20081030 日本経済新聞 朝刊

 景気後退感が強まるなか、毎日の生活に身近な食品、日用品の値上がりが家計にズシリと重くのしかかっている。
 日経産業地域研究所は昨秋以降に値上げ(減量による実質値上げを含む)した代表的な食品や日用品二十品目を選び、その価格上昇を消費者がどう受け止めているかを聞いた。半数以上の消費者が「高くなった」と感じている製品が、バター・チーズ、即席めん、パスタ、食用油、ティッシュペーパーなど十四品に達することが分かった。
 高くなったと感じる消費者が一番多かったのはバター・チーズ。内訳は「たいへん高くなった」が四四・六%、「やや高くなった」が四三・五%で、約九〇%の消費者が値上げを実感している実態が明らかになった。
 以下、パン、即席めん、パスタ、食用油、マヨネーズ、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ドレッシング、ビール系飲料などと続く。パンも八〇%以上の消費者が高くなったとしているが、「やや高くなった」と感じる人の方が「たいへん高くなった」よりも多く、値上げがバター・チーズほど重くのしかかってきていないようだ。
 反対に価格が高くなったとは感じていない人が半数以上を占める製品はペットフード、基礎化粧品、台所用洗剤、洗濯用洗剤、シャンプー、野菜飲料の六品目だった。
 消費者は製品の値上がりに対しどう防衛しているか。対応も聞いた。
 各商品とも「購入の量や回数を減らす」が最も多く、次が「低価格品へ切り替える」で、「代替品・類似品を見つけて購入する」も目立った。大手流通の低価格PB商品が人気になったり、バターの代わりにマーガリンの需要が増えていることなどを反映している。「購入をやめた」消費者もいる。即席めん、野菜飲料、チョコレート、ビール系飲料などで一割前後を占めた。
(詳細は11月10日発行の「日経新製品ウォッチャー」)
 調査の方法 十月十―十四日、日経リサーチに依頼しインターネットで実施。二十―六十代の男女千二百四十七人から回答を得た。



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20081029 日本経済新聞 朝刊

 金融広報中央委員会(事務局・日銀情報サービス局)が二十八日発表した二〇〇八年の「家計の金融行動に関する世論調査」(六―七月実施)によると、一世帯あたりの金融資産のうち、株式や投資信託など有価証券の保有比率が前回調査時(昨年十―十一月)より二・一ポイント低下の一六・九%(百九十五万円)となった。同じ基準で統計を取り始めた〇四年以降で初めて減少した。
 調査は全国の二人以上の七千九百六十八世帯を対象に実施。金融資産全体の平均保有額は千百五十二万円と前回調査時より八・五%減った。



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20081029 日本経済新聞 朝刊

クーポンなど配布 事務負担・効果に問題も
 追加経済対策の目玉として政府・与党が検討中の総額二兆円の定額減税で、クーポン券や現金を直接配る給付金方式が急浮上してきた。二十八日開いた自民・公明両党の政策責任者の協議で、自民が提案した。給付金方式は一九九八年度に実施した地域振興券と同様、納税額の少ない人にも一定額を確実に配れるのが特徴。家計の消費を刺激しようと狙った策だが、ばらまき型の政策であるうえ、実際に配る市町村の事務負担や効果の点で問題も多い。
低所得者も恩恵
 給付金方式は低所得者にも恩恵が行き届くのが最大の特徴だ。所得税の課税最低限度額は夫婦・子ども二人の世帯で年収三百二十五万円、個人住民税は同二百七十万円。これを下回る所得の場合は収入に対する税金がかかっていないので、減税になってもメリットがない。給付金で配るなら対象者に一律で行き渡る。
 給付金は通常の減税に比べ、比較的早く実施できる面もある。政府・与党は早期に景気にてこ入れするため年度内に実施できる対策を目指している。しかし所得税や個人住民税から一定額を差し引く減税にした場合、手続きに時間がかかる。所得税減税は関連法の国会成立後、早ければ二月から源泉徴収額を減らす形になるが、個人住民税は各市町村が税金を再計算する必要があるため「基本的には来年六月からになる」(総務省)。
 ねじれ国会の影響で減税関連法案を提出しても成立が遅れる恐れがある。給付金を配布する方式なら「予算措置さえとればよく、法案も必要ない」(政府関係者)といい、給付金はこの点でも迅速に実行できる。
 バブル崩壊後の景気低迷期には、九八年十一月の経済対策で「地域振興券」を配った例がある。総額七千億円で対象者は十五歳以下の子どもがいる家族の世帯主か老齢福祉年金の受給者などで、交付額は子どもや高齢者一人当たり二万円。市町村が実施主体になった。与党は二十七日、当時携わった関係者から配り方などの聞き取りをした。
ばらまきの懸念
 政府内には買い物にしか使えないクーポン券方式とすれば、「貯蓄に回る可能性の大きい定額減税より効果的」という期待がある。だが実際の効果は未知数。地域振興券のケースでも、旧経済企画庁の調査によると交付額の三割程度しか消費に使われず、六割強は貯蓄に回った。日本経済新聞社が当時実施したアンケートでは、交付世帯の七割強が「生活の助けになる」と答えた一方、五割近くが「税金の無駄遣いで、やるべきではなかった」とも感じていた。
 実務面の課題も多い。地域振興券の際は住民基本台帳を持つ市町村が配布にあたった。各自治体は該当者の名簿を作成、偽造できない券をつくって厳重に保管するといった対応に追われた。当時を知る総務省幹部は「今回は対象者も増えるので給付金になった場合、どれくらいの作業が必要か見当がつかない」と指摘している。




