16冊目の著作
『小さな会社の広報・PRの仕事ができる本』(日本実業出版社)
を上梓し、先週より全国の書店に並び始めました。
【目 次】
はじめに
■序章:小さな会社ほど広報しなければならない
Ⅰ.ある新商品を抱えて独立したあなたは、何をしますか?
(1)ビジネスの原点は「行商」・・・報せなければ買って頂けない
(2)報せる方法には色々あります
(3)小さな会社の弱点を知りましょう
Ⅱ.自分を売り込めない人に、会社も商品も売り込めません
(1)自己紹介がすべての原点! 自己紹介10か条
(2)自己紹介の実践演習(3分考え、1分で言う)
Ⅲ.なぜ有名にならなければならないのかを明確に理解しましょう
(1)広報・PR活動の意義とは
(2)尊敬される人と会社は一致します
Ⅳ.人も会社も情報で生きていることをよく認識しておきましょう
Ⅴ.広報は身嗜み演出家です
(1)記事と広告とはここが違います
(2)汲めどむ尽きぬ「情熱費」を溢れさせましょう
(3)広報はライバルとの“情報の闘い”
(4)どの位お化粧するのか?に、会社の有り方が現れます
■第1章広報・PR業務の大まかな流れ
Ⅰ.プレスリリースなくとも広報できる! “プレスリリース第一”は大間違い
Ⅱ.最初に、やるべきこととは
(1)先ず、社長にテーマ(切り口)を訊いておきましょう
(2)USP(独自の売り、特長)とUDP(差別点)は何か?をまとめましょう
(3)条件付USP/UDPでいいのです
Ⅲ.記者の質問を予測して答を考えよう
(1) 6W5Hで質問を予測しましょう
(2) 回答も考えましょう
(3) 「ご取材用資料」と記すこと
Ⅳ.どんなメディアに露出を図りたいか、露出できるかを考えましょう
Ⅴ.電話する・・・担当記者にコンタクトしてみましょう
(1)どこに電話したらいいのでしょうか?
(2)電話に出た人は、次の2通り
(3)記者に何を話すのでしょうか?
(4)取材が決まったら、準備を万全にしましょう
Ⅵ.取材してもらうと記事になります
(1)取材中の対応と心構えとは?
(2)取材後の対応とは?
(3)原稿をチェック出来るのでしょうか?
(4)お礼の仕方とは?
(5)後追い取材にきちんと対応・・・一粒で二度も三度も美味しく!
■第2章:メディアを良く知りましょう
Ⅰ.メディアにはどんな役割と機能があるのでしょうか?
Ⅱ.メディアにはどんな種類があるのでしょうか?
(1) 新聞
(2) 通信社
(3) テレビ
(4) ビジネス誌
Ⅲ.メディアと会社との関係を理解しておきましょう
(1) 伝える代理店に頼みましょう
(2) どんな人もメディアの役割を果しましょう
Ⅳ.記事が出来る迄と組織を理解しましょう
(1)記事が出来るプロセスはメーカーと同じ!
(2)記事は、“歴戦の勇士・名誉の勲章”
(3)メディアの組織を理解しておきましょう
(4)メディアには〆切があることを覚えましょう
Ⅴ.記者は有難い人。記者との付き合いはどうしたらいいでしょうか?
(1)記者はどんな人でしょうか?
(2)記者に好かれる人になりましょう
■第3章:どんなネタが取り上げられるのでしょうか?
Ⅰ.記者の興味を惹くニュースネタとは何でしょう
(1) ニュースには価値が要ります
(2) 記者はどんなネタを探しているのでしょうか?
(3) ネタはキーワードで見つけましょう
(4) 特別なネタがない場合でも、何とか工夫しましょう
(5) 少ないネタで多くの露出を図るには?・・・1粒で5度美味しい!
(6) 小さな会社では、誰が広報を進めるのがいいのでしょうか?
Ⅱ.メディアに取り上げられるには、どんな方法がありますか?
(1) 個別取材をお願いするにはどうすればいいでしょうか?
(2) 取材申込みを受けたら、どう対応したらいいでしょうか?
(3) 一斉発表=プレスリリース配布とはどういうことでしょうか?
