20080523 日本経済新聞 朝刊
自民、公明両党が高齢者支援の総合対策づくりに乗り出した。自民党は二十三日に設置する「高齢者の安心と活力を強化するための合同部会」(与謝野馨会長)で検討を進め、来週中にも対策をまとめる。高齢者が預けた一定額までの預貯金の利子を非課税にする少額貯蓄非課税制度(高齢者マル優)の復活などを検討課題とする方針だ。
高齢者対策のとりまとめは福田康夫首相の意向を受けたもの。後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の導入に伴う批判などが「高齢者の与党離れ」につながるのを防ぐ狙いがある。六月にも決定する政府の「骨太方針二〇〇八」に反映させたい考えだ。
与謝野会長は二十二日に合同部会の幹事会を開き高齢者マル優の復活に加え(1)六十歳以上で働く人の雇用保険の保険料の減免(2)三世代が同居する家庭への減税(3)六十五歳定年制の定着(4)雇用時の年齢差別の撤廃――などを議論する方針を示した。後期高齢者医療制度の見直しも検討する。
自民党は秋の税制改正論議も踏まえ年末の予算編成までの正式決定を目指す。ただ高齢者マル優の復活を巡っては「本当に意味のある政策なのか」(町村信孝官房長官)など政府内に慎重論もある。
公明党は二十二日、高齢者の年金や医療の改善を目指す「高齢者トータルサポートプラン」の骨格をまとめた。七十―七十四歳の医療費の窓口負担(現在は一割)について、来年四月からの二割への引き上げを凍結する案などが柱。
公的年金の受給資格期間(二十五年)の短縮や保険料の事後納付期間の延長、介護労働者確保のための介護報酬の引き上げも掲げた。
20080523 日本経済新聞 朝刊
厚生労働省は二十二日、病気回復の見込みが乏しい場合、延命治療の必要性などを医師と相談する診療サービスを凍結する方向で検討に入った。後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の一環で四月に導入したが、与野党から「延命治療の中断につながる」との批判が強まったためだ。政府・与党がこの医療制度の改善策をまとめる六月中旬までに結論を出す。
この仕組みは「終末期相談支援料」と呼ばれ、医師らが七十五歳以上の患者と延命治療の有無をあらかじめ相談し文書にまとめる。医療機関は二千円の診療報酬を申請して受け取る。厚労省は医療機関が当分の間、この支援料を請求できないようにする方針だ。同時に舛添要一厚労相直属の検討会を設けて支援料廃止の是非を議論する。
さらに厚労相は同日、国民健康保険に加入する子に扶養される七十五歳以上の高齢者の保険料負担を軽減する考えを示した。会社員の子に扶養されると九月まで免除になるが、国保だと四月から年金天引きされていた。今後与党と調整する。
厚生労働省は二十二日、病気回復の見込みが乏しい場合、延命治療の必要性などを医師と相談する診療サービスを凍結する方向で検討に入った。後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の一環で四月に導入したが、与野党から「延命治療の中断につながる」との批判が強まったためだ。政府・与党がこの医療制度の改善策をまとめる六月中旬までに結論を出す。
この仕組みは「終末期相談支援料」と呼ばれ、医師らが七十五歳以上の患者と延命治療の有無をあらかじめ相談し文書にまとめる。医療機関は二千円の診療報酬を申請して受け取る。厚労省は医療機関が当分の間、この支援料を請求できないようにする方針だ。同時に舛添要一厚労相直属の検討会を設けて支援料廃止の是非を議論する。
さらに厚労相は同日、国民健康保険に加入する子に扶養される七十五歳以上の高齢者の保険料負担を軽減する考えを示した。会社員の子に扶養されると九月まで免除になるが、国保だと四月から年金天引きされていた。今後与党と調整する。
20080523 日本経済新聞 朝刊
政府の経済財政諮問会議が二十三日まとめる予定の公的年金の運用改革案が固まった。積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を中央銀行のよう な独立性の高い認可法人に衣替えするほか、基金を複数に分割して運用を競わせるべきだと提言する。硬直的な運用体制を改め、運用利回りの向上を目指すのが狙いだ。
