債券の募集・売出し
=社債券又は外国債券を募集・売出しにより個人顧客に売付けるときは
申込期間中に生じた投資判断に影響を及ぼす重要な事象を説明しなければならない
説明が必要な例
①取得させようとする債券の利回りが当該債券と同じ発行体がすでに発行している
類似の債券の利回りと比較して顧客にとって著しく不利な状況の場合
②債券の償還条件が、取得させようとする時点において
債券の発行条件の設定時に基準となった当該指標の状況と比較して
顧客にとって著しく不利な状況の場合
債券の募集・売出し
=社債券又は外国債券を募集・売出しにより個人顧客に売付けるときは
申込期間中に生じた投資判断に影響を及ぼす重要な事象を説明しなければならない
説明が必要な例
①取得させようとする債券の利回りが当該債券と同じ発行体がすでに発行している
類似の債券の利回りと比較して顧客にとって著しく不利な状況の場合
②債券の償還条件が、取得させようとする時点において
債券の発行条件の設定時に基準となった当該指標の状況と比較して
顧客にとって著しく不利な状況の場合
交付目論見書の交付義務の免除
①適格機関投資家で交付の請求がない場合
②同一の銘柄を既に所有している者又は同居人が既に目論見書の交付を受け
又は確実に交付を受けると見込まれる者が交付を受けないことに同意した場合
※ただし、新たに作成した目論見書において重要な事項に変更があった場合は
新たに作成した目論見書の交付が必要
乗換え勧誘時の説明義務
①投資信託の形態及び状況(ファンドの名称や性格)
②解約する投資信託の状況(損益)
③乗換えに係る費用(解約手数料・取得手数料・税金など)
目論見書の作成
・当該有価証券の発行者が行う(証券会社ではない)
・既に開示が行われている有価証券の売出しも、目論見書の作成は必要
※募集または売出しの内閣総理大臣への届出適用除外とされているものについては不要
目論見書の交付
・当該有価証券を募集または売出しにより取得させ、売付ける場合に原則として
あらかじめまたは同時に投資者に交付
・相手が適格機関投資家である場合は不要
・以下の者が当該目論見書の交付を受けないことに同意した場合不要
当該有価証券と同一の銘柄を有する者
同居人がすでに交付を受け、または確実に受けると見込まれる者
投資信託等の目論見書
①交付目論見書
=あらかじめまたは同時に交付
=投資者の投資判断に極めて重要な影響を及ぼす
※株式や社債
②請求目論見書
=投資者から請求があったときにただちに交付
=投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす
※投資信託・外国投資信託の受益証券、投資法人債券など
目論見書の名称
=目論見書という文字を使用しないことも可能
※証券取引法第13条の規定に基づく目論見書である旨を明示する
適格機関投資家
①証券会社
②投資信託委託業者
③投資法人
④銀行
⑤保険会社
⑥信用金庫・信用中欧金庫
⑦投資一任契約業務の認可を受けた投資顧問業者
⑧年金積立金管理運用独立行政法人
など
×日本銀行
×投資者保護基金
適格機関投資家向け証券の一般投資者向け勧誘に係る勧誘規制
=相手方の人数や発行総額にかかわらず原則として内閣総理大臣への届出が必要
少人数私募
=一定の条件の下に250名以内の適格機関投資家を除外した投資勧誘の相手方が
少人数(50名未満)であり、かつ一定の転売制限が付されていること等により
多数の者に譲渡されるおそれが少ないとされた有価証券の取得の申込みの勧誘
※内閣総理大臣への届出が免除されている
①適格機関投資家が取得→適格機関投資家以外への転売禁止
②適格機関投資家以外の者が取得→一括転売以外禁止
少人数向け勧誘
=50名未満を相手方とする勧誘
届出が免除
ディスクロージャー
=証券取引法は大量の有価証券が一般公衆に募集又は売出しされる場合
発行会社に対して内閣総理大臣への届出等の方法により情報の開示を
義務付けることで投資者が十分な投資判断をするための情報の確保を
図る制度(有価証券や発行者に係る情報など)
ただし発行者の信用度が高い有価証券は届出制度の適用が免除される
①国債
②地方債
③政府保証債
④金融債
⑤日銀出資証券
⑥特殊法人債
⑦貸付信託の受益証券
⑧世界銀行債
⑨アジア開発銀行債
など
×外国国債
×投資信託の受益証券
募集
=新たに発行される有価証券の申込の勧誘
①50名以上の多数の者を相手とする
②50名未満または適格機関投資家のみへの勧誘で譲渡制限等の条件が欠けている場合
※募集には均一の条件という要件はないので
発行価格や払込期日の条件が均一でなくても募集に該当する
ただし以下の場合は50名以上でも募集に該当しない!
