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サマディー地方

 

シルビア:あら おはよう 主人公ちゃん。
昨夜は よく 眠れたかしら?
いよいよ サソリちゃんとの決戦ね!
……ファーリスおぼっちゃんたちなら
朝の早いうちに 出発したわよ。
さっ アタシたちも 先へ進みましょ。
 



兵士:この辺りにいるはずなんですが……。

ファーリス:なんだ どこにも いないじゃないか。
仕方ない。砂漠の殺し屋は ボクをおそれて
逃げたと 父上に報告するとしよう。

兵士:ひえぇぇ! 出たぁぁぁ!
お…王子っ! 砂漠の殺し屋……
デスコピオンです!!

シルビア:さあ! サソリちゃんのおでましよ!
騎士の国の王子さまらしいところを
見せてあげて!

シルビア:もう しょうがないわね!
兵士ちゃんたち! おぼっちゃんを頼むわ!

シルビア:さあ! 主人公ちゃん 行くわよ!

シルビア:さあて 砂漠の みんなを苦しめる
サソリちゃんには お仕置きをしなきゃね!

ファーリス:わははははは!!
なんだ 砂漠の殺し屋といえども
全然 たいしたことないじゃないか!!
お前たち いいな?
これは ボクの手柄だと説明するんだぞ。

兵士:はい。もちろんです 王子さま。

ファーリス:キミのおかげで なんとかなりそうだ。
本当に ありがとう。
今度こそ 虹色の枝の件は
父上に掛けあうから 安心してくれ。

シルビア:アナタ 本当に これでいいの?
こんなやり方で 名誉を得ても
何も変わらないと思うけど。

ファーリス:ボクだって 好きで やってるワケじゃない!
父上や国民の期待を 裏切らないためには
こうするしかないんだ!

シルビア:……そう。
アナタは そうやって生きていくのね。

ファーリス:お前たち 行くぞ!!

カミュ:これで正しかったのか わからねえな。
あんたの言う通り あのヘボ王子は
このままじゃ 何も変わらない気がするぜ。

シルビア:でも あの子は 今の自分に満足していない。
何か きっかけさえあれば
もしかしたら 化けるかもね……。

シルビア:アタシは そろそろ行くわ。
旅の途中で見かけたら あいさつぐらいしてね。
それじゃ アデュー!
 


 

サマディー城


サマディー王:見よ! 我が国の王子ファーリスが
あの砂漠の殺し屋を 捕らえてきたぞ!

サマディー王:勇敢な王子がいる限り
サマディー王国の未来は 安泰だ!
さあ ファーリスよ! 民に言葉を!

ファーリス:皆さんの声援を チカラに変えることで
この通り 砂漠の殺し屋を倒し
捕らえることができました。
今後も この国の王子として
より精進を かさね……

大衆:みんな あわてるな!
オレたちには 王子さまが ついてる!
王子さまが きっと 魔物を倒してくれるはず!

大衆:お……おお! たしかに!
ファーリス王子がいれば 安心だ!

大衆:王子!! 王子!! 王子!! 王子!!

サマディー王:どうした ファーリスよ。
お前ほどの実力があれば 問題なかろう。
民の期待に こたえるのだ。

ファーリス:父上……。ボクには ムリです……。

シルビア:騎士たる者!

ファーリス:……信念を決して曲げず 国に忠節を尽くす。
……えっ?

シルビア:騎士たる者!

ファーリス:どんな逆境にあっても 正々堂々と立ち向かう!

シルビア:そう! アナタは 騎士の国の王子!
ひきょう者で終わりたくなければ 戦いなさい!

ファーリス:ボクは……
騎士の国の王子……!
 



シルビア:やればできるじゃな~い。かっこよかったわよ。

ファーリス:あ…あなたは……。

シルビア:いい? 騎士の国の王子さまなんだから
いかなる時も 騎士道を忘れちゃダメよ。

サマディー王:ま……待ってくれ!
騎士道に 深い理解があるようだが
そなたは いったい何者なのだ!?

