20081121 日本経済新聞 地方経済面

 福岡県は二十日、固定資産税の算定基準となる二〇〇九年度の基準宅地評価額を発表した。評価額は県内の六十六市町村平均で前回(〇六年度)より一一・七%下落した。下げ幅は前回の一八・四%から縮小したものの、九七年度から五回連続の下落。市町村別で上昇したのは福岡と太宰府の二市だけで、中心市街地の地価下落が続いている。
 評価額は今年一月一日の地価公示価格を参考に、七月一日までの変動を反映して算出した。各市町村で評価額が最も高い地点を基準宅地として宅地価格を決める。三年に一度の見直しで、今回の評価額は特別の事情がない限り一一年度まで据え置く。
 上昇したのは福岡市の中央区天神一丁目(七二%上昇)と太宰府市の宰府三丁目(一一・四%上昇)の二地点。福岡市は二回連続の上昇を記録した。太宰府市は九州国立博物館が〇五年にオープンしたことなどで人出が増えたためとみられる。
 一方、最も下落したのは直方市の古町(二九・二%下落)。次いで田川市の伊田町(二六・九%下落)と大川市の酒見(二四・九%下落)が続いた。いずれも前回より下落幅を縮小しているものの、「郊外型商業施設の進出などで中心市街地の地価下落傾向には歯止めがかからない状態」(福岡県)となっている。


-----------------------------------------------




20081121 日本経済新聞 朝刊

自民、社会保障の財源に
 来年度税制改正で、たばこ税を一本当たり三円程度引き上げる案が二十日、自民党内で浮上した。来年度予算編成で焦点となる社会保障費の増加分を二千二百億円圧縮する計画を達成するのが狙い。ただ一箱(二十本入り)当たり六十円の値上げには喫煙者の反発も予想され、議論を呼びそうだ。
 現行の税制では一箱三百円のたばこで、国・地方合わせて約百七十五円のたばこ税が課税されている。自民党幹部は同日夜、「一本当たり三円上げると、国・地方合わせて数千億円の税収増が見込める。社会保障費に充てるほか、一部は葉たばこ農家の経営支援に充てたい」と語った。
 自民党は二十日、道路特定財源の一般財源化を巡り、暫定税率を含めた現行の税率水準を三年程度、維持する方針も固めた。麻生太郎首相は早ければ三年後に消費税率を引き上げる考えを示しており、これに合わせて自動車関係諸税の簡素化や税率を見直す。保利耕輔政調会長と津島雄二税制調査会長らが同日夕に会談して大筋合意した。
 政府は五月、来年度からの道路特定財源の一般財源化を閣議決定した。ただ、揮発油税などの道路関係諸税は道路整備に充てることを条件に徴収している。税率を維持したままでの一般財源化には異論も上がりそうだ。


-----------------------------------------------



20081121 日本経済新聞 朝刊

財政再建重視の声も
 政府の経済財政諮問会議は二十日の会合で、社会保障制度の充実に向けて二〇一五年度に必要になる国と地方の財政負担を試算した。社会保障の機能充実や国債の発行抑制など複数の選択肢で算出。消費税換算で四%台前半―八%台半ばの追加財源が必要となる。ただ増税分を機能の充実に使うか、財政再建に振り向けるかなどで、関係者の意見の開きは大きい。
 試算は医療・介護の充実や財源の安定など四つの政策について、それぞれ必要な財源額を民間議員がまとめた。年末までにまとめる「社会保障・税財政改革中期プログラム」で示す財源の議論のたたき台となる。
 具体的には、国が決めた基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げるためには約三兆円、消費税換算で一%の財源が新たに必要となる。これに加えて政府の社会保障国民会議が四日にまとめた報告書で示した医療や介護サービスの充実を実現すると、追加財源は約十一兆円、消費税では三・三―三・五%に膨らむ。
 諮問会議はさらに、財政再建も進めるために必要な財源額も試算。社会保障の給付が増えても国と地方の借金である「公債」の発行が増えないようにするには三兆円、一%の消費税が必要。国民会議の試算にこれを加えると、機能強化と財政健全化の両立には四%台前半の引き上げを迫られる。
 機能強化はしないで、今は借金でまかなっている財源をすべて税で確保する財政再建重視のシナリオでは約二十兆円、六%の消費税が必要。機能強化も財政再建もすべて満たすためには、約二十八兆円、消費税で八・三―八・五%の追加財源が必要だとした。
 同日の会合ではどの試算を採用するかの結論は出ていない。機能強化と財政再建のどちらを重視するかで関係者に意見の違いがあるためだ。
 民間議員で社会保障国民会議座長でもある吉川洋東大教授は会議で、がん治療や在宅介護、基礎年金の最低保障などを充実すべきだとの資料を提出。一方、自民党には改革では将来への負担先送りを避ける仕組みとすべきだとする財政再建派の意見も強い。
 焦点は諮問会議を運営する与謝野馨経済財政担当相の考え方だ。同日の会議でも経財相は消費税について「政治的に考えると、一定の幅が想定される」と指摘。自民党総裁選に出馬した時には「二〇一五年度までに消費税一〇%をお願いしたい」と発言しており、上げ幅は「五%」が諮問会議の議論の底流にある。
 関係する経済官庁は「まず社会保障にかかわる借金がこれ以上増えないようにしたうえで、機能強化を図るのが結論では」とみる。今回の試算に基づくと、このために必要な消費税の引き上げ幅は四%台前半。五%の枠内におさまる数字だ。
 対立点を解きほぐしても、中期プログラムに具体的な税率の引き上げ幅と時期を盛り込めるかは不透明。内閣府幹部は「今回の試算をどこまで反映できるかは分からない」と率直に認めている。


-----------------------------------------------



20081121 日本経済新聞 夕刊

 【ニューヨーク=川上穣】米政府の管理下にある米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は二十日、住宅の差し押さえ開始を二〇〇九年一月九日に延期すると発表した。当初は十一月二十六日から始めるとしていた。
 住宅の差し押さえが社会問題化している経緯もあり、住宅ローンの返済条件の緩和と合わせた借り手保護の拡充に踏み切る。
 両社合わせて、約一万六千人の借り手が対象になる見通しだ。


-----------------------------------------------




20081120 日本経済新聞 大阪夕刊

 医薬品卸六位のバイタルネットと同七位のケーエスケー(大阪市)は二十日、来年四月に経営統合する方針を固めた。売上高は単純合算で五千億円を超え、統合時点で業界四位の規模になる見通し。国が医療費抑制に動く中、医薬品卸の経営環境は厳しさを増しており、規模を追求する再編の動きが加速してきた。
 同日午後に発表する。株式移転で共同持ち株会社を設立する。新会社は「バイタルケーエスケー・ホールディングス」。社長にバイタルの鈴木賢社長(60)、会長にケーエスケーの深田一夫社長(61)が就任。バイタル株一株に対し新会社株一株、ケーエスケー株一株に対し新会社株〇・八一株を割り当てる。バイタルは東証一部上場を廃止し、新会社が上場する。

-----------------------------------------------