はいはいはいはい。


集合!!


InBanの小説の時間ですよ!



静かに読んで行こうね。



はい。


死のドライブデートが始まりましたが、まだ、今のところ死の要素はゼロですね。



ただ、アツヤ君の思わぬ秘密が分かったところで前回のお話は終わってしまいました。




言っておきますが、今回もきっと死のドライブまではいかないでしょう。




ですが、今回も重要な章なので、きちんと読んでいって下さい。









『15.  死のドライブ』   ⑦




駐車場に戻ると立派なベンツが待っていた。


車に戻っても会話はなかった。



せっかく美保ちゃんが自分の素直な気持ちを話してくれたのに、俺の行動はその気持ちを無視している。



超自己嫌悪だ。



「私、もっと素直になれるようにがんばるわ」


「え?!」


美保ちゃんは俺の気持ちを知ってか知らずか…きっと知らないだろう。意外なことを言った。


むしろ、素直じゃないのは俺のほうなのに。



「なんで?美保ちゃんは十分素直だよ」


「ううん」



俺の予想に反して美保ちゃんは大きく首を横に振った。


「だって私…」



美保ちゃんは照れているようで、口をもごもごしていてなかなか話してくれない。


「言いたくなかったら無理しなくていいよ」


俺は美保ちゃんが無理しているのが分かったので、安心させようとした。



「ううん。言わないといけないの。いつまでもアツヤ君に甘えてはいけないわ」


意を決したかのように美保ちゃんが俺のほうに向き直って言った。



「私ね、アツヤ君が私に話しかけてくれる前からアツヤ君のこと見ていたの。でも、恥ずかしくて自分から話しかけられなかった。それに、痴漢に遭っている女の子なんて嫌じゃないかとも思ってなおさら話せなかった。でも、綾に、あっ、綾って水族館のとき一緒に来てくれた子ね。その子に怒られたの。もっと自分に素直になりなさいって」



「綾ちゃんが美保ちゃんに怒るんだ」



ちなにみ俺は今平静を装うのに必死だ。


無理もないだろう?だって、今美保ちゃんはなんて言ったと思う?



俺のことを見ていたと言ったんだ。


これは俺の完全な片思いだと思っていた。



確かに春姫は美保ちゃんも俺に気があると言っていたがこればかりは嘘だと高を括っていた。



しかし、今本人の口から俺ははっきりと聞いた。


これで冷静でいられるわけがない。



今の俺は今にも爆発してしまいそうだ。



「私、よく怒られるの。あの子ああ見えて面倒見いいから」


俺の心境を知らない罪な美保ちゃんは話を続ける。



「そう。美保ちゃんのほうがしっかりしてそうなのにね」


「よく言われるけどね」


美保ちゃんは笑った。


俺は当然理性を保つため車を走らせた。



実はまだ、アクセルを踏んですらいなかったのだ。



「アツヤ君。あの時私を助けてくれて本当にありがとう」


「う…うん」



俺は事故を起こさないためにしっかりとハンドルを持ち、前を見て走ることに集中することにした。



「あの行為はすごく勇気のあることよ」


俺の気持ちを…知らない美保ちゃんは続ける。



できれば今はやめて欲しかった。



事故が起きてしまう。



「でも好きな子のためならできるよ」



ん?


俺は今何を言った?



一瞬景色が止まった。


何を血迷ったんだ?俺は。


好きな子の前で告白同然なことを言ったような…



「ありがとう。私もアツヤ君が好きです」



キキーーーーーーーーっ!!!!!



ベンツも急ブレーキを踏むとキキーッと鳴るんだな。



それよりも、


「そ…それって?」


「私と付き合ってください」


隣を見ると美保ちゃんが顔を赤くしていた。



俺の頭はもう真っ白だった。



「お…俺でよかったら!」


これじゃあ、逆だ。


なんで女の子に言わせてるんだ!


「私、アツヤ君がいいです」



美保ちゃんは言えたことにすっきりしたように清清しい表情をしていた。



俺はというと、美保ちゃんに告白されてしまったことと、あまりに急展開に頭のほうが付いていかずただ前の景色を見て運転していた。










はい。



え?急展開?


