バガン!!!
次に向かったのは、バガンという仏教遺跡群がある町で、ミャンマーの最大の見所とも言われている。
この町のいたるところに遺跡が存在していて、いまだに馬車も普通の交通の便として発達している。
遺跡の中でそれを見るとタイムスリップした気分になると地球の歩き方にも書かれてあって、
んな大げさな…と思っていたのけど、
本当になったよネ!
妄想癖のある人は、一瞬でタイムスリップできる。
と断言できる。
だけど気付いてしまったわけで…
ミャンマーではそこまで遺跡に興味が、ない。
どちらかというと愛情がたっぷり溢れすぎたあまりに、常軌を逸してしまった仏像を見ているほうがとても楽しい。
数多く存在するバガンの遺跡の中で、私が見たのは4つのみ。
まず、夕日と朝日が美しいシュエサンドー・パヤー。
ちなみにパヤーとは、寺院のことを言う。
その寺院は上に登ることができ、そこからバガンの遺跡群を一望できる。
バガンには14時くらいに着いたので、夕日を見るべく着いたその日にの寺院に行った。
この、ラブリーユカタン号に乗って。
これはEバイクという電動自転車で、右のハンドルを手前にクルンと回せばたちまち動いてくれるとても便利な乗り物。
中国では普通に市民の足として使われていたけど、日本では見かけたことはない。
軽くて、スピードも結構出るし、電気だから静かだし、未来系の乗り物に乗っている気分。
中型免許を持っているわりには、バイクに慣れ親しんでいない為、最初はおっかなびっくりだったけど、だんだん慣れてきてそのイーバイクに勝手に親しみを感じて、ラブリーユカタン号と呼称していた。
夕日の時間から1時間前には遺跡に着いて、黄昏たりしていたのもつかの間。
気が付けば、夕日狙いの観光客がわんさかいた。
夕日パワーで遺跡がシルエットとなり、より一層かっこよく見える。
なるほど明日はこの逆側から朝日を見ればいいのね!
翌日、頑張って早起きをして、まだ夜明け前のバガンをラブリーユカタン号にまたがりバガンの町を颯爽とパラリラパラリラ。
風が気持ちが良いな~
楽しいな~
と思っていたら、昨日と同じ道のはずなのに暗くて少し迷ってしまった。
ぬおおおおお!東の空が明るくなってきた…!
朝日は待ってはくれん!待ってはくれんぞーーー!!!
と思っても事故を起こしては元も子もないので、はやる気持ちを押さえ込み、普通に運転することを心がけた。
なんとかたどり着き、頂上目指して遺跡の階段を一生懸命急いで登る。
しかしながらこの階段はとても急で、さらに奥行きも浅くて、手すりを使わないと下に転がり落ちる危険性を併せ持っている。
頂上に着いたときは、ひたすらゼーハーしていた。
でもよかった。
さらに、バガンでは気球が飛んでいた。
気球を見るたび思うけど、フォルムが本当にかわいいよなぁ。
フォルムが萌えるシリーズとしては、あとはバオバブの木かな。
あのポテッとした幹がどうにもたまらず、萌え萌えしていた。
まるっとしているのとか、ポテッとしているものがどうも好きみたいね。
シュエサンドー・パヤーで夕日も朝日も満喫して、大満足だった。
ここからの眺めはとても神々しい。
ちなみにこの寺院にはブッダの遺髪が納められているらしい。
どのくらいの髪の量だかは知らないけれども、自分の毛髪一つのためにこんなに凄いものが建てられるブッダはどんな気持ちなのだろう。
という感想も抱きつつ、次に向かうはアーナンダ寺院。
なんでもココを見なくしては、バガンに来たとは言えない。
と言われているそうなのだけど、んな大げさな…と思いながら入ると、
やっぱり「おお…!」うならされてしまった。
この国で仏像にうならされるのは、これで何度目だろう。
やっぱりキンキラキン。
そしてビッグ。
四面体の柱のそれぞれの面に、キンキラキンかつビッグな点を除いては、それぞれテイストの違うブッダがそびえ立っている。
あとの二つの寺院は特に印象に残っていない。
あっという間に寺院めぐりが終わり、まだまだ午前中だった。
どうしようか。
帰るのもまだ早すぎるし。
地球の歩き方を開いてみると、遺跡のあるエリアから馬車で30~40分くらい行った所に、織物の村があるらしい。
織物は、興味がありでこれまでもいろんな国で見てきた。
ミャンマーでも見てみようと、その村を目指した。
しかしこのイーバイク、電気で動く乗り物だけど、どのくらい持つものなのか。
まあでも1日レンタルしているくらいだから、1日くらい持つでしょ!!
このままどこまでも行っちゃうぜ~!
もう誰にも止められないわよ!!!
完全にイケイケモードになっていたら止まった。
ユカタン号が止まった…!
どうやらバッテリーが切れたらしい。
あたりには、誰もいない。何もない。
こんなメインの通りから離れたダートな道で。
どうせ切れるのなら、せめて5分くらい前に切れて欲しかったナ…
コンクリートだったし、まだメインの通りから近かったもの。
バッテリーもなかなかの場所で切れてくれたわね。
困り果てていたら、止まったところから30mくらい離れたところにある家のおばちゃんが参上した。
「うちでバッテリーチャージできるわよ!」
!!!
オーマイブッダ!!!
ありがとーーーーーーー!!!泣
心細かったのー!!!
でこぼこのダートな道を重たくなった愛車を押しながらおばちゃんの家まで行った。
「これで、チャージできるわよ!」
と、バッテリーの線を持ちながら、おばちゃんは笑顔で言った。
おおおおおおおお!!!!ありがとーーーーー!!!涙
と思いきや、おばちゃんの愛車とユカタン号の車種が違うため、プラグが合わない…!
ガビイイイイン!!!
一瞬だけれども深い悲しみに暮れていたら、おばちゃんがソーリーと謝ってきた。
あなたのせいじゃないから!
あんなところでひとりでポツンと。
本当に救われました。
ありがとう!!!
おばちゃんから動き出す元気と勇気をもらった。
どうやらおばちゃんは、私の心のバッテリーをチャージしてくれちゃったみたいね。
メインの通りまでとにかく歩こう。
しかしバッテリーを失ったイーバイクなんざ、ただの重たい物体で、一応自転車でペダルもあるから漕いでは見たものの、それはただのムダに重たい自転車だった。
歩いて歩いて、
一生懸命メインの通りまで行き、レンタルサイクル屋を見つけ、1時間チャージさせてもらった。
1時間でどのくらい走れる?
大体7キロくらい。
うーんここから宿までギリだな。
あんなに燃え上がっていたのに、もうすっかり織物の村なんてどうでもよくなっていた。
もっと奥の方の道でEバイクが止まったら笑えないわ。
とにかく宿にたどり着いたらいいわ。
待っている間、そこのスタッフの兄ちゃんが隣のレストランのWIFIパスワードを教えてくれた。
WIFIはキャッチできたものの、ネットの速度が遅すぎて何も開けなかったけど、ありがとうね。
チャージが終わって、そこからはまっすぐおとなしく宿まで戻った。
こうして、バガンバンバン観光は幕を閉じたのであった。
<バガン情報>
宿 INWA GH 25USD エアコン付きのツイン部屋しか空いていなかった。宿を出てすぐ右、夕方から麺の屋台が出るんだけど、そこで「シュエダウンカオソエ!!」と唱えると、おばちゃんがおいしい油そばを出してくれる。