20081223 日本経済新聞 地方経済面

 中国地方の地銀四行が相次ぎ地球温暖化対策をうたった住宅ローン販売促進策を展開する。住宅ローン申込者に対し、地銀各行が共同購入した「グリーン電力証書」を贈呈する。風力や太陽光、バイオマス発電など二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない電力を顧客に訴求し、販促につなげる。
 「住宅ローン環境サポートキャンペーン」と銘打ち、全国の地銀四十二行が共同販促を実施する。中国地方では広島銀行、山陰合同銀行、中国銀行、鳥取銀行の四行が参加する。
 広島銀は来年一月五日―六月末に特定の住宅ローンに契約し、希望する顧客千五百人に百キロワット時相当のグリーン電力証書を渡す。新築や中古住宅を購入した顧客が対象。百キロワット時のうち二キロワット時は風力発電に、九十八キロワット時はバイオマス発電用に使われるという。
 山陰合銀や中国銀、鳥取銀も来年一―六月に新規に住宅ローンを申し込んだ一定の顧客に証書を贈呈する。グリーン証書の購入費用は全国の地銀四十二行が負担。共同購入により規模のメリットが生かせるという。
 グリーン電力証書は東京電力などが出資する日本自然エネルギー(東京・中央)が発行。証書保有者は使用する電力を風力や太陽光に由来したものとみなすことができる。地銀各行は環境に敏感な消費者への住宅ローン拡大につながるとみている。


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20081223 日本経済新聞 地方経済面

 道内の百貨店や専門店で歳末商戦がピークを迎えた。アクセサリーや高級バッグなどプレゼント需要は低迷し、主力の衣料品や雑貨も伸び悩む。一方、クリスマスケーキやおせちの予約は好調で、道内でも年末年始は外出を控えた「巣ごもり消費」が顕著になりそうだ。
 百貨店の多くは高額ブランドや宝飾品が大幅マイナス。「ユーロ安で値下げしたブランドも売れ行きは戻っていない」(丸井今井札幌本店)。手袋や財布などは健闘し、プレゼントが“小粒”になっている。
 子ども用のおもちゃも、イオン北海道は「ゲームソフトのヒットが乏しかった」(経営企画室)ことで前年割れしたもよう。歳暮商戦でも贈り先を絞り込む動きがあり、ギフト需要は総じて低調だ。
 一方、三越札幌店や丸井今井ではクリスマスケーキの予約が二ケタ増に。「外食を控えて自宅でパーティーを開く人が増えたようだ」(三越)という。ケーキは三千―四千円が売れ筋で、チキンなどクリスマス用の総菜販売にも期待が高まる。三越ではおせちの予約も大幅に伸びた。
 道内では灯油が前年より安くなったものの、家計の防衛意識は強まるばかり。消費者は限られた資金の使い道を厳しく選択しているようだ。


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20081223 日本経済新聞 朝刊

 重要課題推進枠で浮き彫りになったのは社会保障分野への手厚い配分ぶりだ。調整財源分も含めた配分は、厚生労働省所管の予算だけで全体の二割、七百二億円。必要な財源は実質的に公共事業費を削って捻出(ねんしゅつ)した格好だ。しかし景気悪化を受けて、一兆円規模の「予備費」を使って公共事業が上積みされる可能性もある。予算の重点配分は見せかけに終わりかねない。
 「重点枠を十分活用できた」。舛添要一厚労相は二十二日、記者団に胸を張った。重点枠の財源を賄うため、厚労省が政策経費を削って拠出したのは百五十七億円。これに対し重点枠から同省への配分は六百三十九億円で、いわば四倍返しになったからだ。
 この結果、社会保障関係費の伸び率は一四・一%。基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げるのに必要な財源(二兆三千億円)が大部分を占めるものの、二ケタの伸び率は一九七九年度以来、三十年ぶりだ。
 重点枠の財源をやり繰りする中で公共事業予算はわかりづらい姿になった。公共事業費は重点枠で四百九十二億円上積みし、政府案段階で五・二%減となる見通し。シーリングはひとまず達成したことになる。
 ただ、〇九年度からの道路特定財源の一般財源化に伴い、揮発油税などで九千四百億円の「地域活力基盤創造交付金(仮称)」が新設される。大半は道路整備に充てることになっており、この影響を加味すれば公共事業費の削減幅は実質的に四・七%に縮まる。
 一般財源化は「道路整備以外の生活財源に回す」のが狙い。しかし実態は道路向けである交付金を増額して予算の目減りをある程度埋め戻し、地方へのショックを和らげた形になる。
 景気悪化や選挙対策をにらめば、麻生太郎首相が政府の裁量で支出を決められる一兆円の予備費を活用し公共事業への支出を膨らませることも考えられる。〇九年度予算は道路一般財源化という改革の趣旨を骨抜きにし、政府・与党がバラマキ路線に走る危険をはらんでいる。


