20081120 日本経済新聞 朝刊

 もう一つ大きな壁がある。現行制度で約束している来年度に基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げることだ。中間報告も二分の一引き上げが前提。二兆三千億円の安定財源が別途必要だ。
 麻生太郎首相は消費税を含めた税制抜本改革の「中期プログラム」をつくる方針。検討項目は、首相が早ければ「三年後」という消費税率引き上げなどの税収増を当てにした格好となっている。
 厚生労働省は年内の制度改革論議を今回でいったん終え、税制改革の進ちょくや政治情勢をにらみながら具体化を進める構え。年金改革の関連法案提出は早くても再来年以降になる公算だ。


年金拡充財源なお壁、所得の把握も課題―消費税上げを当てに。


-----------------------------------------------



20081120 日本経済新聞 朝刊

 中間報告では基礎年金の拡充に加え、受給資格期間(二十五年)を例えば十年に短縮したり、育児期間中の国民年金保険料を免除するなど、大きく八つの検討項目を挙げた。多くの見直しに新たな財源が要る。
 検討項目の中には、税以外の財源を捻出(ねんしゅつ)しようと腐心していることもうかがえる。例えば、働く高齢者の年金額を減らす在職老齢年金の見直し。単純に高齢者への給付を増やせば、新たな財源が要る。
 このため、同時に保険料算定の基礎となる標準報酬月額の上限(六十二万円)の引き上げも検討。高所得者の負担が増える分をそのまま給付に反映させず、一定程度に抑えることも視野に入れ、働く高齢者への給付増の財源を賄う考えを打ち出した。負担に見合う給付が得られない不公平が広がるほか、団塊の世代ら高齢世代の給付増を現役世代の負担で賄う構図となり、世代間の対立も助長しかねない。


-----------------------------------------------



20081120 日本経済新聞 朝刊

法案提出、再来年以降に
 社会保障審議会年金部会は十九日にまとめた今後の年金改革に向けた中間報告で、基礎年金の拡充を巡って「保険料軽減・税支援方式」や「単身低所得者加算」を有力な選択肢としたが、新たな財源のメドは立っていない。優遇対象を選別するために所得をどう正確に把握するかといった課題もある。税制改革の行方や政治情勢にも大きく左右されるだけに、年金制度の信頼回復への道のりはなお遠い。(1面参照)
低年金者対策めざす
 年金部会が今回打ち出したのが「税方式と保険料方式のポリシーミックス」という造語。いまの保険料方式を前提としつつ、新たな改革の実現に、追加の税財源を求める立場を鮮明にした。
 柱となるのは低年金者対策をめざす基礎年金の拡充。中間報告から浮かぶ方向性は次のようなものだ。「保険料軽減・税支援方式」で低所得者の国民年金保険料を軽減し、軽減分を税で補助することで基礎年金の満額支給につなげる。それでも単身高齢女性など低所得となる人は、「単身低所得者加算」で給付に一定額を上乗せする――。
 だが兆円単位となる見込みの新たな財源の確保は不透明だ。保険料の未納も解消できない。保険料の軽減割合などを決めるうえで、自営業の所得をどう正確に把握するかも壁となる。税で補助される割合の違いで不公平感が広がる恐れがある。
 中間報告は消極的な姿勢ながら「全額税方式」や「最低保障年金創設」の道も残した。基礎年金の見直しを巡っては、与党内でも議論がなお分かれている。このため中間報告段階では選択肢を幅広く示し、実現性に濃淡を付けるにとどめた。


-----------------------------------------------



20081120 日本経済新聞 朝刊

十六銀行は住宅ローンの相談窓口を拡充する。新興住宅地の名古屋市東部に一カ所新設し、愛知県内の相談窓口を十拠点にした。住宅ローンは企業向け融資より与信リスクが低いほか、愛知県内では市場拡大余地が大きいことから、今後も新興住宅地などへの拠点増設を検討する。@
@記事は会員制サイト「日経ネットPLUS」
(http://netplus.nikkei.co.jp/)に詳細を掲載


-----------------------------------------------



20081120 日本経済新聞 朝刊

 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金部会は十九日、今後の年金制度改革に向けた中間報告をまとめた。焦点の基礎年金の拡充を巡っては、現行の保険料方式を前提に見直す三つの案と、全額税方式化の計四つの選択肢を提示。このうち、低所得者の国民年金保険料を軽減して税で支援する案と、単身高齢者への年金給付を加算する案を有力視した。ただ新たな財源の確保など実現への課題は多い。(年金の全額税方式は3面「きょうのことば」参照)=関連記事5面に
 記録漏れ問題などで年金制度への不安が強まっており、政府の社会保障国民会議は基礎年金の強化を打ち出した。今回の中間報告は数年先をにらんだ具体的な制度設計のたたき台となる。特に重視したのは、保険料の支払期間が短いなどの理由で基礎年金が満額(月六万六千円)に満たない低年金者対策。選択肢を幅広く示しつつ、実現性に応じ濃淡を付けた。
 まず、今の保険料方式の枠内での見直し案として、定額(月一万四千四百十円)の保険料を所得に応じて軽減し、不足分を税で埋めて基礎年金を満額受け取れるようにする「保険料軽減・税支援方式」を提示。「保険料方式の基本を踏まえた案」と他方式に比べ弊害が少ないとの認識を示した。
 単身高齢者らへの年金に一定額を加算する案も「低所得者への対応で即効性がある」と評価。ただ「加算だけでは十分な基礎年金を受給できない」として、保険料軽減・税支援方式と併せて実現する方向性を示した。
 さらに、保険料の支払期間に関係なく一定額の年金を支給する「最低保障年金」の創設、基礎年金の給付を税で全額賄う「税方式化」の二案も示した。ただ最低保障年金は保険料の支払期間に関係なくもらえるため「保険料を支払う意欲への悪影響が大きい」と指摘。税方式は巨額の税財源の確保などを課題に挙げて「中長期的な視点で議論すべき」とした。
 中間報告では基礎年金拡充のほか、基礎年金の受給資格期間(二十五年)の短縮、パート労働者への厚生年金の適用拡大、育児期間中の保険料免除など、八つの主な検討課題を挙げている。


-----------------------------------------------