『世渡りの秘訣』第45条「調子に乗っても踏み外すな」
調子も弾みもない人間位面白くないものはない。まるで聖人か鈍人のように落着き払っていては、誰も相手にしてくれない。1人が笛を吹いたら、こちらは唄い、又は踊って調子を取ってこそ、人生も楽しく、張合いがある。幾人もの人間が調子よく、弾みを食って仕事をしてこそ能率も上がる。いくら調子者でもいいのである。急所さえ踏み外さなければ、何もしないで偉そうにしている人間より余程ましである。「有能よりも、有用であれ」有能ぶって頭で考え、あれが問題、これが障害、と能弁を振るう。自分でやりもしないのに、解ったような口をきく。こんな人間が多すぎるのではないか。まずは、自分でやってみよう。批評・批判はそれからだ。「教養とは単なる物知りや高い教育ではない。 真の教養とはいかなる条件の中にあっても、 自己の尊厳をくずさず相手の立場を理解して これに善処し得る能力である。 この能力あってはじめて、一切のものを生かし、 相互に生活を豊かにし、生きる悦びを享受し 得るのである」(池田敏子『人に好かれる法』山見博康編)