とお思いでしょうが、そうです。急展開です。




人生とはそういうものです。


私にもそういう出会いが欲しいです。




ここまででも十分に死のドライブでしたが、まだ②序の口ですよ。



それでは、次の章で会いましょう。




バイバInBan。

やはり三が日にお参りに行かなかったのがマズかったのか。。。。。


いや、その前に私には多分、相当強力な悪霊が取り付いているのかもしれないね。



今日、毎年の恒例である地元の神社にお参りに行って、これまた恒例のおみくじを引いてきました。



はいっ!二年連続大吉を引きましたよ!!アップチェキッ!



そこで冒頭の悪霊の話になりますが、


「なぜ、大吉を引いたのにそんなテンションが低いのですか?InBanさん」


「なんでかって?」



と、InBanさんはそのおみくじを見せてくれました。



「な…なんと」



そこに書かれていたのは大吉なのに、


病気    治りません。重いでしょう


願い事   邪魔が入るでしょう


旅行    止めたほうがよいでしょう


探し物   出てこないでしょう


求人    現れないでしょう


など…




もちろん!結んできましたよ!

大吉なのに…


御神木様に!!

神頼みならずご神木頼みですよ…



しかも、我らがInBanさんは何をトチ狂ったかもう一回おみくじを引きました。



いいんでしょうか?



すると、今後は末吉。



大吉から一気に末へ。




「して、内容は?」



すると、またもや彼女は見せてくれました。




「嗚呼…」



病気   重いでしょう


願い事  男女関係で邪魔が入るでしょう


探し物  出てきますが遅いでしょう


旅行   止めたほうがいいでしょう


求人   遅いでしょう


お産   安産です





「安産て…」




唯一良い内容の欄がありましたが。。。。。。



相手がいねえよ!!



想像妊娠しろってか?!



アア?神さまよぅ…


想像妊娠で安産か。そりゃぁめでたい。





樹海か?領海か?


死に場所はどこですか?






アツヤはいいよなぁぁぁぁ。



じゃあ、書くよ。


続きでも。




見ればイイジャン。



まるで今の私のような心境ですね。



一緒に行こうよ☆('-^*)/死のドライブ!!










