20090104 日本経済新聞 朝刊

一般的な生命保険の場合、あてはまらないのはどれでしょう?
(1)契約半年後に被保険者が自殺した場合、死亡保険金は受け取れない
(2)途中で保険料が払えなくなり、保険が失効した場合、契約を元に戻す方法はない
(3)一定の条件を満たすと、生命保険会社からお金を借りられる
▼正解とミニ解説を下に
 (2) 保険料が支払えない状態が続くと、保険契約は失効してしまいます。しかし通常は失効日から3年など一定期間内なら「復活」という手続きで契約を元に戻せます。復活するには、失効期間中の保険料と利息を支払う必要があります。加入するときと同様、健康状態についての告知や診査が必要なことが多く、健康を損なっていると復活できない場合もあります。
 解約返戻金のある保険であれば、利息はかかりますが返戻金の一定の範囲内でお金を借りられるのが一般的です。「保険の解約は避けたいがまとまった資金が必要な場合などは検討してみてもよいでしょう」(生命保険文化センター)。契約後、一定期間内に被保険者が自殺した場合、通常は死亡保険金を受け取れません。約款の「免責事由」の欄を見て、保険金を受け取れないのはどのような場合か、事前に確認しておくことが大切です。
 金融商品を選ぶ際に「安全性」を最も重視するという世帯の割合が、1999年の56%をピークに減少傾向をたどっていることが日銀の金融広報中央委員会が毎年実施する「家計の金融行動に関する世論調査」から明らかになった。過去最低の割合だったのはバブル景気の最後とされる91年で37%。金融商品選択での「安全性」重視の姿勢は景気および株価の動きとほぼ一致している。
 2008年は46%弱と、07年から若干低下した。ただ調査期間は08年の6月から7月にかけてで、9月のリーマンショックをきっかけにした株価暴落を反映しきれていないとみられる。09年の調査では再び「収益性」や「流動性」よりも、「元本が保証されている」「取扱金融機関が信用できる」といった「安全性」を重視して金融商品を選ぶと回答する世帯割合が上がる可能性が高そうだ。


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20090104 日本経済新聞 朝刊

 医療・介護・年金などの社会保障制度を国民が安心できるよう充実するにはいったいいくらの費用がかかるのか。政府の社会保障国民会議が二〇〇八年十一月にまとめた報告書に試算がある。それによると一五年の時点で消費税率にして三%強、二五年で六%程度が新たにかかる。これ以外に年金や健康保険などの保険料も必要になる。
 試算では、基礎年金に占める国庫負担割合を二分の一に引き上げて制度を安定させる。医療については医師や看護師らを増やして、たらい回しなどが起きないようにし、病気の初期に十分な治療ができるようにする。入院期間も短くして、一方で介護職の増員や、介護施設の整備を進め、高齢者が退院後に行き場がないような事態を防ぐという。
 社会保障は景気対策になるとの見方もある。費用をつぎ込んで国民の将来不安を解消すれば、内需拡大につながるとの論法だ。医療や介護での雇用創出も期待できる。制度の中の無駄を省くなどの議論も大切だが、〇九年は財源調達への決断が迫られる。
(編集委員 山口聡)


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20090104 日本経済新聞 朝刊

 〇九年度政府予算編成では医師不足への対応が焦点の一つとなり、不足が顕著な産婦人科の医師らに手当を支給する対策などが盛り込まれた(表C参照)。医師の数を増やすために全国の大学医学部の定員も増やす。ただこれだけでは安心できそうにない。医師だけでなく、看護師らの医療スタッフや設備などが足りない面もある。医師の養成には時間もかかる。
 そもそも日本はその経済力の割に医療にカネをかけてこなかった。経済協力開発機構(OECD)ヘルスデータ二〇〇八年版によると、日本の国内総生産(GDP)に占める総医療費の比率は八・二%。OECD諸国の平均(八・九%)よりも低い。国民が必要なときに安心できる医療が受けられるようにするためには医療にかける費用も増やす必要がありそうだ。
 一つひとつの医療行為の公定価格である診療報酬の次の改定は一〇年四月。〇九年中にこれを引き上げる環境が整うかがポイントだ。ただ引き上げは税、健康保険料などの負担につながる。
 〇九年中に制度の大きな変更などはないが、健康保険組合など公的医療保険制度によっては保険料を上げるところもありそうだ。中小企業の従業員らが入る協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)では、現在全国一律で給料の八・二%(これを労使折半)である保険料が〇九年中に都道府県ごとに多少ばらつく見通し。
 このほか一月から出産時の事故で脳性まひ児が生まれた場合に、総額で三千万円の補償金が支給される「産科医療補償制度」が始まった。合わせて健康保険などから支給される出産育児一時金が従来より三万円上がり三十八万円になった。十月には四十二万円まで引き上げられる。


