選手が心を傾けるスポーツコーチ ヤディ(八所和己) -31ページ目

検査・発見・治療日記⑤

腎臓癌と診断されてから1か月半が経った。

 

ようやく病院が決まり、手術方法も決まった。

 

セカンドオピニオンの大切さを実感し、と同時に

 

病院によってこうも治療方法が違うのかという怖さも知った。

 

ひと昔前なら何の疑いもなく腎臓を全摘出していたのだろうと思うと

 

進化した世の中に生きていてよかったなと思う。

 

 

 

5月14日(月)、東京女子医科大東医療センターで、検査。

 

13時半から採尿と採血と心電図とレントゲン。

 

14時半から肺活量の検査。

 

15時半から診察。

 

時間通りに行われたのでストレスはなし。

 

検査の結果は問題なく手術が受けられる身体であると。

 

まあ当然と言えば当然の結果である。。。(笑)

 

先生と相談をして手術日を決めた。

 

入院が6/21(木)手術が6/22(金)。

 

退院はおそらく6/25(月)か26(火)。

 

予定通りに部分切除で腹腔鏡手術。

 

ようやく具体的に見えてきた。

 

同時に癌患者なんだなと意識もはっきりとしてきた。

 

こんな元気ながん患者いるのかな?

 

 

5月27日(日)仲の良いお笑い芸人の紹介で四谷のマッサージへ。

 

そのお笑い芸人のヘルニアの症状を一発で軽減させ、癌患者の癌が小さくなったこともあるというゴッドハンド。

 

いつもならその手のものにはあまり動かないが、だまされたと思って行ってみることにした。

 

マッサージを1時間。付き添いで来てくれた妻に動画を撮ってもらい、

 

これを家で毎日やると癌が小さくなるかも。と言われた。

 

あとは、小豆を黒糖で煮出したものと、無塩のトマトジュースにオリーブオイルを入れたものを毎日飲む。

 

白い小さな粒を飲む。これを続けてくださいと。

 

ホメオパシー療法。

 

ネットで見るとかなり酷評されているが、

 

東洋医学からくる自然療法。中医学にもかなり入り込んでいるようだった。

 

1万円を払って治療を受けた。

 

それ以来入院までの日々は、小豆とトマトジュースはつづけた。

 

妻に毎日マッサージをしてもらった。

 

何でも試してみたくなるのもこの病気の重さでもある。

 

 

6月11日(月)改めて造影剤を入れてCT検査。

 

あまり気持ちのいいもんじゃない。

 

ホメオパシー療法の教えを守ってどれだけの効果があるかと思ったがやはり効果はなし。

 

まあそんなもんだ。それでも少しでも健康でいようと心掛けることが大事なんじゃないかと自分に言い聞かせた。

 

改めて自分の症状を確認された。

 

腫瘍の大きさは37mm。

 

腫瘍は悪性でステージ1。

 

手術はロボットで部分切除。

 

手術の方法とそれにまつわる合併症や危険性について丁寧に説明を受けた。

 

妻も一緒に聞いて納得していた。

 

手術時間はおそらく3,4時間。退院見込みは26日(火)。

 

仕事復帰も早くできそうだ。

 

身体に7つ穴をあけて行うそうだ。

 

なんで7つなのかは疑問だったが、

 

開腹するよりはるかに負担が軽いことは確かだ。

 

これであとは入院日を待つのみとなった。

(つづく)

 

 

検査・発見・治療日記④

セカンドオピニオンは保険が効かない。

 

自費だ。紹介された東京女子医科大学東医療センターに電話。

 

アポイントを取った。

 

5月2日(水)の11時半に予約。30分で2万円、1時間で3万円ってな感じの料金。

 

30分でと伝えて電話を切った。

 

どうせ同じような見解になるんだろうけど、それに2万か・・・。

 

と、せこい考えも浮かんできたが、命には代えられない。

 