『15.   死のドライブ』    ⑥




せっかくだから美保ちゃんと二人きりなれたのでいろんなことを美保ちゃんに聞こうと思う。


「美保ちゃんてドライブ以外に好きなことってある?」


「そうね~」


美保ちゃんは少し考えてから言った。


「本とか読むの好きかな?ノンフィクションとか好き。アツヤ君は?」


「俺?」


美保ちゃんも質問をした。


少し、俺に興味を持ってくれたのかな?と嬉しかった。



「俺はインテリアとか見るのが好き。趣味とかいうのとは違うと思うけど、昔、インテリアコーディネーターになりたかったんだ」


俺は自分の夢を初めて身内以外の人に話した。


「すごいね。資格取るの難しいんでしょ?」



美保ちゃんは興味津々と言った表情で聞いていた。



俺は迷った。


この話をすることに。



でも、美保ちゃんは痴漢遭って苦しかったことや恥ずかしかったことを俺に話してくれた。


それは俺を信頼してくれたからだ。


だから俺も言う決心をした。



「あのね、美保ちゃん」


俺たちはテトラポットの上に座った。


そこからは海の様子がよく見える。


静かなので、話をするには絶好の場所だった。



「俺さ、夢があったんだ。その、インテリアコーディネーターになることなんだけどね」


「すごいじゃない。え?だった?」


言い方が過去形だった事に美保ちゃんは気付いた。


「そう。過去形なのはもう叶わない事だから」


「どうして?」


美保ちゃんは不思議そうに俺を見る。


今後俺はきちんと美保ちゃんの顔を見て話しをした。


「俺さ、目の病気なんだ。なんか治らないみたいでさ。まぁ、普通に生活する分には問題ないんだけど、それを仕事にするってなるとちょっと…ね」



美保ちゃんは俺の話を真剣に聞いてくれているので、続きを話すことにした。


「色覚異常っていって、ある特定の色が見えにくいんだ。それに目を疲れさせると悪化して余計見えなくなって生活する上で支障をきたすって医者に言われた」



「そんな…」


美保ちゃんは慎重に言葉を選んでくれている。


そういう優しいところが好きだ。


俺は美保ちゃんを気遣うように話すことにした。


「もちろん今だからこうして話ができるんだ。そりゃぁ当時は相当ショックだったよ。なんでよりにもよってこの病気なんだよって」



美保ちゃんはもっと近くに来て話が良く聞こえるような体制をとった。


でも、今の俺としてはこのシチュエーションにドキドキしてしまい、話どころではない。


こんなマジメな話をして、こんなに真剣に俺の話を聞いてくれている美保ちゃんには悪いけど、この状態がずっと続けばいいなんて思ってしまった。



春姫がいたら殺される。



「どうして立ち直る事ができたの?」


「え?」


美保ちゃんが質問した言葉で我に返った。


ヤバイ…今の質問、聞いてなかった。



「なんて?…ごめん」


聞き返してしまった。


しかし、美保ちゃんは嫌な顔せずに話す。


