20081009 日経産業新聞

 福利厚生代行のベネフィット・ワンは三井住友海上火災保険と共同で、社員の医療費負担を補助する企業向けサービスを始めた。社員の医療費の自己負担が一定額を超えた場合、それを補てんする。四月の高齢者医療制度改革で健康保険組合の負担が増えたため、赤字の健保組合を解散する企業が増えると判断。健保組合が手掛けていた医療費補助制度を肩代わりするサービスとして売り込み、二〇一〇年三月期に二億円の売上高を見込む。
 新サービス「ベネフィット・ステーション メディカルコース」は、三井住友海上のカスタマイズ化した約定履行費用保険にベネフィット・ワンが加入。サービス導入企業の社員の保険対象医療で自己負担額が月に五千円を超えた場合、この保険を使って最大三万円まで補助する仕組み。補助金は医療費を支払った翌月にあらかじめ指定した口座に振り込む。
 新サービスを利用するには、ベネフィット・ワンの福利厚生サービスを導入することが条件。福利厚生サービスを既に導入している企業の場合、社員一人当たり月額三百五十―千円程度の従来料金に加えて、一人当たり月額千円程度を追加することが必要。新規に福利厚生サービスを導入する場合では、料金は社員一人当たり月額千三百六十五円からとなる。
 従来サービスでは、ホテルや人間ドックの割引利用なども提供しており、健保組合の仕事の一つである「被保険者の健康の保持・増進を図る」という領域をカバーしている。今回の医療費補助負担サービスの提供により、一般的な健保組合が手掛ける領域をほぼカバーできるようになるとしている。

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20081008 日本経済新聞 朝刊

 舛添要一厚生労働相は七日、七十五歳以上を対象とする後期高齢者医療制度の見直しについて私案を明らかにした。同制度と国民健康保険を年齢にかかわらず一体化し、都道府県単位に再編。財政面では健康保険組合など被用者保険からの支援とともに「福祉目的税」導入の必要性にも言及した。ただ、具体的方策を巡っては課題も多く、議論の方向性は不透明だ。
 同日開いた厚労相直属の「高齢者医療制度に関する検討会」(塩川正十郎座長)で「議論のためのたたき台」として提示した。現行の制度は高齢者を七十五歳以上で一律に区分して別建ての制度としている。こうした年齢による線引きに反発が強いことから、国民健康保険に組み込むことにした。被用者保険に加入している人は、引き続き加入できるようにする。
 財源については「税の比率を増やさざるを得ない。福祉目的税でもってきてはどうか」と述べた。
 私案は厚労相が示してきた(1)年齢だけによる区分をやめる(2)年金からの保険料の天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない――という三点に沿ったもの。あくまで私案で、厚生労働省の正式な案ではない。
 会合では賛否両論が続出。年齢に関しては「七十五歳で区切るべきではない」と同調する声があった一方、「どこかで区切らざるを得ない」「年金受給が始まる六十五歳を区切りとしては」との意見も出た。
 運営を都道府県単位とすることに関しては「医療保険の運営をしたことがない都道府県には、保険料徴収などのノウハウがない」との指摘も複数あり、現時点では検討会内部でも意見のばらつきが大きい。
 制度の一体化や被用者保険からの財政支援は、高齢者に限らず医療保険制度全体の問題となる。厚労相私案では財政支援の仕組みが大まかにしか示されておらず、具体化に向けて大きな課題となりそうだ。都道府県単位での運営には都道府県からの反発も予想される。
 厚労相が「私案」を相次ぎ公表して制度見直しを急ぐ背景には、「選挙対策」を意識した色彩も強い。十五日には新たに保険料の年金天引きが始まる高齢者もいるため、批判の矛先をかわす狙いもあるとみられる。

