踵は着いてもいいですよ│マラソン│ | まぼろし工房_ランニング

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市民ランナー達と作った靴下、まぼろし工房の “ラクちんソックス” のブログです。シューズが発生するグラグラを抑えることで、効率よく走れるだけでなく、怪我や故障を防ぎます。いくつもの特許を取得した、世界で一つの靴下です。

「走るときに踵(かかと)を着いてはいけない」って

本当でしょうか??

 

今日はそんな話しをしてみたいと思います。
 
■後加筆:この記事を書いた2020年頃は、ネットや雑誌が「フロント接地」を強く勧めていました。
 
 

 

フルマラソンの話です

 

 
その前に、ここを学生さんが読んでいたら、よく聞いてくださいよ。
40kmを 3時間で走る場合の話しですから
 
誤解しないようお願いしますね。
 
 
 
 
 

 

内スネの痛みの悩み

 

九州から来院したい、そんな女性ランナーさんから電話をいただきました。
  • 内スネ、外スネの痛みで悩んでいる。
  • 踵を着かないようにフォームも変えて気をつけている
  • 腕振りも左右均等に振れるよう気をつけている
  • フルマラソンで4時間を切りたい         
  そんなお悩みでした。
 
 
 

 

その情報で悩む人がいる

 

 
毎日 臨床に携わっていると、
「走る時はフロント着地」 そう思い込んでいる子供達による足の痛みをよく見かけます。
 
 
「足が痛いのは、踵から着いているからじゃない?」
 
誰かのことを思って言っていると思いますが、その情報で更に足を痛めている人が多くいます。
 
 
 
 

 

本来、人の歩行は踵から地面に着きます。

 

 
 
速度をあげていくうちに、踵が地面から離れるタイミングが速くなり、体が浮き始め、腰の位置が高くなる、そして時速19km/h (キロ3分半)を超えるとフロント接地になっていく・・・そんな感じでしょうか。
 
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また、ペリー博士の著書 「歩行分析」 では、こうあります。
 
時速19kmを超えて走るランナーは、たいてい足のフロントから接地し、
そのランナーは時速12.5km/h ~15.4km/hで走る時も、フロント接地を選択する傾向にある。
 
もっと簡単に書くと、
キロ3分前半で走れるようになると、キロ4~5分で走る時も
勝手にフロント接地になってしまう傾向にある。
そんな感じでしょうか?? 違っていたらごめんなさい。
 
 
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ゆっくり走っているときに、足の前足部で着地をしていると、下腿の筋肉に無駄に負担がかかり、内スネの痛み、外スネ付近の筋肉の痛み、足の裏の痛みを誘発します。
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つまり、キロ6分くらいのペースで走る時は、かかと・・・・着いても良いと思いますよ。
 
 
 
 

 

踵を着くと速く走れない?本当?

 

 
 
“踵をつくと速く走れない”、それは本当でしょうか?
 
 

フルを 2時間23分台で走るランナー(女性)のトップ速度です。踵から入ってますね。 
 
 
 
海外レースを何連覇もしたランナーさん(女性)です。
上手に踵つかってますね。(13㎞/h・キロ4分半)
 
 
 
フルマラソンを2時間40分をきる選手でも、
 
ジョッグの時は、ヒールコンタクトで走っていたりします。
  
 
 
 
※ここで勘違いしやすいのは、ヒールで着地してるのではなく、接地してるのがヒールです。
 ヒール接地、フラット着地です。
 フラット着地(着底)
 
速いの定義が難しいですが、 
“フロントから着かなければ速く走れない” って訳でもないようです。
 
 
 
 
・“踵を着くのは怪我の原因”は本当でしょうか?
 
 
「踵から着くと、衝撃で骨が壊れるから踵はついてはいけません」そんな記述をよく目にしますが、
本来、踵の骨は歩行や走行のときの衝撃を逃がす役割があります。
 
 
人の足の踵の構造は、 Tの字を逆さにしたような形になっています。
 
 
踵が地面に触れると
 
 
 
 
逆Tの字の構造を利用して、
 
 
 
テコの原理で前足部が床に落ちます。これをヒールロッカーといいます。
 
歩く時、走る時に足の骨にかかる衝撃を、前に進む力に変換しています。
 
 
 
 
結論から言うと、フルマラソンで3~4時間を目指す人は、
踵・・・着いてもいいんじゃないですかね。