ウドー音楽事務所が企画した 『 ROCKUPATION SPECIAL スーパーギタリスト#1 』 として 1976年12月に初来日を果たしたレインボー(当時はリッチー・ブラックモアズ・レインボー:Ritchie Blackmore's Rainbow)は,12月2日の東京体育館での初日公演を皮切りに 12月16日の日本武道館での最終公演まで,追加公演(:12月16日[昼の部])を含めて, 6都市 10公演(最終日は昼夜 2公演)を行っています.

 そして,この初来日の模様 (#) は,オフィシャル・アルバム 『 レインボー・オン・ステージ (On Stage) 』 として,1977年にリリースされています.

 (#)当初収録した大阪公演(5日,8日,9日)はメンバーからクレームがついて没となり,改めて最終公演である16日の東京(日本武道館・昼&夜の部)を収録.しかし最終的には ”Kill The King” ,"Mistreated" や "Still I'm Sad” が,同年9月25日のケルン公演,28日のニュルンベルク公演,29日のミュンヘン公演の録音を使用しています.

 本CDは,レインボーの初来日初日(12月2日)の東京体育館公演をオーディエンス録音により収録したもので,2010年末か2011年初に Rising Arrowレーベルよりリリースされた 『 Tales Of The Rising Sun : Tokyo 1976 1st Night (Rising Arrow-040) 』 です.
 今回,再入荷との事で価格が変更になっており,リリース当時より安価になっています.
 またサブ・タイトル 「 Tokyo 1976 1st Night 」 は,今回の再入荷に伴って分かり易く付与されたもので,実際のジャケット含め初回リリース当時の 『 Tales Of The Rising Sun (Rising Arrow-040) 』 のままです.

 この商品がリリースされた当時はブート収集を止めていた時期であり,当時の商品が再入荷・低価格になってリリースされるのは嬉しい限りです.
 しかも,この日のライブは実際に観に行っているので,感慨深いですし,どのような音源でも手が出てしまいます.(笑)
 
 この日の音源として代表的なものは Tranturaレーベルからリリースされている 『 UIJIN' - 初陣 (TCDRAINBOW-3-1, 2) 』,『 Legend Of The Additional Performance - 虹船 (TCDNIJIFUNE-1-1.2) 』,Rising Arrowレーベルからリリースされている 『 Emperor's Blood (Rising Arrow-029) 』 です.
 私的に 旧 Taranturaレーベル時代でもレッド・ツェッペリンしか購入していませんし,その後の Tranturaレーベルは一切購入しておらず,増してや前述のレインボー初来日公演の音源リリース時は上述したようにブート収集していない時期,ただ数年前にネット上から同音源は入手する事はできました.
 それを元に Tranturaレーベルの 『 Legend Of The Additional Performance - 虹船 (TCDNIJIFUNE-1-1.2) 』 と聴き比べると正直,この商品は部が悪いと言わざるを得ない部分も多々ありますが,どちらかと言うと丸みを帯びたような音像の本商品を好む方もいるかも知れません.

 元となっているマスターは録音された年代からしても非常に高音質なのですが "Catch The Rainbow" の 3分22秒~ 5分58秒,"Blues" の 1分05秒~ 2分51秒,"Drum Solo" の大部分等,欠落箇所が相応にある関係もあり他の音源で補填しており,音質の違いからどうしても補填箇所が目立ってしまうのは否めません.
 

 それにしても,このライブは衝撃でした!
 何と言っても,当時 未発表であった "Kill The King" がオープニングを飾り,この 1曲で観衆は興奮の坩堝と化し,次曲の "Mistreated" で中断となってしまいます.
 当時,ステージ向かって左ではあったものの,2列目の席だっただけに大爆音かつ大迫力でした.
 チケット発売日に始発電車で新宿に行き,プレイガイド(確か伊勢丹)に並んだかいがありました.(笑)

 因みに以下のメーカー情報に記載されているのは,リリース当時のものです.

