20080713 日本経済新聞 朝刊

 自民党の谷垣禎一政調会長は十二日午前、佐賀市内で講演し、税制抜本改革について、消費税増税に踏み切る場合、所得の高い人ほど多くの税金を負担する所得税の累進税率も引き上げるべきだとの考えを示した。谷垣氏は「消費税を上げたときは、所得税(の累進課税)のカーブを若干引き上げる必要がある」と語った。

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20080712 日本経済新聞 地方経済面

 長野信用金庫(長野市、原徹爾理事長)は保険商品の販売を本格化する。六月に発売したがん保険に続き、今秋から医療保険を扱う。保険や投資信託を担当する専門部署も設置した。県内経済の低迷で主力の法人向け融資は伸び悩んでいる。投信より手数料が大きく、安定した販売が見込める保険に力を入れて収益拡大を目指す。
 四月に「保険証券推進課」を設けた。保険と投信の担当者を二人ずつ配置し、職員の教育や営業店支援を担当する。六月に全国信用金庫協会(東京・中央)が企画したがん保険を発売しており、九月以降に同じく医療保険の信金統一商品を売り出す予定だ。
 店頭での販売に加え、渉外担当者も保険を販売する。渉外担当者が集金業務などを通じて培った「顧客との距離の近さを生かす」(業務部)ためだ。商品の内容や顧客への説明方法についての研修は随時、実施していく。
 保険は「保障機能をもち、相場の影響も受けにくいので需要が大きい」(同)とみて強化に乗り出す。同金庫がこれまで扱っていた保険は住宅ローン関連の火災保険と貯蓄性の個人年金保険の二種類。昨年十二月の保険窓販の全面解禁を受け、医療・がん・介護など第三分野の商品拡充も進める。


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20080712 日経プラスワン

 東京都在住の会社員、佐々木一洋さん(32)は最近、インターネットの相互レンタルサービスを利用し、人気漫画を全巻借りた。負担したのは着払いで払った送料の数百円のみ。「中古本を買うとしたら千円以上の出費は想定していたので、安くてお得。漫画喫茶と違い、自分の家でゆっくり読める」と話す。読み終わった漫画は同じサイトで別の人に着払いで送った。
 佐々木さんは同じサービスを使って、子どもが欲しがっていたキックボードも借りた。しかし、子どもは実際に遊ぶと、ほどなくして飽きてしまった。「安くはない商品なので、こういうサービスを利用してお試しに使えるのは便利」と満足げだ。
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 佐々木さんが利用したのは「シェアモ」という不用品を貸し借りできるサイト。会員登録をすると、自分の不用品を登録して貸し出したり、別の人が登録した品物を借りたりすることができる。同サイトにはCDやDVD、キャンプ用品など約千八百点が登録されている。テレビなど家電も登録できるため、借り手が見つかれば処分費を節減できるという利点もある。
 図書館で本を借りる場合も、ネット上のサイトを利用することでより便利に使える。書籍検索サイト「クネゾン」は、書籍販売サイト「アマゾン」の書籍情報やブログに書かれた感想を参照しながら、その書籍を所蔵する図書館を検索できる。最近、このサイトを知った東京都在住の大学生、路星洋さん(21)は「ほかの人の評価を見ながら本を探せるのは便利」と話す。
 「お部屋も心もすっきりする持たない暮らし」の著者である金子由紀子さんは「必要なものにお金をかけることも大切だが、ものを持ち過ぎるとお金を非効率に使いがちになる」と指摘する。金子さんがレンタルと並んですすめるのが「他人との共有」だ。
 東京と名古屋を頻繁に行き来する東京都在住の坂田さやかさん(26)が「他人との共有」で費用を節約したのは交通費。同じ日に車で名古屋に行くドライバーをネット上で探し、同乗させてもらった。交通費の一部を支払うのが条件で、負担額は約二千円。新幹線の約五分の一だ。「安全のため事前に同乗者がどんな人か確認する必要はあるが、費用は安く済み、一人旅よりも楽しく過ごせる」という。
 このように車に同乗する相手を探し、交通費を分担する仕組みは「ライドシェア」と呼ばれる。相乗り相手を募る専用サイト「のってこ!」は利用者に免許証などの写しの提出を求めたり、利用後に同乗者を評価する制度を設けたりするなど、お互いに安心して利用できるように工夫を凝らしている。
 情報サイト「オールアバウト」の家計管理ガイドである山口京子さんは「使う機会が限られるものを買う場合、使い終わった後に売ることをあらかじめ考えて、高く売れそうな品物を選ぶのも一手」と助言する。例えば、女性の洋服などは知名度や人気のあるメーカーの商品を選べば、後にインターネットオークションなどで売りやすくなる。
 一児の母でもある山口さんは「子供の成長は早く、ベビー服は頻繁に買い替えなければならないので、中古品の利用も有効」と強調する。ネット上の交換サイト「こそだてママ・マーケット」では、約一万四千点の子供服を取り扱っている。
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 手持ちの品物で代用するのも一法だ。金子さんが一例として挙げるのが、携帯電話の活用。「最近の携帯は音楽機能やカメラ機能が搭載されているものが多い。こだわりがあるなら別だが、携帯を音楽プレーヤーやカメラの代用品として使えば、その分出費を節約できる」と指摘する。
 無駄な出費を省く究極の方法は「そもそも買わない」ことだ。金子さんは自分の持ち物を常に点検し、最大限活用することを心掛ける。洋服は一着ずつ名刺大のカードにイラストを描いてファイリングしておく。何を持っているか把握したうえで、組み合わせを考えて買うため「衝動買いはほとんどない」という。
 物価の値上がりが続く中「持たない家計術」の発想で一度、じっくり家計を見直してみるのもよいかもしれない。(小林由佳)
 借りる、共有する、代用する――。家計費を節約する方法の一つとして、こうした「持たない家計術」が関心を集めている。本やCD、衣服、車に至るまで、買わずに必要に応じて必要な期間だけ限定利用することで、無駄な出費を省く方法だ。実践者の体験談をもとに「持たない家計術」のコツを探った。
【図・写真】不要品を貸し借りできる「シェアモ」は携帯電話で利用できる