(4) 記事の出し方には、3つ+2つあります
Ⅲ.小さな会社から、取材要請する方法を具体的に教えて下さい
(1)取材要請には2通りの場面があります
(2)適切なメディア(記者)を選びましょう
(3)ケーススタディ A) の場合
(4)ケーススタディ B) の場合
Ⅳ.取材申込みを受けたいのですがどうしたらいいでしょうか?
(1) どんなきっかけで取材申込みが入るのですか?
(2) つながりを増やしたい小さな会社の日頃の心構え
Ⅴ.取材申込みを受けたらどうすればいいですか?
(1) メディア確認
(2) 取材テーマ確認
(3) 希望取材対象確認
(4) 取材日時・場所確認
(5) 取材面談実施
(6) 面談後フォロー
Ⅵ.一斉発表はどうすればできますか?
(1)全メディアにプレスリリースを一斉配布・配信する
(2)記者クラブへプレスリリースを一斉配布+他のメディアへも配信する
(3)全メディアを一同に集めて記者発表+プレスリリースを配布・配信する
(4)「お知らせ」(ニューズレター)として全メディアへ配布・配信する
(5)インフルエンサー(ブロガー他)へのプレスリリース配布・配信する
(6)記者クラブとは何でしょうか
(7)小さな会社にもやれるイベントの方法
Ⅶ.小さな会社がメディアに売り込む法
(1)取材要請が第一プレスリリースは第二
(2)記者人脈を増やすにはどうすれがいいでしょうか?
(3)メディアの選び方のポイントは?
(4)メディアに直接電話しましょう
(5)ケーススタディ:「取材要請」・・・ある商品をどうしても記事にしたい場合
■第4章:プレスリリースを活用しましょう
Ⅰ.プレスリリースとは何かを理解しておきましょう
(1)プレスリリースは、どんな場合に必要でしょうか?
(2)プレスリリースは、“アート”=自分の作品です
(3)書くべき事、伝えたいこと網羅
(4)プレスリリースの作り方は、7つのキーワードで!
(5)ビジネス文書は、6W5Hを肝に銘じる
Ⅱ.小さな会社でも簡単に書けるプレスリリースの書き方を学びましょう
(1)独創的レイアウトでもう一つの商品に
(2)プレスリリースの基本形
(3)「テンプレート枠」を確定しましょう
(4)タイトルをつけるコツ
(5)リード部分の書き方
(6)本文の書き方
(7)自画自賛したら、バックデータを
(8) 戦略的表現を工夫しましょう
(9) 資料をできるだけ揃えましょう
Ⅲ.メディア別プレスリリースの書き方のヒントから学びましょう
(1)新聞・通信社に、取り上げられ易いプレスリリースのヒント
(2)ビジネス誌に、取り上げられ易いプレスリリースのヒント
Ⅳ.テレビに、取り上げられる秘訣
(1)テレビマンが求めるテーマとは?
(2)テレビ向けプレスリリースの書き方のコツ
(3)番組制作の流れ
(3)プレスリリースがテレビに取り上げられるには・・・王道こそ近道
Ⅴ.広報活動を戦略的に考え、実施するプロセスを学びましょう
(1)USP/UDPは何か ?
(2)狙いは何か? どこがターゲットか?
(3)広報の方法はどんな戦略か?
(4)どんな切り口か?:
(5)どんな内容・表現か?:
(6)タイミングをいつにするか?
(7)どのメディア(記者)か? どの範囲のメディアに配信するか?
(8)個別取材後 or プレスリリース配信後 のフォロー
(9)記事化後のフォロー
Ⅶ.プレスリリースを適切にメディアに届ける法
(1)プレスリリースを届ける5つの方法
(2)プレスリリースを送る時の留意点
(3)新聞・通信社へのアプローチ法
(4)雑誌へのアプローチ法
(5)テレビへのアプローチ法
■第5章:ウェブ・ITを広報に大いに活用しましょう
Ⅰ.ネットを広報に活用する方法
Ⅱ.自社ホームページは必要でしょうか?