 メーカー情報では
 『1976年にRAINBOWが日本の洋楽ロック史上に刻んだ、記念すべき初来日・初公演より、新たなマスターピースがここに誕生しました!
 '76年12月2日の東京体育館公演が、トレーダー間にも一切出回っていない完全初登場・高音質オーディエンス音源でリリースです!

 最近になってRAINBOWの'76年来日公演は全体的な発掘が進み、音源環境は急速に整備されつつあります。
 この来日初公演の模様も「Emperor's Blood」(Rising Arrow)がリリースされた当初は大きな驚きをもって迎えられましたが、その後さらに幾つかのタイトルで演奏を確認できるようになり、選択の幅も増えるなど、ファンにとって喜ぶべき状況となっています。

 今回新たに発掘された本マスターはそれらの中でも特に驚くべきテープです!
 '76年の音源中でも良好な見通しに加えて、音のダイレクト感は文句なしの迫力を持っています。さらにその鮮度・はっきりとした輪郭で捉えられた演奏など、過去のいかなる既発音源と比較しても勝るとも劣らない名録音が行われています!
 本音源がこのように極上の新素材であるのは一点の疑いも無いところなのですが、録音者がテープの残量を気にしていた様子で、一部の曲中及び曲間を中心として、幾つかの場面で欠落が見られました。そのため音盤化に当たってのリマスター工程ではこれら欠落部分を「Emperor's Blood」のマスターよりシームレスに補填して当日の完全版を実現しています。
 この補填は元素材同士の音質が共に良好な上にサウンドの個性も近かったおかげで、文字通りパーフェクトに行われています。仮に気付いたとしても機材の向きが変わったか、それとも覆いを外したかというくらいの印象しか覚えないでしょう。場所を指定されない限りほとんどの聴き手が補填個所を悟る事なく通り過ぎてしまうはずです。(その自然さは同様の補填が行われたRAINBOWの'81年武道館初日を収めた「SPOTLIGHT NIGHT」よりも上だと言えるほどです。)
 同時に行われた音質補正はテープ原音の良さを活かした必要最小限度の補修にとどめられており、余計なイコライジングは通していません。まさにナチュラル・マスターテイスト!この自然な質感を尊重した仕上がりも、補填個所を目立たなくする重要な要素の一つといえるでしょう。

 オープニングの「Overt The Rainbow」と「Kil The King」から、会場となった東京体育館の興奮はピークに達しており、その熱は「Mistreated」冒頭でレッドゾーンを越えてしまいます。
 リッチーのギターイントロが始まった直後、来日初演の事件として知られる騒動が起き、演奏がストップします。本作ではこの「あまりに押し合うと、ショウが進行しません、皆様の協力をお願い致します・・・」という係員のアナウンスもしっかりと聴き取れます。リッチーがその後再び奏でるギターイントロから繰り出される「Mistreated」は壮絶無比!13分にわたるソリッドで爆発的なプレイに普段と違ったニュアンスでのソロなど、貴重なドキュメントと歴史的な名演を抜群のクオリティで聴く事ができます。
 クリアなトーンとバンドの強烈なアタックが揃って克明に記録された「16th Century Greensleeves」そして「Catch The Rainbow」は本音源の凄さが如実に体験できるでしょう。ここで聴けるロニーやコージーは凄すぎる!(なお、この「16th Century Greensleeves」では1:47-2:05の間で、また「Catch The Rainbow」では曲の前半から中盤盤を中心に4ヶ所の補填をしています。)
 バンドの勢いがダイレクトに反映された「Man On The Silver Mountain」の演奏も素晴らしいの一言で、当時のRAINBOWがいかに精強なバンドであったか実感させられます。
 ロニーのヴォーカルインプロからジャズの風味を加えてスポンテニアスに繰り出される「Starstruck」の心地よさも最高で、全ての聴き手にロックの醍醐味を教えてくれるでしょう。
 この日一番の聴き所は、バンドのダイナミズムが炸裂する「Stargazer」に止めを刺します。トニー・カーレイのキーボードソロからメンバー全員気合がこもった白眉のプレイで、どこをとっても非常に完成度が高い演奏です。中間部におけるギターソロもリッチーが一音一音を全て巧みにコントロールしており、アドリブソロの決まり具合まで一瞬の隙も無い究極のプレイだと断言できます!
 ヨーロッパ・アメリカでの各公演で磨き上げられた「Still I'm Sad」は、まさに珠玉の交響詩と化してオーディエンスを飲み込みます。この素晴らしいテイクが来日初演奏になった事に、私たちは感謝しなければいけないでしょう。 もちろんこの時が日本初披露となったコージーのドラムソロは壮絶の一語で、会場の空気の振動がそのままファンをダイレクトに身震えさせているかのようです!(残念ながらドラムソロはマスターにおいて殆ど失われていたため、0:01-6:24にわたり補填しています)
 アンコールの「Do You Close Your Eyes」ではリッチーのギタークラッシュが炸裂!ストラトが悲鳴を上げて砕け散る音響、どよめく観客オーディエンス、狂気すら帯びたリッチーの爆発ぶりには、誰もが悶絶するに違いありません!マスターテープはこの「Do You Close Your Eyes」の5:00で終了しており、それ以降は最後まで補填分になります。しかし熱気溢れる演奏と会場の興奮は些かも損なわれず、聴き手が白熱の名演に浸る間にライヴは幕を閉じてしまいます。オープニングからショウエンドまで115分がそれこそ一瞬の夢のように、瞬く間に過ぎ去ってしまいます。この充実度にこのクオリティ、全編が信じられないほどの名演で溢れかえっています!