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20080712 日経プラスワン

 食料品の値上げが相次ぎ、家計を圧迫している。給料の頭打ち傾向が続く中で食費が増えれば、それ以外の支出を減らすしかない。では、そもそも家族の一日の一人当たりの食費(外食を除く)はいくらぐらいか。全国の既婚男女に聞いたところ「五百円以上千円未満」(三二%)が最も多く、次いで「三百円以上五百円未満」(二七%)だった。
 食料品で値上がりを一番感じるものを一つ挙げてもらうと「パン類」(二九%)、「バターなどの乳製品」(二七%)、「パスタなどめん類」(一九%)の順で多かった。
 回答者の多くが食料品の値上がりに対策を講じている。「めん類はなるべく食べない」(パート・アルバイトの女性、33)、「パン食、めん類を減らし、ご飯を増やす」(自営業の女性、56)など、大幅に値上がりした食料品を避けようとする人が目立った。
 今まで以上に食材を使い尽くすようになったという人も多い。「バター類はすべて使うように隅々までスプーンでとって使っている」(会社員の男性、47)、「パンの耳を手作りおやつにするなど、無駄をできるだけ出さないようになった」(専業主婦、47)といった具合に様々に工夫を凝らしている。
 調査の方法 調査会社のマクロミルに依頼し、インターネットで実施。対象は全国の既婚の成人男女で、有効回答は六百十八人(男女半々)。

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20080711 日本経済新聞 朝刊

 基礎年金の国庫負担割合を現行の三分の一強から二分の一に引き上げる時期がずれ込むと、政府が約束してきた将来の年金給付の水準を維持することに黄信号がともる。二〇〇四年の年金制度改革では保険料の上限を定めるとともに、給付水準の下限も設けた。ただこれらは国庫負担の引き上げを織り込んでおり、実施が遅れれば財源確保の条件が崩れることになる。
 現行制度では保険料負担は一七年まで段階的に増え、それ以降は厚生年金で一八・三%(労使折半)、国民年金は月一万六千九百円で固定する。給付については、現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合(所得代替率)が、「将来も五〇%を下回らない」と確約した。
 現在の計算では、将来の給付水準の下限は五〇・二%になっている。保険料の上限、給付水準の下限はともに、来年四月に基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げることを前提に設計してきた。仮に二分の一への引き上げが一年遅れると、約二兆三千億円の穴が開く。その分は年金の積立金を想定よりも多く取り崩すことになり、将来の給付水準は〇・二ポイント程度低下する。公約を守れるかどうかの瀬戸際だ。
 国庫負担引き上げの遅れを半年にとどめても、当初の想定に比べると一兆一千億円強が入ってこないことになる。想定以上に少子化が進んだり、経済情勢が悪化したりすれば、「五〇%を下回らない」という給付水準の保証は難しくなる。保険料の上限や積立金の活用の見直しなど制度改正論につながるだけでなく、現行の年金制度のもろさを改めて国民に印象づける結果を招くのは必至だ。政府・与党は増税論議を避けても、年金不信というもう一つの難題からは逃れられそうにない。

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