健康であることの素晴らしさをこんなところで実感したりもした。

 

その前に紹介状と画像データを取りに行った。

 

紹介状にも画像データにもお金がかかる。

 

でも最近の病院は自動会計機があるから楽に会計ができる。

 

ところが、自動会計機の機械トラブルで、仕方なく窓口で清算。。。

 

この病院とは相性がわるいのか?なんて考えたりもした。

 

癌と告知されてから本当に色々日々考えるようになった。前向きとか後ろ向きとか

 

そういうことではない。

 

生きているという自分の存在確認をするようになった。

 

仕事も長期で休めない状況の中で、癌という腫瘍を取り除くために

 

一時的に仕事を中断して入院・手術をしなければならない状況。

 

これって何なのか?

 

いい方に解釈することは慣れているので問題ないが、

 

それだけで済ますことができないとも思っていた。

 

そんな余計なことをたくさん考えるようになった。

 

それでも時は過ぎていくのに。

 

 

 

 

5月2日(水)に行ったセカンドオピニオン。

 

JR山手線田端駅からタクシーに乗ること約5分で到着した。

 

20分ほど早く着いた。

 

狭くて細い商店街のど真ん中にその病院はあった。

 

ずいぶん下町感漂う場所に違和感のある建物があった。

 

すぐに受付を済ませ、診察券とファイルを受け取り11時16分。

 

指示された4階へ上がる。

 

エレベーターを降りるとすぐに泌尿器科のプレートが見えた。

 

周りを見回すと空席がないほど埋まっている。

 

みんな同じファイルを持って待っていた。

 

泌尿器科の奥が精神科。

 

そkの前しか空いていなかったので、そこに座った。

 

予約は11時半。多少待たされることは覚悟してきた。

 

その分のアロアンスも取っている。

 

時計を見ると11時48分。泌尿器科の前のシートが空いたので

 

そこに席を移した。

 

念のためどのくらいなのか聞いてみようと思いナースさんを探した。

 

「すいません、あとどれくらいですか?」

 

ファイルを見せて尋ねた。

 

すると・・・。

 

「受付済ませましたか?」

 

「受付?はい、1階で」

 

「いえ、4階の受付です」

 

「は?」

 

「受付しないと来院記録が残らないんです」

 

「それは聞いてませんが」

 

「ちょっと待ってくださいね」

 

そのナースはどこかに消えていった。しばらくすると別のスタッフの人に名前を呼ばれた。

 

エレベーターの方から歩いてきた。ファイルを渡すとPCでチェック。

 

「申し訳ありませんが、今7人待ちです」

 

「え?もう12時回ってますけど・・・。?」

 

「はい。すみません」

 

「そもそもここで受付なんて聞いてないし、予約は11時半なんですけど」

 

「ちょっとお待ちください」

 

裏に消えた。

 

出てくると

 

「CDROMをお持ちいただいてますよね?今焼いてますから」

 

「は?そんなの1時間前に出してます。」

 

苦しい言い訳に対して腹が立った。

 

「そもそも11時の予約の人から11時半の予約まで7人も入れているのか?それはおかしいでしょ。」

 

そう言うと、そのスタッフは露骨に嫌な顔をした。その態度にまた腹が立ち

 

「これは何のための予約なんだ?予約の意味ないだろう。この後仕事もあるんだよ」

 

かなり強い口調で告げた。待たされていることに腹が立っているわけではなく

 

不親切な対応に腹が立った。

 

まずは1階で受付をした時に、4階に上がったら受付してください。と言うべき。

さらにわざわざ11時半のアポイントを取っているんだから少なくとも30分程度で

対応するのが予約の意味だろう。

 

スタッフはまた裏に消えた。

 

次に出たきたのはベテランのナースさん。

 

私は同じ話を繰り返した。

 

ナースさんは事情を理解すると丁寧に謝罪をした。

 

さっきのスタッフは露骨に嫌な顔をしていたのできっと接客は向いていないなって思った。

 