年金積立金は約百五十兆円。GPIFはこのうち九十兆円を運用しているが、独立行政法人という組織に制約され、人件費の一律削減を義務づけられている。提言は組織形態を見直すことで制約を除外。民間並みの報酬体系を導入して優秀な運用担当者を雇えるようにすることを求める。
GPIFに対しては、運用のリスク分散が不十分との指摘がある。提言は「運用基金を独立した複数の基金に分割すべきだ」と指摘。競争原理の導入による運用効率の改善を促す。
このような仕組みはスウェーデンが導入している。
20080523 日経産業新聞
日本製薬工業協会(東京・中央)の庄田隆会長(第一三共社長)は二十二日、就任後初めて会見し「特許期間中は薬価を下げないという制度の導入が必要だ」と述べた。新薬の研究開発環境の整備に力を入れる考えを強調した。薬価制度改革の議論に向けて「新たな制度を提案し、実現させたい」と意欲を示した。
特許の残存期間は「収益を確保できる形にしてもらいたい」が、医療費抑制策も大きな課題のため特許切れ後は「廉価で品質の高い後発医薬品と共存する」と話した。
欧米に比べ新薬の承認に時間がかかるドラッグラグで「日本の患者が新薬の恩恵を享受できていない」と指摘。製薬企業も発売から特許満了まで期間が短く「収益を上げにくくなる」と懸念を示した。ドラッグラグ解消のため「臨床試験(治験)や承認審査など、研究開発の中流、下流の部分の環境整備や改善に力を入れたい」という。
市場動向は「医療費抑制や(割安な)後発薬の利用促進が世界的な潮流になっている」と分析。「市場をけん引してきた米国は成長が鈍る」との予想も披露した。一方で新興国は急拡大しており「アジアは欧米に続く第三極になる」。新薬開発の活性化に向け「日本がリーダーシップを発揮してアジア各国の承認審査や治験制度を整備することが重要」とした。
【図・写真】就任後、初めて記者会見した日本製薬工業協会の庄田隆会長(東京・千代田)
日本製薬工業協会(東京・中央)の庄田隆会長(第一三共社長)は二十二日、就任後初めて会見し「特許期間中は薬価を下げないという制度の導入が必要だ」と述べた。新薬の研究開発環境の整備に力を入れる考えを強調した。薬価制度改革の議論に向けて「新たな制度を提案し、実現させたい」と意欲を示した。
特許の残存期間は「収益を確保できる形にしてもらいたい」が、医療費抑制策も大きな課題のため特許切れ後は「廉価で品質の高い後発医薬品と共存する」と話した。
欧米に比べ新薬の承認に時間がかかるドラッグラグで「日本の患者が新薬の恩恵を享受できていない」と指摘。製薬企業も発売から特許満了まで期間が短く「収益を上げにくくなる」と懸念を示した。ドラッグラグ解消のため「臨床試験(治験)や承認審査など、研究開発の中流、下流の部分の環境整備や改善に力を入れたい」という。
市場動向は「医療費抑制や(割安な)後発薬の利用促進が世界的な潮流になっている」と分析。「市場をけん引してきた米国は成長が鈍る」との予想も披露した。一方で新興国は急拡大しており「アジアは欧米に続く第三極になる」。新薬開発の活性化に向け「日本がリーダーシップを発揮してアジア各国の承認審査や治験制度を整備することが重要」とした。
【図・写真】就任後、初めて記者会見した日本製薬工業協会の庄田隆会長(東京・千代田)
20080523 日本経済新聞 地方経済面
愛媛県は二十二日、二〇〇九年度の政府予算編成に向けた重要施策の最重点項目を発表した。項目数は十九で〇八年度に比べて三つ増えた。新規(一部新規も含む)は医師確保対策など十二。加戸守行知事が六月十二、十三日に上京し、各省庁の幹部に提案・要望する。
医師確保対策では医学部定員に関する方針の見直しや、へき地医師不足地域での医師勤務を促す施策の検討を挙げた。このほか介護ボランティアの活用による愛と心のネットワークづくりや南予地域の振興対策の推進、地方税財源の充実・強化、規制緩和の推進などを盛り込んだ。
愛媛県は二十二日、二〇〇九年度の政府予算編成に向けた重要施策の最重点項目を発表した。項目数は十九で〇八年度に比べて三つ増えた。新規(一部新規も含む)は医師確保対策など十二。加戸守行知事が六月十二、十三日に上京し、各省庁の幹部に提案・要望する。
医師確保対策では医学部定員に関する方針の見直しや、へき地医師不足地域での医師勤務を促す施策の検討を挙げた。このほか介護ボランティアの活用による愛と心のネットワークづくりや南予地域の振興対策の推進、地方税財源の充実・強化、規制緩和の推進などを盛り込んだ。