ゴルファーを笑え -2ページ目

スリー・ハンドレッダーって、言いづらいかなぁ?

 今日は文句なしの天気。さぁーグリーン刈りでぇ。西の方では、台風の被害が甚大のようですが、こっちはなんも無し。木の二、三本、ぶっ倒れてくれてもよさそうだったのに、なーんも無しでした。


 バンカーの砂が流れちゃったため、一人Iさん、バンカー均し。ゆえに、カップ切りなし。またですかー、カップくらい毎日かえてやろうよ。お客さん、終いにゃ怒るよ。


 昨日、刈らなかったので、芝カスがバリバリ出る。ちょっと出すぎじゃねえか。程よく雨降って、程よく日が出て、芝って現金な生き物です。色もいいし、芽数もよし。


 4番で久しぶりにトンビに会いました。元気そうでした。シバトビは少々お疲れぎみ。


 グリーンを刈り終えると、ラッピングは後回しで、ティー、アプローチ刈り。

 4番ティーを刈ってると、青年二人組登場。

 オナーさん、ティーグランドに上がるや、クラブを放り投げ、グリーン方向を眺めて、ティーを刺しました。慎重にです。立ち上がると、今度はポケットからボールを取り出し、ティーの上に置きます。これまた慎重にです。何かヘン。

 普通、ティーペグとボールは一緒に持ちません?一緒に持って、ティーアップしません?コイツ、何かヘン。面倒くさくないんかねぇ。

 それからクラブを拾い上げ、素振りです。一回、二回、三回………七回やりました。疲れない?コイツ、オカシイぞ。こういうヤツに限って、ショットは………。

 ところがです。これがナイスショット。驚きましたねぇ。これだからゴルフは分からない。で、問題はここからなんです。

 コイツ、いきなり「フォア―」って叫んだのです。こっちは、またまたビックリです。ボールはフェアウェイ・センターへまっしぐら。前には誰もいません。何の問題もないのに、どしたのコイツ。

 って、良く見ると、グリーン右のバンカーに人が。バンカー均しのボケナスIさんです。ティーからバンカーまで、330ヤード、どう考えても届きませン。無理です。不可能です。何考えてんだぁ、コイツ。

 フェアウエーの途中に、距離の目安となる赤旗が立ってるのですが、これが240ヤード。前の組がこの旗を過ぎたら、次の組がティーショットを打つという目印です。

 コイツのティーショットは、たしかに素晴らしかったけど、せいぜい飛んでも250ヤード。330なんて、とてもとても。

 トップ・プロには300ヤード・ヒッターが続々と誕生してますが、コイツも300飛ぶと思ってるんだねぇ。このての輩、最近多くない?一番難しい距離のパットをフォー・フッターというけど、それに因んで、こういう輩をスリー・ハンドレッダーと呼びますか。

 でも、「フォア―」と叫んだことだけは、評価してあげましょう。最近、ダーレモ言わないもんね。ボールがどこへ飛ぼうと、知らんぷり。そんなヤツよりはマシでしょ。


 この後、シバトビは二人を追っかけました。ティー刈りそっちのけで。ボールがどのくらい飛んだか、確かめたかったからです。

 やっぱり245ヤードくらい、赤旗をチョット過ぎたとこにボールはありました。バンカーまでは、まだサンドでフルショットくらい距離が残ってます。ヤレヤレでした。



 ゴマ2さん、いつも泣けるコメントありがとうございます。ウチの象、いやキーパーもディボットって言ってますから、気にしない気にしない(笑)。

台風なのに、風もなく、雨もなく

 台風14号。どうなりますやら。朝6時、まだ雨はパラパラ、風はない。


 雨はたいしたことないので、四人全員でグリーン刈りとなりました。シバトビ、久々の手刈りです。乗用3連でも刈れないことはないんですが、地盤がゆるいからタイヤの跡がねぇ、汚く付いちゃうのよ。で、全員で手刈り。カップ切りは無し、というかデキマヘン。