(1)自社ホームページは会社の顔
(2)自社ホームページを充実する
・・・選ばれるHP戦略
(3)プレスリリースを自社HPに即時アップ
Ⅲ.プレスリリースをネットで無料配信
(1) プレスリリース無料掲載サイトを有効に利用しましょう
(2) 自社商品・サービスの関連ジャンルから対象サイトを見つけて配信しましょう
Ⅳ.プレスリリースのプラットフォーム会社等を活用しましょう
(1) Web版記者クラブ「プレスリリースプラットフォーム」(PRP)
(2) Newa2uリリース+M(プラスエム)
Ⅴ.小さな会社を支援するPR会社とプレスリリース配信会社の上手な選び方を学ぶ
(1)小さな会社を支援するPR会社の役割と選び方
(2)プレスリリース配信会社の選び方
Ⅵ.プレスリリース配信後のフォローの仕方
(1)配信後の問合せにきちんと対応
(2)個別コンタクトの具体的プロセス
(3)プレスリリース送付後、フォローの電話の話し方
Ⅶ.小さな会社がいかにネットを活用できるか考えましょう
(1)小さな会社はネットを活用しましょう
(2)ネットメディアは小さな会社に有利
(3)ネット活用にはモラルが大切・・・ガイドラインを設けましょう
(4)社長ブログを発行してみましょう
(5)インフルエンサーInfluencer(影響力ある人)に協力してもらうこととは?
(6)Twitterやブログが炎上しないように
(7)ネットを広報活動に生かすには?
(8)ブログやツイッターに波及しやすい情報はどんなものですか?
(9)独自のアンケート調査をうまく活用
■第6章:地方の会社は地元でのブランド化から始めましょう
Ⅰ.ブランドの基本を学びましょう
(1)ブランドとは何でしょうか?
(2)ブランディングで顧客を深化させる
(3)ブランド化には順序があります
(4)知名度・ブランドイメージアップへの広報活動を強化しましょう
(5)自分ブランドを高めましょう
Ⅱ.地方での露出を第一にして、ブランド化する方法
(1)地方で露出する具体的方法
(2)個別取材要請する方法には3つある
(3)地方で個別取材要請する具体的方法
(4)一斉発表も効果的です
(5)地方での情報発信時の留意点
(6)地方自治体や学校などの知名度アップ
Ⅲ.小さな会社が首都圏で知名度を上げるには
(1)まず、地方でブランドになる
(2)首都圏に関連したネタや全国ネタを探しましょう
(3)首都圏で特に露出したい場合・・・個別取材要請
(4)プレスリリースしてみましょう
(5)その業種・業界でブランド化する
■第7章:小さな会社の成功事例
Ⅰ.(株)ハミューレ(北海道札幌市)・・作業用品店チェーン地方から全国へ
Ⅱ.(株)メタル便(千葉県浦安市):異形物小口配送で業界に新風。不況時に急成長
Ⅲ.(株)LUPINUS(千葉県千葉市)・・・ヨット世界航海者がビジネスでも世界へ
Ⅳ.(株)日本エレクトライク(神奈川県川崎市):電気三輪自動車実用化へまっしぐら
Ⅴ.(株)トリンク(静岡県浜松市):ホコリと静電気ドクターが世界の常識を変える
Ⅵ.(有)クリーンブラザーズ(大阪市)・・・「缶詰バー」フランチャイズ着々と全国展開へ
Ⅶ.ラピュタファーム(福岡県田川郡)・・・「果樹園+レストラン」の地方農家のブランド化
■第8章:主要メディア幹部から小さな会社へのお誘い
Ⅰ.業界紙・専門紙(誌)から
(1) 素材・鉄鋼:日刊鉄鋼新聞
(2) 化学:化学工業日報
(3) 環境関連:環境新聞
(4) 機械全般:機械新聞
(5) 建設・建設機械:建設通信新聞
(6) 農業・一次産業:日本農業新聞
(7) 自動車:日刊自動車新聞
(8) 繊維・アパレル:繊研新聞
(9) 輸送:輸送経済
(10) 電機・電力:電波新聞
Ⅱ.産業経済紙から
(1)産経新聞、フジサンケイビジネスアイ、
(2)日刊工業新聞
(3)日経産業新聞・日経MJ新聞
Ⅲ.地方紙・県紙から
(1)北海道:室蘭民友
(2)東北:河北新報
(3)北陸:新潟日報
(4)北関東:下野新聞
(5)首都圏:千葉日報
(6)首都圏:神奈川新聞・
(7)中部:静岡新聞
(8)近畿:京都新聞
(9)近畿:神戸新聞
(10)中国:山陽新聞
