壱百満天原サロメ（ひゃくまんてんばら サロメ）さんは、ANYCOLOR株式会社が運営するバーチャルYouTuberグループ「にじさんじ」に所属するバーチャルライバーです。彼女は2022年5月21日にデビューを果たしました。にじさんじは通常、複数のライバーが同時にデビューしますが、サロメさんは史上初の単独デビューを果たしたライバーです。
サロメさんのキャラクターデザインは、イラストレーターの緜さんが担当しました。サロメさんの年齢は非公開ですが、20代であると言われています。誕生日も非公開で、身長は159cm、体重は47kgです。彼女の出身地は関西であり、その影響もあってか、関西弁が時折顔を出します。
彼女のファンは「サロメイト」と呼ばれ、親しまれています。サロメさんの一人称は「わたくし」、語尾に「ですわ」をつけ、笑い声は「オホホホ」といったお嬢様口調で話すという特徴があります。彼女の外見も黒と赤のドレス、縦ロールのロングヘアーなど、きらびやかな装いが目を引きます。
「お嬢様」を思わせる言葉遣いと容姿ですが、実際には「本物のお嬢様に憧れる一般家庭育ちの女性」と語られています。彼女の目標は「本物の100満点のお嬢様になること」であり、特徴的な縦ロールや口調は生まれつきのものだと述べています。
サロメさんはインターネットスラングやオタク知識を駆使しながら、お嬢様口調で話すキャラクターとしても特徴的です。高いトーク力と話題の引き出しの多さ、VTuberになじみがない人でも受け入れやすいキャラクター性、そして人間の個性やジェンダーに対する丁寧な向き合い方などによって、大きな人気を集めています。
サロメさんの情報が初めて公開されたのは、2022年5月21日です。初配信前には、にじさんじ公式Twitterの100万フォロワー突破記念や、別ライバーのYouTube登録者数100万突破記念に関連するのではないかとの予想がありました。そのため、ANYCOLOR株式会社の田角社長や、既存ライバー数人が正体であると噂され、高い注目を集めていました。
サロメさんの正体に関しては、田角社長説が一番話題となりました。彼女自身も配信のローディング画面で田角社長の姿に切り替わる演出を入れたり、鏡に映る田角社長の画像をツイッターに投稿するなどして、全力でその説をネタにしていました。初配信で女性の声が確認され、やっと田角社長が正体ではないことが明らかになりました。
初配信では自己紹介に加え、自身をよく知ってもらいたいという思いから住民票、履歴書、胃カメラの内視鏡画像などを公開しました。個人情報にかかわる部分は黒塗りされていたものの、その光景にコメント欄はざわつき、その日の最高同時視聴者数は9万人を記録しました。
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サロメさんは、初配信開始からわずか2時間ほどでチャンネル登録者数が10万人を突破する快挙を達成しました。初期の頃は「体力が持たない」という理由から、ゲーム配信は23時または24時に開始し、一時間程度で終了していました。また、ゲリラ放送や体を張った企画への参加は避けていました。コラボ企画への参加頻度も少なめでした。
サロメさんのライブ配信が他の配信者と比べて短めであり、スタート時間がいつも一定であったことが、社会人など忙しい人でも視聴しやすいという特徴がありました。このことから、配信時間の問題でVTuberの配信をリアルタイムで追えなかった視聴者層を取り込むことができました。
デビュー直後には「バイオハザード7」のゲーム実況を連続で行いましたが、同じゲームの配信を何日も続けて行うというのは異例のことでした。「バイオハザード7」の配信初回では、誤って続編の「バイオハザード VILLAGE」を購入していたことが判明し、改めて「7」をダウンロードしている最中に配信開始時間になってしまいました。
ゲームデータが大きいためダウンロードがなかなか終わらず、サロメさんは機転を利かせて白い日本地図に都道府県の名前を書いて埋めていくという配信を始めました。彼女の回答は間違いだらけで、最終的には自分のネーミングセンスに頼り新しく県の名前を創作するに至りました。