 全員カッパ着て、出動。シバトビの担当は、10、12、14、16、18番グリーン。5面刈りでっせぇ。大丈夫かなぁ、足もつかいな。なにしろ久しぶりに歩くからなぁ。

 ウチのグリーンは、平均750㎡の面積があります。一面刈ると、だいたい30分、2700歩かかります。5面では、×5です。足、弱ってるからなぁ。チョイ、心配。


 10番を刈ったところで、雨はほぼ止みました。急いでカッパを脱ぎます。蒸れ蒸れで暑いっす。足は大丈夫そう、快調に刈れました。昨日刈らなかったので、芝カスはバケット2杯でました。

 14番を刈り終わったところで、足にきました。重い、上がらない。根性で、16、18番を刈ります。なんとかもちました。助かったぁ。

 そこへ、リネンのOさん登場。

 「今日、お客いるの?」

 「6組。」

 「ヘぇー、いるんだ。」

 「でも、キャンセルになっちゃうかも。」


 営業的には困りますが、お客のいないゴルフ場はいいですよぉ。静かで、清々しくて、なによりキレイ。コース管理の仕事も捗りますしね。


 帰りまして、ラッピング。空を眺めてると、ノッシノッシとキーパー登場。

 「終わったら、いつものやって。」

 「芝の上に機械乗っけて大丈夫かい。」

 「雨降らないから、大丈夫っしょ。」

 「判りやんした。雨が酷くなったら、8番の草取りでもやるわ。」

 「ウン、そうして。」

 「あのさぁ、タイム・レコーダーなんとかしてよ。」

 「どうしたの。」

 「時間が遅れてさぁ、今じゃ、もう8分遅れてる。」

 「直せばいいじゃん。」

 「そうなんだけどさぁ、あの機械スッゲー難しいの。取り扱いマニュアルみたいのないの?」

 「ネェナ。」

 「あの機械は、ぜんぜん従業員を信用してないね。絶対、時間を誤魔化すヤツがいると決め込んでる。」

 「……・」

 「チョー複雑でさぁ、誰もイカサマできないようになってますぜ。」

 「後で、見てみるわ。」

 「早く頼んまっせ。毎日、みんな自然残業だ、ってブーたれてますから。」

 「自然残業?」

 「ウン、社長がケチだから、ワザと毎日少しずつ遅れるように仕組まれてるんだ、なんて言ってますぜ。」

 「ワカッタ、後で見とく。」


 そういうわけで、ラッピングの後は、いつものティー、アプローチ刈り。

 コースに出ても、誰もいない。静か。

 試しに、10番のアプローチを刈る。やっぱり少しタイヤの跡がつく。刈りカスも汚く残る。これ片付けんのー、面倒クセ―なぁ。笑えるお客もいないしなぁ、今日は仕事に集中ってわけね。

 でも、今日はゴルフ日和だぜ、暑くなく、眩しくもなく、キャンセルしたアナタ、残念だったねぇ。


雨の日の仕事は、心が痛みます

 休みあけは辛い。しかも連休の後だし。さらにその上、雨だ。

 

 「今日はグリーン刈り、なしね。Hさんと二人で、カップだけ切り替えて。」

 「ヘイ。」

 「あとはグリーンのボールマーク直しでもやって。ついでに草取りも。」

 「今日、お客、いるの?」

 「30組はいる。」

 「本当かい。キャンセルでしょ。」

 「イヤ、いるいる。今日、これから出かけるから、後は頼む。」

 「またかよ。雨ん中、ゴルフすんの?」

 「ヤリタカネェけど、しょうがないよ。」


 そういうわけで、まずカップ切りとなりました。久しぶりです。こういう雨の日、シバトビは、少し冒険します。普段なら、絶対に切れないようなスロープに挑戦しちゃいます。乾いてれば止まらないような斜面でも、今日みたいに芝も刈らず、水浸しのときなら、なんとか止まります。おそらくクレームもないはず。

