環の会 -Motherly Network-      育ての親と養子として育った子どもたちからの声 -2ページ目

環の会 -Motherly Network-      育ての親と養子として育った子どもたちからの声

環の会で子どもを迎えた家族からの声をご紹介します。
※子どもの名前はすべて仮名です。

手術、引っ越し、新しい幼稚園への転園と、みつきにとってはすごい変化があった一年でした。

乗り物大好きのみつきは、今はバスに夢中で、実物と同じ会社のバスのおもちゃを買って、一日中運転手さんの口まねをして遊んでいます。

もちろん大きくなったらバスの運転手さんになりたいと、同じ夢を持った友達と仲良くなっています。

 

夫婦の会話にも興味を持っていて、ついこの前は、突然「お父さんとお母さんは夜お話ししてるけど、何を話しているの?」と聞かれ、内心ドキッとして「なんだと思う?」と聞くと、「ん~、ドラえもんかピカチュウの話かな?」と言われ、「まだまだ子どもだー」とホッとしました。

 

もうすぐ6歳の誕生日。

泣き虫だけど、純粋なみつきが大好き!!

スケジュール、時間管理に厳しいみつきくん、アバウトなお父さんとお母さんのサポートをよろしくね!




お兄ちゃんと妹が、この4月から幼稚園の年長さんと年少さんになりました。

幼稚園ではお兄ちゃんがそれはそれはこまめに妹の世話をし、先生も驚くほどのきょうだい愛を見せていました。

しかし、園から帰ってくると、「ぼくね、疲れちゃったんだよ」と、ひとり電車遊びに没頭するお兄ちゃんと、「どうしておうちではかまってくれないの???」と怒る妹の激しいバトルが繰り広げられていました。

この頃ようやく落ち着いてきました。

 

そして先日は二人仲良く風邪をひきました。



 

 

2歳になったコウは、朝起きてすぐに布団の上で歌いながら踊るときがあり、朝から笑ってしまいます。面白いことをして私たちを笑わせようとするような楽しいコウです。

ご飯を食べているときは「おいしそう!」「うまーい!」「うまいねっ」を連発します。もちろん「いや」と食べないものもありますが、「うまーい」と食べるところは楽しくてうれしそうなので、今の時点では好き嫌いは気にしないようにしています。

平日遊びに行く児童館で、今一番好きなのはおままごと。1時間もずーっとやっていることもあります。料理したり食べたり、お皿を洗ったりするおままごとを見ていると、私たちのことをよく見ているなぁとびっくりします。

他の子とおもちゃの取り合いをするのはハラハラしますが、いろんな経験をしていってほしいなと思っています。

 

産みのお母さんとそのご家族からは、コウだけでなく私たちにもプレゼントが届き、そのたびにいつもあたたかいお気持ちが伝わります。

コウに「〇〇ママ(産みのお母さん)と〇〇ばーば(産みのお母さんのお母さん)からもらったんだよ」と伝えると、「だいじ(大事)!」と言うようになりました。



長女が小学校に入ってから我が家の生活のリズムが一変しました。

朝7時に家を出て登校するので、眠気がなかなか冷めず、朝食が進まずにあわただしい日々を送っています。

一方、幼稚園の次女は朝はゆっくりで親としてはいいのですが、夜寝るのが遅くて困っています。姉妹の行動の時間帯が異なり、休日だけが同じようなリズムの生活になっています。

それでも二人は、お互い似なくてはならない存在で、けんかをしながらも仲良く遊んだり、お気に入りのキャラクターのテレビを見ています。

また、誕生日プレゼントで自転車をもらったこともあり、長女は自転車乗りが大好きで、乗りたくてたまらないようです。

一方、妹もDVDを自分で操作できるようになり、好きなものをずっと見ています。

二人とも体力がついたせいか、以前よりも風邪などを引かなくなり、助かっています。

 

これから成長するにあたっては、まだまだ乗り越えなくてはいけないことがたくさんあると思いますが、周りの方の協力を得ながら感謝の気持ちを忘れずに、子どもたちとの時間を楽しみながら生活していきたいと思います。

 

 

 

ケータローも7歳になりました。

とにかく忘れ物が多いのですが、本人はまるで気にせず。しかし、先日、とても寛容な担任の先生からでっかい文字で「えのぐ」とランドセルに張り紙をされて帰ってきたときには、さすがに私の方が心配になりました。

せっかくやった宿題も、何度、自宅に置き去りにされたことでしょう。

そして学校に置き忘れた箸は、何日分たまっていることやら。もう、我が家にはお箸がないので、早く持って帰ってきてください!

