ダイエット ~ファスティングか食事エネルギーを抑えるか 効果的なのはどっち?~ | 最新科学の栄養学と医学が教える!ヴィーガン・ベジタリアンの健康の秘訣と注目トピック解説

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病院で健康相談を担当するベジタリアン栄養学博士が科学的根拠を基に栄養学と医学的トピックをお知らせします。
みなさまの健康への一歩を応援します。

ダイエットには、

 

食べるエネルギーを減らせばよい、  というのはわかりますが、

 

ファスティング(お昼を食べないなど、食事を抜く)とどちらが効果的なんでしょうか?

 

 

 

 

13の研究を検討した結果、

 

今のところ、エネルギー摂取量が同じなら、

 

1日のエネルギー摂取量を抑えるのも

ファスティングも

 

効果はほぼ同じ、ですが

 

ファスティングの方が少しだけより効果が高いようです。

 

ファスティングの方法

 

そのファスティング方法ですが、次の2つがお勧めだそうです。

 

一つ目は、5:2食:1週間のうち、連続しない2日間はファスティング(絶食)し、残りの5日間は一般的な食事摂取をする。

 

例えば、月 ファスティング

    火 普通

    水 普通

    木 ファスティング

    金 普通

    土 普通

    日 普通

 

ということです。

 

ファスティングの日には、必要なエネルギーの20%から25%を食べることができます。

 

必要な1日のエネルギー量が1600kcalとするなら、

 

 1600kcal×20%=320kcal

   1600kcal×25%=400kcal

 

なので、320~400kcalをファスティングの日に食べてもOK、ということです。

 

 

もう一つは、

時間制限食:食事の時間を8時間~12時間に制限し、その他の時間は水やノンカロリーのコーヒー・紅茶のみで、12〜16時間絶食します。このように時間を24時間周期で繰り返す方法。

 

例えば、朝7時に食事をしたら、15時~19時までに1日最後の食事を済ませ、

    19時以降は翌日の朝7時まで、水やノンカロリーのコーヒー・紅茶以外の物は食べない、

 

といったファスティング方法です。

 

 

 

以上の2つの絶食方法、減量を考えている人は、試してみては!?

 

 

 

ファスティングについて関連記事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

専門的にもっと知りたい人は、以下をご覧ください。

 

参考論文要約

背景: 断続的断食(IF)は、1日のカロリー制限(DCR)に代わるレジメンとして支持されている。
そのため、非伝染性慢性疾患の代謝リスク因子に対する等カロリーIFとDCRの効果を検討したランダム化比較試験のシステマティックレビューが必要である。
目的: 過体重および肥満の成人において、非伝染性慢性疾患の代謝リスク因子に対する等カロリーIFとDCRの効果を系統的に検討すること。

 

方法: 5つのオンラインデータベース(PubMed、Scopus、Web of Science、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Google Scholar)を用いて、2000年1月から2022年4月までに発表された論文を検索した。
無作為化対照/比較試験のための更新されたCochrane Risk of Bias Assessment toolを使用して、含まれる研究のバイアスのリスクを評価した。
このレビューには、8週間継続する過体重および肥満の成人において、IFとDCRの間でエネルギー摂取量を一致させ(アイソカロリー)、肥満、糖尿病、心血管疾患、がんに関連する危険因子を評価した無作為化対照/比較試験が含まれる。

 

結果: IFとDCRのエネルギー摂取量(アイソカロリー)を一致させた13のランダム化比較/対照試験が確認された。 
体重減少、糖尿病、心血管疾患、がんの代謝性リスクマーカーに対するIFの効果 は多様だったが、概ねDCRと同等であった。
IF(4:3および5:2食*)はDCRよりも、2つの試験でインスリン感受性を改善する 点で優れていた。
IF(5:2食、時間制限食)の方がDCRより体脂肪の減少が有意に大きいことが、等カロリー食の2つの試験で明らかになった。

 

結論: エネルギー摂取量を一致させた場合、IF介入はDCRと比較して、体重減少および慢性疾患リスク因子に対して同様の有益な効果をもたらした。
非常に限られたエビデンスは、IFが脂肪減少およびインスリン感受性に対してDCRよりも効果的である可能性を示唆しているが、現在のエビデンスに基づいて結論を出すことはできない。
非伝染性慢性疾患予防のためのIFレジメンの潜在的な効果をさらに明らかにするためには、より大きな集団とより長い期間を用いた将来の臨床研究が必要である。

 

 

 

研究課題
エネルギー摂取量が同じ場合、間欠的ファスティング(IF)は、毎日のカロリー制限と比較して、非伝染性慢性疾患の一次予防および二次予防に有効な食事法か?

 

主な発見: このシステマティックレビューでは、エネルギー摂取量を一致させた場合、等カロリーIF介入と毎日のカロリー制限は、過体重または肥満の個人における体重減少および慢性疾患に関連する代謝リスク因子に対して比較的同様の有益な効果をもたらしたことを等カロリー食を対象とした13の研究結果で示した。
しかし、非常に限られたエビデンスによると、エネルギー摂取量が食事間で同じ場合、脂肪減少とインスリン感受性に対して毎日のカロリー制限よりも、IFは効果的である可能性がある。

 

 

*最もよく研究されているIFアプローチには、時間制限食(TRE)、断続的カロリー制限(ICR)があります。
TREは、通常、食事の時間を8時間から12時間に制限し、絶食させる。水とノンカロリーのコーヒー・紅茶のみで、12〜16時間。時間を24時間周期で繰り返す。
ICRは、カロリー制限とより一般的な食事摂取の両方を繰り返すものである。
交互断食(ADF)、4:3食、5:2食は、ICRレジメンの一例である。
ADFでは、断食日に必要なエネルギーの25%以下の摂取を推奨し、その後、摂取カロリーを制限することなく自由食をする。
断食日数を週3~4日で交代するADF方式とは異なり、4:3方式では、断食は週3日非連続で実施する。5:2食では、1週間のうち連続しない2日間は絶食し、残りの5日間は一般的な食事摂取に従います。この断食法では、断食日に必要なエネルギーの20%から25%を消費することができます。

 

The Effects of Isocaloric Intermittent Fasting vs Daily Caloric Restriction on Weight Loss and Metabolic Risk Factors for Noncommunicable Chronic Diseases: A Systematic Review of Randomized Controlled or Comparative Trials

J Acad Nutr Diet. 2023;123(2):318-329.

 

 

The Effects of Isocaloric Intermittent Fasting vs Daily Caloric Restriction on Weight Loss and Metabolic Risk Factors for Noncommunicable Chronic Diseases: A Systematic Review of Randomized Controlled or Comparative Trials

J Acad Nutr Diet. 2023;123(2):318-329