シルビア:ただの しがない旅芸人よん。
 


 

サマディー城・玉座の間


ファーリス:……父上 母上。というわけで
レースを走ったのも 魔物を捕らえたのも
主人公さんだったのです。

サマディー王:……カオを上げよ ファーリス。
わしたちは これまで 等身大のお前を見ずに
見知らぬ重圧を 与えていたようだな。
謝らなければいけないのは
わしらのほうやもしれん。これからは
妻とともに 考えを改めるとしよう。
だが 先ほどの戦いで見せた勇気は
なかなかのものだったぞ。防戦一方とはいえ
騎士の国の王子として ふさわしい戦いだった。
あの勇気があれば いつかは お前の目標である
デルカダールの猛将 グレイグ殿の隊にも
入れるであろうな。わっはっはっは!

カミュ:グレイグって オレたちを追ってた……?

ファーリス:ところで 父上。ひとつ お願いがあります。
ここにいる 主人公さんたちは
虹色の枝を求めて 旅をしているのです。
お世話になった 主人公さんたちに
国宝である 虹色の枝を
差しあげても よろしいでしょうか?

サマディー王:虹色の枝か……。
うーむ。そいつは ムリだな。
行商人に 売りはらってしまったからのう。

ファーリス:虹色の枝を 売りはらったですって!!
あれは 国宝ですよ!?
どうして 売ってしまったんですか!?

サマディー王:バカ問!!なぜ 今年のファーリス杯が
あそこまで 豪華にできたと思っている!!
すべて お前のために やったんだぞ!!

ファーリス:そ…そんなぁ……。

サマディー王:すまないことをしたな 旅の者よ。
虹色の枝を売った行商人だが ここより西の
ダーハルーネに向かうと言っておったぞ。
これを 持っていけば
西の関所を 越えることができる。
ダーハルーネで 情報を集めるがよい。

主人公は
サマディー王の書簡を 手に入れた!


ファーリス:すまない!!
虹色の枝のことは 本当に知らなかったんだ!!
この通りだ!! 許してくれ!!
代わりといっては なんだが
サマディーの騎士が使う 伝統的な修行道具……
この まもの呼びのベルを 受け取ってくれ!
この まもの呼びのベルを鳴らせば
周囲にいる魔物を 呼び寄せることができる。
うまく使えば 効率よく戦いの経験が積めるぞ!

主人公は
まもの呼びのベルを 受け取った!


ファーリス:キミたちには 本当に世話になった。
何か こまったことが あったら
また サマディーに来てくれ!
このボクが いつでも チカラになるからな!
 



シルビア:待ってたわよ~ん 主人公ちゃ~ん!

カミュ:げっ! 何しに来たんだ!?
まだ オレたちに用があるのかよ!

シルビア:も~ 決まってるじゃないの!
アタシも ついてくわ 命の大樹を目指す旅に!
そして 邪神ちゃんを倒すのよ!

カミュ:おいおい 冗談じゃねえ!
いきなり出てきて なに言ってんだ!?
オレたちの旅は 遊びじゃねえんだぞ!

シルビア:もちろん 遊びで ついていく気はなくてよ。
でもね それと同じくらい
魔物に苦しめられている人々の
悲しみにも 出会ったの……。
アタシの夢はね 世界一大きなホールを建てて
そこで 盛大なショーをして
世界中の人日炉を 笑わせることよ。
でも みんなから 笑顔を奪おうとする
邪神ちゃんがいたら その夢も
かなわなくなるじゃない?
……だ・か・ら アナタたちの旅の目的は
アタシの旅の目的でもあるってワケ!
それじゃ みんな これからも よろしくねん!

シルビアが仲間に加わった!

カミュ:やれやれ。相変わらず 強引なヤツだぜ。

シルビア:で? アナタたち
とりあえず これから どうするの?