「どうして立ち直る事ができたの?私だったらきっと立ち直れないわ。私の場合は美容師になることが夢だけど、手を怪我してもう自由に動かせないって言われたらきっとすごいショックで立ち直る事ができないはず」



美保ちゃんは尊敬の眼差しで俺を見ている。


「恥ずかしいな…そう言われると。実は立ち直ったのは俺一人の力じゃないんだ。両親とハルカ…姉さんが言った言葉がきっかけだったんだよ」



「どんなことを言ったの?」


「うん。たった最初に思いついた夢で若い時からくじけてんじゃない。夢なんてその気になればいくでも見つけられるんだからもっと探せ!!って結構無理やりな渇をいれられてさ。もしかしたら次に見つけた夢が本物かもしれないよ!って。その言葉で目が覚めたっていうか、ああ、俺なんでこんなに落ち込んでんだろうって思ったよ」



「すごい!」


「だろ?普通ならこんな俺に同情とかしてさ、一緒に頑張ろうねとか言うじゃん?でも、俺の家族は逆にいつまでも女々しく落ち込んでる息子に腹が立ったんじゃないかな?お説教されたよ」


「いい家族ね」


美保ちゃんが笑顔で言う。



「複雑だけどね…お陰で頭をガツンと引っ叩かれた感じだよ。それに」


「それに?」


「カッコイイ言葉で言うならこれは試練なんじゃないかと思ってる。これを乗り越えることができれば強くなれるんじゃないかって」



と、自分で言いながらめちゃくちゃ恥ずかしかった。


お前は悲劇のヒーローか!と突っ込みたいくらい恥ずかしかった。


「……」



美保ちゃんは黙っていた。


最後のくさい一言で引いてしまったのかと不安になってしまった。


「美保ちゃん?」


「素敵だと思うわ。アツヤ君はカッコイイことを言うと。って言ってたけど、本当にカッコいいわ」


ヤバイ。



すごくかわいい。


さっき自分に自己嫌悪でいっぱいだったことを忘れ、美保ちゃんの今の言葉をずっと頭の中で反芻していた。



「私なんかに話してくれて嬉しい。辛かったでしょう?」


またもや、美保ちゃんの素直な言葉で我に返った。


「まあ、確かに辛かったけど、それは自分の力ではどうにもならないことだし、それに今楽しく暮らしてるから全然平気だよ。じゃなかったら美保ちゃんに話してないし」


俺は気を使っている美保ちゃんを安心させるような言葉を言った。



「それならいいの。ありがとう。私ね、中学の時から女子高で男の子と話す機会なんてなくて、みんなが男の子と話したり、恋愛したりしてるのが羨ましかった。でも、それをしなかったのは怖くて逃げていたからね。アツヤ君に会えて変われた気がする」



美保ちゃんは最後の方は照れながら言った。


俺は恥ずかしさのあまり顔が赤くなっていたに違いない。


何を返したらいいのか分からないし、美保ちゃんはかわいいし、思わず目を逸らしてしまった。


そして、考えた結果俺の頭がはじき出した答えが「そろそろ車に戻ろうか」だった。



俺はヘタレ決定だ。


今、告白のチャンスじゃなかったのか?!