 なんとなくワクワクです。さあ、ゴルファー諸君、勇気が試されるときです。覚悟を決めて、パットしてね。


 アウトの各ホール、思いっきり難しいところに切りました。今まで一度も切ったことがないスロープです。水が溜まる心配はありません。思う存分チャレンジしてください。


 管理棟に帰りると、二日分のグリーンモアがほったらかしになってますから、ラッピングです。マッタク、いつもこーだ。たまには自分でやれってんだ。

 一人黙々と作業してると、バイトの芝張りのオイチャン登場。

 「たまにはどうだい。一服しなよ。」

 手には、缶コーヒー。

 「エー、スイマセンねぇ。いいんですか。」

 「キーパー、いねぇみたいだしさぁ。たまには休めよ。」

 「ごちそうさん、いただきます。」

 このオイチャン、週の半分は半日で帰ります。人口透析です。顔色は病的に真っ黒。たいしたもんです。それでも毎日働くんですから。


 ラッピングを片付けると、グリーンのボールマーク直しに合流。今はキャディーさんいないから、コース管理で直します。これが大変。グリーンはボコボコ、どっから手ぇつけていいやら。

 こんなグリーンでよくやるよなぁ。頭オカシイんじゃないの。これだけボコボコなのに、ダーレモ直さない。ゴルファーなんだから、チッター直せよ。

 雨の日のグリーンはスパイクの引っかき傷も目立つ。今日も一人、足癖の悪いヤツがいる。グリーン上でスタンスを固めるのは止めナ。バンカーじゃねぇんだから。バットするだけだろう。なのに、どうして足場を固める必要があるんだよ。

 コイツはアドレスに入ってから、足を砂に埋め込むようにコジル。それから打つわけだ。デモね、滑らないって。大丈夫だって。グリーンが傷つくのが判らないの?ホーラ、振り返ってごらんよ。芝がボサボサに毛羽立っちゃってるだろ。オメーの靴のせいだぞ。

 何ホールかやれば、気づくと思うんだけど、これがダメなんだねぇ。同伴プレーヤーも気づかないのかねぇ。まったく呆れます。

薄らサムーイ友情は、暑さを和らげますか?

 朝のうち涼しいけど、すぐ暑くなりそう。グリーン、持ち堪えられっかなー。あとチョイ、我慢してー。


 さあ、グリーン刈り。

 1番、焼けそうだなぁ、なんて思いつつ刈り込む。11番の方を見ると、スプリンクラーの放水が見える。キーパー、今日も水撒きかい。


 2番を刈り終わるころ、キーパー、カブ号で現る。

 「今日、これで帰っから、後は頼む。」

 「ヘイ、わかりやした。で、何やります。」

 「刈り終ったら、12番のスプリンクラー、一個おかしいから修理して。」

 「ヘイ。」

 「それから14番はタンク車で水撒いて。」

 「ヘイ、ヘイ。」

 「あと、ガソリンと軽油とオイルが来るから、受け取ってサインしといて。」

 「ヘイヘイヘイ。」

 「何か不満そうね。」

 「イーエ、けっしてそのような……。」

 「明日、休んでいいから。水曜の代休。」

 「ホンマですか、ゴッツァンです。」

 「他の三人は、ラフ刈りでいいか。」

 「そうっすね。」

 「ティーの薬撒きもやらせますか。」

 「うん、そうすっか。」


 グリーン刈り終って、早速、12番グリーンへ。お客の合間を縫って、ちょっと水を出す。ナルホド、一個おかしい。ティーグランドにお客が現れたので、慌ててスイッチを切る。

 なかなか飛んでる。青年三人組。でもセカンドは、三人ともハズレ。

ンッ、なんですか。三人ともポロシャツを肩までまくってる。流行ですか。何かヘン。そんな、まくりあげるよりも、普通にしてた方が暑さをしのげると思うんですがね。直射日光はキツイぞ。