(11) 四国:高知新聞
(12) 九州:宮崎日日新聞
Ⅳ.ブロック紙
(1)首都圏:東京新聞
(2)名古屋・東海:中日新聞
(3)九州・本州西部:西日本新聞
Ⅴ.テレビ・・・地方局
(1)北海道:テレビ北海道(TVH) (TX)
(2)東北:青森テレビ(ATV) (TBS)
(3)東北:東日本放送(KHB) (EX)
(4)北陸:テレビ金沢(KTK) (NTV)
(5)中部:長野放送((NBS) (CX)
(6)名古屋・東海:名古屋テレビNB(EX)
(7)関西:テレビ大阪((TVO) (TX)
(8)四国:西日本放送((RNC) (NTV)
(9)中国:中国放送((RCC) (TBS)
(10) 福岡:福岡放送(FBS) (NTV)
Ⅵ.通信社
(1) 共同通信
(2) 時事通信
Ⅶ.全国一般紙
(1) 朝日新聞
(2) 大手全国紙
Ⅷ.テレビ・・・キー局
(1) 日本テレビ
(2) TBSテレビ
(3) テレビ朝日
(4) フジテレビジョン
(5) テレビ東京
Ⅸ.ビジネス誌
(1) 日経トップリーダー
(2) 日経ビジネス
(3) 週刊東洋経済
(4) 週刊ダイヤモンド
(5) プレジデント
Ⅹ.夕刊紙
(1) 日刊ゲンダイ
(2) 夕刊フジ
巻末付録
1. 記者クラブ一覧表
2. 主要業界紙一覧表
3. 主要地方紙一覧表
4. 主要テレビ地方局一覧表
5. プレスリリースの基本形
6. 小さな会社支援に長けたPR会社の自己PR
7. 無料配信サイト一覧表
8. 有料配信サイト一覧表
初めに
ある日、総務で採用を担当していたあなたのデスクの近くに、社長がやって来て、
「今度開発に成功した商品のことなんだが、新聞に載らんかなぁ?」
と呟いたのです。これまで業界新聞への広告しか出してなかったからです。
「え! 社長何か言われましたか? “新聞”がどうかしたのですか?」
とあなたが、小首を傾げつつ問い直すと、
「そうだ! 君がいい。「広告と違って、記事はタダというじゃないか!君が広報を少し勉強して、この新商品を記事にしてくれないか?」
と社長は、思いついたように、そう指示したのです。
さあ、こんな時、あなたはどうしますか? いや、社長もどうしてよいか判らないに違いありません。・・・・・。
このような状況のあなたや社長のために、この本を書きました。つまり専任の広報・PR担当者がいない100人以下の小さな会社に向けた「広報・PRのキモ」を解説する1冊です。
もちろん、基本は、企業規模を問わず同じですが、本書では、小さな会社に特化して、その個々の悩みを痒い所まで気を配り、判りやすく図解してまとめたものです。
“広報”の二文字は最近一般語になってきました。女子大生の人気職種のナンバーワンになり、常に上位を占めています。特に2012年上梓の『空飛ぶ広報室』(有川浩著幻冬舎)がベストセラーになり、今年TBSでドラマ化されたのを機に、“広報”は正にメディア自身による広報によって、知名度アップ! 今や知らない人はいないと言えるでしょう。
原作者の有川さんに感謝したいのは、同書の巻末付録に記された参考図書5冊中、何と3冊が拙著! その1冊が、本書の姉妹本で今最も好評の『この1冊ですべてわかる広報・PRの基本』なのです。
“広報”の重要性は、危機において更に高まっています。東日本大震災や近隣諸国からの国家レベルの危機から企業組織や個人の危機まで 特に“危機への対応”に関する“広報”がメディアの話題にならない日はないと言える程です。
私は、去る4月『企業不祥事・危機対応広報完全マニュアル』(自由国民社、佐々淳行氏推薦)を上梓し、そんな状況への適切な対応を学びたい読者のご要望に応えています。
“広報”は、それ程常識的な言葉ですが、その真意についてどの位理解されているのでしょうか? 皆さんは、次の“5つの常識”に賛成ですか?
1.広報は、プレスリリースを作成して、配信する仕事だ!
2.プレスリリースは、記者が喜ぶものだ!
3.広告は金がかかるが、広報はタダだ!
4.広報は、メディア(記者)との付き合いをうまくやればいい!
5.危機には、広報の初期対応が大事。それさえしっかりやれば凌げる!