セーニャ:命の大樹へのカギとなる 虹色の枝……。
その枝を手にした商人を追って
ダーハルーネの町に行こうかと思います。

シルビア:なるほどね。でも あそこは港町。
もう 船に乗って 海に出てるかもね~。
そしたら どうやって追うつもりかしら。

セーニャ:そうですね……。
その場合は 定期船を乗りついでいくしか……

シルビア:ダメダメ。定期船なんかじゃ
あまりにも 時間が かかりすぎるわ。
いつまでたっても 追いつけないわよ。

ベロニカ:それじゃ どうしろっていうの?

シルビア:ふふん。船で 行けばいいのよ。
自分たちで 自由に使える船でね。
そう! アタシが持ってるフ・ネ♪

ベロニカ:シルビアさん すごいわ!
やっぱり ただ者じゃないと思ってたのよ!

セーニャ:その船 お借りしてもいいですか!?

シルビア:もちろんよ~! 仲間じゃないの!
それじゃ アタシの船が泊まってる
ダーハルーネに 行くわよ!
ダーハルーネは ここより西!
さあ しゅっぱ~つ!


 

ダーハルーネの町


セーニャ:まぁ……なんて 美しい町!
まるで 海の上に 町がひとつ
浮かんでいるようですわ!

カミュ:ここが 貿易で有名な ダーハルーネの町か。
たくさんの金持ちや 商人が行きかう
世界で いちばんデカい 港町らしいぜ。

ベロニカ:ふーん……って そんな町で
自分の船を持っている シルビアさんって
もしかして すごい人なんじゃ……?

シルビア:ウフフッ ベロニカちゃん。
余計な詮索は ヤボってものよん?
アタシの船ちゃんは 町の西側にある
ドックの中で おやすみしているの。
さっ! みんな 行きましょ~!
 



シルビア:ンもう 主人公ちゃん 聞いて~!
この男の子が いじわるして
アタシを ドックに入れてくれないのよ~!

船乗り:ちっ……違います!
もうすぐ 町で コンテストが開かれるので
今 ドックは閉鎖中なんです。

カミュ:ここまで来て なんだ そりゃ……。
つまり そのコンテストとやらが終わるまで
ここは開けられないってことか?

船乗り:はい 申し訳ありません。
海の男コンテストは この町にとって
とても大事な 伝統行事でして……。

シルビア:海の男コンテスト……ですって?
なぁに その 乙女心をくすぐるヒビキ……。
ねえ くわしく教えてくれない?

船乗り:海の男コンテストとは……波のように荒々しく
空のようにさわやかで 海のように深みを持つ!
その三拍子がそろった男を 決めるものです。
なので この時期になると 美しい肉体美を誇る
たくましい男や 潮風の似合う美男子が
続々と この町に集まってくるんですよ。

シルビア:ヤダ……なんだか 面白そうじゃない。
それなら この町で すこし休んで
海の男コンテストを見てから 出発しましょ。
そうそう ベロニカちゃんと セーニャちゃん。
この町のお店には 世界中から集まる
ステキな お洋服や スイーツが 売ってるの。
まだ 時間があるみたいだし
女だけで ショッピングや スイーツ巡りをして
コンテストを 待つことにしましょ♪

ベロニカ:……海の男コンテストには キョーミないけど
ショッピングは 面白そうね。
あたし 新しいクツが欲しいところだったの。

カミュ:おい ちょっと待てよ。
オレたちは 虹色の枝を探しにきたんだぜ。
遊んでる時間なんて ねえだろ?

セーニャ:カミュさま……
ごめんなさい! 私……甘い物には目がないんですっ!

カミュ:まったく あの女3人組は
どうしようもねえな……。
なあ オレたちは 急いでるんだよ。
このドックを開けてもらえると 助かるんだが
コンテストの責任者は いったい誰なんだ?