①適格機関投資家のみへの勧誘の場合
②一定の条件の下に250名以内の適格機関投資家を除外した勧誘の相手方の人数が
50名以内の場合
私募
=募集に該当しないもの
=50名未満の少数又は適格機関投資家のみを勧誘する募集
売出し
=すでに発行された有価証券の申込の勧誘で50名以上の多数の者を相手とし
売り出し価格や受渡期日に関して均一の条件で行うこと
※募集と異なり適格機関投資家を人数から除外することはない
募集・売出しの例
①文書を頒布すること
②口頭による説明をすること
③新聞・雑誌・テレビ・ラジオにより広告すること
募集・売出しに係る勧誘制限
=発行者があらかじめ内閣総理大臣に届出をしているものでなければ
してはいけない
※届出の効力が発生していなくても直ちに投資勧誘を行うことは可能
有価証券を取得させ又は売付けることは不可
※届出の効力は内閣総理大臣が届出を受理した日から15日を経過した日に生じる
発行登録制度
=将来有価証券の募集・売出しを予定する者が発行登録書を提出しておくことにより
発行時の届出を不要にする制度
※発行登録所=内閣府令で定める一定期間の発行予定額・発行予定証券の種類を記載したもの
発行予定有価証券の種類を記載したもの
勧誘制限の例外
①過去に開示が行われている場合
②適格機関投資家のみを相手とするもの
③発行価額又は売出し価額の総額が1億円未満の場合
誠実・公正の原則
=証券会社及びその役職員は顧客に対して
誠実かつ公正にその業務を遂行しなければならない
自己責任原則
=証券投資は投資者自身の判断と責任において行うべきである
適合性原則
=顧客の知識・経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる
勧誘を行ってはならない
信託勘定取引
=信託契約に基づく勘定を利用した取引
信託
=委託者が一定の目的に従って
受託者に財産を移転し財産の運用・管理を行ってもらう制度
信託の種類
①金銭信託
=契約終了時に受託者が委託者に対して信託財産を金銭で交付
・特定金銭信託
=委託者が投資対象を特定するため受託者に最良の余地がないもの
・指定金銭信託
=委託者が運用方法・対象を概括的に指定し
具体的な運用方法・対象は受託者の裁量により決定
②金外信託
=契約終了時に受託者が委託者に対して信託財産をそのままの形で交付
・特定金外信託
=委託者が投資対象を特定するため受託者に最良の余地がないもの
・指定金外信託
=委託者が運用方法・対象を概括的に指定し
具体的な運用方法・対象は受託者の裁量により決定(ファンド・トラスト)
信託勘定取引の適正な管理
=証券会社は顧客の信託勘定取引を的確に把握し適正な管理に努める
取引一任勘定
=有価証券の売買その他の受託の際、顧客から
売買の別・銘柄・数・価格のうちひとつでも
個別の取引ごとの支持を受けないで行う取引
損失補てんや過当取引の温床となりやすいので原則禁止
ただし例外として次の8つの類型が認められている。
①関係外国証券業者から数及び価格を一任する取引
※関係外国証券業者=外国において証券業を営む外国の法人その他の団体
②取引一任契約に係る取引
※取引一任契約=関係外国証券業者の計算による取引に関して
売買の別・銘柄・数・価格について証券会社が定めることができる契約
③相場を考慮して価格に一定の範囲を定めた注文
④数・価格のいずれか一方を指示した上で一定の資金の範囲内とした注文
⑤システム売買取引による注文
⑥当該証券会社の役員及び使用人の親族からの価格を一任する注文
⑦有価証券等清算取次ぎに係る契約を締結する高位
⑧信託業に規定する信託に係る業務として行うもの
取引一任勘定取引を行う場合の注意点
①受託する場合は各証券会社に定められた取引開始基準に照らして十分審査し
基準に適合した顧客との間で取引を行う
②初めて行う顧客に対しては取引内容や執行方法を十分説明
※一定の金融機関、事業会社は除く
取引の規定
①顧客とのやりとりする書面は承諾があれば電磁的方法も可
②説明書の交付・説明・確認書の徴求などは
顧客が内閣府令で定める一定の機関投資家については不要
③説明書の交付が必要とされる取引は
1年以内に同じ顧客に説明書を交付していた場合再度交付は不要
取引に係る手数料の説明
=あらかじめ業務の対価として受け取る手数料について
種類・金額・徴収の方法を顧客に説明しなければならない
取引所新興市場銘柄の取引
=ベンチャー企業等を対象とした以下の市場の上場銘柄の取引を初めて行う顧客にたいし
当該市場の概要・性格について十分説明
①東京証券取引所マザーズ上場銘柄
②大阪証券取引所ヘラクレス市場グロース上場銘柄
③名古屋証券取引所セントレックス上場銘柄
④札幌証券取引所アンビシャス上場銘柄
⑤福岡証券取引所Q-Board上場銘柄
店頭有価証券
=証券取引所に上場されていない株券・新株予約権証券・新株予約権付社債券など
店頭有価証券の投資勧誘
=以下の場合を除き投資勧誘不可
①取得したグリーンシート銘柄を除く店頭有価証券に譲渡制限を付すことを条件に
