20090104 日本経済新聞 朝刊

 医療・介護・年金などの社会保障制度を国民が安心できるよう充実するにはいったいいくらの費用がかかるのか。政府の社会保障国民会議が二〇〇八年十一月にまとめた報告書に試算がある。それによると一五年の時点で消費税率にして三%強、二五年で六%程度が新たにかかる。これ以外に年金や健康保険などの保険料も必要になる。
 試算では、基礎年金に占める国庫負担割合を二分の一に引き上げて制度を安定させる。医療については医師や看護師らを増やして、たらい回しなどが起きないようにし、病気の初期に十分な治療ができるようにする。入院期間も短くして、一方で介護職の増員や、介護施設の整備を進め、高齢者が退院後に行き場がないような事態を防ぐという。
 社会保障は景気対策になるとの見方もある。費用をつぎ込んで国民の将来不安を解消すれば、内需拡大につながるとの論法だ。医療や介護での雇用創出も期待できる。制度の中の無駄を省くなどの議論も大切だが、〇九年は財源調達への決断が迫られる。
(編集委員 山口聡)


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