【目的論】最も重要な問いは「どこへ?」である
いつもありがとうございます!なかなか前に進めない人のための【感情マネジメントの専門家】『和の引き寄せ』を広めるお役目大和式コーチの水谷です。アドラー心理学『幸せに必要な6つの考え方』も今日で3回目です。さて、今日のテーマは『目的論』それでは、ハリキッテ参ります♫目的論『最も重要な問いは「どこから」ではなく「どこへ」である』アルフレッド・アドラー前回まででアドラー心理学の認知論と主体論についてお伝えしてきました。過去記事はこちら👇1、一人ひとりに世界がある(認知論)2、自分の人生は自分で創る(主体論)でしたね。今日は続いて最も重要な概念の一つ目的論をお伝えしていきます^ ^目的論と原因論目的論を説明するためにまず、今回も反対の概念の「原因論」からみていきましょう!問題が起こった時僕たち人間がとる通常のアプローチはなぜダメなのか?何がダメなのか?誰のせいなのか?という問題の分析から始めます。その原因に対して対策をとっていくのが普通ですよね。物理社会に生きている人間社会ではこれが常識であり実際効果もあります。でも、これを人の心に適用するとどうなるか?アドラーはこう言っています。「人の心は物理学とは違う。問題の原因を指摘しても勇気を奪うだけ。解決法と可能性に集中すべきなのだ」小さな頃から原因探しの環境で育った僕たちは思考パターンが自然と原因論になってしまっています。そしてこれは問題が起こった時だけではなく未来を創造していく時にもこの思考パターンを採用してしまいがちなんです。前回の主体論でもお伝えしましたが僕たち人間は未来に対して自分はこんな体験をしてきたから未来はこうなるだろう!と過去の体験で作られた世界観を元に未来を予想しています。主体論でみたように本来どんな人生にするかは自分自身で選ぶことができます。でも原因論での考え方では自分で選んでいるのではなく過去を参考にし、制約を前提とした延長線上の未来を選ばされてしまっていると言っても過言ではないですね。私はあまり勉強してこなかった〝から〟出世などできないだろう...といったような考え方になんの疑問も持たないと思います。でもアドラーはここに革命的な主張とも言える提案をしています。それが今日お伝えする目的論になります。『因果の法則』と『目的論』因果の法則というものがあります。物事の全てには『原因があって結果がある』という法則ですね。原因論はこの因果の法則を元に社会の常識として広まっていますが原因論の場合『因』がどこにあるかというとそれは過去にあります。そしてここからが面白いのですがこの因果の法則の『因』を未来に置くと、あーら不思議原因が『目的』へと昇華するのです。『本当は未来どうなったら良いのか?』『どんな未来を私は作りたいのか?』自分はどこから来たのか?という過去に『因』の起点を置くのではなく自分は本当はどこへ行きたいのか?本当はどうなりたいのか?という未来に『因』を置いて考えるそういった考え方を『目的論』と言います。時間は未来から流れている?原因論では時間の流れが過去→現在→未来となっています。過去が『因』であり現在が『果』になる。こちらが常識的ですね。でも目的論を採用すると時間の流れが逆転します。つまり未来→現在→過去になるわけです。本当に生きたい未来を創るために今、どういった選択や行動をしていくのか?といった発想からくる『現在』は未来(因)のための今(果)となるのです。そして過去さえも、たとえそれが仮にネガティブな体験だったとしても『理想の未来を作るための必要で大切な体験だった過去』へと見事に変貌を遂げます。自分にとって制約となっていた過去の体験すら未来のための重要な要素へと変わるそれが目的論の魅力の一つだと僕は思っています。日々僕らの生活に次々と迫ってくる選択の扉の中でどの扉を開いていくのか?その選択基準を過去ではなく未来へと目的論の考え方を使って変えていくのです。そうすることにより過去に規定された制約のある未来ではなく本当に自分が望む未来を自由に描くことができるようになります。僕の考えでは「輝く未来」はもうすでに存在していて僕たちに発見されるのをドキドキしながら待っている。のだとそんな気がしています。未来はどんな風にでも描くことができます。理想の未来を描くためにぜひ、目的論の考え方を採用してみてください。もう一つの目的論ここまでで目的論の半分をお伝えしました。でも、目的論の本領はここからです。『人間の行動には全て目的がある』アドラーの有名な言葉です。ここで具体的な例として『子供が学校に行かない』問題いわゆる不登校について考えてみたいと思います。こうした場面に立ち会ったとき誰もが不登校には何か理由があると考えます。理由が知りたいと思うわけですね。そして僕たちがすぐに考える理由は「原因」です。「この子が学校に行かないのは何が原因なんだろう?」そう考えるのが普通ですよね。しかし事実としてはこう問いかけられると脳は問題を探しに行くのです。私の育て方がいけなかったのか?この子の性格に問題があるのか?体調が悪いのか?学校でいじめにあってるのか?教師のせいだ、配偶者のせいだ!こんな風に脳の検索は止まりません。理由は2種類あるこうした不登校などの『問題の理由』には「原因」という理由と「目的」という理由の2種類あるとアドラーは考えました。そして目的論ではこう考えます。「この子が学校に行かないのはいったいどんな目的があるのだろう?」問いが変わると応えも変わります。何かやりたいことがあるのかも親の愛情や関心を引きたいのかも何か大切なものを守っているのかも『人の全ての行動には手に入れたい無意識の目的がある』僕がアドラーの中で一番大切にしている考え方です。