現時点での答がどうであれ、本書を読み進むにつれ、広報の真意が掴め、自然とその答がお分かりになることでしょう。私の考えをご理解頂ければ、広報に関する新たなご興味を抱かれるようになると期待しています。
本書の狙いは:
1.ほとんど知名度がない小さな会社ならではの広報の方法を指南したい
2.小さな企業の広報・PRにおいて、必ず押さえておくべきポイントを解説したい
3.プレスリリースを作らなくても記事にできる方法を伝授したい
4.小さな会社の多彩な成功事例をつぶさに明示したい
5. 主要メディア幹部から小さな会社へのメッセージを掲載したい
本書は:
● すべて私が、実際に体験・実証したノウハウを理論に落とし実践的に紐解いている
● すべて私が、実際に支援してきた人達の生の声が中心である
● すべて私が、直接関わり、多汗でまとめたリアルな内容である
本書により:
▽本書を読めば、小さな会社の広報初心者にも、記事にする方法が手に取るように判る
▽本書を使えば、小さな会社の広報初心者でも、記事にしたいニュースを記事に出来る
▽本書を辿れば、小さな会社の広報初心者から、広報・PRのノウハウが身に付く
▽本書を学べば、小さな会社の広報初心者さえ、優れた広報・PR担当になれる
創業の夢・志を基点に将来ビジョン・経営戦略を、責任と自信をもって語ることができる人物はトップ以外にはいません。しかし、同時に、社員一人一人が目の前の顧客一人一人に対して、好印象を持ってもらうことを全社を挙げて実践しなければ、トップの想いも実現しないことは明明白白です。
お読みいただきたい方:
① これから広報PRに注力しようとする小さな会社の経営者
② 小さな会社で一人で広報PR担当を任された方
③ 広報PRに魅力を感じて、PR会社や企業のPR担当へ転職を考えている方
④ 広報PR経験者でも、改めて本質から勉強し直したい方
⑤ 広報PRを素養として身に付けたい上昇志向の管理職や一般社員
⑥ 広報PRを志す学生諸君
そこで、本書では、一貫して自分と会社を一致させ、自分に引き戻して考えながらお読み頂きたく存じます。
さぁ、第1ページを開きましょう・・・。
2013年9月
広報PR・危機対応コンサルタント 山見博康
おわりに
次の3段論法を噛みしめ、肝に銘じましょう。
1.顧客価値のない会社は、記者に喜ばれない 顧客価値を出し続ける会社は、記者に喜ばれ
る
2.記者に喜ばれない会社は、記事にならない 記者に喜ばれる会社は、記事になる
3.記事にならない会社は、 生き残れない 記事になり続ける会社は、永続繁栄する
どうですか? 何がニュースなのか? 何をしたらいいのか? が分かってきたのではないでしょうか。急に広報するように、言われても大丈夫ですね。
▽本書を読んで、ニュースネタをどしどし探し出し、創り出しましょう
▽本書を使って、ニュースネタを望みのメディアに積極的に提供しましょう
▽本書を辿って、色んな広報・PRのノウハウが身に付け、多彩な広報活動を実践しましょう
▽本書に学んで、優れた広報・PR担当者になりましょう
“広報はプレスリリースと配信”というように皮相的に捉えてはいないでしょう。広報活動は、記者に「いい仕事をしていただく仕事」、ハイテク=High Technologyが重視される世の中にあって、記者との人間的なつながりつまりヒューマンタッチHuman Touchを重んじましょう。これからは「HTの二乗」がキーワードです。同じHTでも、ヒューマンタッチのHTを増やすことが差別化のポイントであることを忘れないで下さい。記者を報せる協力者として、真の会社作りをしていくのです。
広報は経営そのもの。企業・組織が果すべき義務としての崇高にして典雅なる経営活動です。これからの広報活動は、そのような高い観点に立って行わなければなりません。
それは小さな会社だからではなく、小さな会社だからこそ、小さな頃から、経営として地道に続けるべきもの。人が小さな頃からしっかりした家庭教育、学校教育を受けることと同じなのです。
読者は、今や広報活動を、経営として、会社が果すべき義務として行う覚悟が決まったことと存じます。その覚悟と継続的実行が、将来のトヨタやパナソニックへと導くのです。
