20080523 日経産業新聞

 日本製薬工業協会(東京・中央)の庄田隆会長(第一三共社長)は二十二日、就任後初めて会見し「特許期間中は薬価を下げないという制度の導入が必要だ」と述べた。新薬の研究開発環境の整備に力を入れる考えを強調した。薬価制度改革の議論に向けて「新たな制度を提案し、実現させたい」と意欲を示した。
 特許の残存期間は「収益を確保できる形にしてもらいたい」が、医療費抑制策も大きな課題のため特許切れ後は「廉価で品質の高い後発医薬品と共存する」と話した。
 欧米に比べ新薬の承認に時間がかかるドラッグラグで「日本の患者が新薬の恩恵を享受できていない」と指摘。製薬企業も発売から特許満了まで期間が短く「収益を上げにくくなる」と懸念を示した。ドラッグラグ解消のため「臨床試験(治験)や承認審査など、研究開発の中流、下流の部分の環境整備や改善に力を入れたい」という。
 市場動向は「医療費抑制や(割安な)後発薬の利用促進が世界的な潮流になっている」と分析。「市場をけん引してきた米国は成長が鈍る」との予想も披露した。一方で新興国は急拡大しており「アジアは欧米に続く第三極になる」。新薬開発の活性化に向け「日本がリーダーシップを発揮してアジア各国の承認審査や治験制度を整備することが重要」とした。
【図・写真】就任後、初めて記者会見した日本製薬工業協会の庄田隆会長(東京・千代田)