ブラボーな熱気球
次に向かったのは、ミャンマー最大の湖「インレー湖」。
私はどうしても11月17日にインレー湖にいたかった。
インレー湖周辺の町で、毎年10月末から11月の満月の日に年に一度のお祭りが開催されるからだ。
何のお祭りかというと、熱気球のお祭りで、
地球の歩き方に書かれていた「巨大な熱気球が上げられるほか、紙風船を飛ばすコンテストも開催される」という、かなりふんわりとした情報を頼りに足を運んでみた。
会場には本来なら30分くらいで着くはずなのに、祭りのために車が大渋滞で、3時間くらいかかってようやく到着。
人!人!人!
広い会場にはとにかくたくさんの人だらけ。
いつどこで熱気球が上げられるのか明確な情報もないまま、会場内を適当にさまよってみた。
真ん中のほうで人が集まってにぎやかな場所を発見…!
こりゃ何かある…!
このにぎやか過ぎる場所から少し離れた場所でしばらく待ってみることにした。
!
向こうから青いビニールシートで覆われた何かが運ばれてきた…!
ビニールシートがはがされる…!
群衆のどよめき…!
どうやら熱気球…!
というより、予想通り熱気球…!
火が灯されたのか…?
ふくらんでくる…!
![熱気球](https://stat.ameba.jp/user_images/20140320/15/world-quest/13/cc/j/t02200147_0800053412881117863.jpg?caw=800)
徐々に…!
ふくらんでくる…!
さらにどよめく群衆…!
そろそろ浮かびあがりそう…!
多くの群衆が見守る中、浮かび上がりそうな熱気球…!
がんばって…!
うーーーんがんばって…!
お…!
お…!
浮いたーーー!
少しずつ…!
ゆったりと…!
ジャンボな熱気球は満月の夜空に吸い込まれるように舞い上がっていきます…!
ゆらゆら
ゆらゆら
力むことなど一切なく、
自然に身を任せたその熱気球の動きは、
見ていてとても心地がよかった。
いってらっしゃいませ。
熱気球は自分が思っていた以上に大きくて、
ゆったりと気球が浮かび上がるのと、私の心のドキドキ感は比例した。
空へゆらゆらと舞い上がって行く様はとても感動的だった。
特に熱気球が浮いた時には、群衆のどよめきも強くなり、私も一人なのにも関わらず、ついつい「ブラボー!!!」と叫んでしまった。
これだけ人が集まる年に一度のお祭りは、盛り上がりもすごくて、ほとばしる熱いパトスを感じた。
宿のおばちゃん情報によると、このお祭りは一週間開催されていて、この日が最終日なのだそう。
出展された熱気球の中で、優勝したものが最終日の最後に上げられるとのこと。
1週間の間にいくつかの熱気球が炎上して落下したらしい。
それでも続けるこのお祭りは、なんてブラボーなの。
しかたないからMt.ポッパ
前回更新したのが12月か…
今回はミャンマーに滞在してから5日目の出来事ですね。
オッケー♡
正直、バガンは到着した日を入れたら2日の滞在で十分だった。
しかしながら、「次の行き先のバスのチケットが予約でいっぱい」という不測の事態に見舞われ、もう1日滞在するのを余儀なくされた。
今回の私の旅は日数が限られているので、何もせずに体を休めるというのは選択肢にはなかった。
それよりも、ひさしぶりの旅に心身ともに浮かれていて、アドレナリンがそれはもうドバドバの大放出で。
疲れることを知らず、絶えず動いていた。
どこかへ行かなくてはもったいない…!
貪欲に身を任せ地球の歩き方を見てみたら、日帰りで行けそうな「ポッパ山」というところがあった。
なんでも、神が宿る伝説の山とされているではないか…!
その本によると、ポッパ山周辺には緑豊かに木々に覆われ、動植物の宝庫になっているらしい。
しかも、「ポッパ」には「花のあふれた」といった意味があるとのこと。
きましたー!
インドの山奥「花の谷」を訪れて以来、すっかりお花大好きメルヘン女になってしまった私は、すっかり行く気満々。
ということで、しかたないからポッパ山というところに行ってみることにした。
バガンからポッパ山を日帰りするとなると、車をチャーターしたほうが良さそうだった。
ちょうど、同じ宿のヨーロピアン3名が車をチャーターしていたので便乗させてもらうことにした。
お互い自己紹介をしたのだけど、国籍も名前も、今となってはすっかり忘れた。
車に揺られること1時間くらいたった頃には、ポッパ山を車で登り始めていた。
緑の平地が広がる中、いびつな形をしてそびえ立つ岩塔が忽然と現れた。
山ならともかく、なぜこんなに大きな岩がこんなところに突拍子もなく。
その不思議さと不自然さに、違和感を感じずにはいられなかった。
この岩塔は、かつてのポッパ山の大噴火の際、その山頂部が吹き飛ばされて現在の場所に落下したものと言われている。
この岩塔はポッパ山の山頂のクレーターと形も大きさもほぼ同じらしい。
自然の生み出すダイナミックさに驚きである。
この岩塔の麓で車から降ろしてもらい、いざ岩塔てっぺんまで…!
