20081127 日本経済新聞 朝刊

 米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した九月中旬以降、株式相場が急落するたびに証券会社の営業担当者は顧客への状況説明に追われた。
 昨年末から直近までの株価下落率は日経平均が四割、上海総合指数が六割、ロシアRTS指数で七割に達した。「分散投資」をうたい文句に伸びてきた投資信託も十月は五年三カ月ぶりの資金流出に転じた。株式、債券、為替、商品――。市場の混乱は次々に波及し、資産運用で逃げ場のない個人は苦戦している。
 その証拠に、個人マネーは銀行預金に還流している。日銀統計によると、九月の個人預金残高は前年同月比三%増となった。官民あげて旗を振ってきた「投資」への流れは今後も続けるべきなのか――。リスク性商品の人気が離散するなかで、証券界は説明責任が問われる。


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20081127 日本経済新聞 夕刊

 【ニューヨーク=山下茂行】二十六日のニューヨーク債券市場では十年物国債利回りが一時、二・九七%まで低下し、米メディアなどによると過去最低を記録した。さえない経済統計が相次いだことで景気の下振れやデフレ傾向が一段と加速しかねないとの懸念が強まった。米連邦準備理事会(FRB)の追加金融対策を受けて住宅ローン金利が低下したことも影響した。
 十年債利回りの終値は前日比〇・一三%低い二・九八%と、三%の大台を下回って取引を終えた。
 債券は価格が上昇すると利回りが低下する。この日発表の経済統計は十月の耐久財受注や個人消費支出、新築住宅販売と低調なものばかりで、「安全資産」の代表格である米国債に資金を移す動きが強まった。
 住宅ローン金利が低下すると借り換えに伴う期限前償還が増え、住宅ローン担保証券(RMBS)の平均残存期間が減少するため、その影響を抑える狙いで債券投資家は国債を買い増すことが多い。この種の買いも長期金利の押し下げ要因になったとみられる。


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20081126 日本経済新聞 朝刊

FRB資産劣化の懸念も
 【ニューヨーク=財満大介】米連邦準備理事会(FRB)が二十五日発表した新たな金融対策は、住宅ローンやクレジットカードなど個人の生活に直接かかわるお金の流れを改善させる狙いがある。米国内総生産(GDP)の七割を占める個人消費の下支えに照準を合わせた格好だ。ただ、あらゆる資産を引き受けるFRBの資産劣化は避けられず、ドルの信認低下につながる恐れもある。(1面参照)
 米国では住宅ローン、クレジットカード、自動車ローンなどの分野で専門の金融機関が大きな役割を占める。これらの専門会社は銀行と違い、預金という貸し出し原資を持たない。このため貸し出したローン債権を裏付けとする証券を発行。投資家に販売して日々の事業資金を調達している。
 これらの証券は一般に資産担保証券(ABS)と呼ばれ、住宅ローン債権を裏付けとする場合は特に住宅ローン担保証券(MBS)と呼ばれる。だが金融危機の影響でABSの流通市場はほぼマヒ状態に陥った。ABSを発行できないカード会社が与信枠を絞りこんだ結果、個人が買い物を控えるなど、消費行動に影響が出ている。
 FRBの新制度は、投資家や金融機関が市場で売却できずに抱え込んでいたABSを買い取り、金融機関に資金を供給する。資金繰りが改善した金融機関が再びお金を貸し出すことで、個人消費のテコ入れにつなげる狙いだ。同日記者会見したポールソン財務長官は「新制度は米国民の毎日の資金繰りを支援する目的だ」と強調した。
 仮に自動車ローン会社の資金繰りが改善すれば、自動車販売が回復し、不振を極める自動車大手三社(ビッグスリー)の経営再建を支援する効果も見込める。ABSは米景気全体の回復につながる重要な市場だけに、FRBは大規模な対策が不可欠と判断した。
 FRBは政策金利を一%に引き下げて銀行の積極貸し出しを促しているが、不良資産の処理が終わらない銀行が融資を渋るため、金融システムの機能がなかなか回復しない。結果として「最後の貸し手」としてのFRBがあらゆる資産を買い入れ、さまざまな市場に直接お金を行き渡らせるという構図がいちだんと鮮明になっている。
 今回の制度導入でFRBは新たに、最大八千億ドルの資産を抱え込む。一連の金融危機対応で導入した流動性供給策などでFRBの資産は既に二兆ドルを超えており、一段と資産は膨らむ。FRBの財務悪化は結局、国債発行などで埋め合わせなければならず、そのツケは基軸通貨であるドルの信認低下という形で回ってくる。


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20081126 日本経済新聞 朝刊

 政府が二〇〇九年度税制改正で検討している住宅ローン減税の概要がわかった。省エネルギー効果が高い住宅や長期間住める優良な「二百年住宅」を購入した個人を対象に、所得税・住民税の控除額を過去最大の合計六百万円に引き上げる。控除期間は十年間。冷え込む住宅市場のてこ入れを目指す。
 現行の住宅ローン減税では、十年間の減税額が最大で合計百六十万円にとどまる。麻生太郎首相が十月に住宅ローン減税を過去最大の規模とするよう指示したのを受け、政府が減税の拡充内容を検討していた。
 省エネ住宅などの優良住宅については、税額控除の上限を最大六百万円とする方向で調整している。十年間にわたって年最大六十万円を控除できるようにする方針だ。
 所得がそれほど多くない人でも減税の恩恵を受けやすくするため、所得税だけでなく住民税からも控除できる制度を採用する。所得税から最大で年五十万円、住民税から同十万円差し引けるようにする。一般住宅については、控除額の上限を優良住宅より少ない五百万円程度(控除期間は十年間)にする方向だ。
 ただ与党からは「より低所得者層に配慮した税制にすべきだ」との声も出ている。


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20081125 日本経済新聞 名古屋夕刊

 一等、前後賞合わせて三億円が当たる「年末ジャンボ宝くじ」が二十五日、全国で発売された。名古屋駅前の「名駅前チャンスセンター」では一獲千金を夢見る人たちが発売が始まる午前九時前から長い列をつくった。
 「昨年から並んで宝くじを買っている」という愛知県東海市の男性(72)が並んだのはこの日午前六時半。「当たったら古くなった我が家を建て替えたい」と期待を寄せる。
 十年以上、宝くじを購入、今年も五万円分購入するという同県北名古屋市の男性(71)は「景気も良くないので当たったら貯金して家計の足しにする」と話していた。
 年末ジャンボ宝くじは一枚三百円で、一等二億円が七十本、一等の前後賞五千万円が百四十本など。発売三十年記念の「ジャンボ三十年感謝賞」百万円も七千本用意された。発売は十二月十九日まで。抽せんは大みそかに行われる。
【図・写真】年末ジャンボ宝くじを買い求める人たち(25日午前、名古屋市中村区)


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