「そうね」


美保ちゃんも同意した。


このまま海に飛び込んでしまえ!!







はい。


ここまで読んでくれた皆様お疲れ様でした。


あの後、アツヤ君が本当に海に飛び込んでしまったのかはさておき、今日もしかして私の調子がよかったら夜にでも、続きをアップします。



今のところはとりあえずここまで。



それではバイバInBan。













 



はい。


どーぅもー。


InBanですけどー。



早速小説書きます。



今回こそはお待ちかねのドライブの巻きをお送りします。









『15.  死のドライブ』   ⑤



健一の車はさすが新車なだけあって、静かだし揺れない。



待ち合わせ場所には大きなロータリーがあり、車を停める事ができる。


俺がその場所に着くとすでに美保ちゃんは待っていた。


「ゴメン。待った?」


「ううん。平気」



美保ちゃんはすごく女の子らしい格好で久しぶりにドキドキしてしまった。


俺は焦って車のドアを開け美保ちゃんを助手席に座らせた。


「今日はね、海沿いをドライブしようと思ってるんだけどどうかな?」


「うん。天気もいいし行きたいわ」


美保ちゃんは笑顔で答えてくれた。



俺は健一のデートプランをそのまま実行した。



日曜だが、道は思いのほか空いていて、窓を開けると心地よい風が気持ち良く通り過ぎて行く。


その風に美保ちゃんのきれいな髪が泳いでいて、俺は白い肌ときれいな髪に見とれそうになった。



途中コンビニで飲み物を買い、また車を走らせた。


「少し窓を開けてみてもいい?」


そう言って美保ちゃんが少し開いていた窓を半分くらいまで開けると、風が一気に車内をかき回すように入ってきた。


美保ちゃんはその風を気持ち良さそうに浴びていた。


しかし、俺としては暑いのなら窓を開けるより冷房をかけたほうがよかった。


と、いうのも風で美保ちゃんのスカートがめくれてしまうからだ。


その度に美保ちゃんの細い足が姿を見せるので、俺は気が気じゃなかった。


車はベンツで、隣には好きな子がいて、この素晴らしいシチュエーションに俺の手は少しばかり…相当震えていた。



海がメインということと、最終目的が夜景を見ることなので神奈川に向かった。


海沿いを少し進むと、早速昼食にすることにした。


「お昼にしようか。美保ちゃんはなに食べたい?」


俺が美保ちゃんに質問すると、美保ちゃんは何やら足元から箱を取り出した。


「ん?」


「あの…アツヤ君。私ご飯作ってきたの」


「マジ?美保ちゃんご飯作ってきてくれたの?!」


超嬉しかった。


俺はこういうのが結構好きだったりするので、ほのかに作ってくれていたらいいなと願っていた。


「じゃあ、近くの公園で食べようか」


美保ちゃんは大きな箱の中を開けた。


箱の中には何種類ものサンドイッチと、唐揚げ、サラダと卵焼きが入っていた。


どれも美保ちゃんの手作りだという。


「私、一人暮らしで毎日お弁当とか作ってるの。いつも一人分だからこのくらいの量の方が張り合いが合っていいわ」



美保ちゃんはそう言って並べてくれた。


「おいしい。この唐揚げすごくおいしい」


美保ちゃんの作ってくれたものは全て美味しかった。


やはり、好きな子の手作りだからだろうか。





「せっかくだから散歩しようか」


ご飯を食べ、散歩することにした。


「寒くない?」


海の風は思いのほか強く、美保ちゃんは寒くないと言って笑った。


かわいい。


「「あの…」」


「ごめん」


二人同時に同じことを言ってしまった。


「なに?」


美保ちゃんが聞いた。


その笑顔に俺は美保ちゃんの顔を見て話すことができず、海辺で遊んでいる鳥を見ながら話すことにした。


「あのさ、これ」


と、言ってこの前行った水族館で買ったイルカの置物を美保ちゃんに渡した。


「これを私に?ありがとう。すごく嬉しい」


美保ちゃんは置物を受け取ると、いろいろな角度から眺め、俺を言った。


そして、


「実は私も」


と、バッグの中からひとつの紙袋を取り出して渡した。


「なにこれ?」


「開けてみて」


美保ちゃんがそう言うので、俺はそうっと袋の中を開けて見ることにした。


その中にはアシカが玉乗りをしているガラスの置物が出てきた。


それは俺があげた置物と同じ種類のものだった。



「これは、私を痴漢から助けてくれたお礼です。改めてすると照れるわね。あの時は本当にありがとう。でも、アツヤ君も同じものをくれたから、私のあげたものが意味を果たしてない気がするわ…」



「そんなことないよ。すごく嬉しい」


俺がお礼を言うと、美保ちゃんは照れるように顔を背けて笑った。


その顔がかわいくて、抱きしめたくなったがやめた。


なんたって、美保ちゃんはまだ男の人と付き合ったことがないし、まだ二人で遊んだのはこれが初めてなので。


こんな警戒心ゼロの純粋な子を抱きしめる勇気は俺にはない。








はい。


一見中途半端に見えますが、今日はここで区切ります。



次回は少しお互いの話をしようとアツヤ君が美保ちゃんに質問をしまくります。


そこで、アツヤ君の秘密が明らかになります。



探してもらえると分かるのですが、②か③の章の始めですかね「俺にもあったけれど…」と書いたのですが、そこをピンポイントで「あれ?なんで意味深?」って思った人がいたらすごい!!


言ってくれたらInBan特製原稿をプレゼントします。



それで、なぜ私がそう書いたのかが明らかになります。





乞うご期待。



それでは、良い夢を。。。。。。



バイバInBan。







いやぁぁぁぁ…混んでたな。


InBanは今日友達と明治神宮に初詣に行きました。


混んでるのは分かってましたが、駅を降りた瞬間から原宿は大賑わい!!



無事友達と会えたのだが、そこから明治神宮へ行き、参拝するまで三時間くらいかしらね?


なか②進まないのよ。



「え?私は何をお願いしたって?」


そ…それはあれよ。




彼氏ができますように!!

ですよ。



いいじゃないですか!