問題の原因を探る質問ではどうしても物事の悪い面に焦点が向いてしまいその結果負のループにハマってしまうことになります。この不登校の例では子供も辛い、親も辛い周りの大人は他人を責め自分を責め本人を責めてしまう。こういったケースが少なくないように思います。ですが目的論で考えるとどうなるか?基本的な考え方はこの問題は『どんな未来のために起こっているのだろうか?』になります。前提が違うことに気づいてもらえるでしょうか?目的論の質問に対する応えは自然と肯定的なものになっています。『未来のどんなことのために起こっているのだろう?』この質問の回答はどんなものでしょうか?・未来、この子の為になる経験・親がもっと子供と向き合うため・夫婦が今よりもっと協力するため・先生も含めた大人たちへのメッセージきっとこういった応えになると思います。原因論の質問では何がいけなかったのか?という問題の犯人探しになりやすく目的論の質問では何か意味のある出来事という前向きな解釈になりやすいのです。原因論も目的論も取り組む課題は同じですねそれは、対象となる一人ひとりが心や行動を改めるという課題です。課題は同じでもその奥にある『前提』が『犯人探し』なのか『与えられたギフト』なのかでは大きく変わってきてしまいます。『全ての行動には目的がある』そう考えることで人の心を理解しようとする姿勢も変わります。赤ちゃんはどうして泣くのでしょう?それは大人に何かを知らせるためですよね。決して、赤ちゃんに何か資質上の問題があるわけではありません。その証拠に目的が満たされると赤ちゃんはちゃんと泣き止みます。全ての感情にも目的があるそしてさらにこのことに当てはまるのは人の「行動」だけではありません。僕たちの『感情』や体に現れる様々な『症状』にも前向きな目的があると考えるのです。よく例えられるのが怒りの感情です。一般的にはやっぱり原因論が主流ですね。怒りの感情が沸くときはどんなときでしょう?・子供が言うことを聞かない・意見の対立・渋滞で時間に遅れそうなときなど普通は自分の外側に怒りの原因があると僕たちは考えがちです。ところが目的論の視点ではこう考えます。自分が手に入れたい目的のために『怒りの感情を使っている』のだと。子供が言うことを聞かないから怒りが沸いてくるのではなく子供に言うことを聞かせる為に怒りの感情を沸き上がらせて感情を手段として使っていると言うことです。別の例でも説明しますね。例えば結婚記念日や誕生日などの大切な記念日に夫婦でレストランへ食事に行ったとします。そこで店員さんがうっかり料理をひっくり返してしまった。そんな時、あなたや私は大切な記念日が台無しにされたとしてお店や店員さんにクレームを言いたくなるかもしれない。こんな時に目的論です。『本当は何を望んでいたのか?』そう自分に問いかけてみる。すると、ほとんどの場合夫婦で素敵な記念日を過ごしたかったという答えが出てきます。そして自分のこの『目的』に気づいた時僕たちは自分の行動や振る舞いを変えることができるようになります。素敵な記念日にしたいのに大声でクレームを言うという行為はもしかしたら『素敵な記念日』という目的にふさわしくない行いかもしれません。素敵な記念日にしたいならばクレームを言う代わりにスマートな大人の対応を選ぶことも僕たちにはできるはず。いつも原因の代わりに目的を頭に置いておくとイライラとは無縁の日々を過ごすことができるようになります。先ほど挙げた不登校も不良生徒に見る問題行動もそして精神、肉体に起こってくる症状にも肯定的な意図(ポジティブな目的)がある。その多くが無意識の中で起こっていますがその目的に気づきその目的を満たすことによって様々な問題や症状は治まっていく。そんな風にアドラーは考えカウンセリングの現場に応用して行きました。何かネガティブな感情が起こった時に(例えば怒りとか)「自分は何を手に入れたいんだろう?」「どんな隠れた目的があるんだろう?」と問いかけ、その目的に気づけると不思議なことにその感情は収まっていきます。正しさよりも大切なもの補足としてお伝えしたいのはアドラー派のセラピストは原因論を決して否定しているわけではありません。原因を理解することでのメリットももちろんあるからです。ただ前回も書きましたが現代ではあまりにも原因論に偏りすぎているため普段はあまり意識されない目的に目を向けていくことにより原因と目的、両方にバランスのとれた解決法が見つかってくると考えています。自己理解や他者理解のためにぜひ「目的論」を試してもらえたらなと思います。今日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。アドラーの独創的な考え方を学びたい方はこちらも参照下さい。アドラー『幸せに必要な6つの考え方』👇【認知論】世界に客観的な真実は存在しない【主体論】人間は自分の人生を描く画家である【第1回】なぜ感情のマネジメントが最も大切なの?【第2回】引き寄せのマスターキーPQとは?【第3回】「心を整える3ステップ」という地図【第4回】『〇〇を制する者は人生を制する』【第5回】どうすれば感情はコントロールできるの?メルマガ限定の情報、イベント、講座実践する場を提供しています👇公式メルマガ【和の引き寄せ俱楽部】〜3つのプレゼント付き〜欧米には欧米式のやり方があり日本には日本人の価値観にあったやり方があります。ですが世間に出回っているのはどれもこれも欧米式通りで上手くいかないわけです。僕たち日本人に合った『和の引き寄せ』に興味をお持ちの方はこちらからお入り下さいこちらをクリックして下さい