朝から長男がぽりぽりあっちこっちを掻いてる。
見ればひざの裏やら手首が赤い。
汗疹……?
あるいは我が家初のハイソな現代人に多いと流行のアトピー?
聞けば痒くて寝られなかったと言う。
「それは気の毒に。」心が全くこもってないと評判の、おいらの棒読み台詞がぽろり。
おいらが夜中徘徊した時は歯軋りしながらお休みのようだったが。
ま、深くは問うまい。
家族会議の末、学校少し遅れてもいいから、皮膚科に見てもらうことになった。
この状態では勉強にも部活にもますます集中できないだろう(ただでさえ集中力ないおいらの血を受け継いでおる)との、おいらの見解が全会一致で可決されたのだ。
うちの市にも県立とか個人病院で皮膚科があることはあるのだが、以前行ったら恐ろしく混んでいた。
九時に行ったのに、一時半頃の診察になるとか分けわかんないことを言われた。
じゃあ、午後の診察はどうすんだよ
せっかちなおいらとはおもいっきり相性が悪いのだ。
その点、隣のT市の皮膚科は、過去の横暴振りが端を発してか、最近は割りとすいてる。
と、言うことで、長男を連れ、隣のT市の皮膚科へGOとなった。
車に乗り込んですぐ、長男は寝る体制を整えた。
もちろんそんな事をおいらが許すはずはない。
「君のために母は貴重な昼寝時間を削って運転してるのだから、君が寝たらいかんだろう。母も運転しながら寝ちゃうよ♪」
自分は旦那に運転させて平気で「寝くさり姫」 するが、他の何人にもそんな事を許さないのがおいらだ( ̄ー ̄)
天気もそこそこに快適なドライブをする中、おいらに異変が。
どうやら朝一発目のこいつ が効いてるようだ。
「長男、やばい。腹が痛い……」
長男、ちらりとおいらを見て、さも心のこもらない、おいらが日頃から教え込んでる口調で「尻から物体ですか?」と、のたまった。
……なんて……なんて立派に調教されていたんだ、この子は( ̄▽+ ̄*)
おいら「そう、それだ。」
長男「その辺ですれば?」このお茶目な投げやり加減
おいら「その辺……?その辺は山だ。」
長男「ママならなんでもありでしょ。」持ち上げておいての無責任発言
おいら「……ま、ある意味そうだが……。とりあえず、君の成長を喜ぶばかりに、山を越えたよ。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:」
そして、車は進み、T市へ入り込む
長男「病院の場所、覚えてるの?」かなり疑わし気な様子だ。
おいら「大丈夫だ。母はT市の高校に通ったから、T市には詳しいんだ。今回ばかりは安心しろ。」
今回ばかりはと、自分で言うくらいだから、これまでにも何度も修羅場をくぐっている(爆)
おいらの地理音痴と方向音痴は命取りになるくらい危険だヽ(゜▽、゜)ノ
なんて思ってる間に道を一本間違えた∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
おいら「この道は……見覚えがあるが、病院への道とは違うな。」間違った分際でかなり偉そうだ。
長男「T市詳しいって言ったろうが。」
おいら「うむ。詳しいから道を間違ったことは分かる。ただ、どう行けば軌道に戻れるかが分からない。」
長男「いま、あっちの方に病院の看板見えたよ。」さすが、慣れてるだけあって冷静そのもの
おいら「そうか……で、どの道行けばあっちとやらに着く?」
長男と弾むほほえましい会話を繰り返しながら?なんとか病院の前にたどり着く。
どんだけ無駄に走ったろう?
病院は思いっきり空いていて、駐車場には車一台止まってない。
ラッキーと、思いきや、
休診
おいら「……どうする?」
長男「休診だよ。」ぶっきらぼうな口調が将来の大物加減をうかがわせる
おいら「いや、……腹の具合が……。」
長男、片方の眉を上げ、ニヒルに微笑む。
「尻から物体か?」