 '76年のRAINBOW来日公演は相当に発掘が進んだと思われていましたが、まだまだこのような「お宝」が埋もれているのですから驚くほかありません。初来日から34年以上の歳月を経て、今再び別の角度から浮かび上がった感動と興奮の一夜に、どうぞあなたも酔いしれてください! 本作は伝説の真実にまた一歩近づく事が出来る貴重なアイテムとして、RAINBOWファンはもちろん全てのハードロックファンに愛される事でしょう!一聴しただけで誰もが唸り、聴き終えて大満足する充実の一本。もちろんアイテムの品位に相応しく完全限定プレスCDでのリリースです!このチャンスを絶対にお見逃しなく!』

Tales Of The Rising Sun : Tokyo 1976 1st Night (Rising Arrow-040)
 
 Live At Tokyo Taiikukan,Tokyo,JAPAN 02nd December 1976
 [From Original Masters]

  Disc 1
   1. Over The Rainbow
   2. Kill The King
   3. Mistreated
   4. 16th Century Greensleeves
   5. Catch The Rainbow
   6. Guitar Intro.
   7. Man On The Silver Mountain
   8. Blues
   9. Starstruck
       - Vocal Improvisation
       - Man On The Silver Mountain (Reprise)  
 
  Disc 2
   1. Keyboard Intro.
   2. Stargazer
   3. Still I'm Sad (incl. Keyboard Solo)
   4. Drum Solo
   5. Still I'm Sad (Reprise)
   6. Guitar Intro.
   7. Do You Close Your Eyes (incl. Guitar Crash)
   8. Over The Rainbow

  Ritchie Blackmore : Guitar
  Ronnie James Dio : Vocal
  Cozy Powell : Drums
  Jimmy Bain : Bass
  Tony Carey : Keyboards
 
 Catch The Rainbow
 
 Keyboard Intro.
 
 Stargazer
 
 
[参考]
 1976 JAPAN Tour Dates
  December
   02 Tokyo Taiikukan,Tokyo,JAPAN
   05 Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
   07 Nagoya-Shi Kokaido,Nagoya,JAPAN
   08 Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
   09 Kouseinenkin Kaikan,Osaka,JAPAN
   10 Kyoto Kaikan,Kyoto,JAPAN
   13 Kyuden Kinen Kaikan,Fukuoka,JAPAN
   14 Hiroshima-Shi Kokaido,Hiroshima,JAPAN
   16 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN (Afternoon Show)
   16 Nihon Budokan,Tokyo,JAPAN (Evening Show)

レインボー・オン・ステージ
<デラックス・エディション>
(紙ジャケット仕様)



On Stage
レインボー・オン・ステージ




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