20090123 日本経済新聞 朝刊

 東京海上ホールディングスとNTTの金融子会社のNTTファイナンスは二十二日、自動車保険を、携帯電話やインターネットなどを使って販売する直販損保事業で提携したと発表した。二十六日に共同出資の準備会社を設立、保険業の事業免許を取得したうえで、今春をメドの開業を目指す。
 両社が設立する「イーデザイン損保設立準備株式会社」の資本金は七十億円。東京海上が八五・〇一%、NTTファイナンスが一四・九九%出資する。NTTの次世代通信ネットワーク(NGN)を使った新サービスの開発などを進める。

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20090123 日本経済新聞 夕刊

 緊急対策として各地の自治体は臨時職員の採用を進めているが、応募が少ない自治体は多い。
 パソコンのデータ入力や窓口業務補助などで約百人を採用予定のさいたま市。雇用期間を今年三月末までに限る自治体が多いなか、同市は六カ月と長めだ。それでも今月十三日の募集開始後、応募は一週間で八人。担当者は「期間の見直しも含め検討したい」と話す。
 「問い合わせで賃金などの条件を聞いて見送る人もいる」(栃木県)。雇用保険給付額に比べ臨時職員の給料が少ない場合もあり、職探しを続ける人も多いようだ。
 自動車産業の集積地域などでは、応募が多い自治体もある。
 五十七人を採用予定の浜松市では、募集開始の十九日だけで四十六人が応募。うち九割を南米などの外国人労働者が占めている。
 八代尚宏・国際基督教大教授(労働経済学)は「自治体の取り組みは緊急避難的措置として評価できる」としながらも、「失業者らが職業訓練するための費用を大幅に上積みするなど、中長期的な視点に立った対策も必要」と話している。

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20090123 日本経済新聞 夕刊

 JTBは四月から「JTB旅カード」を発行する。新しいクレジットカードだが、旅行積立の機能「たびたびバンク」がついているのが特徴だ。
 銀行が発行するキャッシュカードとクレジットカード一体型に似たカードといえる。預け入れた資金に付く実質的な金利は年一・五%と、銀行の普通預金より大幅に高い。
 「利便性を上げて旅行商品を買う顧客に利用してもらう」。サービスを手がけるPLUS FSチームマネージャーの山村晋一(48)は強調する。
 「たびたびバンク」の原型は一九八〇年代の旅行積立。満期が来ると旅行商品が買える旅行券がもらえる仕組みだった。
 二〇〇三年に貯蓄商品に改組した。資金を預け入れて、満期になるとサービス額を上乗せした額で旅行商品を買えるようにした。サービス額が実質的な利息になる。
 いつでも預け入れできるフリープランは普通預金のイメージで、金利は年一・五%。毎月一定額を積み立てる定期積立プランは定期預金がモデルといえ、金利は年一・七五%だ。
 原則として解約はできない。使い道はJTBの店舗での旅行商品の購入に限られるが、JTB以外の旅行商品にも使える。JTBで何度も旅行商品を買ってもらおうと、「旅」と「度々」をひっかけた「たびたびバンク」と名付けた。
 もともと会社の財務戦略の意味合いもあった。JTBは長期借入金はないが、余裕資金は手元に置いておきたかった。いまや余裕資金の三分の二程度をたびたびバンクで賄っている。
 顧客の囲い込み効果も大きい。競争の激しい旅行業界だけに顧客の継続率は三割程度。たびたびバンクで原資を固定すれば継続率は間違いなく上がる。たびたびバンクの継続率は六〇%近い。
 山村は八四年にJTBに入社。京都支店を経てTRS(トラベル・リレーテッド・サービス)営業部でかつて旅行積立の販売促進などを手がけていた。
 同社は旅行に関連している金融商品に注力する。〇八年四月にその企画立案を担うPLUS FSチームを設け、山村はそのリーダーを務めている。
 力を入れているのはサービスの強化。旅カードに組み込むほか、今月二十日からは「たびたびバンク」でたまったお金をJTBのインターネットを使った旅行商品の購入に充てられるようにした。店だけでなくネット決済対応でも預金商品に近付けた。
 「高齢者にとって、旅行は貯蓄の重要な目的の一つ。金利が高く、ためた資金をほかの目的に使ってしまうことがないのも魅力になる」
 金融機関は富裕層サービスの一環として、JTBと組んで旅行の紹介などをしている。それに対して、旅行のプロが金融機関をはるかに上回る金利を提示し、利用者はすでに十六万人に上る。旅をめぐる競争の激化は、利用者には朗報だ。
=敬称略
(編集委員 太田康夫)

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20090122 日本経済新聞 名古屋夕刊

 ソニーが愛知県一宮市のテレビ工場での生産打ち切りの方針を固めたことについて、同市は「市への打撃は大きい」と雇用や税収などへの影響を懸念している。市内で最大規模の工場を引き留めようと市幹部がソニーに働き掛けてきただけに、対応策の練り直しを迫られる。(3面参照)
 ソニーが世界で一万六千人以上の人員削減を発表した昨年十二月以降、一宮市幹部はプロジェクターや業務用モニターを生産する一宮テック(同市)を訪れ、操業の継続や雇用の確保を要請してきた。一宮テックは「ソニー本社が決める」と回答し、市は成り行きを見守ってきたという。
 一宮市内には豊田合成やオムロンなどの生産拠点があるが、市の担当者は「大きな事業所が生産を取りやめるのは初めて。これからどうなるのかは分からない」と困惑を隠せない様子。税務担当者も「従業員数が減少すれば法人市民税の税収が減少する」と懸念する。
 一方、工場が存続する方向となった同県稲沢市の担当者も液晶テレビを組み立てる稲沢テック(同市)に電話をするなど情報収集している。


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20090122 日本経済新聞 朝刊

 厚生労働省は二十一日までに、一定額以上の預貯金などの資産がある障害者が障害福祉サービスを受ける際、自己負担軽減を認めていなかった従来の方針を転換し、資産要件を撤廃することを決めた。
 親が生前に保険料を支払うと死後、子供に年金が支給される「心身障害者扶養保険」で年金を受け取っている人についても、年金を収入に算入する取り扱いをやめ、負担軽減措置を適用する。
 政令などを改正し、いずれも七月から実施する。「障害のある子供のために親が財産を残したことで、負担軽減を受けられないのはおかしい」との批判を踏まえた対応。
 二〇〇六年施行の障害者自立支援法に基づいて、サービス利用は原則一割自己負担となったが、現在は収入に応じて軽減措置が実施されている。ただ、単身で五百万円、夫婦で一千万円を超える預貯金などがある場合は軽減の対象外だった。

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