 しかも三人、同じように体にフィトしたショート丈のポロシャツ。色は赤、黒、青。同じメーカー、同じ型番かい。何か笑える。

 三人がそれぞれアプローチ。でも、ぜんぜん寄らない。しかし、最近の青年は、けっして相手をなじったりしません。

 「ナーイス、イイネェ、ウマ―イ。」のオンパレード。どこがナイスなんだよ、って突っ込みたくなる。

 みんな仲良し、けっして相手を傷つけるような言葉は吐きません。なんか、薄らサムーイ親密さです。


 とうぜん、パットも寄らず入らず。でも、 「ナーイス、イイネェ、ウマ―イ。」です。お前らバカか、それとも昔懐かしい接待ゴルフか。もっとガツガツ生きろよ。


 隙を見て、スプリンクラーを修理。とってかえして、タンク車に水を積み、14番グリーンの水撒き。お客の不機嫌そうな顔を横目で見ながら、サッサト撒いてしまいました。突然、ビショビショのグリーンだもん、不機嫌になるよなぁ。でも、知らないっと。


 管理棟に帰ると、ラッピング。昨日の蜘蛛にやられたアブを見ると、すでにカラカラになってました。

その後、燃料屋は来る、肥料屋は来る、マッタク大忙し。わけのわからない一日になりました。でも明日は休みだから、まーイッカ。

夏の終わりは秋の始まり……ゴルフ場は死骸がイッパイ

 出勤すると、事務所からキーパーが手招き。

 フフン、キタネと微笑み返す。

 事務所に入ると、

 「スイマセン、わたしの勘違いでした。」

 いきなり、深々と頭を下げられてしまいました。いい人でしょ。ウチのキーパー。これだから憎めないんですよ。自分が悪いと判れば、直ちに謝る。人間の基本ですよね。


 てなことがあって、グリーン刈りでやんす。グリーンについた露が真っ白。明け方は涼しくなって来たんですねぇ。白露っていうのは、暦のうえでは一週間ほど先ですが、これを言うわけね。


 刈り進むと、昆虫の死骸がやたら目につきます。アブ、バッタ、セミ、カブト虫、あちこちで死んでます。寿命が尽きたのか、天敵にやられたのか。もう生命の夏は終わりです。アワレを誘います。何もかも静かに死んでいくわけだ。死ねばゴルファーにとってはゴミでしかありません。掃除して、山に捨てます。カレラは、はたして新しい命を残すことができたのでしょうか。


 帰って、ラッピング。他の三人は、暑さでグリーンが焼けるのを防ぐため、タンク車でスポット散水となりました。日中は、まだ暑いっすからね。

 ラッピングの準備をしつつ、ふと目の前の窓を見ると、アブが一匹、蜘蛛の巣にかかってます。体長3センチくらい。羽をばたつかせています。まだカラマッタばかりみたい。

 突然、一匹の小さな蜘蛛がアブに襲いかかりました。体長は1センチもありません。突撃して、すぐに30センチほど引き返します。一回、二回、三回。突撃しては退却の繰り返しです。アブはその都度バタツイテ抵抗します。

 蜘蛛はそこで一呼吸。5分くらいでしょうか。エッ、何したの。アブの動きが止まりました。毒でも入れたか?それとも麻酔薬?

 動かなくなったのを確認すると、蜘蛛はアブの胸部に取り付きました。もう逃げません。取り付いたままです。なんと、それから一時間二十分、蜘蛛は微動だにせず、アブに喰らいついてました。恐ろしや、恐ろしや。

 それからようやく動いたかと思うと、今度は目玉の部分に張り付きました。スゴイネェ。全部吸い尽くす気だ。

 自然界の命のやり取りは、壮絶です。特に、メスは凄いね。オスはカラッキシだらしないけど、メスは凄い。アブだって、人間に近づくのはメスだけだかんね。命がけで人間の血を吸うわけよ。卵産むため。この蜘蛛の巣にかかったアブだって、うまくいけばシバトビの血が吸えたのにね。それがさぁ、残念だねぇ。自分よりもはるかに小さい、伏兵に絡め取られちゃってさぁ、悔しいだろうね。


