの再デジタル化を行ったものです.

 音像は割と近く,”Kill The King" の導入部では多少籠った感はあるものの,演奏が進むにつれて少しづつ改善されていきます.
 コージー・パウエル(Cozy Powell)のドラムも割と前面に出ており,臨場感のある音で,録音された年代を考えれば充分高音質と言えるでしょう.
 それにしても,この日の ”Stargazer” での,ロニー・ジェイムス・ディオ(Ronnie James Dio)の何時もと異なる歌い方は興味深いです.

 メーカー情報では
 『RAINBOW栄光の来日史でも並ぶ物のない伝説と言えば、1976年の初来日。
 その現場に立てるオーディエンス録音にあって、かつて「最高傑作」と激賞された超名盤が限定再入荷決定です。
 その名盤に刻まれているのは「1976年12月13日:九電記念体育館」公演。

 そう、伝説的な極上オーディエンス録音『ALLIED FORCE』の復刻リリースです!
 1976年の初来日ほど伝説と呼ぶに相応しいものはありません。すでに絶大な人気を確立していたリッチー・ブラックモアはもとより、英雄ロニー・ジェイムズ・ディオやコージー・パウエルの初来訪は衝撃以外の何物でもなく、3人がそろってこそのインパクトやHRの究極形を見せつけた名演も永遠。
 44年を超えた現在に至るまでも、あらゆる来日公演を凌駕し続けているのです。そして、この初来日は数々の名記録が残されたことでも奇跡でしたが、その中でもあまりにも素晴らしいサウンドで一時は「最高傑作」にまで登り詰めた名録音……それが本作なのです。

 まずは、伝説の初来日スケジュールから名作誕生の舞台となったショウのポジションを確認しておきましょう。

  ・12月2日:東京都体育館
  ・12月5日:大阪厚生年金会館
  ・12月7日:名古屋市公会堂
  ・12月8日+9日:大阪厚生年金会館
  ・12月10日:京都会館
  ・12月13日:九電記念体育館 ←★本作★
  ・12月14日:広島市公会堂
  ・12月16日:日本武道館

 以上、全9公演。

 DEEP PURPLE時代から全国で絶大な人気を誇っていたリッチーでしたが、RAINBOWではツアーも拡大。この日が初めて本州を出たコンサートでもありました。
 そんな人気ぶりを象徴するようなショウを記録した本作は、まさに名作・衝撃作と呼ぶに相応しい絶品のオーディエンス録音。
 そもそもは、Langleyレーベル全盛時代の『HAKATA 1976』として世に出た録音だったのですが、そのサウンドは「奇跡の名録音」「問答無用のNo.1」と大絶賛を集めた。それだけの名録音だけに当然プレス盤でのリリースも望まれ、オリジナル・カセットからの再デジタル化。満を持して登場したのが、本作『ALLIED FORCE』なのです。
 当然の事ながら瞬く間に廃盤・完売となったわけですが、この度、工場の倉庫に残されていたオリジナル・プレスCDが発見。奇跡の再入荷となったのです。