「これ以上待てないのでキャンセルします」

 

そんなことは思っていないのだが、そうカマをかけた。

 

するとまた、裏に消えてから

 

「すぐ呼ばれると思うのでこちらでお待ちください」

 

と言われた。案の定すぐに呼ばれた。

 

前の病院では腎臓全摘出の見解。さらに部分切除はリスクが高い。

 

ここでも同じような見解だろうな。

 

不機嫌な心を元に戻して話を聞いた。

 

近藤先生は画像をじっと見て、

 

「これはロボットを使って部分切除だね。7割から8割腎臓は残せますよ」

 

え?まじ?

 

「取り残しがあるかもって言われましたけど・・・」

 

「それは1%あるかないか。。そこをどう考えるかですね」

 

え?まじ?

 

先生はさらに

 

「それにもし取り残しが見つかっても処置の方法はいくらでもあるから」

 

え?まじ?

 

前の病院では取り残しがあるとそこをまた手術するのは術者が嫌がると言われてきた。

 

ここまで見解が真逆だとは・・・。先生はさらに続けた。

 

「腎臓がなぜ2つあるかご存知ですか?」

 

「いえ、知りません」

 

「腎臓は2つ必要だから2つあるんです。だから残せる可能性があるなら絶対に残した方がいいんです」

 

人間の身体に不要なものはないということだ。

 

確かに。その通りだ。

 

さらにさらに

 

「もっと大きな腫瘍の場合でも部分切除するし、もっとご高齢の方でも部分切除をします」

 

え?まじ?の連続でびっくり。癌を告知された時よりもぶっくりしたかもしれない。

 

「部分切除は開腹って言われました」

 

「そんなことはないですよ。腹腔鏡手術をします」

 

部分切除で腹腔鏡手術。。。。

 

一番考えていた形が成立した瞬間だった。

 

「先生のところではそれが可能なのですか?」

 

「もちろんです」

 

なんて心強い。やはり相性が合わなかったんだろう。。。。

 

「今ここで先生にお願いしたらやってくれるんでしょうか?」

 

「はい、もちろんです。」

 

「では、お願いします」

 

「わかりました」

 

実にシンプルに決まった。

 

「おそらく典型的な腎臓癌のステージ1ですね。でもこれは切ってしまえば終わりですから」

 

改めて癌の告知。でも今回は全然不安はなく、受け入れることができた。

 

安心して手術が受けられる。そう感じた。

 

14日(月)に検査の予約をして終了した。

 

2万ちょっと。。。全然安い買い物になった。

 

次回具体的な手術日の日程を決める。

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

検査・発見・治療日記③

腎臓に直径35mmの腫瘍が見つかり、ほぼ悪性。。。

 

 

いはゆる腎臓癌。

 

 

そう告知をされて手術方法を決めないといけなくなった。

 

 

開腹して部分切除か腹腔鏡で腎臓を一つ全摘出するか。。。

 

 

そんな突然癌と言われて、はい、手術方法決めて・・・と言われても

 

 

そんなの決まるわけない。

 

 

部分切除はリスクが高いと脅されて、でも腎臓丸ごと一つ取る必要もあるのか・・・

 

 

決まらないまま、人間ドック受けた病院へ相談に行った。

 

「先生、開腹で部分切除と腹腔鏡で全摘出。どちらがいいんでしょうか?」

 

「ちょうどG医大の先生が見えてて画像を見せたら判断は難しいって言ってました。

でもこれは部分切除は開腹でやるんですね」

 

「え?部分切除も腹腔鏡でできるんですか?」

 

「できますよ。でもきっと開腹してやるということはエコーを当てながら腫瘍の状態を確認しながらやるんでしょうね」

 

私は部分切除も腹腔鏡でできるんだということを知る。開腹は入院期間が最低でも2週間。さらに痛みもかなり伴う。

 