願うのは自由です。




あと、ひとつだけ私は嘘をついたことをお詫び致します。


死のドライブまでまだありまして、今回はドライブまで行きそうにありません…




ごめんなさい。



今回の章はアツヤ君が重大な事に気付くという大切な章です。



これはデートどころじゃない。


それではご覧いただきましょう。







『15.   死のドライブ』   ④





バイトが終わり、家に帰ろうかと思っていた時、ハルカから電話があった。


内容は健一に車を借りる事に関してだった。



そういえば、なんだかんだでデートするのは明日なので、今日借りに行かないといけないのだった。


俺はベンツを借りるという、緊張感を胸にハルカの家に向かった。



エントランスにハルカと健一がいた。


俺たちはそのまま地下の駐車場へ向かった。



「あれ?健一早いね」


俺がハルカのマンションに向かったのは夜の七時だったが、その時間に健一がいるのはすごく珍しい事だった。


思えば、健一に迎えられるのなんて初めてな気がする。



「今日、昨日から徹夜で会社にいて今帰ったとこなんだ。ちょっと大きな企画を任されて」


「へえ、健一はいつも忙しいね」



「アツヤ君。例の彼女とデートなんだってね。この車で行ったら一発じゃない?」



健一はピカピカの「新車です!」と主張しているベンツを軽く叩いて言った。


一体この車はいくらしたのだろうか…


俺はそう思うと怖くなった。



「やっぱいいよ、俺、この車運転するのマジ緊張するから」


本当だったらハルカの車に乗るつもりだったので、車のことでこんなにも悩むとは思わなかった。


「大丈夫だよ。アツヤ君はハルカと違って運転うまいから」


健一は俺に貸してくれる気満々だった。


こんな親切な健一の行為を断ったら罰が当たりそうな気がして、俺はそのベンツを借りる事にした。




「今日、健一が早く帰ってきたからどっかでご飯食べない?」


「ハルカ…健一休ませてやれよ」


ハルカは健一が徹夜したとさっき言っていたのに、まるで聞いていなかったかのように提案した。


「いいよ。俺そんなに疲れてないし。ちょっと行ったとこにおいしいフレンチレストランがあるんだけどそこにしようか」



あっさりと健一は言う。


俺は時々健一のそういう発言が怖い。



「でも、健一。俺こんな格好」


そう。俺はただ車を貸してもらう話だけかと思い、ジーンズに簡単なジャケットをはおった格好で来てしまった。


とても、フレンチレストランに行くような格好ではない。



「あはは。フランスじゃないんだから、気にしなくていいのに。なんなら俺の服貸そうか?」


「そうする」



健一がシャワーを浴びている間、俺はハルカとリビングで待つことにした。


「ねえ、アツヤ。よくその子さ、アツヤと二人で遊ぶ事OKしたよね。しかもドライブでしょ」


「え?なんで?なんかみんなそのこと言うけどなんでなんだ?」



俺はこの機会にハルカになんでみんなが同じことを言うのか聞く事にした。


すると、ハルカは答えてくれた。



「だって、その子、アツヤ以外の男の子と遊んだ事ないんでしょ?しかも、ドライブなんてずっと二人きりじゃん。長時間二人なんだよ。緊張しないのかな?キスされるとか、襲われるとか思わないのかな?」



「え?!!!」



そうハルカに言われて、俺はやっと今みんなが心配している事に気付いた。


ここまで自分が鈍感だと引く。




そうだ!


ずっと美保ちゃんと二人きりなんだ。


美保ちゃんは気付いているだろうか…。



それとも、そこまで俺のことを信頼してくれているのだろうか。


もしかして俺より鈍感なのか?



女の子なら初めてのデートがドライブだと心配するかもしれない。



そう思うと、俺が緊張してきてしまった。



「何緊張してんの?大丈夫だよ。アツヤにそんな根性ないじゃん」


そうハルカは言うが、それは勇気付けているのか?ナメているのか?



「ごめんね。お待たせ」


俺の頭が真っ白のなか、シャワーを終えた健一がやって来た。


「どうしたの?アツヤ君」


「気にしないで。今、この弟は大切なことに気付いたようよ」


「大切な事?」



健一はネクタイを結びながら俺の横に座って、「どうしたの?」と、聞いたので俺は正直にさっきハルカに言われたことを話した。



健一なら共有してくれるはず。


「ああ。そうか。男の子と遊ぶのはアツヤ君が初めてなのか。それは緊張するかもね。それか、まだ男の人っていう者がよく分からないのかもよ。そしたらアツヤ君の紳士ぶりにかかってくるかもね」



