さわかみファンドの2011年はマイナス20%
さて、まともな投資信託というものがほとんど存在しないと思われる中で
長期投資を掲げる「さわかみファンド」はどうなのか。
実際に何年か付き合ってみたり、その後も発言や投資を調べてみたりして感じたこと。
・良い点
澤上氏の主張は延々と同じことを言っており、何らブレがないように見えること。
さわかみファンドの販売手数料はゼロ、信託報酬は1%ということで、他と比較すればボッタクりではないこと。
・悪い点
①近年のさわかみファンドの運用が下手糞すぎること。
②澤上氏の発言に虚偽っぽいものがしばしば見受けられること。
今日は①について見てみよう。
現在の基準価額は10000前後をうろうろ
ということは大雑把に言えば12年半運用してきて、ほぼゼロの成績にしかなっていないということである。実際には、さわかみファンドは配当を行っていなことを考慮すれば大幅なマイナスの成績しか残していないということである。
このような状況では、長期投資といえばさわかみファンドみたいにマスコミに取り上げられることに怒りすら感じる所である。まして日本のバフェットなどという表現は論外。ただの長期塩漬けファンドというのが現状であろう。
その要因はもちろん製造業を過剰に評価して割高株を買いまくってることである。
長期投資は割安株に投資して、「割安の修正」と「企業の利益成長」の両者が相まって大きな成果を出すはずなのだが、さわかみファンドの近年買ってる企業は「割高の修正」「企業の利益のマイナス」のダブルパンチを受けている。にも拘わらず断固たる買いを繰り返し悲惨なことになっている。
ここしばらく組み入れ1位は商船三井のようだが、悲惨な含み損を抱えている。
以下、某所にあった書き込み。
いかに下手糞かという歴史が記されていた。
商船三井の買いの歴史(現在株価282円)
2008年
1月 月間平均1242円で17万株
2月 1233円で25万株
6月 1414円で15万株
7月 1448円で5万株
8月 1192円で5万株
9月 979円で15万株 リーマンブラザーズ破綻
10月 550円で70万株 日経平均7000円割れ
2009年
5月 628円で130万株
7月 590円で350万株
9月 583円で840万株
2010年
取引なし
2011年
6月 474円で10万株
7月 336円で10万株
現在、ごめんなさい売りを検討中
これでは、「長期航海ではなく長期後悔」
「長期投資ではなく長期投棄」である。
このほか、オリンパスにも投資していたという情報がある。
間の悪いことに、ウッドフォード氏解任の直後に高値で大幅買い増ししてしまった。
結局、監理ポスト行き後に連続ストップ安で全部売り払われた模様である。
しかし、そうした説明は一切しなくていいのが多数の企業に投資する投資信託というもののずるい所だ。
検索すると以下のような情報も出てくる。
1.
さわかみファンドは、2011年9月30日現在44万株を投資していましたが、10月に平均取得価格約1554円で11万株を組入れています。10月14日にオリンパスが外国人社長の不可解な解任が発表され、土日に買収について問題があったのではないかと噂されている中、さわかみファンドは下げの初日の10月17日(月)に大半の買いを入れた模様です。
この後、10月下旬に買収費用があまりの巨額で異常であることが報道され、この時点で「飛ばし」を行っていて上場廃止の可能性が高いと、この時点で多くの人が考えるようになりました。
このように、さわかみファンドの投資判断として、初動の下げで「なぜ株価が下落するのか」原因を考えずに飛びついてしまう傾向が強いこと、そして企業統治が不透明となりコンプライアンス違反が行われていると思われる場合でも売却等を行わずに投資を継続する傾向が強いことが挙げられます。
2.
初動の下げで、株価下落の原因を把握することなく投資することは、有名なところで2007年8月のサブプライムショックを端に発した大きな下げですね。2007年の株価が高いところでほとんど利益確定を出しておらず現金比率が高い状態で、ほとんど残っていない現金の大半を投入してしまいました。これも、サブプライムローンが市場経済にどのような影響を与えるのか、何も考えていない中での、目先の下げで飛びついたケースといえるでしょう。
投資信託が割に合わず、優待付き企業への投資が極めて有利な理由
・投資信託は保有し続ける限り手数料がかかることが確定している
つまり販売手数料、信託報酬、信託財産留保額など最初からボッタクられることが確定している。
・優待付き企業には利回りが上がることが確定しているし売買手数料しかかからない。
優待変更リスクはあるものの、数%プラスの影響があることが確定している。
例えば前者のボッタくられ度が年平均マイナス2%
後者のプラスの影響が年平均プラス3%
とすると、投資信託を買う人と、優待投資家では最初から5%ものハンデがついてることになる。
これを埋めるのは長期では不可能と言ってもいい。
投資信託を買う人は、最初から圧倒的に不利な勝負をしてると想像できる。
銀行や証券会社では
「プロが運用してるから安心です」
「手数料を払ってでも実力のあるファンドを選べばいいんです」
「日本は衰退するからBRICSの成長に乗りましょう」
などと、ひたすらカモを釣るためのセールストークが繰り広げられている。
この体質を 変えない限り、貯蓄から投資へなんて言葉は虚しいだけである。
では、自称長期投資家のさわかみファンドは・・・・
大企業への投資が割に合わない理由
・企業分析自体が難しすぎる
単一の製品を限られた設備で限られた市場で売っている場合は分析がものすごく簡単である。一方で多くの大企業は多種多様な製品を莫大な設備を使って世界中に売っている。
個人が分析するのは不可能に近い。
・自分より分析してる人が多すぎる
仮に自分が分析した気になってみても、長年分析してる人にはかなわない。
後追いで分析してみてもあまり意味がない。
・何をもって利益や株価が変動するかを全く読めない
グローバル経済の影響や機関投資家の動向を大きく受けるため、明確にすることができない。株価上昇や下落の理由が分からないのだから投資開始に有利な時期を見つけられない。結局は市場全体が上がらない限り上がらない会社が多い。それではまったく面白みがない。
・割高な会社が多すぎる
社会的に一定以上の評価を得ている会社は、世界中の投資家に買われているため(特にPERが)妙に割高なことが多い。割高修正で下落する可能性の方が高い以上は、圧倒的に不利。もちろん、いきなり倒産するような可能性は低いがそれをもってリスクが低いとは思わない。安値で増資をしまくる株主軽視の論外の会社(特に金融系)もたくさんある。
・歴史的に証明されている
割安中小企業への投資パフォーマンスが大企業を上回ることは
平均的には証明されている。
それでも有名企業を買いたくなるのであれば、なんとなくの安心感みたいなものだけのような気がする。投資家にとって重要なことは名の知れた企業であることではなく、その会社がどれだけのキャッシュを持っていて、どれだけのキャッシュを今後稼いでくれて、どれだけ現時点の株価が割安と考えるか。そして割安な株価が修正されるシナリオを描けるか。ただそれだけの分析である。
結果として、大企業への投資自体を最初から考えないほうがマシ、というのも個人にとっては1つの答えかもしれない。自分の得意な分野で勝負すればいいのである。