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20081007 日本経済新聞 夕刊

 身長一七〇センチメートルだと体重が一〇〇キログラムを超すほどの極度の肥満の人が増えている。高血圧や心臓病の元凶となるが、運動もままならず、なかなか解消するのは難しい。重症肥満を深刻な病気と位置づけ、胃の手術で克服しようとする試みに注目が集まる。
 千葉県在住の福本恵子さん(仮名、37)は、十代に卵巣の病気をしてから太り始め、ストレスなどで食欲が抑えられない。身長一五七センチメートルなのに体重は一二七キログラム。糖尿病を治療するなかで、内科医の勧めもあり、八月に手術を受けた。「最初抵抗はあったが、このまま放っておくと糖尿病の合併症がひどくなると怖くなり決断した」という。
 肥満解消手術には主に二種類ある。胃を手術で小さくして腸とつなげる「胃バイパス術」と、胃の上部をシリコン製のバンドで縛る「胃バンディング術」だ。手術後は少ない食事量で満腹感が得られるなどの効果が期待できる。個人差もあるが体重は数年で三―五割も減少するという。
 米国では一九五三年にスタート、すでに二十万人以上が治療を受けた。国内でも一九八二年に千葉大学が初めて実施、鎌ケ谷総合病院(千葉県鎌ケ谷市)や四谷メディカルキューブ(東京・千代田)、大分大学などが手がける。岩手医科大学も六月から始めた。健康保険が利かない自由診療のため費用は術式や施設によって異なり、百五十万―二百五十万円かかる。
 肥満解消手術を受けた茨城県在住の大原紀子さん(仮名、57)の場合、「ご飯の量は茶わん半分で満腹になるなど、食事量が減った」という。身長一六四センチメートルで手術前は百八キログラムあった体重が七四キログラムに減少した。「脂質異常症や脂肪肝、すい炎、腰痛、黄疸(おうだん)などがうそのように消え、外出も楽しくなった」と話す。
 女性を中心に痩身(そうしん)願望は強いが、お金を払えば誰もが受けられるわけではない。日本肥満症治療学会がガイドラインを策定中だが、基本的には、肥満度の目安で体重(キロ)を身長(メートル)で二回割って算出するBMI値が三五以上か、三二以上で肥満による合併症がある人を対象とすることになっている。「やせないと、より深刻な病気になり、命にかかわるような人に限る」(川村功・鎌ケ谷総合病院名誉院長)という。
身体的負担も
 手術によって、単に体重が減るだけでなく、大原さんのように、糖尿病や脂肪肝などの合併症の改善効果も期待できる。川村名誉院長は二〇〇七年までの二十五年間に実施した患者を対象に手術前後の健康状態を調べた。糖尿病を発症している人が七分の一、脂肪肝が十一分の一、高血圧が六分の一に減っていた。
 ただ、課題もある。開腹手術は大きな身体的負担を伴うほか、時間がたつと胃に巻き付けたバンドの不具合などで、再手術になることもある。
 手術後は胃が縮小した分、人一倍、食事の内容や食べ方に気を配らなければならない。ゆっくりとよくかんで食べ、消化の悪いものや脂肪分の多いものを控えるなどの制限もある。食生活を改めないと、再び体重が増加に転じる人もいる。
 東京逓信病院の宮崎滋内分泌代謝内科部長は「胃の手術が適切かどうかは、患者ごとBMI値や肥満の重症度から慎重に見極めなければならない。胃を小さくするだけでやせると考えるのはよくない」と警鐘を鳴らす。

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20081007 日本経済新聞 朝刊

 折に触れ述べてきたが、介護保険制度における軽度者向けサービスをどうしていくかが保険制度のあり方、歳出面から問われている。
 二〇〇六年度の改定で要介護認定を見直し、従来の要介護の一部を要支援とするなど、軽度者に対する線引きを変更。要支援に対するサービスを、基本的に介護予防を目的とした予防給付に限定した。
 改定では予防給付の中心に通所サービスを据え、運動器機能向上、栄養改善、口腔(こうくう)機能向上のメニューを追加するとともに、一定期間、要介護度の維持・改善があった場合の「事業所評価加算」(一人一月当たり千円)を設定。その他のサービスも、本人ができることは本人がやれるよう支援をする内容に変更された。
 さらに、要支援・介護と認定されなかった高齢者についても、健診等で一定の要件を満たせば特定高齢者と認定。介護保険の財源から介護予防サービスを受けられる仕組みを設けた。これらのサービスは市町村責任のもとで実施する制度とした。
 介護予防サービス体系がスタートした際は新たなビジネスチャンスとして注目する事業者もあった。しかし、介護報酬は実質減額で、結果的に積極的に介護予防に取り組む事業者は少ない。内容も、名前を変えただけで実質は従来の介護と変わらない場合が多い。
 通所サービスの新設メニューについても、運動器機能向上は五割以上が取り組んでいるが、栄養改善、口腔機能改善に取り組むのは〇・二%、二・二%にすぎず、事業所評価加算もごくわずかとなっている。こうした状況を受け、軽度者は介護保険の対象からはずし一般財源からサービスを提供すべきだとの意見もある。
 現状では介護予防の歳出は五%程度。少数だが、実質的な成果をあげている事業者もある。単に財源上の問題ととらえず、介護保険制度外の仕組みを含め、高齢者の安心と安全という視点から制度・サービスのあり方を検討すべきだろう。

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20081007 日本経済新聞 朝刊

 東京海上日動火災保険は六日、同社の販売代理店「ウエルカム広島」(広島市)の店主で、昨年九月に死亡した男性(当時49)が十数年前から同社の名前を使った架空の債券を販売し、十六人から総額二億六千百万円をだまし取ったことが判明したと発表した。ニセの債券は「東京海上日動が運用する高利率投資商品『転換私募債』」と称している。ほかにも被害者がいる可能性もあり、同社は注意を呼び掛けている。連絡先は同社広島中央支店(フリーダイヤル0120・667・615)。

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