20~30分くらいで頂上にたどり着いた。
地元の人たちや観光客で人が込み合う中、
ひたすら上に屋根がついている急な階段を登るだけだったので、
ゆったり景色を楽しむ感じでもなかった。
頂上から見える景色は、緑の平地が広がっていた。
どこまでも大地が続いているためか、空が低く見えた。
この岩塔は、遠くから見ていたほうが不思議さが伝わってくる。
そんな気がした。
15分ほどてっぺんで過ごした。
やはりブッダは欠かせない。
伝説の鳥、カラウェイ。極楽に住む鳥とされている。
ミャンマーの乙女たち。
この後、この子たち一人ひとりとツーショットを撮るハメになってしまった。
無駄なサービス精神で、全員違うポーズにして撮られてみた。
データを消されていない限り、今もこの子たちのケータイ電話には私が保存されているのかなぁ。
階段が急であるため、下りのほうが大変だった。
麓でヨーロピアン3名を待っている間に、こんなにラブリーなオブジェを見つけた。
マトリョーシカとか、こういうまるっこいフォルムのかぶりもの的なものにどうしても惹かれてしまう。
この岩塔は特に夕日から夜、朝日にかけての時間が、より神秘さが増すと思う。
そんな姿もぜひ拝んでみたい。そんな風に思いながらバガンへと戻った。
Mt.ポッパ、花一つ見れやしなかったけど、岩塔の不思議さは今でも心に残るなぁ。
道中出会った萌え萌えかわいこちゃん。
バガン!!!
次に向かったのは、バガンという仏教遺跡群がある町で、ミャンマーの最大の見所とも言われている。
この町のいたるところに遺跡が存在していて、いまだに馬車も普通の交通の便として発達している。
遺跡の中でそれを見るとタイムスリップした気分になると地球の歩き方にも書かれてあって、
んな大げさな…と思っていたのけど、
本当になったよネ!
妄想癖のある人は、一瞬でタイムスリップできる。
と断言できる。
だけど気付いてしまったわけで…
ミャンマーではそこまで遺跡に興味が、ない。
どちらかというと愛情がたっぷり溢れすぎたあまりに、常軌を逸してしまった仏像を見ているほうがとても楽しい。
数多く存在するバガンの遺跡の中で、私が見たのは4つのみ。
まず、夕日と朝日が美しいシュエサンドー・パヤー。
ちなみにパヤーとは、寺院のことを言う。
その寺院は上に登ることができ、そこからバガンの遺跡群を一望できる。
バガンには14時くらいに着いたので、夕日を見るべく着いたその日にの寺院に行った。
この、ラブリーユカタン号に乗って。
これはEバイクという電動自転車で、右のハンドルを手前にクルンと回せばたちまち動いてくれるとても便利な乗り物。
中国では普通に市民の足として使われていたけど、日本では見かけたことはない。
軽くて、スピードも結構出るし、電気だから静かだし、未来系の乗り物に乗っている気分。
中型免許を持っているわりには、バイクに慣れ親しんでいない為、最初はおっかなびっくりだったけど、だんだん慣れてきてそのイーバイクに勝手に親しみを感じて、ラブリーユカタン号と呼称していた。
夕日の時間から1時間前には遺跡に着いて、黄昏たりしていたのもつかの間。
気が付けば、夕日狙いの観光客がわんさかいた。
夕日パワーで遺跡がシルエットとなり、より一層かっこよく見える。
なるほど明日はこの逆側から朝日を見ればいいのね!
翌日、頑張って早起きをして、まだ夜明け前のバガンをラブリーユカタン号にまたがりバガンの町を颯爽とパラリラパラリラ。
風が気持ちが良いな~
楽しいな~
と思っていたら、昨日と同じ道のはずなのに暗くて少し迷ってしまった。
ぬおおおおお!東の空が明るくなってきた…!
朝日は待ってはくれん!待ってはくれんぞーーー!!!