最近、子供達の躾(しつけ)が出来ていないと言われます。それは親がしっかり躾しないからに他なりません。つまり、小さな会社も、トップが自ら範を垂れ、売上アップの必須要件である広く報せることを実行すると共に、社員一人一人も目の前の顧客一人一人に対して、好印象を持ってもらうことを、全社を挙げて実践していく必要があります。
本書は、小さな会社でもすぐできる広報実践手引書ですが、実は、情報交通で日々経営している会社の血流システム構築の手引書でもあります。平たく言えば、会社と顧客や社会そして社内とのコミュニケーションの心得・ノウハウ書でもあるのです。それは、実は真人間=真の会社を築くために、私が長年確信じ、実践してきた精神のエキスなのです。
はじめにでも申し上げたように、本書は日本実業出版社『この1冊ですべてわかる広報・PRの基本』の姉妹本です。同書は、どちらかといえば、基本から応用編までを網羅した中堅・大企業の広報担当者に適した実践書とも言えますが、この3月6刷目に入り好評に感謝しています。
この機に、同社編集部蔵(くら)枡(ます)卓史(たくし)さんから、もっと小さな会社、つまり専任の広報担当がいない極小の会社やベンチャー企業に役立つ本を、特に今成功している事例を詳しく紹介して、生きた実践本にして欲しいとのご要望を受けました。メタボ状態の粗原稿から今こうして上梓に辿り着けたのは、偏に蔵枡さんの巧みなガイドのお陰。ここに、篤く御礼申し上げます。
小さな会社にとって、記者と聞けば何か恐いイメージがあり、いいニュースネタがあったとしても、取り上げてもらえるにはどうしたらいいのか悩むものです。
そこで、今回は、全国紙やキー局幹部のみならず、特にブロック紙、地方紙、テレビ地方局それに業界紙専門紙幹部にも、その地域の或いはその分野の読者・視聴者に対して判りやすくメディアの立場を解説し、コンタクトの方法まで明らかにして頂きました。アドバイス頂いたメディア幹部の皆様に心より感謝し、厚く御礼申し上げます。皆様の温かい示唆に富むアドバイスは、必ずや小さな会社の経営者や広報担当者に広報実践の勇気と激励を与えたことでしょう。
又、成功例にご登場願った経営者の方々、多次元からのアドバイスを頂いた各分野のエキスパートの皆様、更に、PR会社やプレスリリース配信会社による自己PRも、小さな会社が実際に広報活動するにあたって、支援が必要な場合にそのニーズ・要望に応じて、自社に合った選択ができるでしょう。
2012年の安倍晋三政権発足以来、アベノミクス効果によって景気見通しは明るくなってきましたので、小さな会社はこの機に、攻めの広報活動を試みてはいかがでしょうか?
それは我が子を世に出すことと同じです。我が子を愛していればいる程、また我が子の良さを信じていればいる程、「こんないい子をお使いいただかなければ、損しますよ! 我が子を活用頂ければ、もっといい成果が得られますよ!」という気持ちになるはずです。たとえ、少し位不肖の子でもUSP・UDPを見出して、お客様のお役に立てるという自信と確信を持ち、情熱を抱いて広報活動を行う・・・すると記者の心も動くでしょう。「情熱は必ず人を承服させる唯一の雄弁家である。情熱のある最も朴訥(ぼくとつ)な人が、情熱のない最も雄弁な人よりもよく相手を承服させる」(ラ・ロシュフコー)のです。
企業価値を正しく伝え、社会のニーズに応える努力を続け、顧客や社会を喜ばせる会社が長い目では勝ち残ることになります。広報PR力向上は業績向上に直結するのみならず、企業イメージを上げそれぞれのブランドとなって社会から好感度を持って迎えられ、それを継続することによって、結果的に永続して繁栄するようになるのです。
つまり、定義すると:
1. 広報とは、戦いに勝ちかつ共栄共創すること!
2. 広報とは、人を喜ばせ、誇りと自信を与えること!
3. 広報とは、真(まこと)の会社(真人間)を築き、永続繁栄へ導くこと!
そこで、あなたは:
■ 今、直ぐに、広報の重要性を悟り、報せる能力を発揮する
■ 今、直ぐに、広報PRに経営として取組み、「情熱費」を投入する
■ 今、直ぐに、記者にコンタクトして、人脈作りに着手する
それを実行するのは、“あなた”です。もう、心身共に準備は整いましたね。
さあ、新任の広報担当社長さん、そして、兼任の広報担当者さん、
まず第一歩を踏み出しましょう。
2013年10月
広報・危機対応コンサルタント 山見博康