1976年12月のレインボー初来日ツアーから.3公演目に当たる12月7日愛知県名古屋市公会堂公演をオーディエンス収録したものです.テーパーは Miracle Man のネームで,あの衝撃を与えた「An Evening In December (Calm & Storm 010)」や「Rising In Hiroshima (Calm & Storm 019)」の録音者です.

 12月14日の広島公演と同様に,東京や大阪と比べて,音源が少ない名古屋公演ですので,今回の新音源でのリリースは非常に嬉しい限りです.

 既発では, 無名レーベルからの「Someone's Calling My Name - Catch The NIJI (N-001/002)」と,Taranturaレーベルからリリースされた「虹 - Foldback, Marshall Majors (TCDNIJIFUNE3-1, 2)」,があります.

 ヘッドホンで目を瞑って聴いていると,当時の会場にトリップしたような感覚になります.それにしても35年以上前の録音というのがうそのようです.
 音像はかなり近いので,かなり前方での録音では無いかと推測され,逆に近い分,大音量での演奏部分では,多少音に歪みはありますが,それはそれで迫力があります.また各楽器のバランスも良く,かなりの高音質です.

 この日は来日してから,東京,大阪に続いて, 3公演目という事で演奏自体もこなれていますし,メンバー自身もリラックスしているのでしょう.しかし演奏は 1曲目の "Kill The King" から凄いです.そして "Kill The King" 終了後,ロニーが観客に諭すように "静かにしてくれないかい" と言った後に,メーカー情報でも記載されているように "トミー・ボーリンのために" とアナウンスし,"Mistreated" が演奏されます.パープル・ファミリーであるトミー・ボーリンは,この公演の 3日前:12月4日,フロリダ州マイアミのホテルにて薬物の過剰摂取により25歳の若さで亡くなっています.それをメンバーが知ったのが,大阪公演を行った12月6日以降なのでしょう.そう思うとより厳かに聴こえる "Mistreated".
 そして "Catch The Rainbow" は,始まりが静かめな演奏だけに,本当にクリアに収録されていますし,"Stargazer" から間髪入れずに,"Still I'm Sad" のイントロに入るドライブ感は流石です."Still I'm Sad" の 1分18秒ではマイクの位置が変わったのか,若干篭り気味で,分離が悪くなります.もしかしてこの部分がパッチ部分なのかも知れませんが,そんな事は本CD全体からみれば,取るに足らない事,気になりません.
 全体を通して,素晴らしい演奏を行っており,必聴の価値があります.

 メーカー情報では
 『この名古屋公演は、過去に「SOMEONE'S CALLING MY NAME - CATCH THE NIJI」などの既発が存在していますが、アイテムの種類は東京や大阪でのアイテムと比較して非常に少なく(Rising Arrowレーベルですら、この日についてはアイテムがリリースされていません)、現時点では入手が難しいライヴのひとつになっています。それだけに今回、優れた音質で既発と異なる角度からこのライヴを楽しめるようになったのは、ファンにとって嬉しいニュース。多士済々の感がある'76年のRAINBOW来日音源にあっても、本作は大きな注目を集める一本となるでしょう。

 本録音は名古屋市公会堂らしく観客とステージの距離感が近い、密接で締まりのあるサウンドが魅力。テーパー自身も会場の前列で録音していたであろう事は想像に難くありませんが、それでもオープニングに漂う会場の熱気と「Kill The King」でのダイレクト感溢れる音像には、いきなり魅了されてしまうでしょう。ツアーの初日そして二日目を終えて、リッチーのギターもいよいよ本領を発揮し始めており、「Kill The King」の冒頭からリッチーらしい荒れ狂うようなプレイを聴かせます。ロニーのヴォーカル、コージーのドラムも好調そのもので、"三頭政治"RAINBOWの怒涛のようなプレイは、序盤から会場のファンを圧倒しています。
 この日の「Mistreated」はロニーの「トミー・ボーリンのために」というMCで始まります(同曲の冒頭でロニーの「トミーに捧げる」というMCはその後も行われましたが、初めて述べられたのがこの名古屋公演です)。イントロにおけるリッチーのソロなどは、そのクリアさとダイレクト感、締まった音響から、まるでライン・ソースのような聴き応え。ソロに続きバンド全体が入る場面の迫力たるや、聴いていて鳥肌が立ちそうになります(それでも音が割れたり歪んだりしないのが本録音の素晴らしさです)。