 蜘蛛が窓枠のスミッコに引っ込むのを確認して、ティー刈りに出かけました。

 1番ティーを刈ってると、人間のメス四人組登場。

 アリャリャ、また白マークですか。ハイハイ、どこでもいいですよ。メスは強いんですから。

 デモナー、そのスウィングじゃなぁ。

 ホーラ、100ヤードしか飛ばない。グリーンは遠いぞぉ。後ろ、詰まるぞー。イイノカー。


 イインデスヨネェ、だってメスは凄いんだから。断固として、わが道を行くですよ。



曇りのち雨のち秋晴れ

 今日の臨時出勤は、ダル~イ一日となりました。

 

 朝6時。キーパー、ニコニコと登場。

 「シバトビさんよぉ、ゴルフの仕度してきたかい。」

 「今日はただの定例会議の日でしょ。」

 「イイヤァ、今日はコース定例会の日でしょ。」

 「マタ―、聞いてねぇよ。ゴルフの仕度してねぇぞ。」

 「じゃぁ、取ってきて。まだスタートまで一時間あるから。」


 ウチでは、コース定例会と称しまして、月一、各課の代表一人が集まって、コースを回り、各自言いたいことを言いまくる会があります。要するに、コース管理のいい加減な仕事をみんなで罵倒しまくり、酷評し、ナジリまくるわけです。今度の出番は、シバトビの予定でした。


 「ショーガネェなぁ、じゃぁひとっ走り、行ってきやす。往復一時間はかかるから、ギリギリかなぁ。支配人に言っといて。」


 てなわけで、慌てて家へトンボ帰り。ゴルフバッグを積み、ゴルフウェアを着こんで、アタフタとクラブハウスへ。

 そこへ支配人、ネクタイ締めてニコニコと登場。

 「ゴメン、ゴメン、キーパーの勘違い。」

 エッ、ナニ、今、何んつったの。

 「コース定例会は来週だから。」

 「ヤッパナー、そうですよねぇ。おかしいと思ったんだ。」

 あのバカヤロー、タダじゃおかねぇからなー。

 「で、あの象、いやキーパーはどこですか。」

 「逃げた、いや、ちょっと出かけた。」

 「そうですか、じゃぁ仕事に戻ります。」


 あの野郎、逃げやがったか。七時じゃ、まだパチンコ屋は開いてねぇし、どこへ行きやがったんだ。

 管理棟に戻り、作業服に着替えましたが、やる気が起きません。とりあえず、コーヒーでも飲むかー。


 しょうがなく、アプローチ刈りへ。でもまったくやる気無し。デレデレと刈ります。


 13番に行くと。ワンオン・チャレンジの若~いオネエチャンが何やら書類を見ております。横を通り過ぎようとすると、

 「オハヨウございまーす。」

 突然の大声。いやー、ビックリしました。きっと、エンジン音で聞こえないと思ったんでしょうね。バイト、頑張ってね。


 15番のアプローチを刈ってると、青年二人組み、登場。エンジン切って、パッティングが終わるのを待っていると、

 「コンチワ―、すいませんねぇ。」

 なんか、爽やかになってきました。


 17番では、中年夫婦(たぶん)。

 「暑いね、ご苦労様。」

 へー、こんな日もあるんだ。ゴルファーもなかなか捨てたもんじゃないねぇ。


 まとわり付く虻の群れも、少しカワイク思えました。しかし、コイツラ、何なんでしょうね。蜂ですか、蝿ですか、それとも蚊でしょうか。目ばっかりデカクテ、よく分かりません。

