調子も弾みもない人間位面白くないものはない。

まるで聖人か鈍人のように落着き払っていては、

誰も相手にしてくれない。

1人が笛を吹いたら、こちらは唄い、又は踊って

調子を取ってこそ、人生も楽しく、張合いがある。

幾人もの人間が調子よく、弾みを食って仕事を

してこそ能率も上がる。いくら調子者でもいいの

である。急所さえ踏み外さなければ、何もしないで

偉そうにしている人間より余程ましである。

「有能よりも、有用であれ」

有能ぶって頭で考え、あれが問題、これが障害、

と能弁を振るう。自分でやりもしないのに、解った

ような口をきく。こんな人間が多すぎるのではないか。

まずは、自分でやってみよう。

批評・批判はそれからだ。

「教養とは単なる物知りや高い教育ではない。

 真の教養とはいかなる条件の中にあっても、

 自己の尊厳をくずさず相手の立場を理解して

 これに善処し得る能力である。

 この能力あってはじめて、一切のものを生かし、

 相互に生活を豊かにし、生きる悦びを享受し

 得るのである」

(池田敏子『人に好かれる法』山見博康編)