サンシャイン・ボーイズ ニール・サイモン追悼公演 いわて県民会館中ホール
加藤健一と佐藤B作が演じる、かつてはヴォードヴィルの大スターコンビだったふたり。
甥のマネージャーに仕事をせがむ今はすっかり老いたウィリー・クラーク(加藤健一)。CMにつながるかもしれないTVの仕事が舞い込むが、
あのアル・ルイスとの往年の名作コントが条件だった。
ウィリーのホテル(もう何十年もホテル暮らしなのだが、老朽化したホテルでしばしば閉じ込められたり風呂場から出られなくなったり暖房がつかなかったりしている)での稽古でも、喧嘩ばかりで全然進まない。ついにTVでリハーサルの日になったが、互いに挑発しあうばかり。
そこが可笑しい!
舞台美術では厚みのある壁に向こう側の部屋が見えるような、ポップなイラストが楽しいものだった。ウィリーの部屋からTVリハーサルのコントセットに変身した時に本領発揮!あ、これがこうなったんだ、と。
そのさなか、ウィリーが心臓発作で倒れ、自宅で看護師付きの安静となってしまう。
もちろん看護師相手にも憎まれ口を利くウィリーだが、このミス・オニールを演じた田中利花さんって絶対見覚えがある。もっとずっと若い頃で〜と思ってウィキを見たら「月に眠る人」への出演が載っており、劇団三○○の山形公演で観たんでした。30年近く昔なんですが、舞台脚本を記念に買って、何回も読み返していたので…。
看護師が甥に勧められて外出したあと、アルが心配していると話し、ウィリーはなぜか生き生きしだし、自分も体が悪いのにアルを困らせてやりたい思いから、ベッドを出て椅子に座って訪問を待つのだった。
ウィリーを案じて訪ねてきたアルだが、ウィリーもアルも決して優しい言葉は口にしない。だが、いつものウケたアレをやっては笑い、ふたりが互いの才能と長い間に築いたもので結びついていることを感じさせる。
中学の国語でやっていらい忘れられない井伏鱒二の『山椒魚』の蛙と山椒魚のような関係、違うか。
タイトルの「サンシャイン・ボーイズ」はふたりのコンビ名だが、老人になり引退を余儀なくされたふたりに「サンシャイン・ボーイズ」というタイトルを与える苦さが何とも言えない。
苦いのだが、寄るべないふたりの憎まれ口を利きながらも同じ部屋で沈む夕陽を受けている感じが胸に迫った。
加藤健一事務所の公演では、舞台挨拶でいつも演劇鑑賞会への労いとこの鑑賞会という文化の輪への敬意の言葉があり、その声の深さに励まされる。
パンフレットに加藤健一事務所40年の歩みがあって、これがすごくよかった。
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