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20081223 日本経済新聞 朝刊

 少子化対策の基本ともいえる保育所の改革が進まない。待機児童が今年は五年ぶりに増え、病児保育や休日保育など多様なニーズへの対応も不十分だ。地方分権改革推進委員会の勧告に続き、規制改革会議が今年も保育分野の改革の必要性を指摘した。硬直した制度を変えるには、まず地方が実情に合わせて機動的に対策を打てる体制が重要である。
 国は児童福祉法に基づく省令で、認可保育所について子ども一人当たりの面積や職員、保育時間などの最低基準を詳細に定めている。それを下回れば補助金を支給しない。
 子どもの健全な発育のため床面積が広いに越したことはないが、待機児の多い都市部では、基準を満たす用地を確保できず保育所の新設をあきらめざるをえない場合もある。
 全国知事会は地域の実情に応じて基準を決めるのを認めてほしいと要求している。東京都が独自の基準を設け、国の補助を受けない認証保育所を発足させたのは、このままでは住民ニーズにこたえられないとの判断からだ。政府の地方分権改革推進委員会も今月初め、基準作りを地方に委ねたらどうかという趣旨の勧告をした。もっともな考え方である。
 認可保育所の基準について、国が科学的裏付けに基づき目安を定めるのはよい。しかし保育所のすべてに細かい注文をつけ、その基準を少しでもはみ出せば補助の対象外とはいかがなものか。自治体とて責任をもって適切な基準を考えるはず。保育の質が危うくなるとは思えない。
 今は国や自治体から多額の補助金を受ける認可保育所と、補助がなく質もバラバラな認可外保育所が併存する。認可保育所に預けられない親は認可外保育所を利用するしかない。同じ納税者でも受けられるサービスに格差がある。劣悪な保育所で育つ子どもへの影響も心配だ。
 基準作りが自治体に移り緩和されれば、補助金の対象となる保育所が増え、個々の保育所への補助金を減らさざるをえないかもしれない。保育所予算の増額が望ましいのは言うまでもないが、経営効率化を促すほか、高額所得者らの利用料を引き上げることも検討課題となろう。
 一方、かねて保育所問題の改善を訴えている規制改革会議は二十二日の答申で、国の補助金を保育所にではなく利用者である親に直接渡す方式も提言した。不公平を是正するほか事業者間の競争を促して夜間保育などきめ細かいサービスが増えるとの判断だ。株式会社が経営する保育所への過剰な制約や負担の見直しとともに、真剣に検討すべきである。


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20081223 日本経済新聞 朝刊

 二〇〇九年度予算の政府案の大枠が二十二日、固まった。財務省原案に上乗せする約三千三百億円の重要課題推進枠(重点枠)のうち医師不足対策などの社会保障に七百七十五億円を配分。社会保障費の総額は今年度当初予算比で一四%増え、三十年ぶりの二ケタ増となる。公共事業費は重点枠による約五百億円の上積みを入れて実質で同五%減になる。首相の指示で予算のメリハリづけを狙った結果、来年度予算の社会保障費の膨張ぶりが浮き彫りとなった。(関連記事5面、社会面に)
 今回の予算編成では恒例だった各閣僚による復活折衝を廃止。麻生太郎首相が与党の要望を踏まえて、三千三百三十億円の重点枠に二百億円の調整財源を加えた額の配分を決める形に改めた。二十二日は、中川昭一財務相が配分の内訳について首相の了承を得て、各省庁に内示した。
 社会保障関連の施策には七百七十五億円を追加計上。その結果、厚生労働省が所管する来年度の社会保障費は二十四兆六千五百二十二億円となり、今年度当初予算比で一四・一%増える。基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げるのに必要な二兆三千億円の影響が約一〇%分と大きい。
 重点枠で上乗せしたのは、産科医などの医師手当増額や、救急医療対策に計三百四億円。出産一時金引き上げの費用二十一億円を盛り込んだ。
 逆に減ったのが公共事業費。原案段階では五・九%減の六兆三千三百八十四億円だったが、重点枠で四百九十二億円を上乗せ。政府案では五・二%減に縮まる。
 ただ道路特定財源の一般財源化に伴う「特殊要因」を考慮すると総額は増えるので、評価は分かれそうだ。今年度まで特別会計に計上していた約七千億円の地方向け交付金が、一般会計予算に衣替えするためだ。一兆円の経済緊急対応予備費を使い、年度途中で公共事業費を追加する「抜け道」も指摘されている。


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