「バイオハザード7」の実況配信では「くっせえですわ」「きったねぇですわ」「おハーブですわ」などの名言が生まれ、可愛らしい声とお嬢様口調で、味噌汁を腐らせて汁が手につきにおいがなかなか取れなかったなどの、お嬢様らしからぬエピソードが語られました。
サロメさんは「ゲームは下手」「ホラーは苦手」と言いつつも果敢に挑戦する姿勢が視聴者から応援されました。彼女は急速に人気を集め、デビューからわずか17日後の6月7日にはYouTubeチャンネルの登録者数が100万人を突破しました。サロメさんは様々なネットニュースサイトに取り上げられ、デビュー後にはCMへの出演も増えました。
2022年10月16日には日清の完全メシCMに登場し、2023年1月23日には株式会社ヤクルト本社のヨーグルト商品「ソフール」の広告CMに起用され、女優の内田有紀さんと共演しました。さらに、2023年2月19日には「ソフール」のCMが作品別CM好感度調査で上位にランクインしました。
配信でプレイしたゲームの販売元からTwitter上で反応を貰ったり、ファンアートを提供されるなど、彼女の影響力は日に日に増していきました。2023年12月1日からは賀来賢人さんと共にケンタッキー・フライド・チキンのクリスマスCM「パーティバーレル『ずーっと一緒』」篇に出演しました。
初期のサロメさんを取り巻く環境は、まさに熱狂的な大ブームともいえるものでした。彼女自身にとっても、この状況は予想外だったようです。元々、新人デビュー発表時から様々な憶測が流れ、その正体を確かめようと大勢の人から初配信が注目されていました。そんな中、行われた初配信が、非常に面白いとSNSなどで拡散されました。
結果、初配信を見ていなかった人々も興味を持って集まりました。2020年頃から、外出を控え家の中で楽しめる娯楽が求められる風潮があり、VTuber全体の需要が伸びていました。しかし、まだVTuberを見たことがないという人も多くいました。そんな中、サロメさんは短時間で密度の濃い配信を行うことで新規層を取り込んでいきました。
サロメさんが、初期に配信時間を制限していたのは、戦略的なものか、本当に体力的な不安からかはわかりませんが、結果として忙しい視聴者にとって見やすい配信形態となり、人気を伸ばす結果となりました。サロメさんは、急激に大人気になってしまったことに対する戸惑いを、配信内で語る事もありました。
サロメさんは、デビューからとんとん拍子に人気が出たことについて、これまで大変だった人生の分を取り返しているのか、それとも残りの人生の運を前借しているのかわからないと話し、また、飛行機が家に突っ込んできて死ぬのではないかと不安を感じているとも述べました。
視聴者の中でサロメさんの偶像的イメージが出来上がり、本当の自分を見せると失望されてしまうのではないかという不安から、本当の自分を見せずに活動を続けた方がいいのかもしれないと悩んだこともあったようです。その後、活動を長く続けたいという思いから、本当の自分を見せて、自分の好きにやらせてもらうと決めたようです。
熱狂的ともいえる大ブームは落ち着き、YouTubeのチャンネル登録者数は初期のような爆発的な伸びはなくなりました。配信をリアルタイムで見る視聴者の数（同時接続数）も激減したため、「同接が激減して、以前よりも人気が落ちた」という声もあります。
視聴者からは、サロメさんが配信用に選ぶゲームが視聴率が取れそうなものを選んでいないことや、活動量をセーブしていることなどから、自分のやりたいように活動し、細く長く続けるつもりではないかと考察されています。
デビュー当初に比べて同時接続数が減っていることについて、視聴者に聞かれたときには、サロメさんは「ここからがスタートだと思っている。もっと自分のことを好きになってもらいたい」と答えました。初期の爆発的なブームを見に来た大勢の人々の中から、本当のファンが残り、現在は安定した状態になっています。
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