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20081029 日本経済新聞 朝刊

 二十六年ぶりの安値水準を付けた日経平均株価。独歩高の様相を強める円相場――。金融市場の混乱が実体経済を下押しする懸念が強まっているが、ちょっと見方を変えればどうか。異常相場の裏側に潜む「好材料」を探ってみた。
 三カ月余りで半値弱になった原油の国際相場。この間、円高・ドル安が進んだ結果、輸入価格は円換算だと、わずか三分の一にまで落ち込んでいる。実に三年五カ月ぶりの安値水準だ。
 いまの原油の国際相場は、中東産代表種のドバイ原油で一バレル五五ドル強。一年八カ月ぶりの安値だ。円建てにすると一バレル五千二百十四円。最近のピークは七月初旬で一万四千八百円。下げ幅が六五%と大きいのは、円がこの間、一ドル=一〇七円から九四円に上がったため。世界全体でみると日本が最も原油相場下落の恩恵を享受している。
 今後は為替や原油の相場が変わらなくても、実際の仕入れ価格がさらに下がる可能性もある。原油を運ぶ大型タンカーの運賃が七月以降に急落。スポット運賃指数が七月の三分の一にまで下がったからだ。
 これらはガソリンの国内店頭価格に波及する。石油情報センターによると、レギュラーガソリンの全国平均価格は二十日時点で一リットル百五十七・四円。最も高かった八月初めから一五%安くなっているが、まだまだ下がる可能性が大きい。
 昨年の原油輸入量は二億四千万キロリットル。ドバイ原油が七月上旬の相場だった場合、輸入額は年二十二兆二千億円だが、いまの価格なら七兆八千億円で済む。原油を使う企業にとってコスト削減効果が大きい。
 日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の試算によると、十月以降に原油価格が一バレル六〇ドルで推移すれば、八〇ドルの場合に比べて〇八年度の企業収益を一・四%押し上げるという。
 家計もこの恩恵を受ける。経済産業省によると、仮にいまのガソリン価格の水準が続けば、八月の最高値が続いたケースに比べ、家計の負担は一世帯当たり年間約二万円軽くなるという。寒冷地で車の保有率も高い北海道では、三万九千円の負担減になる計算だ。
 とはいえ、かぎを握るのは、安くなった仕入れ価格が本当に末端まで反映されるかどうかだ。明治安田生命保険の小玉祐一氏は「多くの企業は需要冷え込みを恐れて相場上昇時の価格転嫁を最小限に抑えてきた。その反動で値下げペースが遅くなる可能性が高い」と懸念する。(随時掲載)



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20081029 日本経済新聞 朝刊

▽…ローンを組んで住宅を購入した個人に対し、住宅ローン残高の一定割合を所得税額から控除する制度。控除額は毎年末のローン残高を基準に決める。最大控除額は2001年までは合計587万5000円だったが、徐々に縮小され、今年入居の場合は最大で160万円。
▽…家計の支出のなかでも金額が大きい住宅取得を税制面から後押しし、内需を刺激して国内景気を下支えする狙いがある。今の制度は今年末に期限が切れるため、景気低迷で住宅販売が低迷しているなかで延長・拡充が課題に浮上していた。



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