 『今昔物語』に出てくる<藁しべ長者>のアブも、このアブなんでしょうかねぇ。

 シバトビも一匹捕まえて、藁に縛ってみようかな。なんかいい事、あるかも。

アンタにコース評価されてもなぁ

 朝が涼しい。車の温度計を見ると、19.5度。ホンマカイナ、もう秋でっかー。


 会社に着くと、いきなりキーパー寄ってくる。ナンダ、ナンダ、芝に病気でも出たかぁ、それともマサカ、猪かい。

 「あのさぁ、明日、悪りぃんだけど、出勤してくれる。」

いきなりのストレートパンチでやんした。

 「いいけど、人いないの?」

 「会長来っから、ちょっと綺麗にしとかないとね。」

 「へーイ、わかりやんした。」


 さあ、グリーン刈り。3連のオープンカーは涼しい。芝も気持ちよく刈れる。グリーンは病気なし、ドライ・スポットもなし。いいグリーンだ。


 帰ってラッピング。見てウンザリ。歩行のグリーンモア(芝刈り機)が六台、乗用のやつが三台。これを全部磨いで、刃をピッタリ合わせます。

 もう暑くなってる。やっぱり夏だよねぇ。


 次はいつものルーティーン仕事。9番ティーを刈ってると、オジサン四人組登場。

オナーのオジサン、素振りで力みすぎ。ホーラネ、チーピンだ。ぜんぜん飛んでない。でもオジサン、涼しい顔して、こっちに寄って来ました。

 「初めて来たけどさぁ、値段の割りに、いいコースだね。」

エッ、オイオイ、アンタにコースの評価してもらってもなぁ。惨いスウィング見ちゃったしぃ。

 「ありがとうございます。」

もちろんニコニコして。

 「フェアウェイもラフも良く手が入ってるよね。いいコースだね。」

コースの評価となると、シバトビもチョットうるさいんだけど、今ここでそんな話もできないしねぇ。第一、このオジサンにコースを見る目があるのかどうか、はなはだ疑問。 

 例えばですが、9番フェアウェイには右サイドにバンカーが二つ並んであります。一つはティーから200ヤード、もう一つは220ヤード飛ぶと入ります。しかし、このオジサン、そこまで飛んでません。せいぜい180ヤードといったところ。するってぇと、このオジサン、あのバンカーの存在が無きに等しいわけです。だから、あのバンカーの意味も考えられないし、当然、評価もできない、ってことになります。

 でも、ウルサイんだろうな。


 午後、作業終了間際、ラフ刈りの3連モアが故障との連絡あり。ラフはTさんが一人で全部刈ってます。一人で全コースですよ。アリエマセン。

 毎日毎日一人で刈ってきた機械が、ついに壊れました。機械は一台しかありません。大急ぎで修理です。残業かなぁ。明日は臨出だしなぁ。

《号外》 打ちたくないのかなぁ

 今日は有休とって、ゴルフ。場所はSゴルフクラブ。定休日セルフデーで、とても安い。


いつもの連中とアウトから。ティーグラウンドはいいねぇ。でもティー周りを見るとボサボサ。ラフも足首まで伸びてる。

 ここも追いつかないんだねぇ。芝の伸びのほうが、刈り込みより速い。


 前の組はオバーサン三人組、その前はオバサン四人組。ヤベーなぁ。ちょいと不安。


 1番、434ヤード、パー4、ボギー、2番、452ヤード、パー4、ボギー、3番、395ヤード、パー4、ボギー。出だしから、うんざりするような長いパー4が続きます。このコースの特徴です。


 フェアウェーはよく刈り込んでるけど、刃の刈り高が合ってない。高いところと低いところが凸凹に波打ってる。刃の調整がヘタクソってわけ。


 グリーンは穴あけの最中。やっぱ、どこも大変なのねぇ。でも転がりはいい。今のこの時期にしては上々。穴はムク刃で空けてるので、そんなに気にならない。砂も入ってない。


 で、前の組のオバーサン、やっぱ遅い。その前の組がグリーン近くに行くまで打たない。打ってもドライバーで、100ヤードくらいしか飛ばない。にもかかわらず白マークを使ってる。どうして、って思っちゃいけないのか。

 4番ショートホールのティーに行くと、オバーサン待機中。前の前の組がまだパッティング中だとさ。もうダメ、今日はハズレ。コリャ―三時間ゲームになるぞー!

