20080528 日本経済新聞 朝刊

 自民、公明両党は二十七日、七十五歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)を巡り、年金からの保険料の天引き制度について、子供の預貯金から引き落としができるよう制度を見直す検討に入った。会社員の子供に扶養されている約二百万人の後期高齢者らを対象とする方向だ。
 会社員の子供に扶養されている約二百万人はこれまで自分で保険料を負担しておらず、子供の健康保険組合などが医療費の支援をしていた。こうした高齢者は今年十月からは保険料の一割を年金から天引きされる。与党が検討しているのは、子の預貯金から保険料を引き落とせる仕組み。扶養者が肩代わりすることで高齢者本人の負担感を軽減する狙いだ。政省令の改正で対応する考え。
 高齢者の不満が強い天引き制度の見直しを巡っては、与党内にはこのほか(1)約二百万人の被扶養者以外の天引きも見直す(2)年金天引きの除外対象を現行の年間の年金収入が「十八万円未満」から「約八十万円以下」に拡大する――の二案も浮上している。
 与党は同日の高齢者医療プロジェクトチーム(PT)で、地方自治体などから意見を聴取。年金天引き制度の改善を求める声が上がっており、今後は必要財源に関しても詰める方針。来週にも改善案をまとめる予定だ。PTでは既に低所得者向け保険料の軽減幅を、現行の最大七割から同九割に引き上げる案を改善案に盛り込み、政府に要請する方針を固めている。


20080528 日本経済新聞 朝刊

 社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円抑制する政府目標が達成できなくなる懸念が強まってきた。後期高齢者医療制度への批判を受け、自民党の厚生労働関係合同部会は二十七日、二〇〇九年度は削減を見送るべきだと決議した。厚生労働省も「別枠」で社会保障費を要求する検討を始めた。社会保障費の抑制は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を一一年度に黒字にするための前提で、財務省などの反発は必至。〇九年度の予算編成で最大の焦点となりそうだ。
 二十七日の自民党の合同部会では「社会保障費の抑制は医療の崩壊につながる」との声が相次いだ。これに関連し、舛添要一厚生労働相は同日の会見で二千二百億円の抑制は「限界に近い」としたうえで、「無駄を省いて行政改革という話もあるが、国民の生命のためになることにはきちんと予算をつけることも必要」と強調した。
 二千二百億円の社会保障費の抑制は「骨太方針二〇〇六」に盛り込まれ、〇七年度予算から実行された。診療報酬の引き上げといった制度改正で社会保障費が増える場合、その分は目標に上乗せし、〇七年度と〇八年度は差し引きで二千二百億円の抑制を達成した。
 ところが、厚労省は〇九年度予算では雇用保険の国庫負担の削減などで二千二百億円を抑制する一方、医師不足対策や後期高齢者医療制度の改善策で必要な予算は「別枠」で要求することを検討中だ。例えば別枠が五百億円の場合、これを目標に上乗せせず、差し引き千七百億円分しか抑制しないことになる。
 厚労省は「一般財源化される道路特定財源を社会保障費の別枠分だけ削減すれば、一一年度に基礎的財政収支を黒字化するという政府目標は達成できる」と主張する。
 しかし、道路予算をどこまで削れるかは現段階では不透明だ。しかも道路予算については教育や政府開発援助(ODA)などの分野も獲得を狙っており、厚労省の思惑通りにいくかは未知数だ。
 六月中旬にもまとめる「骨太方針二〇〇八」で福田康夫首相がどこまで社会保障費の抑制に強い姿勢を見せるかが当面のヤマ場となる。

5月27日12時1分配信 時事通信


 ビタミンB群を食事で多く取る人は心筋梗塞(こうそく)になりにくいことが27日までに、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎国立がんセンター部長)の大規模疫学調査で分かった。どれか1つだけでは効果がなかった。
 研究班は1990年と95年、岩手、秋田、長野、沖縄の4地域で、40~59歳の男女約4万人の生活習慣を調査。約11年の追跡期間に、男性201人、女性50人の計251人が心筋梗塞などの虚血性心疾患になった。
 食事内容からビタミンB6、B12、葉酸の摂取量を算出してそれぞれ5群に分け、喫煙や肥満、ビタミン剤摂取などの影響を除いて発症リスクを比較。その結果、いずれも摂取量が多いとリスクが低い傾向がみられた。
 心筋梗塞に限るとより顕著で、最も少ないグループに比べ、最も多いグループは葉酸で約4割、B6、B12で約5割低かった。
 また、摂取量が多いか少ないかの組み合わせでも検討。3つすべて少ない人は、すべて多い人の2倍以上のリスクだった。1つだけ多くても他の2つが少なければ同様に高リスクで、特にB6が少ないと、B12と葉酸が多くても2倍以上だった。
 研究班は、これらを満遍なく、特にB6を多く含む食品を積極的に取ることが、心筋梗塞の予防につながる可能性があるとしている。 

20080526 日本経済新聞 朝刊

 日本経済新聞社が二十三―二十五日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率は二四%となり、四月末―五月初めの前回調査から三ポイント上昇した。不支持率は四ポイント低下の六四%で依然、高水準だ。政党支持率は民主党が三六%で、自民党の三一%を二回連続で上回った。後期高齢者医療制度への批判などが背景にあるとみられ「低所得者の保険料軽減措置の拡充」を求める声は三五%に達した。(関連記事2面に)
 内閣支持率は三回連続で三〇%を下回った。支持しない理由を複数回答で聞くと「指導力がない」が五六%で最多。「政策が悪い」の五二%、「安定感がない」の三二%が続いた。支持する理由は「人柄が信頼できる」が三八%、「自民党の内閣だから」が三六%などだった。
 自民党の支持率は二ポイント低下、民主党は前回と同じだったため、差は五ポイントに広がった。世代別では二十―五十歳代で、民主党が自民党と同じか上回っている。民主支持が二回連続で自民支持を上回るのは自民、公明両党が大敗した昨年の参院選前後の七、八月以来。
 政府・与党が見直しを検討している後期高齢者医療制度については、「低所得者の負担軽減」に次いで、二五%が「制度の廃止」を求めている。「保険料の年金からの天引きをやめる」は二〇%、「制度の周知を徹底する」は一一%にとどまった。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施。有権者のいる千五百十四世帯から九百六十六件の回答を得た。回答率は六三・八%。
20080526 日本経済新聞 朝刊

 舛添要一厚生労働相は二十五日の民放番組で、政府・与党が検討している後期高齢者医療制度の見直しで、保険料の軽減幅を最大九割に拡大する対象者について「例えば単身者で(月に)約六万円、夫婦で約十三万円の基礎年金だけで生活している人」との考えを示した。与党と調整し、六月第一週をめどに見直し案をまとめる方針だ。
 厚労相は負担軽減策を実施すると「(社会保障抑制目標の)二千二百億円の問題と関連してくる」との認識を示した。