 まさに伝説の大名盤なのですが、その輝きのサウンドは現在の耳にも鮮烈。
 オリジナル・マスター特有の鮮度も麗しく、それ以上に録音自体が猛烈にクリア。コージーの1打1打はどこまでも鋭くオンに捉えられ、ストラトの鳴りは艶やかで色気たっぷり。そして何より、ロニーの歌声が素晴らしい。歌詞の1語はおろか、1音節のイントネーションまでクッキリと聞こえ、ロマンティックなラインもヒロイックな響きもまるで昨日録音したかのような鮮度で流れ出るのです。
 素晴らしく力強い演奏/歌声に惚れ惚れとしますが、その上で本作はオーディエンスならではの現場感も絶品。客電が消えた瞬間から空気は騒然。もちろん、演奏中は骨太で肉厚な演奏音がすべてを圧倒しますが、曲間になるや生々しい熱狂が吹き出す。その息吹の熱さが1976年を物語っているのです。ついにやってきた本物を目の当たりにした興奮、英国ハードロックの粋を叩きつけられる衝撃。「リッチー!」と叫ぶ声には正気のタガが外れた異様な情熱が宿り、時たま挙がる「見えないよ!」「待ってください!」という悲鳴(?)は、現場の騒然としたムードを描き出す。
 もちろん、RAINBOWの熱演にも絶大な喝采が贈られ、会場のアチコチから挙がる小爆発のような絶叫が立ち上る。初期RAINBOWのドラマティシズムも凄まじい爆発力ですが、それに正対する客席もまた爆発していた。その最中に立つことができるのです。
 やや余談が過ぎました。本作の主役は、あくまでも熱狂を引き出すライヴそのもの。1つ前の京都公演は連日公演の疲れも感じられましたが、休養明けの本作は初の九州ということもあってか気合いも十分。ダメなショウのない初来日でも屈指の出来映えを聴かせてくれるのです。
 そんな中でちょっと面白いのは「Stargazer」。キーボードイントロにテープチェンジの(わずかな)欠けがあるのは残念ですが、本編が始まるや重厚な音世界が一気に広がる。そして、歌が入ってくるとロニーが少し変わった歌い方をする。何かに気を取られたように歌が途切れ、中盤ではメロディを崩して詩の朗読風に歌詞を綴るのです。それがダイナミックな中世ハードロックに乗ると、ちょっとフィル・ライノット風。何とも不思議なムードなのに、妙に似合ってしまう面白いバージョンなのです。

 凄絶なギタークラッシュに燃え上がった会場。放っておけば永遠に続くであろうカタカナ「アンコール! アンコール!」をなだめるように「Over The Rainbow」が流れ、本作は終演を迎えます。
 現在では大阪の『SHADOW OF THE WIZARD(Rising Arrow 038)』や日本武道館の『AN EVENING IN DECEMBER(Calm & Storm 010)』、広島の『RISING IN HIROSHIMA(Calm & Storm 019)』など、各地の超名盤が誕生しているために軽々に「ツアーNo.1」「最高傑作」を決められなくなった1976年の記録。
 しかし、本作もまたその列に並び、九州公演の最高傑作であり続けている。そんなRAINBOW in JAPANの金字塔を永久保存した2枚組。
 どうぞ、奇跡の再入荷の機会をぜひお見逃しなく。

 ★2005年リリースの「Rising Arrow」レーベル初期の名盤が限定再入荷!1976年福岡公演の決定盤!!』

Allied Force (Rising Arrow-011S)
 
 Live At Kyuden-Kinen Taiikukan,Fukuoka,Japan 13th December 1976
 [From Original Masters]

  Disc 1
   1. Opening
   2. Over The Rainbow
   3. Kill The King
   4. Mistreated
   5. Sixteenth Century Greensleeves
   6. Catch The Rainbow
   7. Man On The Silver Mountain / Blues / Starstruck
   TOTAL TIME (61:39)

  Disc 2
   1. Tony Carey Keyboard Solo
   2. Stargazer
   3. Still I'm Sad incl. Keyboard Solo
   4. Cozy Powell Drum Solo
   5. Still I'm Sad
   6. Do You Close Your Eyes
   7. Over The Rainbow
   TOTAL TIME (53:44)

 Ritchie Blackmore : Guitar
 Ronnie James Dio : Vocal
 Cozy Powell : Drums
 Jimmy Bain : Bass
 Tony Carey : Keyboards

 Kill The King
 
 Catch The Rainbow
 
 Stargazer
 

[参考]
1976 JAPAN Tour Dates
 December
  02 Tokyo Taiikukan , Tokyo,JAPAN
  05 Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  07 Nagoya-Shi Kokaido,Nagoya,JAPAN
  08 Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  09 Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
  10 Kyoto Kaikan,Kyoto,JAPAN
  13 Kyuden Kinen Kaikan,Fukuoka,JAPAN
  14 Hiroshima-Shi Kokaido,Hiroshima,JAPAN
  16 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN (Afternoon Show)
  16 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN (Evening Show)



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#2020-03-24