和傘屋としての事を前ブログで書かせて頂きました。
ご心配をおかけして誠に申し訳ありません。
今後も和傘の事に関しての考察や情報などは書き込んで行こうと思っております。
宜しくお願い致します。
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前々回よりの続き
和傘 と アジア圏の傘の違い です。
第一回目は 骨の作りの違いでした( 'Д`)
第二回目は 軒の違い
で、第三回目は手元と石突(いしづき)です( 'Д`)
手元と石突とはなんぞや?
持ち手の所、手元の籐巻き部分
その下の金具を石突と呼びます( 'Д`)
あいかわらず下手な絵と字です( 'Д`)
書き足して行ってるので少しずつ変わってます(笑)
で、写真です( 'Д`)
今回は
日本の和傘(蛇の目傘)と
中国製の和傘の名の偽物
※今回は敢えて中国製の… と、書いてます。
これはアジア圏の傘とは異なる日本の和傘を真似るからこその偽物だと言う事です( 'Д`)
※番傘は基本的には籐巻きも石突も無いのが基本となるので今回は割愛( 'Д`)
手元には籐(とう)と呼ばれるツル植物の皮部を使った物が巻いてあります。
この籐とは籐家具(ラタン)などで聞いたこともあるかと思います。
この籐も時代や産地などによって異なるのでなんとも言えないのですが…( 'Д`)
今回は岐阜の蛇の目傘を基本として説明をさせてください。
写真上 日本の和傘
籐は本籐かプラスチック製のセル籐と呼ばれる物を使います。
本籐は薄く細めの皮籐と呼ばれる物を
セル籐は平べったい楕円形な物か半円の様な物を多く使ってるかと思います。
写真下 中国製の傘
籐はプラスチック製のセル籐が基本。
真円の物を使う物を多く見かける。
本籐の物は野点の形の傘の物にたまに使われる位かと思われます。
※このセル籐
日本でも真円に近いものも使われていました。
舞踊傘などには有ります。
で、石突です( 'Д`)
石突とはなんぞや?
まあ、ざっくり言えば下駄です( 'Д`)
唐傘お化けの下駄
傘を濡れた床などに置くと
柄が濡れてしまいます。
竹や木で作られる傘の柄は水に濡れたままだと腐りやすくなってしまいます。
その為、高級な蛇の目傘などには
「石突」と呼ばれるパーツが付けられています。
番傘は元々が普段使いの簡易な傘です。
その為、石突が付けられてる事は殆ど有りません。
※時代、地域性などで石突の付く番傘も存在します。
高さが高く
柄を覆う様に付けられます。
その為、傘が少し斜めに置かれても柄が濡れない様になっています。
そして、柄を覆う様に取り付けるので割れ防止にもなります。
中国製の傘の場合は
この石突の意味を思わずに
何となく何か付けとけば良い
って考えにしか見えない付け方です。
なので、薄いプラスチックか鉄製の円形の物を釘で止めただけ
これだと傘の柄が濡れてしまうのです(-_-#)
そして、柄の中心に穴を開け太い釘を打つという事は
ともすれば
置いた際の衝撃により、釘はクサビと同じ様になり柄を割る道具となってしまいます。
石突 は
傘の柄を濡らさぬ為
傘を置いた時に柄が割れぬ為
その意味を思わず
何となくとって付けた様な安価な偽装
構造として意味が有り
用途として成り立てば
それは改善です。
しかし
安価にする為に
意味を捨て去り
用途として成り立たぬ物は改悪です。
物の持つ意味を伝えぬという事は
買い手を騙す為の悪意です。
知らぬからこそ騙されます。
騙される事に気がつきません。
そして今日この瞬間にも
日本からは
日本だった物たちが消えていくのです。
悪意を悪意とも思わぬ
己だけの目先の利益を求めた
日本文化を壊そうとする人達のせいで(-_-#)
そして
それを安いからと受け入れる善意も
知らぬうちにこの国を壊す事に加担させられているのです。
僕も知らぬまま騙される一人だったからこそ
同じ様に騙されたまま、この国の文化を無くす事に加担させられる人が居なくなる事を願います。
残念ながら
僕は傘の事しか分かりません。
なので、傘の事しか言えません。
各々の専門家が
違いを伝えなければ真実は無くなるのかな?と
思ったりします。
※中国製の物が全て適当ではないです。
また日本の物が全て素晴らしいとも言いません。
今回言ってるのは
和傘と偽った名で中国などで作らせ、日本の和傘の粗悪コピー品を作らせる悪意のある物だけです。
※海外批判をしたい訳ではありません。
美濃紙傘など己の名を冠した傘などは好きで集めています。
嫌いなのは、騙す事を目的として物を作り、売り、使う人たちです。