船乗り:それはもちろん このダーハルーネの町を
わずか 一代で ここまで発展させた
町長のラハディオさんですよ。
どんな相手でも 優しく接してくれる
人格者ですし 会ってみるといいでしょう。
町の東側にいる お屋敷に いるはずですから。

カミュ:よし 主人公。
ここの町長に会って ドックを開けてもらうよう
直接 掛けあってみようぜ。
 


 

町長の家


カミュ:ここが 町長の家で 間違いなさそうだな。
よし いくぞ。

ラハディオ:はい いらっしゃいませ。
どちらさまでしょうか。

カミュ:あんたが ラハディオさん?
すこし 頼みたいことがあるんだ。

ラハディオ:ええ。私が 町長のラハディオです。
いったい どういうご用……

ラハディオ:……あんたたちと話すことは 何もない。
さっさと 消えてくれ。

カミュ:えっ? おい ちょっと!
……なんだよ 全然 取り合ってくれねえな。
アレの どこが 優しい人なんだ?
というか あの町長
お前を見て 妙なカオしてたよな。
まさか おたずね者なのが バレたか……?
 



セーニャ:あっ 主人公さま カミュさま!
こちらに いらしたんですね。
じつは ちょっと こまったことがあって
お姉さまが 大変なんです……。
すみませんが 助けていただけますか?

カミュ:まったく あのチビちゃんは 世話が焼けるな。
しょうがねえ 船は出せそうにないし
行ってやろうぜ 主人公。

ベロニカ:ちょっと! いい加減に離しなさい!
アンタみたいな子供が このベロニカさまの杖を
使おうなんて 100年 早いわよっ!

ラッド:お前だって ガキじゃねーか!
ちょっとくらい 貸してくれたっていいだろ!

カミュ:なあ……こいつは 何があったんだ?

セーニャ:道を歩いていたら いきなり あの男の子が
お姉さまの杖を ひったくって……。
やっと ここまで追いかけてきたんです。

ラッド:あっ!

カミュ:ほらよ。もう 盗まれたりすんじゃねーぞ。

ベロニカ:……ねえ アンタ。
あたしの杖を盗んで どうするつもりだったの?
売っても たいした値には ならないわよ?

ラッド:…………。

カミュ:……なんだ お前?

ヤヒム:……っ!
…………! ……!!

ラッド:あーもう……しょうがねえな。
ヤヒム。オレが説明するから ムリすんな。
オレはラッドで こいつは ダチのヤヒム。
こいつは この町の町長
ラハディオさんの ひとり息子なんだ。
こいつとは よく 一緒に遊んでたんだけど
数日前に 声が出なくなっちまって……。
何があったのか 聞いても わからなくてさ。
それで 魔法使いの杖でも 使えば
魔法のチカラで こいつのノドを
治してやれるかもしれないと思ったんだよ……。

ベロニカ:……そういう事情なら しょうがないか。
それより 声が出なくなったっていう
ヤヒムって子のほうが 放っておけないわね。

セーニャ:どうやら ノドに
とても強力な呪いが かかってるようですわ。
いったい 誰が こんなひどいことを……。
さえずりのみつという 魔法のみつがあれば
呪いは解けると思いますが それを作るには
清き泉にわく 神聖な水が必要ですわ。

ラッド:清き泉の水……そいつが手に入れば
ヤヒムを助けられるのか?
それなら オレ 聞いたことあるよ。
この町から西の方に 進んでいくと
霊水の洞くつって所があってさ。
奥に すっごくキレイな泉があるらしいぜ。
なあ お兄ちゃん お姉ちゃん。
オレとヤヒムは 小さい時から ずっと
兄弟みたいに 仲良くしてきたんだ。
ドロボーをしておいて なんだけどさ……。
しゃべれないコイツからの 頼みだと思って
ヤヒムの声を 取り戻してやってくれないか?

ラッド:ありがとう お兄ちゃん お姉ちゃん。
西の洞くつにある 清き泉の水で
さえずりのみつを作って 持ってきてくれよな!

 


 

霊水の洞くつ

 


セーニャ:まぁ……きれいな わき水……!
ここの水なら きっと 最高級の
さえずりのみつが 作れますわね!

セーニャは 清き泉の水をすくい
薬と調合して さえずりのみつを作った!


セーニャ:できましたわ 主人公さま。
さあ 早くダーハルーネの町に戻って
あの子に 渡してあげましょう。


主人公は さえずりのみつを手に入れた!
 

 

 

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