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20090104 日本経済新聞 朝刊

 制度安定のため、〇九年度から公的年金に投入する国庫負担(税金)の割合を引き上げられるかどうかが焦点だった。〇八年末の政府予算編成において「埋蔵金」を利用してなんとか実現することになったものの、暫定的な対応にとどまり、将来への安定にはほど遠い。〇九年中にも確実な財源を見つけることが課題となる。
 全国民に共通する基礎(国民)年金は現在その給付財源の約三分の一を国庫負担で、残りを保険料で賄っている。〇四年に成立した年金改革法は国庫負担の比率を「〇九年度までに二分の一に引き上げる」と定めた。税の投入を増やせばその分、保険料の上昇を抑えることができ、払いやすくなる。安定感も増す。
 この前提で厚生年金の場合、保険料は九月から給料の一五・七〇四%(これを労使折半)となる。〇九年度の年金額は据え置きの方向だ(グラフB参照)。
 国庫負担率二分の一実現には年およそ二兆三千億円の財源が必要になる。消費税率にして一%ほど。政府・与党内には「消費税増税で手当てする」との思惑があったが、実現しなかった。結局〇九、一〇年度の二年間は「財政投融資特別会計」という国の特別会計の積立金、いわゆる「埋蔵金」を取り崩して充てる。
 自民・公明の与党は〇八年末、早ければ一一年度から消費税を引き上げると合意した。しかし景気回復をその前提としており実現は不透明だ。「埋蔵金」は使ってしまえばなくなり、いつまでも頼れない。財源が決まらないままだと国庫負担率が元に戻ってしまう恐れもある。その場合は今の計画以上に年金保険料を引き上げるか、給付水準を下げるかの対応が必要になる。


