20081219 日本経済新聞 朝刊

 税制抜本改革の「中期プログラム」を協議するプロジェクトチーム(PT)の座長を務める自民党の額賀福志郎元財務相と、公明党の坂口力元厚生労働相は十八日、二〇一一年度の消費増税を念頭に置いた政府案への対応を巡って調整を続けた。坂口氏は消費税率を引き上げた場合に政府が目指す社会保障の具体像を中期プログラムに明記するよう要求。額賀氏も基本的に同意した。


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20081219 日本経済新聞 夕刊

 十八日の米株式相場は大幅続落。債券相場は六日続伸し、十年債利回りは一時二・〇三%まで急低下した。
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 米財務省が金融安定化法の財源を使い、国民に低利の住宅ローンを貸し出すとの観測が市場で話題になっている。報道では三十年の金利が年四・五%前後とされ、回復の兆しの見えない住宅市場を活性化する切り札になるとの見方がある。
 十八日、ハーバード大のマンキュー教授が自身のブログでこのアイデアに対する賛否両論を紹介した。
 賛成派はコロンビア大のグレン・ハバード教授。低利ローンの需要喚起効果は絶大で「二〇〇九年に二百四十万件の新規需要を作り出す」との試算を公表。下落の止まらない住宅価格を支えるとみる。
 さらに既存ローンの借り換えも認めれば三千四百万世帯が利用。計千七百四十億ドルのローン支払いを軽減し、この分が消費に回る。市場に出回っている大量の住宅ローン担保証券(RMBS)の繰り上げ償還が生じ、金融機関の不良資産処理も進むと評価する。
 一方、ハーバード大のグレイザー教授は懐疑的だ。「歴史的に住宅価格とローン金利の関係は弱く、価格を五%上昇させるにすぎない」と批判。新ローンの焦げ付きが発生すれば、ローンを証券化する住宅金融公社は税金で保護されるので、結局、ツケは国民に回ると主張している。
 住宅市場の崩落は金融機関の財務を痛め、家計の消費を冷え込ませるすべての元凶。政府による借り手支援でこれを改善しようとする試みはこれまでもあった。
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 だが、米住宅都市開発省が現在進める借り換え支援プロジェクト「ホープナウ」は、当初四十万人の借り手を差し押さえから救うと目されたものの、開始から二カ月で三百人の利用者しかない。金融機関への債権放棄の要請や、書類の申請手続きが非常に煩雑なことが理由という。
 自由落下のごとく下げ続ける住宅価格に対して有効な政策は何か。専門家の間でも意見の割れるこの難問に取り組む米政府は、行き先の見えない「海図なき航海」に乗り出している。
(ニューヨーク =財満大介)


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20081219 日本経済新聞 夕刊

 保護者が国民健康保険の保険料を滞納したため「無保険」になっている中学生以下の子どもに臨時の保険証を交付する改正国民健康保険法が十九日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。来年四月一日から施行する。保護者が保険料を滞納していても、子どもが医療機関で受診した際に国民健康保険が適用される。
 現行の制度では保険料を一年以上滞納すると子どもの保険証も原則返還させられ、医療費が全額自己負担となる。同法は中学生以下の子どもには有効期間が六カ月の短期保険証を一律に交付する。厚生労働省の調査によると、無保険状態の中学生以下の子どもは全国で三万三千人にのぼる。
 民主、社民、国民新の野党三党は先月、臨時保険証の支給対象年齢を十八歳未満とした改正案を国会に提出。与党との修正協議では保険料をきちんと納付している世帯に配慮し、対象年齢を中学生に引き下げることで合意していた。


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20081219 日本経済新聞 夕刊

 政府は十九日午前に開いた経済対策閣僚会議で、雇用情勢の悪化や企業の資金繰り不安に対応した「生活防衛のための緊急対策」を決定した。麻生太郎首相が十二日に発表した対策に、銀行等保有株式取得機構による株式買い取り枠の二十兆円への拡大を追加。雇用保険料の引き下げ六千四百億円分など雇用対策の具体策も盛り込んだ。事業規模は十月に発表した追加経済対策との重複分を含め、約四十三兆円となった。
 首相は会議で「来年度の経済見通しはゼロ成長と厳しい状況だ。(対策の裏付けとなる)今年度補正予算案と来年度予算案を早期に成立させることが重要だ」と強調した。年末年始の企業の資金繰りを支援するための金融機関への資金供給の要請など予算措置がいらない対策は、予算案の成立を待たずに実施する方針も示した。
 対策の柱となる雇用問題への対応では、雇用保険料の引き下げに六千四百億円を計上。二〇〇九年度一年間に限り保険料率を一・二%から〇・八%に引き下げる。引き下げ分は労使で折半する。離職者の雇用確保や住居の確保に取り組む地方自治体を特別交付税で支援する方針も明記。悪質な企業名の公表など社会問題化している内定取り消しへの対応にも三億円を充てた。
 金融対策では銀行等保有株式取得機構の株式買い取り額を過去に用意した二兆円から二十兆円に大幅に拡大する。銀行株式保有制限法を改正し株式の買い取り規制を緩和することで、銀行保有株だけでなく一般事業会社が持つ銀行株も買い取り対象に含める。不動産市場の活性化に向け、住宅金融支援機構による住宅・不動産事業者向けの融資枠も拡大する。
 今回の対策は、八月末の資源高対策(約十二兆円)、金融危機を受けた十月末の追加経済対策(約二十七兆円)に次ぐ第三弾。三つの対策の合計事業規模は重複分を除いて約七十五兆円規模に達する。与謝野馨経済財政担当相は同日の閣議後の記者会見で「国際的に十分比肩できる水準だ」と語った。
 今回の対策の財源は今年度二次補正予算と来年度当初予算で対応する。財政投融資特別会計などの「埋蔵金」を活用することで「極力赤字国債に依存しない」方針も示した。
 ただ、景気の減速で税収の落ちこみは避けられず、財政規律を守れるかは不透明だ。また政府は来年一月五日の通常国会に双方の予算案と関連法案を提出する予定だが、民主党が抵抗すれば対策の実施が遅れる可能性もある。


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20081216 日本経済新聞 地方経済面

 不動産経済研究所(東京・新宿)が十五日発表した近畿二府四県の十一月のマンション新規契約率は五八・九%で、好不調の目安である七割を十一カ月連続で下回った。販売計画の先延ばしで新規発売戸数は三カ月連続で前年同月比減少し、千七百十六戸となった。二〇〇八年の新規発売戸数は二万三千戸程度にとどまる見通しで、二万五千戸を割り込むことになれば一九九三年以来。
 景気対策で始まる住宅ローン減税の拡充をにらんだ買い控えが目立ち、在庫数は前月末比百三十四戸増の六千百六十八戸となった。一戸当たりの平均販売価格は二カ月連続で下がり、前年同月比一・二%安い三千四百八十八万円となった。一方、建築費の高騰で一平方メートル当たり単価は同三・二%高の四十八・四万円に上昇した。
 マンション開発業界では、資金調達が難しくなったために他社の売れ残り物件の買い取り再販売に特化する企業が増えている。不動産経済研究所の石丸敏之大阪事務所長は「再販売物件の動きは統計に含まれておらず、実際の市場環境はもっと悪い」と指摘する。年明けから年度末にかけて各社合同で在庫処分の値引き販売キャンペーンを計画する動きも出ているという。


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