20081120 日本経済新聞 朝刊
法案提出、再来年以降に
社会保障審議会年金部会は十九日にまとめた今後の年金改革に向けた中間報告で、基礎年金の拡充を巡って「保険料軽減・税支援方式」や「単身低所得者加算」を有力な選択肢としたが、新たな財源のメドは立っていない。優遇対象を選別するために所得をどう正確に把握するかといった課題もある。税制改革の行方や政治情勢にも大きく左右されるだけに、年金制度の信頼回復への道のりはなお遠い。(1面参照)
低年金者対策めざす
年金部会が今回打ち出したのが「税方式と保険料方式のポリシーミックス」という造語。いまの保険料方式を前提としつつ、新たな改革の実現に、追加の税財源を求める立場を鮮明にした。
柱となるのは低年金者対策をめざす基礎年金の拡充。中間報告から浮かぶ方向性は次のようなものだ。「保険料軽減・税支援方式」で低所得者の国民年金保険料を軽減し、軽減分を税で補助することで基礎年金の満額支給につなげる。それでも単身高齢女性など低所得となる人は、「単身低所得者加算」で給付に一定額を上乗せする――。
だが兆円単位となる見込みの新たな財源の確保は不透明だ。保険料の未納も解消できない。保険料の軽減割合などを決めるうえで、自営業の所得をどう正確に把握するかも壁となる。税で補助される割合の違いで不公平感が広がる恐れがある。
中間報告は消極的な姿勢ながら「全額税方式」や「最低保障年金創設」の道も残した。基礎年金の見直しを巡っては、与党内でも議論がなお分かれている。このため中間報告段階では選択肢を幅広く示し、実現性に濃淡を付けるにとどめた。
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