 

 てなわけで、前半終わったら、2時間45分。食事をサッサと済ませて、先に出してもらおうとしたが、ダメでした。

 腹を括って、後半戦。

10番ティー、視界の中には誰もいない。でも、オバーサン、打ちません。打てばテンプラ、チョロ、OB。三人が見事に演じわけてくれます。50ヤードも進みません。

 でも白マーク使用です。何が楽しいんでしょうかねぇ。シバトビには解りません。

 オーイ、カートなんか乗るんじゃねぇよ。すぐそこじゃん。


 11番ショート、175ヤード。オバーサン達、グリーンが空くのを待ってます。でもさー、待つのはグリーンまでボールが届く人でさぁ、アンタラ届かないジャン。待ってる意味がないと思わない。

 ようやく打ちましたが、もちろん届きません。


 13番ロング。また日陰で待ってます。アンタラ、打ちたくないの?ゴルファーって、打ちたくて打ちたくて、一刻も早く打ちたくてしょうがないんじゃないの。

 前のホールが良ければもう一度、と思い、悪ければ、アー、あそこをこう直して打ってみよう、と思い、とにかくボールが打ちたいと思うのがゴルファーなんじゃないの。

 どうしてゴルフなんかしてるの。アンタラ。


 てな感じで、後半は三時間かかりました。疲れました。二時間半を越すと、チョー疲れるんですが、オイラだけでしょうか。エッ、スコア―ですか。たまにはスコア―も書けって?前半42、後半36の78でした。ゴルファーはスコア―なんて野暮なこと、聞いちゃぁいけませんや。ダンナ。



 

キミたち、キャディって知ってる?

 今日は土曜日。早朝プレーも多い。

 さあ、グリーン刈りだぁー、って思ったら、キーパー、汗かいて登場。

 「あのさぁ、14のテンポ・グリーン、トンボとブラシ持って来て。」

 「砂撒きかよ。」

 「そう、他の三人はグリーン刈り、適当に振り分けて。」


 急いで、14番グリーンへ。スライシングしても、いまいち水が抜けてない。芝カスが汚い。

 「コ汚いグリーンだね。」

 「昨日、Hに掃除しとけって言ったんだけどなぁ。したんかなぁ。」

 「水の抜けがいまいちだね。」

 「う~ん。」

 「スコップで砂撒けってかぁ。」

 「散布機、返しちゃったかんね。もうちょっと借りとくんだったね。」

 「もう、お客、10番スタートしたから、一時間で来るぞ。」

 「急ぐかぁ。」


 キーパーと二人で、スコップで砂撒き。情けねー。すぐに汗まみれ。撒いたら、こんどはトンボで平らに均す。情けねー。

 「久しぶりの労働はドウヨ。キツイだろ。」

 「いやー、いい運動。」

 「人入れろよ、雇えよ。」

 「金がねぇー。」

 「キーパーが朝一から、スコップで砂撒きなんかしてるゴルフ場、他にネェだろ。」

 「ここだけだろうな。」

 「人がダメなら機械買ってよ。」

 「金がねぇ。」


 と、ぶつくさ言いながら、ブラシで砂を摺り込む。でも、この生砂はダメ。なかなか落ちない。やっぱ、焼き砂じゃないとね。

 二人して、必死に摺り込んでると、人影。

 「あーあ、お客、来ちゃったよ。」

 「ここまでだな、まあ、いいでしょ。二時間くらいしたら、乾くから、もう一回摺り込んで。」

 「一人で?」

 「うん。」

 「それまで、何する?」

 「18番のハゲたとこ、張り直してくれる。」

 「ナーセリ―に芝残ってるの?」

 「チョット残ってっから、いいとこ見繕って頼むわ。」

 「どのくらい?」

 「カップ・カッターで12個くらい。」

 「じゃぁ、30はいるな。キーパーの見積もりはいつも足らねーから。」


 ナーセリ―に戻り、カップ・カッターで芝を切り出します。それを持って18番グリーンへ。水不足と暑さでハゲてしまった部分が何箇所かあります。そこを切り抜いて、持ってきた芝をはめ込みます。30個では足りませんでした。全部で37個。後は、自然回復を待つのみ。

