4月18日10時28分配信 産経新聞



おなかが出てきたら要注意。メタボ健診のスタートで、存在感を増してきた保健師の育成が急がれる

 保健師の存在がにわかに脚光を浴びてきた。今年度からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健康診査・特定保健指導が義務化され、重要な役割を担うようになったためだ。メタボ該当者らを減量や血液データ改善などへどう導くのか。看護師に比べて有資格者数が大幅に少なく、人手不足も心配されるほか、さらなる能力の向上も求められている。保健師が所属する日本看護協会(日看協、久常節子会長)では、保健師の育成に本腰を入れ始めた。(柳原一哉)

・ メタボだけじゃない! ニュース特集「健康と医療」

 特定健康診査・特定保健指導は、40~74歳の国民に義務付けられた。この新たな制度では、健診で肥満に加えて高血圧、高血糖など血液データが不適切と分かれば、糖尿病などの生活習慣病とその予備群と判定される。該当者は保健指導を受けなければならず、その際の指導担当者が、管理栄養士、医師、一部の看護師、そして保健師だ。

 保健師はこれまで、公務員として自治体の保健所などへ進むケースが多く、医療界では医師や看護師と比べ、どちらかというと目立たない存在だった。有資格者数も、全国の看護師約82万3000人に対し、4万7000人にすぎない。

 ところが、制度のスタートに伴い、保健師の需要が急増。日看協は当面、約1万人の保健師が指導に携わると予測し、「企業の健保組合からのアウトソーシング(外注)先として、保健指導事業を受託する民間企業や市町村などから、保健師は引く手あまたになっている」(井伊久美子・日看協常任理事)という。

 実際、保健指導の受け皿を目指している、東京海上日動火災保険(東京都千代田区)の子会社、東京海上日動メディカルサービス(同)では「保健師が足りないことで顧客に迷惑をかけるわけにいかない。まだ手探りではあるが、態勢を整えるため、現段階で保健師を40人から60人に増やした」という。

 介護・医療の人材を紹介するSMS(東京都港区)も「保健指導が本格化する今年度後半に、特に病院をはじめとする医療機関などから、保健師の紹介を求める需要が高まる」と人材市場の拡大を見込んでいる。

 ただ、日看協は「生活習慣病とその予備群をどう減らしていくかの成果が重要なのであり、(保健師の)頭数をそろえることだけが重要なのではない」(井伊常任理事)との認識だ。

 そこで昨年度は、運動指導やカロリー摂取管理などを柱にした日看協独自のメタボ対策プラグラムを作成。全国の市町村で13件の保健指導モデル事業を実施した。実効性を検証したところ、高血糖か否かの判定に使われる血液データのHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の改善率がおおむね70%に上り、効果が実証された。

 今年度も、プログラムの実効力を高めるため、全国の3ブロックで保健師による事例検討会を開催。効果や欠点、改善策などを議論するとともに、ノウハウを共有して保健師の能力向上に役立てる方針だ。

 また、日看協は市町村、民間企業の12団体を対象に、プログラムに基づいてスタッフが模範を示すコンサルタント事業も実施。ここで働く保健師の技能アップにつなげていく考えだ。

 日看協の井伊常任理事は「生活習慣病患者とその予備群の人たちを、どうその気にさせて自発的に減量などに取り組ませていくのか。強力な動機付けへと導ける保健師を育てていきたい」と話している。

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【用語解説】保健師
 国家試験に合格して得られる資格で、基礎資格として看護師免許の取得が前提。主に市町村の保健所などに勤務する「地域保健師」▽民間企業の産業保健スタッフとして働く「産業保健師」▽大学などに勤務する「学校保健師」-がある。主な業務内容は、病気の予防活動や健康増進、健康管理の指導。


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4月20日22時15分配信 毎日新聞


 がん細胞がエネルギー源であるブドウ糖を取り込む一連の仕組みを、日本医科大の川内敬子助教と田中信之教授(分子生物学)らが発見した。この仕組みを遮断する薬剤を開発すれば、「兵糧攻め」でがん細胞の増殖を抑えられることになる。

 研究チームは、細胞が、がん化するのを抑制する遺伝子「p53」に注目した。マウスの細胞でp53を除去すると、がん化するだけでなく、別の遺伝子「NFκB」の働きが活発になっていることに気付いた。

 詳細に調べると、NFκBが、がん細胞のエネルギー源であるブドウ糖を取り込む別のたんぱく質を増やし、がん細胞の増殖を加速させることを突き止めた。p53が働かなくなると、NFκBが活性化し、がん細胞へのエネルギー供給が進み、増殖するという流れを解明した。また、正常な細胞では、がん細胞の増殖に不可欠なブドウ糖分解を起こすNFκBの働きを、p53が「ブレーキ役」となって抑制している仕組みもわかった。田中教授は「p53の機能を回復したり、NFκBの機能を抑えれば、新しいがん治療薬の開発につながるだろう」と話している。英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー(電子版)で発表した。【奥野敦史】