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20090104 日本経済新聞 朝刊

 住宅ローンについては、主に二つの要素を頭に入れる必要がある。金利情勢と、大幅に拡充される方向の住宅ローン減税だ。
 住宅ローン金利は現在、日銀の金融緩和策によって低下しており、特に変動金利の低さが顕著だ(グラフC)。景気の低迷局面がすぐには終わりそうになく、金利が上がる公算は当面小さいとみられることから、変動ローンの利用が増えている。住宅金融支援機構の調べでも、最近では三六%の人が借りている。この比率は一年前の倍に近い。
 しかし住宅ローンは三十年など長期間借りる商品。二十―三十年後の経済情勢は予測がつかない。過去の例をみても、約十八年前と約二十五年前に、変動金利が八%台だったこともある。低めの変動金利を前提に返済計画をたてると、将来困難を来すリスクもある。
 「変動金利が上がったときに固定に変えればよいではないか」との反論も出そうだが、実際にはそう簡単ではない。固定金利に影響を及ぼす長期金利(国債の利回り)は経済・金融情勢の先行き見通しに左右されるため、変動金利が上がり始めたときには、固定金利は既に先行して上がっていることもあり得るからだ。
 こうした事情から、長めの固定金利期間選択型(一定期間固定でその後金利を改めて決定)や全期間固定型に安心感があるのも事実。固定金利は変動金利と比べると高いが、歴史的に見れば低い。「いま新規で借りる際には変動金利は選択肢から外していい」(ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん)との指摘もある。手元資金が豊富でいつでも繰り上げ返済ができるような人は、思い切って変動を選ぶ手もあるだろう。
 もう一つの着目点である住宅ローン減税の規模は現在、最大百六十万円。与党は〇九年度税制改正大綱にこれを一般住宅の場合は五百万円、長期優良住宅は六百万円とする拡充策を盛り込んだ。留意したい点が二つある。
 まず、すべての人が減税の恩恵を目いっぱい受けられるわけではない。一般住宅の場合、十年間にわたって年末ローン残高の一%を所得税などから差し引ける仕組みだが、毎年末の残高が五千万円以上あり、かつ減税規模に相当する税金の支払いがあることが条件になる。多くの人にとって実際の減税規模は五百万円より小さくなりそうだ。
 また、住宅ローン減税は時限措置だ。一般住宅で五百万円の最大減税規模が適用されるのは、〇九年と一〇年に入居した場合。入居が一一年なら四百万円、一二年なら三百万円、一三年なら二百万円と、一年たつごとに最大規模は百万円ずつ減る。かといって急いだ方が得とは限らない。
 単純計算だが、一一年まで待って減税規模が百万円縮小したとしても、その間に家の購入価格が百万円超下がるなら、待った方が得だ。地価は下落傾向が続いているが、景気の悪化で〇九年以降さらに下がるかもしれない。ローン減税利用の損得はそうした要素も合わせて考えるとよいだろう。
(編集委員 清水功哉)
 〇九年も、株式・為替相場の不安定な地合いや先行きの不透明感は簡単には消えそうにない。当面はお金を銀行の定期預金など元本保証のある国内の商品に預けておこうと考える人も多いだろう。
 表Aに現時点で比較的金利が高い定期預金を挙げた。キャンペーンとして提示している銀行だと期限がある。個人向け国債の利率(〇八年十二月募集の五年物で年〇・八%)より有利で、元本保証商品なら、こうした銀行の方が有利だ。民間銀行の預金は、国債とは異なり経営破綻の恐れがあるが、預金保険制度により元本一千万円までとその利息は保護される。
 預ける期間はどれぐらいがよいか。期間が長い方が金利が高いが、遠からず金利が上がると判断するなら、現段階では短めの六カ月―一年物に預けておく方がいい。満期時に長めの定期預金に預け直す選択肢を残しておく方が、金利上昇のメリットを享受できる可能性があるからだ。
 ただ、日銀は企業の資金繰りを支援するため、金融緩和姿勢をさらに強めそうだ。「従来は買い入れなかったような資産の購入によるバランスシートの拡大(量的緩和)が考えられる」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)といった見方も多い。目先の利上げ予想は皆無に近いので、二―五年といった期間の長い預金も選択の対象になり得る。
 景気の低迷や金利の低位安定が五年後も続いているとみるなら五年物、そこまで長引かないとみるなら三年物などを選び、それぞれで金利が最も高い銀行を選ぶと得だ。三―五年後の金利予測に迷う場合は、とりあえず五年物を選び、三年後に金利が上がった場合は解約し、改めて預け直すといった方法も可能だ。その際には、中途解約時の「罰則金利」があまり低くない銀行を選ぶ必要がある。
 表Bは、表Aで挙げた商品の五年物にいま預け、三年後に途中解約した場合にどうなるかを示す。日本振興銀行などはかなり低い金利を適用されるが、新生銀行やオリックス信託銀行はそうでもない。特に新生銀は当初の一・七〇%が一・三六%に下がるだけ。最初から三年物に預けても一・四%だから、「罰則」は小幅といえる。
 金利が中長期的に低位で推移するとの見通しに自信がある人は、最初から金利が高い日本振興銀行の五年物などに預けるのがよい。一方、金利の先行きに不透明感を覚える人は、金利はやや低くなるが、とりあえず新生銀の五年物に預け、三年後に金利が上がっているようなら中途解約して預け直すといった対応をする手もありそうだ。経済情勢の先行き不透明感が増す中、それぞれの金利観が厳しく問われる年になりそうだ。
 景気の急速な悪化が家計に影を落とす中、二〇〇九年が幕を開けた。金融市場の混乱が実体経済に悪影響を及ぼす厳しい局面は今年も続きそうで、家計はどう対処したらよいか。「マネー生活面」で預金や住宅ローンなど個人の資産と負債、「投資入門面」で株式相場、「くらし安心面」で年金など社会保障の行方をそれぞれ展望した。


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