腹腔鏡だと入院期間も少ないし、痛みも少ない。断然そっちの方がいいに決まってる。と思っていた。

 

しかも腎臓は全部取ってしまうことにも抵抗感があった。。。

 

「ありがとうございます」

 

病室を出たらベテランの看護師さんが

 

「心配でしょう。。セカンドオピニオン取った方がいいわよ。今は先生達もそれを言っても嫌がらないから」

 

「そうですね、それは担当の先生に言えばいいんですか?」

 

「そうよ、セカンドオピニオン取らせてくださいって言えば大丈夫ですよ」

 

「ありがとうございます。では聞いてみます」

 

「お大事に」

 

新しい情報を得て、すぐに妻に連絡し、部分切除を腹腔鏡でやるという方向で自分の中では決まった。

 

 

 

 

 

4月18日(水)、癌が転移していないかを検査するために、脳から骨盤までのCTを撮った。

 

まずは脳のCT。続いて着替えてから造影剤を入れながらのCT。

 

前回はほとんど身体がカーっと熱くなる感じはなかったので今回も余裕だなって思っていたら

 

開始と同時に一気に身体がカー――っと熱くなった。

 

おーこれか?と思っていたら今度は若干気持ち悪くなった。それでもこれが普通だと思えば楽になり、

 

あっという間に終わった。

 

そのまま診察へ。前回はかなり待たされたが、この日はそんなに待たなくて済んだ。

 

 

転移。。。。

 

 

はなかった。一安心。

 

 

問題は手術方法だ。

 

 

「部分切除でも腹腔鏡でやれると聞いたんですけど」

 

 

と先生に切り込んだ。すると先生は

 

 

「うちの病院では、部分切除なら開腹しないと無理です。さらに部分切除は腫瘍を取り残す可能性

 

があるので、できれば腎臓を一つ取ってしまった方が完治に近い状態になりますよ」

 

 

切り込んだのに完全に真逆の方向に誘導されてしまった。

 

「そう言っても腎臓は残したいんです」

 

そう訴えてみた。

 

腹腔鏡で部分切除という方法はこの病院では成立しないし、取り残しのリスクが大きいことを繰り返し

 

 

言われた。全摘出のメリットは確実に癌が取り除ける。腎機能が多少低下するが、日常生活には何ら問題ないし、

 

部分切除は再発のリスクも高いと。さらにこんなことを。。。

 

「部分切除して、もし取り残しや再発が見つかった場合、その部分をまた開腹するのは嫌がるんですよね」

 

 

「え?誰が嫌がるんですか?」

 

「術者が嫌がります」

 

は?なんてことを。。医者とは嫌だろうが何だろうがそれが仕事だろ!!

 

先生に対する不信感が募らないわけがなかった。とはいえ、部分切除のリスクは理解できた。

 

先生は最初から全摘出を行うように腹を決めていたようにも思う。

 

 

これが医療の現場なのか?

 

 

納得いかない気持ちからしばらく先生に

 

「なぜ部分切除で腹腔鏡ができないんだ。」を繰り返し聞いた。

 

明確な答えが出てこないが、いはゆる執刀できるインフラと技術がないのかなとも思った。

 

私は

 

「先生。セカンドオピニオン取らせてください」

 

そう告げた。先生は、

 

「わかりました。と言って裏へ引っ込みました」

 

 

しばらくして戻ってくると、ネットでプリントアウトした紙を見せて

 

「ここに紹介状を書きますので行ってみてください。」

 

と言われました。

 

東京女子医科大学東医療センター泌尿器科の近藤先生。

 

 

まあきっと同じようなことを言われるとはわかっていながらも

 

 

セカンドオピニオンをやることにした。自分で電話をしてアポイントを取るそうだ。

 

 

先生からは5月9日までに決めてほしいと再度念を押された。

 

 

疲れがどっと出た。

 

 

手術方法が決まらない日々が続く。

 

(続く)