適格機関投資家のみに対して行われる投資勧誘
②証券業協会が個別に認めた募集等で取得したグリーンシート銘柄を除く店頭有価証券
譲渡制限を付すことを条件に行われる投資勧誘
③一定の条件のもと行われる上場有価証券の発行会社が発行した
グリーンシート銘柄を除く店頭有価証券
④取扱会員及び準取扱会員として指定された証券会社が行うグリーンシート銘柄
グリーンシート銘柄の投資勧誘
=原則として適格機関投資家を除く顧客に対して以下の説明書により
当該銘柄及びその発行会社の内容を十分説明
①直近の会社内用説明書
②臨時報告書を除く直近の会社内容説明書の記載日以降に所定の方法により
報告された会社情報の適時開示の内容を記載した書面
各取引における必要事項
A取引開始基準
B説明書の交付
C確認書の徴求
①預託証券・預託証書
Aなし
B取引の概要・取引に係る損失の危険に関する事項・顧客の注意を喚起すべき事項
を記載した説明書を交付し十分説明
Cなし
②店頭取扱有価証券
=店頭有価証券のうち有価証券報告書を提出しなければならない発行会社
会社内容説明書を作成している発行会社が発行するもの
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B証券情報説明書(当該株券概要・上場株券と異なる特徴など記載)を交付し十分説明
C初めて取引を行う顧客に対し店頭取扱有価証券の性格・取引の仕組みについて十分説明し
店頭取扱有価証券の取引に関する確認書を徴求し写しを顧客に交付
③グリーンシート銘柄
=店頭取扱有価証券などのうち取扱会員・証券仲介業者が投資勧誘を行うもの
として証券業協会が指定した銘柄
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B初めて取引を行う顧客に対して説明書を交付し十分説明
説明書(グリーンシート銘柄の性格・仕組み・取引方法・情報の周知方法・リスクについてなど)
C説明書を交付した顧客からグリーンシート銘柄の取引に関する確認書を徴求
④信用取引
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B信用取引制度の概要を記載した説明書を交付して十分説明
委託保証金代用有価証券の掛目の変更を行う場合があることについて
どのような場合に行うのか・変更の適用までの期間を例示し具体的に説明
信用取引口座設定約諾書に所定の事項を記載・署名又は記名押印を受入
写しを当該顧客に交付
Cなし
⑤新株予約権証券
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B取引の概要・取引に係る損失の危険に関する事項・顧客の注意を喚起すべき事項
を記載した説明書を交付し十分説明
C自らの判断と責任において当該取引を行う旨の確認書を徴求
⑥カバードワラント
Aなし
B取引の概要・取引に係る損失の危険に関する事項・顧客の注意を喚起すべき事項
を記載した説明書を交付し十分説明
C自らの判断と責任において当該取引を行う旨の確認書を徴求
⑦先物・オプション取引
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B取引の概要・取引に係る損失の危険に関する事項・顧客の注意を喚起すべき事項
を記載した説明書を交付し十分説明
C自らの判断と責任において当該取引を行う旨の確認書を徴求
⑧有価証券店頭デリバティブ取引
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B取引の概要・取引に係る損失の危険に関する事項・顧客の注意を喚起すべき事項
を記載した説明書を交付し十分説明
C自らの判断と責任において当該取引を行う旨の確認書を徴求
⑨選択権付債券売買取引
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B取引の概要・取引に係る損失の危険に関する事項・顧客の注意を喚起すべき事項
を記載した説明書を交付し十分説明
C自らの判断と責任において当該取引を行う旨の確認書を徴求
※選択権付債券売買取引に関する基本契約書
=選択権付債券売買取引の開始に当たって締結
=個別の約定が成立した都度受入れ
=選択権付債券売買取引に関する基本契約書に係る合意書を交換した場合は
選択権付債券売買取引に関する基本契約書に係る個別取引明細書の交付を
もって個別取引書の締結に代えることが可能
⑩海外証券取引
A初めて注文を受ける場合には外国証券の取引に関する契約を締結
B外国証券取引口座に関する約款を交付&申込書の提出
C外国証券の公開買付けに対する売買約諾書の提出
⑪海外証券先物取引
Aそれぞれの証券会社で定めて基準に適合した顧客から取引を受託
B説明書を交付し十分説明
C自らの判断と責任において当該取引を行う旨の確認書を徴求
⑫時価発行公募増資に係る発行日決済取引
Aなし
B説明書を交付し十分説明
Cなし