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20080421 日本経済新聞 朝刊

 個人金融資産を「投資を通じてもっと上手に動かそう」と旗を振る渡辺喜美金融相。個人マネーの「潜在力」を聞いた。
 ――なぜ「貯蓄から投資へ」なのですか。
 「日本の個人金融資産の半分は預貯金です。マネーが資本市場に向かわず、預貯金に塩漬けになったままでは、いつまでたっても自分が豊かになったと実感できません」
 「いま世界では金融資産がものすごい勢いで膨らんでいますが、日本はこぢんまりとしたまま。これでは経済も活性化しません。預貯金を投資へいかに回すか。これは極めて大事なテーマです」
 ――家計は投資のリスクを嫌うようです。金融市場の混乱で預貯金、あるいは現金といった安全資産に逃げる傾向も。
 「リスクをとるということは、リターンが大きくなるということです。相場の変動はあるでしょうが、長期で保有していれば経済成長の果実を享受できるのが株式投資です。預貯金はリスクは小さいですが、一定の利子しか入ってきません」
 ――家計が投資に動き出す効果とは?
 「市場を通じて企業に成長資金が回るようになれば、経済活動の効率が上がり企業収益も拡大します。長期でみれば、企業や経済の成長がまさに自分の家計の収益に直結するわけですね」
 ――逆に預貯金偏重が続くとどうでしょう。
 「成長の果実が得られないと、家計の暮らしは苦しくなっていくでしょうね。戦前の日本では投資家が産業界に資金を出していました。祖先は立派にリスクをとってお金を供給したのですから、日本人がリスクをとらないというのは俗説です」
 ――投資の妨げになる制度もあるのでは。
 「税制は重要なポイントです。投資活動が税制でくるくる変わることのないように、制度を考えていく必要があります」
 ――金融商品取引法の施行で一部の金融サービスの提供が鈍りました。
 「コンプライアンス(法令順守)不況ではないかと、ずいぶん苦情を受けました。金商法を順守するためといって過剰反応するのは法律の趣旨ではありません。投資家保護などにつながっていないようなら、朝令暮改を恐れずに改めるのも大事です」
 日本の個人金融資産は約1600兆円。うち株式・投資信託は11%と米国の28%に見劣りする。一因は日本人の安全運用志向の強さだ。家計が潤うには、まずこのマインドをほぐしていく必要がある。(T)


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20080421 日本経済新聞 朝刊

 中長期的な資産形成を目指して、資金を株式や債券、不動産投資信託(REIT)など複数の資産に振り分ける運用手法。株式が値下がりしても債券の値上がりでカバーするといったように、資産全体で値動きを安定させる効果が期待できる。
 一般的に年金基金や生損保などの機関投資家がよく使う。日本、欧米、アジアなど地域別に分散する投資家も多い。最近は個人投資家もファイナンシャルプランナー(FP)の助言を受けながら、ライフスタイルに応じた資産別の構成割合(基本ポートフォリオ)を決める動きが広がり始めた。
 米国のサブプライムローン問題をきっかけにした世界的な金融市場の混乱で、主要株式相場はそろって下落。原油や金相場は歩調を合わせて上昇するなど、値動きの方向性が重なることが多くなり、分散投資の効果は以前ほど期待しにくくなったとの指摘もある。

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20080420 日本経済新聞 朝刊

 四月に始まった後期高齢者(七十五歳以上)を含む高齢者医療制度を支えるため、全国の健康保険組合に今年度、新たに三千億円以上の負担が発生する見通しとなった。高齢者が加入する医療保険に対し、健保が支援金を出す仕組みを政府が導入したためだ。各健保は保険料の引き上げや積立金の取り崩しで対応することになり、加入する会社員の保険料が上がる可能性もある。(健康保険組合は3面「きょうのことば」参照)
 健保は大企業の会社員とその家族が加入する医療保険。約二年前に成立した医療制度改革関連法に、高齢者医療保険を支える健保の負担が増える仕組みは盛り込まれていたが、具体的金額が明らかになったのは初めて。
 高齢者医療制度では特に、七十五歳以上の後期高齢者自身が納める保険料が注目されているが、六十五歳以上の新制度全体を支えるためにサラリーマン世帯の負担も重くなりかねない実態が浮き彫りになった。
 市町村が運営し、自営業者などが加入する国保には六十五―七十四歳の高齢者が千百万人以上いて、加入者全体に占める割合は二八%と健保(二%)に比べて高い。高齢者が多いと医療費も膨らみやすく、全国の市町村は約三千六百億円の税金を投入するなどして保険料を低く抑えている。
 しかし、保険を支える財源としてはそれでも不十分なため厚生労働省は今年度から、六十五―七十四歳の割合が低い健保が、割合の高い国保に支援金を出す仕組みを導入した。これまでも健保を脱退した退職者や七十五歳以上の医療保険を支援してきたが、対象を六十五歳以上に広げた結果、負担は三千億円以上の純増となる。
 厚労省は五月に各健保の負担金を正式決定し、社会保険診療報酬支払基金を通じて全国の健保に通知する。財政状況の厳しい一部の健保には負担を軽減する。
 中小企業の従業員が入る政府管掌健康保険にも数百億円の負担が発生する見通し。国保の財政負担は軽くなり市町村はその分、税金を投入しなくて済む。これとは別に、厚労省は政管健保への国庫負担のうち七百五十億円を健保に肩代わりさせる特例法案を国会に提出しており、成立すれば健保への新たな負担は合わせて四千億円以上になる。
 健保は積立金取り崩しや保険料引き上げで対応する。人材派遣会社約四百社が共同で設立した「人材派遣健康保険組合」は今年度、保険料率を六・一%から七・六%に上げた。保険料は平均で月約千八百円上がる計算だ。
 セブン&アイ・ホールディングス傘下の二十八社で構成する健保も保険料率を六・三%から七・二%に上げる。厚労省によると、健保全体の積立金は二〇〇七年三月時点で四兆三千億円あり、取り崩して賄える健保もある見込みという。


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