健一はさわやかに物凄いプレッシャーをかけてきた。




フランス料理が美味しかったかと聞かれたら、もちろん覚えているわけはない。


俺の頭の中は明日の事でいっぱいで美味しさを述べるようなスペースがもうなかった。



『元気がないな』


家に帰り、お風呂に入る気力もなく、ただソファーに座ってタバコを吸っている俺に春姫が心配そうに聞いた。


「春姫、どうしよう…明日のドライブさ、考えてみれば俺ずっと美保ちゃんと二人きりじゃん。俺すごいプレッシャーじゃないか?」


『……』


「俺が原因で美保ちゃんがまた男性不信になったらどうしよう」


『……』


「もちろん俺は紳士にやるけどね」


『……お主バカじゃな』


「え?なんでだよ。春姫」


しばらく黙っていた春姫が言った。



『お主はあの女が好きで明日一緒に遊ぶのだろう?お主は言ったよな。好きな子は大切にすると』


「ああ。言ったよ。当たり前じゃないか」


『だったらなにも問題ないだろう。お主の優しさは内側から出てくるものじゃから美保も分かるはずじゃ。そういうものではないのか?人というのは』


春姫はいつも正しい答えを言ってくれる。


それはとてもとても勇気づけられることだった。


春姫はいろいろな所に行けるわけではないが、人が思いやりがあって、優しい性格だということを知っている。


俺よりも春姫のほうが人をよく知っている。



「ありがとう。春姫、勇気出たよ。明日見てろよ」


俺は自分自身のことなのに、疑ってしまった事が恥ずかしかった。



『じゃあ、もう寝たほうがよいのではないか?明日一番に姉のところに行って車を借りるのだろう』


「はい。寝ます」


なんだか春姫は俺の母親みたいだ。




その夜は明日のプランを考えていた。


が、京子たちと行くようなところは美保ちゃんには合わない様な気がするし、だからといって、俺には女の子と行くような場所がすぐには思い付かない。



そういう経験が少ないからだ。



それでも、明日というのは容赦なくやって来るものだ。




「おはよう」


ハルカたちのマンションへ行くと、二人が出迎えてくれた。


「アツヤ君。デートプラン考えてきた?」


健一は徹夜で仕事を片付けたので今日はお休みらしい。


「それが、まだ決まってなくてさ…あっ!健一どこがいいかな?」


そうだ!健一に聞けばいのだ。


健一は俺と違って経験豊富だし、男前で大人なので、女の人とたくさん色んなところに行っているはずだ。


「やっぱりな。俺が聞いて正解だったろ?」


健一はどうやら俺がまだデートプランを考えていなかったのを分かっていたらしく、プランを考えてくれていたようだ。



さすがだ。


「考えたよ。今となってはハルカと行ったところに限られちゃうけど、俺だったらまずは最初のデートなら海沿いを走るかな。それでご飯とか食べた後、夜景とか?ベタだけど」


「んで、夜景見ながら告るんでしょ?」


「告んねーよ!!」


ハルカが言うと冗談なのか本気なのか、その境界線が今でも分からない。







はい。



皆様。お疲れ様でした。



次回から本当にドライブデートの始まりです。



何が「死」かというと、それは次回のお楽しみです。



それでは良い夢を。。。。。。



バイバInBan。













   








外寒いね。。。。


初詣行って来たよ。


この不景気でみなさん地元で初詣しているようで中野はどこも大賑わい。


並ぶの超めんどい…


そして、超眠い…



InBanは今年から寝不足で始ったようです。



今年も私は妄想と理想が混ざり合ったブログを書いて行こうと思います。



みなさんはどうか引かないでご覧になって下さい。




それでは皆様お待ちかねの続きを始めます。



前回はドライブの約束を取り付けたアツヤ君がベンツもGETし、いよ②デートに持って行こうとするところまでお送り致しました。



しかし、どうやら問題があるようですね。



その問題とは?



それではご覧下さい。







『15.   死のドライブ』   ③



今日はバイトの日。


好きな子ができて、その子とデートすることになったということを隼人さんに報告したくて厨房に入った。


「おはよう。アツヤ」


チーズケーキをキレイにカットしながら隼人さんが言った。



隼人さんはこの店の中でも一番キレイにケーとを切るので、店長がパティシエの道に行けとしつこく言っていたのを俺は見たことがある。


俺だってそうすればいいのにと思っていた。



でも、隼人さんにはライターになるという夢があるのを知っているので俺は隼人さんの夢を応援したい。


やはり夢があるのはカッコイイ。


俺にだって夢ぐらいあった。



「隼人さん。俺好きなことデートする事になったんです」


「マジで?よかったじゃんか。なあ、どんな子なんだよ」



隼人さんはカットし終わったチーズケーキを冷蔵庫にしまい、次に作るサラダの野菜を水で洗いながら言った。



隼人さんは手際がいい。


俺はここに入った頃それを見習いたくて必死に見ていたものだった。


「俺がいつも乗る電車で一目惚れした子なんです。痴漢に遭ってたのを助けたのがきっかけで番号交換とかして、この前なんか友達と四人だったんですけど、一緒に水族館に行ったし、そこで今後ドライブに行く約束をしたんです」