と思っても事故を起こしては元も子もないので、はやる気持ちを押さえ込み、普通に運転することを心がけた。
なんとかたどり着き、頂上目指して遺跡の階段を一生懸命急いで登る。
しかしながらこの階段はとても急で、さらに奥行きも浅くて、手すりを使わないと下に転がり落ちる危険性を併せ持っている。
頂上に着いたときは、ひたすらゼーハーしていた。
でもよかった。
さらに、バガンでは気球が飛んでいた。
気球を見るたび思うけど、フォルムが本当にかわいいよなぁ。
フォルムが萌えるシリーズとしては、あとはバオバブの木かな。
あのポテッとした幹がどうにもたまらず、萌え萌えしていた。
まるっとしているのとか、ポテッとしているものがどうも好きみたいね。
シュエサンドー・パヤーで夕日も朝日も満喫して、大満足だった。
ここからの眺めはとても神々しい。
ちなみにこの寺院にはブッダの遺髪が納められているらしい。
どのくらいの髪の量だかは知らないけれども、自分の毛髪一つのためにこんなに凄いものが建てられるブッダはどんな気持ちなのだろう。
という感想も抱きつつ、次に向かうはアーナンダ寺院。
なんでもココを見なくしては、バガンに来たとは言えない。
と言われているそうなのだけど、んな大げさな…と思いながら入ると、
やっぱり「おお…!」うならされてしまった。
この国で仏像にうならされるのは、これで何度目だろう。
やっぱりキンキラキン。
そしてビッグ。
四面体の柱のそれぞれの面に、キンキラキンかつビッグな点を除いては、それぞれテイストの違うブッダがそびえ立っている。
あとの二つの寺院は特に印象に残っていない。
あっという間に寺院めぐりが終わり、まだまだ午前中だった。
どうしようか。
帰るのもまだ早すぎるし。
地球の歩き方を開いてみると、遺跡のあるエリアから馬車で30~40分くらい行った所に、織物の村があるらしい。
織物は、興味がありでこれまでもいろんな国で見てきた。
ミャンマーでも見てみようと、その村を目指した。
しかしこのイーバイク、電気で動く乗り物だけど、どのくらい持つものなのか。
まあでも1日レンタルしているくらいだから、1日くらい持つでしょ!!
このままどこまでも行っちゃうぜ~!
もう誰にも止められないわよ!!!
完全にイケイケモードになっていたら止まった。
ユカタン号が止まった…!
どうやらバッテリーが切れたらしい。
あたりには、誰もいない。何もない。
こんなメインの通りから離れたダートな道で。
どうせ切れるのなら、せめて5分くらい前に切れて欲しかったナ…
コンクリートだったし、まだメインの通りから近かったもの。
バッテリーもなかなかの場所で切れてくれたわね。
困り果てていたら、止まったところから30mくらい離れたところにある家のおばちゃんが参上した。
「うちでバッテリーチャージできるわよ!」
!!!
オーマイブッダ!!!
ありがとーーーーーーー!!!泣
心細かったのー!!!
でこぼこのダートな道を重たくなった愛車を押しながらおばちゃんの家まで行った。
「これで、チャージできるわよ!」
と、バッテリーの線を持ちながら、おばちゃんは笑顔で言った。
おおおおおおおお!!!!ありがとーーーーー!!!涙
と思いきや、おばちゃんの愛車とユカタン号の車種が違うため、プラグが合わない…!
ガビイイイイン!!!
一瞬だけれども深い悲しみに暮れていたら、おばちゃんがソーリーと謝ってきた。
あなたのせいじゃないから!
あんなところでひとりでポツンと。
本当に救われました。
ありがとう!!!
おばちゃんから動き出す元気と勇気をもらった。
どうやらおばちゃんは、私の心のバッテリーをチャージしてくれちゃったみたいね。
メインの通りまでとにかく歩こう。
しかしバッテリーを失ったイーバイクなんざ、ただの重たい物体で、一応自転車でペダルもあるから漕いでは見たものの、それはただのムダに重たい自転車だった。
歩いて歩いて、
一生懸命メインの通りまで行き、レンタルサイクル屋を見つけ、1時間チャージさせてもらった。
1時間でどのくらい走れる?
大体7キロくらい。
うーんここから宿までギリだな。
あんなに燃え上がっていたのに、もうすっかり織物の村なんてどうでもよくなっていた。
もっと奥の方の道でEバイクが止まったら笑えないわ。
とにかく宿にたどり着いたらいいわ。
待っている間、そこのスタッフの兄ちゃんが隣のレストランのWIFIパスワードを教えてくれた。
WIFIはキャッチできたものの、ネットの速度が遅すぎて何も開けなかったけど、ありがとうね。
チャージが終わって、そこからはまっすぐおとなしく宿まで戻った。
こうして、バガンバンバン観光は幕を閉じたのであった。
<バガン情報>
宿 INWA GH 25USD エアコン付きのツイン部屋しか空いていなかった。宿を出てすぐ右、夕方から麺の屋台が出るんだけど、そこで「シュエダウンカオソエ!!」と唱えると、おばちゃんがおいしい油そばを出してくれる。