野菜から食べるとやせる?!
という話がひところ話題になりました。
野菜🥦から食べる「食べる順番」療法は
もともと糖尿病の食事療法の患者さんへの指導から始まったようです。
従来の糖尿病の食事療法ではエネルギー制限が主でしたが、
それを食べる順番を重視して血糖値の急上昇を抑え、
その結果インスリンの出る量、
消化吸収に影響を与えて血糖値の改善をする、
という食事療法です。
ご飯の前に野菜サラダ
ご飯を先に食べるよりも
野菜を先に食べたほうが血糖値が急速に上がりにくく
上昇幅も抑えられている
ことが以下のグラフに示されています。
健康な男女10名を対象に、
ドレッシングをかけたキャベツのサラダを食べてから白米ご飯を食べた場合と、
その逆の順番で食べた場合について
血糖値を比較したところ、
サラダから食べると血糖値の急上昇が抑えられました。
金本郁男 他. 糖尿病. 2010; 53(2): 96-101.
野菜に含まれる食物繊維が、
糖質、脂質、タンパク質の消化吸収を遅らせ、
食後血糖値の上昇を抑えることでこんな効果が出る、
と考えられています。
他の同様の研究の患者さんでは、
野菜から食べる食事療法を長期間続けると、
野菜の摂取量が増え、
最後に摂取する炭水化物量が減り、
また、副食だけを食べきるため料理の味付けが薄くなり、減塩による血圧低下作用も見られたそうです。
血糖値が下がるとほんとにやせるの?
野菜から食べ血糖値がさがるのとダイエットがどう関係するか、というと
血糖値が上昇する
↓
インスリンも血糖値上昇に伴って上昇する
このインスリンには脂肪を体に貯める働きがあるため、
インスリンの出る量を抑えることがダイエットにもつながる、
と言われています。
一般的に話題になっている、というのは、
食べるエネルギー量でなく、
同じものでも食べる順番でやせ効果が得られる!
ということのようです。
ご飯の前に肉・魚
お肉やお魚を先に食べると、ご飯を先に食べるよりも食後の血糖上昇が抑制されることが示されています。
2型糖尿病患者さんを対象に、
ご飯とおかず(サバの水煮、網焼肉)を食べる順番により食後の血糖値の上がり具合などに差が出るかを確認したところ、
おかずから先に食べた方が血糖値の上がり具合が抑えられるという結果になりました。
Kuwata H et al. Diabetologia 2016; 59(3): 453-461.
関西電力病院 総長 清野 裕 先生監修 患者さんのための糖尿病ガイド
「どうしても一歩踏み出せないあなたへ 今日から始める食事と運動」 より
糖尿病の食事療法を実際にどう指導しているか、については、以下のサイトをご覧ください。
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参考文献
関西電力病院 総長 清野 裕 先生監修 患者さんのための糖尿病ガイド 「どうしても一歩踏み出せないあなたへ 今日から始める食事と運動」 より
今井 佐恵子 「野菜から食べる「食べる順番」の効果」
http://www.osaka-eiyoushikai.or.jp/whats_new/pdf/wn_112.pdf
Diet Magazine
http://dietmagazine.net/675.html#i-4
アンチエイジングの神様
https://antiaging.akicomp.com/?p=6382
2023/7/28公表