俺がご機嫌で美保ちゃんと出会った経緯を隼人さんに話していると、いつの間にか隼人さんがサラダを作っている手が止まっていることに気が付いた。



「アツヤ。ひとつ聞いていいか?」


「ん?何ですか?」


隼人さんが真剣な顔で言った。


「お前って、恋愛には積極的なほう?その…相手がどうとか考え無しに突っ走るほう?」


いきなり突っ込んだ話になったのでおかしいな。と思っていた。


そもそも俺は恋愛に対して積極的ではない。


それはここまで来るのに時間がかかっていることで証明済みだ。


「それはないですね。俺、恋愛に対して一緒に進めていきたいんです。俺だけが一人突っ走ってもつまらないですし」


不思議に思いながらも、俺は隼人さんの質問に答えた。


「いや…そうか。アツヤだもんな。そうか~ぁ、アツヤか。いや!アツヤで良かった」



隼人さんはそう言って笑った。


そして、作業を再開した。


まるで隼人さんは自分で自分の言葉に納得しているようだった。



「あの~…隼人さん?何を納得したんですか?」


「あぁ、そうだな。悪い俺だけ納得しちまって。あのな、前に俺の両親が再婚するって話しをしただろ?」


「ええ。まだ籍は入れてないんですよね?」



隼人さんの家は、隼人さんが幼い頃に母親が亡くなって、隼人さんと父親の二人暮らしだ。


でも、最近父親が再婚するらしいと隼人さんが言っていたのだ。


「そこの家にはさ、お前と同じくらいの年の娘さんがいてよ」


「へえ、そうなんですね」


「んで、そのこの名前がなんと!お前驚くなよ」


「はい」


隼人さんはもったいぶって言う。



「美保っていう名前なんだ」


「…それがどうかしたんですか?」


俺にはなぜ隼人さんがその名前を言うことをもったいぶったのか分からなかった。


「ばかっ!おまっ…あのな、俺結構そのこと話とかするわけ。で、その子が最近男の人と出会ったって話をしててさ。なんでも痴漢されていたところを助けてもらったらしくてさ」



「え?」


なんか美保ちゃんと同じ境遇だな…偶然…って、!そんな偶然はない!


「まさか、隼人さん。その相手が俺だって言いたいんですか?!」



「違うの?」


「まっさか~!だって、その子の名字は小西ですよ?隼人さんの名字は中嶋じゃないですか」


「お前、恋愛もそのくらい鈍感だからこの前みたいな問題起こすんぞ。いいか?名字が違うのは、両方の親がまだ籍を入れてないからであって、当然名字はそのままなわけだよ」



「え?え?ええええ~」



いくら自他共に認める鈍感な俺でも事の重大さが理解できた。


なんと、俺の一目惚れをした相手の義理兄になる人が隼人さんだなんて…。



そんな人に俺は何を楽しくデートの話をしているんだ。


「隼人さん…ごめんなさい」


「はは。アツヤって天然なんだな」


隼人さんは笑いながら言ったが、俺は笑えない。



「そう、心配するなよ。ごめんな。驚かせちゃって。でも、俺さっき言ったけど、お前なら安心していいと思ってるのは本当だぞ」


「隼人さん…」



つい、お義理兄さんと言いかけた。


「でもよ、よくあの子が二人きりでのデートをOKしたよな


隼人さんも太一のようなことを言った。


俺にはなんでそんなに心配するのか分からなかった。



きっと、また俺が鈍感だから気が付かないのだろう。


確かに、美保ちゃんは男の人と付き合ったことがないから緊張しているのは分かる。


でも、それは俺だって久しぶりなのだから同じ気持ちだ。



「まあ、アツヤを信じるよ。頑張って頑張り過ぎんなよ」


俺を気にしてくれたのか、隼人さんは言った。


いつの間にか、サラダを切り終わり、俺にそれを皿に盛るように指示してから休憩に入って行った。



俺にはまだ疑問が残ったままだった。



はい。


お疲れ様でした。



これからが本番になります。


なんだよ!InBan。なか②死のドライブじゃないじゃん!!


とか思っているみなさん。



お待たせしてすいませんでしたね。


次回から始りますよ。



それでは良い初夢を。。。。。。。。



バイバInBan。