そんなケータローですが、本を読むのが大好きで、小2にしてはいろんなことを学び取っています。知的好奇心が旺盛だと学校からも太鼓判を押されているので、このまま様々なことに興味関心を持って、楽しく学びを深めていってほしいと願っています。



我が家の姫は2歳になりました。

自分の言いたいこともはっきりと伝えられるようになり、「あれイヤ」「これイヤ」と朝から晩まで言いたい放題です。気に入らないことがあると地団太を踏んで、「まったくも~~~」と怒って、手が付けられません(きっと私の口癖なんでしょう・・・反省)。まさに「姫」です。

ただ、「おねえちゃん」への憧れはあるようで、小さい子には「どうぞ」とおもちゃを配ったり、自分が遊んでいたおもちゃを取られても、べそをかきながら耐えています。

ある日の晩、寝る前にその日にあった出来事を話していると、「あたし、おねーちゃんになれた?」と聞いてきました。

まだまだ・・・と思いながらも、優しく接することができ、我慢もできるようになったわが子をとても頼もしく成長したなと、愛おしく思いました。



環の会はテリングをしながら子どもと向き合っていくことを、育て親さんにお伝えしています。

そこで、環の会のテリングで育ったYouthの会(成人した養子当事者)のメンバーが友だちや恋人に対してするテリングについて聞いてみました。

 

■Tさん

環の会で縁組をして迎えられた子どもの大半は、ありがたいことに幼少期からテリングをされていると思います。Youthの皆さんのテリングの感想など(テリングで育ってきた当事者の声①~⑥)を見てみると、成長をして年齢を重ねるにつれ、テリングされる側からする側へと変化をしているかと思います。

 

私はこれまで、テリングとはYouthの子が出自を理解し、受け止めることができたら、テリング成功だと考えておりました。

ですが最近、その先の、自らテリングを必要なタイミングで行うことができるようになること、それがテリング成功なのではないかと考えが変わりました。自分自身のことであると真に受け入れたからこそ、他者に話ができるのではないかと思います。

 

テリングは一生続くものかもしれません。ですがテリング=愛だと私は思いますので、育て親さんには一歩ずつ着実なテリングの実施をお願いしたいです。



環の会はテリングをしながら子どもと向き合っていくことを、育て親さんにお伝えしています。

そこで、環の会のテリングで育ったYouthの会(成人した養子当事者)のメンバーが友だちや恋人に対してするテリングについて聞いてみました。

 

■Sさん

基本的に他者に対してテリングを行っていない。自身がテリングを日常的にされてこなかったことが主な要因。個人的に“隠すべきこと、話すべき内容ではない”と無意識に捉えてしまい、ネガティブな印象があるため。

 

また、事情を知らずに養子に関わる質問をされた場合は、相手側の反応を考慮し、実子の体(てい)で回答するという対応をしてしまっている。

 

■Mさん

高校生ぐらいから友だちに言うようになった。

 

「姉と似ていない」と言われたとき、自分の中で、産みの親に対して何も感じなくなったので言おうと思った。「え、家族誰とも血繋がってないの?」という反応だった。

 

 

■Bさん

私は自分の生い立ちについて自分から話すことはないものの、隠しているわけではないので聞かれたら答える、という考え方です。

 

高校生の時に友だちと出身や家族の話になったのでテリングをしたところ、「複雑な話をさせてごめん、苦労したんだね」という反応をされました。



環の会はテリングをしながら子どもと向き合っていくことを、育て親さんにお伝えしています。

そこで、環の会のテリングで育ったYouthの会(成人した養子当事者)のメンバーが友だちや恋人に対してするテリングについて聞いてみました。

 

■Sさん

あまり周りには言っていません。

しかし、数年付き合って同棲している彼氏に最近伝えました。将来のことを考えたとき、伝えておかないといけないと感じたからです。

相手は、驚いている様子もなく全て受け止めてくれました。

 

■Rくん

別に隠すことだと思っていないけど、言いふらすことでもない。遺伝とかの話になった時にしている。

 

将来、ハゲてしまわないか、という日常会話の中で、遺伝的傾向に話が及ぶ。その際、「大当たり確定親ガチャの引き直しをした」と伝えている。

こちらもかなりポップに話をしているので、相手にダメージや気まずさがあったことはほとんどない。

 

■Nくん

自分の仲のいい人には自分について知ってもらいたいので、知ってもらいたい人にはテリングしています。

周りの反応は、「大変だね」や「面白い経験だね」など人によって様々です。ひとつの他者の人生経験として、知ってよかったと思ってもらえていたら嬉しい、と思っています。



環の会はテリングをしながら子どもと向き合っていくことを、育て親さんにお伝えしています。

そこで、環の会のテリングで育ったYouthの会(成人した養子当事者)のメンバーに、テリングについて思ったことを聞いてみました。

 

■Yさん

テリングは絶対にしてください。

これは、私たち「Youthの会」が、育て親の皆様に最も伝えたいメッセージです。

 

テリングについて、不安や心配事もあるかもしれません。ある程度子どもが大きくなれば、反抗期を迎え、「こんな家に来なければよかった」と言われることもあるかもしれません。

「飽きてきた」とのコメントもありますが、私自身もまたその話かよ、と親の話を聞き流したことは、一度や二度ではありません。

それでも、どうかテリングはし続けてください。

 

テリングが出来ていないといった家庭もあるかもしれません。

迎えたその日からするべきテリングです。今できていないのは確かに遅い。遅いですが、もう手遅れということはありません。

 

これからも私たちは、様々な思いや経験を発信していきます。お会いして、お話できる日を楽しみにしています。