(※それまでは新聞屋に住み込んで、新聞配達をしながら学生をやっていたため、自分で賃貸アパートを借りる必要はなく、また、部屋が与えられていたとはいえまともな鍵もついていないような部屋だったため、他の住み込みで働いているメンバーがノックもせず入ってこられるような環境でした。)
初めて借りたアパートの家賃は月2万5千円。
駅から徒歩15分くらいで風呂なしトイレ共同とはいえ、一応23区内にありましたので、信じられないくらい安い物件でした。
安かったのにはもちろん理由がありました。
何といっても(大家さんには申し訳ありませんが)、物件がもう本当に古くて、かつ日当たりが究極的に悪くて、置いてあったものが次々とカビてしまうのです。
間取りは4畳半一部屋のみでした。
ドアを開けて入ると、半畳くらいの玄関スペースというか下がコンクリートになっている部分があり、そこで靴を脱いで部屋に上がるわけですが、実はキッチンがその玄関スペースについていて(当然ものすごく小さくて汚いです)、もしもキッチンを使うならば、靴を履いて使う必要があるのです。
もっとも、そこで料理をしたりすることはまず考えられず、何しろ食器をそこに置いておくとあっという間にカビてしまうので、お茶を入れるのさえ嫌になる環境でした。
そのキッチンと玄関スペースを照らすのは、薄暗い裸電球が一個ぶら下がっているだけで、非常に気味が悪い空間でした。
とにかく、その当時でさえおそらく築40年以上の、いつ取り壊してもおかしくない古い物件でした。
なお、自分がそこを退去するときに大家さんは「多分もう当分は次の入居者は決まらないと思うんだよね。。」とこぼしていました。
当然、今もその物件が残っているとは到底考えられず、きっと自分が退去して間もなく取り壊されたものと思っていました。
その後あの物件はどうなったのだろう、今ではどんなに綺麗なマンションに建て替えられたのだろう、いやもしかしたら駐車場にでもしてしまっただろうか? などと思っていました。
しかし実際にその周辺に立ち寄る機会は、退去以来一度もありませんでした。
それもそのはず、その最寄り駅(といっても上記の通り駅から徒歩15分くらいのところにありましたが)は、23区内ではおそらく3本の指に入るのではないかと思えるような、小さくてマイナーな駅であり、商店街みたいなものもなくて、その駅にそのあたりの住民以外の人が行くことは非常に限定的と思われる状況だったのです。
ところが、最近、突然その駅に行く用事ができました。
理由は通院でしたが、その治療院がその駅にあったことがまず奇跡でした。
せっかくの機会なので、帰りにそのアパートがあったたりまで行ってみました。
すると。。。
なんと、まだありました!

暗かったのでどのくらい建物が傷んでいるか、あまり確認できませんでしたが、当時の状態からあまり変わっていないような印象でした。
ちなみにその周辺の物件は、ほとんど新しいマンションや戸建てに建て替えられていました。
なぜかそこだけが、数十年前のまま、修繕した様子もあまりうかがえず、そのまま残っていたのでした。
また、部屋のあかりがついている部屋があったので、どうやら空き家ではなく、住んでいる人もいるようです。
・・そのアパートを見て、その頃の記憶が蘇ってきました。
機会があったら、その頃の様子も書きたいと思います。