 片付けたら、14番グリーンへ戻って、砂の摺り込み。フウ、フウです。


 管理棟に帰ると、グリーンモアのラッピング。だーれもやっちゃぁくれません。ぜーんぶ、シバトビの仕事。フウ、フウです。人を雇ってくれー。


 午後は、ティー刈り。1番の出来事でした。

 例によって、前の組がグリーン近くまで行ってるのに、まだ打ちません。どうしてなんでしょうね。距離は400ヤードもあるんです。どうやっても、打ち込む心配はありません。打ち下ろしなので、280ヤードのところに赤旗が立ってて、そこを過ぎたら打っていいという目印もあるんです。でも打たないんです。

 突然、バックティーの後ろから、大声が響きました。

 「もう、打っていいよー!」

 元気なシルバー、Nさんの声でした。そうです。ウチは、スタートの声かけ屋がいるんです。10番にもいます。こんなゴルフ場、他にあります?二人の人間が一日突っ立って、それ行け、さあ打て、と声をかけるわけです。こんなとこに、人を入れるなら、管理課に入れてくれー。

 セルフプレーを否定するわけではないのですが、こんなとこにも問題が出てくるのです。ヤッパリ、コース・デビューして一年間は、キャディ付きで勉強してもらいたいね。

 昔は、キャディさんが先生で、何もかも言われるがまま、必死に学んだじゃない。

 「ハーイ、もういいよ。さあ、打って。」

 「前が空いちゃったよ、急いでー。」

 「7番とピッチング持ってって、スプーンなんてイラナイ、イラナイ。」


 前を空けるってぇのは、まるで犯罪のように仕込まれたじゃない。でも、今は違うんだなぁ。まるで違う。前の組なんて見てないし、もちろん後ろの組なんて、知ったこっちゃない。自分の飛距離すら、把握してない。


 キャディさん、必要でしょ。キミたちは。キャディさん、コワイよー。グズグズしてると、怒られるよー。みんなそうして、一人前のゴルファーに育ててもらったんだ。

 また、キャディさん、戻ってきてくれないかなぁ。

今日はアタリ日、今日は『買い』です

 台風はとりあえずセーフでした。倒木も冠水もなく、なんか物足りない感じ。朝から雨もなく、風もなし。


 出勤するとキーパーがノシノシとやってきました。

 「今日、グリーン刈りなし。9と14のテンポ・グリーン、水が抜けネェから、スライシングして。」

 「お客は?」

 「いるよ、いるけど少ない。」

 「グチャグチャになっちゃうけど、いいの?」

 「まぁ、しょうがない。あとはバンカーの砂流れ直して。」

 「ヘイ。」


 てなわけで、シバトビはスライシング。スライシングっていうのは、トラクターの後ろに、円盤状の刃をつけて、芝を切る作業です。これで、水はけや透水性を良くするわけ。

 行ってみると、なるほど水が浮いてる。溜まってはいないけど、水はけ悪そう。


 作業開始。ガリガリ切る。グリーン面、芝カスやら砂で、めちゃくちゃ。これをボケナスNがグリーンモアを使って、掃除する。掃除しても、デコボコは凸凹。絶対ボールは転がんない。気の毒ねー。


 終了後、シバトビはいつものティー、アプローチ刈り。他はバンカー修理。


 イヤ~、います。お客さん。エライね。でも今日はアタリだよ。雨に芝が洗われて、綺麗でしょ。ピッカピカ。光ってるでしょ。この色が最高です。見たことない色でしょ。


 18番で、夫婦らしき二人組。奥様、何度打っても5メートルしか進まない。残りは、まだ400ヤードあるけど、どうすんだ。って、見てると、奥様、おもむろにボールを拾い上げ、カートに乗り込んでしまいました。疲れきった表情。夫婦とも前方を見据えて、無言。

 ボール打つだけがゴルフじゃないよ。せっかくのアタリ日なんだから、ボールなんか打たずにさぁ、一日芝生に見とれて過ごすのもいいんじゃないの。たーだ一日、芝の光を見て散歩するのよ。きっと、幸せ感じるぜー。空には芸術的雲が次々と流れてくるじゃん。飽きないと思うけどナァ。