 バンドのファンタジックな魅力が最上級のサウンドで繰り広げられる「16th Century Greensleeves」、そして「Catch The Rainbow」はライヴ前半の聴き所。クリアなトーンで描かれたリッチーのソロに、様々な表情を使い分けるロニーのヴォーカル・・・ここで聴ける楽音は本当に素晴らしい! 両者のプレイがこれほどリアルな録音で楽しめる事に、ファンは誰もが無上の喜びを覚えるはずです。
 ライヴ中盤における「Man On The Silver Mountain」でのメドレー、コージーとリッチーのぶつかり合いが迫力満点の「Stargazer」も、当然ながら一瞬も聴き逃せない名演と熱演の連続。バンドが一丸となってライヴのクライマックスを盛り上げる「Still I'm Sad」(同曲は冒頭や中盤が一部欠落していたので、「CATCH THE NIJI」のマスターより補填しています)の荒々しい凄まじさは、東京や大阪での演奏と比べても遜色ありません。もちろんコージーのソロも、聴き手に直接ぶつかってくるような、パンチ力に富んだド迫力サウンドで再現されます!

 音の暴風雨が吹き荒れるようなリッチーのギター・イントロから導かれる「Do You Close Your Eyes」では、後半にギター・クラッシュも炸裂! ここではリッチーの一挙手一投足に沸き立つ観客の様子や、砕かれるギターが発するノイズまで生々しく捉えられており、その迫力は壮絶の一言です! ライヴの全編(約115分間)を通じて、初期RAINBOWらしい破壊的なパフォーマンスを、全ての聴き手へリアルに体感させます。
 思えばこの名古屋市公会堂は、ロニーにとって最後の来日となった2007年のHEAVEN & HELLジャパンツアーで最終日が行われた会場。すなわちロニーが日本で最後にライヴを行った場所でもあるのです。その特別な会場での初ライヴを、35年以上も昔の録音としては完全に別格と言えるサウンドで封じ込めた本作は、全てのハードロック/ヘヴィメタル・ファンにとって聴き逃せません!』
との事.


Rising In Nagoya (Calm & Storm 027)
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 Live At Nagoya-shi Kokaido,Nagoya,JAPAN 7th December 1976


 Disc 1
  1. Opening
  2. Over The Rainbow
  3. Kill The King
  4. Mistreated
  5. 16th Century Greensleeves
  6. Catch The Rainbow
  7. Band Introduction

 Disc 2
  1. MC
  2. Lazy
  3. Man On The Silver Mountain
  4. Blues
  5. Starstruck
  6. Man On The Silver Mountain (Reprise)
  7. MC
  8. Keyboard Intro.
  9. Stargazer
  10. Still I'm Sad
  11. Keyboard Solo
  12. Drum Solo (Incl. 1812 Overture)
  13. Still I'm Sad (Reprise)
  14. Guitar Intro.
  15. Do You Close Your Eyes (Incl. Guitar Crash)
  16. Over The Rainbow

 Ritchie Blackmore:Guitar
 Ronnie James Dio:Vocal
 Cozy Powell:Drums
 Jimmy Bain:Bass
 Tony Carey:Keyboards


  Kill The King
  
  16th Century Greensleeves
  
  Catch The Rainbow
  
  Stargazer
  
  Still I'm Sad
  
  
  
  [虹 - Foldback, Marshall Majors]
  Kill The King
  
  Catch The Rainbow
  
  
  [Someone's Calling My Name - Catch The NIJI]
  Kill The King
  
  Catch The Rainbow
  
  
  
 当時,東京体育館と日本武道館に参戦した私はツアー・プログラムの実物を持っていますが,本CDの初回プレス分には,1976年日本ツアー・プログラムのミニチュア・レプリカ(全36ページ)が付属しています.

 ツアー・プログラム ミニチュア・レプリカ (本CDに付属)
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[参考]
 1976 Japan Tour
  Dec
   02(木) 東京都体育館
   05(日) 大阪厚生年金会館
   07(火) 名古屋市公会堂
   08(水) 大阪厚生年金会館
   09(木) 大阪厚生年金会館
   10(金) 京都会館
   13(月) 福岡九電記念体育館
   14(火) 広島市公会堂
   16(木) 日本武道館 [昼の部(追加公演)]
   16(木) 日本武道館 [夜の部]


 An Evening In December (Calm & Storm 010)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Rainbow An Evening In December
 Rising In Hiroshima (Calm & Storm 019)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Rainbow - Raising In Hiroshima
 Someone's Calling My Name - Catch The NIJI (N-001/002)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Rainbow - Someone's Calling My Name
 虹 - Foldback, Marshall Majors- (TCDNIJIFUNE3-1, 2)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Rainbow - 虹 Foldback, Marshall Majors- FR





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