20080711 日本経済新聞 朝刊

 政府・与党は十日、二〇〇九年四月の実施を想定していた基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引き上げを、同年十月以降に先送りする方向で検討し始めた。次期衆院選が迫り消費税増税が困難になりつつある中で、国庫負担引き上げに必要な財源のメドがつかないためだ。公的年金財政強化の遅れは、年金制度への国民の不信感をさらに強める恐れもある。(基礎年金の国庫負担は3面「きょうのことば」参照)
 基礎年金の財源は現在、国が税金を三六・五%投入し、残りを加入者の保険料で賄っている。政府・与党は〇四年の年金制度改革で国庫負担の割合を二分の一に引き上げる方針を決定。年金改革法に「安定した財源」の確保と「〇九年度までの実現」を明記した。来年四月から引き上げると、消費税約一%分に相当する約二兆三千億円が〇九年度予算で必要となる。
 政府・与党は〇九年度中に国庫負担を引き上げれば年金改革法に抵触しないと判断。実施時期を遅らせることで来年度予算での税金投入額を減らしたい考えだ。引き上げ時期が来年十月なら、必要な予算は約一兆一千億円強に、一〇年一月なら同約六千億円に減る。その程度の財源であれば、特別会計の余剰金「埋蔵金」やたばこ税増税などでねん出できるとの声が政府・与党内にある。
 政府・与党が急速に先送りに傾いたのは、来年度の消費税増税が難しい情勢だからだ。財務・厚生労働両省や、自民党の厚生労働族、税制調査会の幹部はこれまで、今秋の税制抜本改革で消費税増税に踏み切り、増税分を国庫負担引き上げの「安定財源」にする考えだった。
 しかし、来年九月までに次期衆院選を控え、与党内は増税反対論が拡大。ねじれ国会では、消費税の税率据え置きを主張する野党が参院の過半数を握っているため増税法案の成立はなおさら難しい。福田康夫首相も消費税増税の是非を判断するのに「二―三年かかるだろう」と語っていた。
 これに関連して自民党の園田博之政調会長代理は十日、日本経済新聞社のインタビューで「来年度の国負担分を減らすため、実施時期をなるべく後ろにするのはあり得る。一年間なら年金給付に影響を及ぼすわけでもない」と表明。来年度の引き上げ自体を見送り、そのための法案を提出する可能性にも言及した。
 伊吹文明幹事長も先月下旬の記者会見で「(国庫負担割合引き上げを)どの時点でスタートするかは予算編成で議論しなければならない」と指摘。別の党幹部や政府高官も先送りを検討する考えを示している。

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20080711 日本経済新聞 朝刊

▽…現在、基礎年金の財源は3分の1強を国からの税金、残りを保険料で賄う。2004年の年金制度改革で国庫負担割合を段階的に引き上げて09年度までに2分の1にすることを決めた。国民年金の未納率が高まる中、公費を投入することで年金制度への信頼性を高める狙いだ。だが現在の比率は約36.5%。今年の通常国会で約37.3%にする国民年金法改正案を提出したものの野党の反対で衆院の採決が見送られ継続審議となっている。
▽…国庫負担の2分の1への引き上げはもともと、04年までに実施する方針だった。しかし、04年に当時の小泉純一郎首相が「在任中は消費税率を上げない」と明言したこともあって、財源が確保できずに09年度まで先送りされた経緯がある。

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20080711 日本経済新聞 朝刊

 生命保険協会と日本損害保険協会は二〇〇九年度の税制改正要望で、二つある保険料控除制度の統合を求めることで合意した。前年度は両協会の主張の隔たりが大きく、窓口となる金融庁がまとめた改正要望も、二つの案を併記する異例の事態になっていた。主張が分かれたままでは改正はおぼつかないとみて両業界が歩み寄った。
 現行の保険料控除は死亡、医療、介護保険の保険料を所得から差し引く「生命保険料控除」と、個人年金の保険料を差し引く「個人年金保険料控除」に分かれる。
 要望案では、両控除を一本化した新しい控除をつくる。控除総額を設けたうえで、死亡、医療、介護、年金などの商品ごとにも控除枠をつくる。控除の具体的な金額などは今後、詰める。
 例えば控除の総額が十万円、商品ごとの上限が五万円とすると、死亡、医療でそれぞれ五万円ずつの控除を利用できたりする。
 現在の生命保険料控除は大半が死亡保険で利用されているとみられ、要望案が実現すれば医療保険や介護保険でも控除枠を利用しやすくなる可能性がある。
 昨年度は要望を一本化できなかった。

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20080711 日本経済新聞 地方経済面

 静岡県は十日、二〇〇六年度の介護保険利用状況を発表した。県内の要介護(要支援含む)認定者数は十一万六千七十四人と〇五年度に比べて二・四%増加したが、六十五歳以上の人口に占める割合(要介護認定率)は一四・二%で〇・一ポイント下がり、二〇〇〇年度の制度開始以降初めて低下した。介護給付費の総額は二・六%増加し千六百八十九億二千三百万円に上り、二〇〇〇年度の二倍以上に膨らんでいる。
 六十五歳以上の人口(第一号被保険者)は約八十一万人と三・五%増加したが、認定者数の伸びがこれを下回ったため認定率が低下した。認定者数の伸び率は全国平均(一・八%増)を上回るが、認定率は全都道府県で四番目に低い。
 サービス受給者数は一カ月平均で約九万七千人と七・三%増加。居宅サービスが七〇・一%を占めた。受給者数、給付費ともに伸び率は全国平均を上回る。〇六年度に軽度の認定者の利用抑制や報酬単価を減らす制度改正があったが、もともと利用の少ない静岡県では全国より伸び率が高まったようだ。
 県は今後も給付総額は増えるとみており、十五日に市町の保険担当者を集め、介護給付の適正化研修会を開く。身体機能の低下を抑えるケアプランの作り方などを伝える。

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7月10日12時1分配信 時事通信


 日常生活で体をよく動かす人ほどがんになりにくいことが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で分かった。米国の疫学専門誌に10日までに発表した。研究班の井上真奈美国立がんセンター室長は「活動的な生活ががん予防の一端を担える可能性がある」としている。
 研究班は1995年と98年、全国10地域の45~74歳の男性約3万8000人、女性約4万2000人を対象に、身体活動の時間を(1)肉体労働や激しいスポーツの時間(2)歩いたり立ったりする時間(3)座っている時間(4)睡眠時間-に分けて調査。2004年末まで追跡したところ、この間に男性2704人、女性1630人ががんになった。 

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