今日は早速本題に入りたいと思います。




InBanの小言を読みたかったアナタ。



ごめんなさいね。



どうやら酔っ払ってないかと思ったら少し、目が回ってます…











『24.           最後のカウントダウン』     ⑤






もう日が暮れて、春姫の大好きな夕日が見える時間となった。



「春姫。ただいま」



春姫はやはり夕日を見ていた。



『おかえり。アツヤ』


「これ、今年最後の夕日だぞ」



『ふむ。そう思うと愛おしいな』



夕日を見たまま春姫が言った。



俺は洗濯物を取り込み、新しい枕カバーと布団カバーをセットした。



大掃除がやっと終わり、もはや夕食を作る気はないので、昨日の残りを食べることにした。





そして、二人仲良くアイボリーのソファーに座り、紅白を見た。



『一年とは早いのう』



春姫がしみじみと言った。



カレンダーはすでに来年の年のものに変わった。


この部屋はもう来年を迎え入れる準備が万端だ。



「確かに。春姫と会ったのがついこの間のようだよ」


俺も思い出していた。



この一年を。




この部屋に引っ越さなければ出会うことはなかった、小さな女の子の幽霊。



しかし、その正体は戦時中にこの世に産まれる事のできなかった子供たちの霊。



春姫は自分のことよりも相手が喜ぶ顔を見るのが好きな、お世話好きな性格で、その性格のせいでこの部屋を後にした人は数知れない。



春姫は決して弱音を吐かない。



人の感情を読み取る力があるから、人の思っている事をいち早く感じ取り、悩んだり、落ち込んでいたりするときは助けたくなるのだという。



優しい性格なのだ。




「初めて会った時の春姫、かわいかったな」


『ふん。お主は怖がっておったくせに』


「でも、こんな小さい子だとは正直思ってなかった」



俺が素直な気持ちを話したところで、春姫は真剣な顔になった。



『お主にわしの姿を見せたのは賭けじゃった。どうせ、ここを出る気でいたのだろう?だったら会えなくなることを覚悟して姿を見せてもいいと思ったのじゃ』



春姫は初めて弱気なことを言った。



「でも、結果的には良かったな。俺が優しい性格だったから」


『本当じゃな。しかし、その性格のせいでわしはお主のために何度頭を使ったか』


「感謝してます」



時刻はいつの間にか十一時になっていた。



「春姫は年越しそばって知らないだろ?」



俺は少しでも多く、春姫が色んな経験をして欲しくて、年越しそばを食べさせようと思った。



『引越しそばみたいなものか?』


「あはは。そうそう。なんでそういう時ってそばのかは知らないけど」



俺は早速調理に取り掛かった。



春姫が興味津々に覗き込む。



「春姫にも作ってやるからな」



『本当か!』



春姫は嬉しそうに言った。



贅沢に昨日もらった海の幸をかき揚げにして乗せた。



「はい。どうぞ」



小さな小鉢に入れて春姫の前に置いた。



春姫は食べることこそはできないが香りを楽しむように目を閉じて食べるふりをしていた。




ちょうど時刻は十二時二分前だ。



テレビでは芸能人がカウントダウンイベントを開始した。



「春姫。もうすぐカウントダウンだ」


『ん?なんだ?』



「十秒前になったら一緒に数えよう」



テレビ画面に数字が出たので、俺は春姫に促した。



「『5・4・3・2・1』」




新年が始まった。



テレビでは大盛り上がりだった。



『アツヤ。なんか言うのか?』



「“あけましておめでとう”だ」


『あけましておめでとう。アツヤ』


「あけましておめでとう。春姫」



春姫と過ごす年末年始も悪くないと思った。



また来年も迎えたいと思った。



しかし、これが春姫と過ごす最後の年末年始となった。







はい。




今日はここまでです。



いやぁぁぁ。



まだ目が若干回ってます。




どうしたことか…




それではまた次の章で会いましょう。




バイバInBan。











はぁぁぁぁ。



初雪降りました。



ありえないですねダウンダウン(/TДT)/


私は都会っ子なので雪とかは嫌いです。




喜んで庭駆け回るイヌの気が知れません。



雪がコンコンいってるのなんて聞いたコトありません。





降っても降ってもまだ降り止まないなんてゾッとします。



InBanもこたつで丸くなります。














『24.     最後のカウントダウン』    ③





家に着くと、いつものように春姫が出迎えてくれた。



『おかえり。アツヤ』



「ただいま。春姫」



『のう?アツヤ』


「なに?」



早速もらった食材を冷蔵庫に入れているとき、春姫がそっと来て言った。



『もう、目の病気についての本は捨ててもいいのではないか?』


本がたくさん入っている収納BOXを指して春姫が言った。



『お主はもうそれについては乗り越えたと思うぞ。お主の心の中のその部分についてはいつももやもやしていたが、今ではスッキリしているように思う。けじめがついたのではないか?』


確かに、春姫に言われ、俺は今までそのことを忘れていたことに気付いた。



前はそのことを知られたくなくて、絶えず隠そうとしていたが、今は忘れていたくらい気にならなくなっていた。




あの時の絶望感や悔しさは正直もう感じていない。



「そうだな。春姫の言うとおり、もう何も気にならなくなってた。でもさ、俺、春姫に目の病気のこときちんと話してなかったよな」



『よい。改めて言わなくても、分かりすぎるくらい分かる。お主は物事をきとんと結論が出るまで考える傾向があるので、わしにはいやというほど伝わるのじゃ』



「…春姫。悪かったな。心配かけさせて」



そう。


春姫はその力のせいで、知りたくもないことまで分かってしまう。



自分の意思に関係なくだ。


春姫は自分の性格上、もどかしかったと思う。



俺が一人で、殻に閉じこもって悩んでいるとき、本当は助けたかったのかもしれない。



いつでも手を差し伸べてくれた春姫のことだ。


必死に耐えてくれていたと思う。



俺自身の問題だからと。



俺には春姫のような力はないから、春姫が何を考え、悩み、何を望んでいるのか分からない。



だから無神経な事だって言った。



傷つける事だって言ってしまった。



今俺が春姫に謝ったのはそのことを全て含め申し訳ないと思ったからだ。




『良いのじゃ。お主はわしを受け入れてくれた。今までのやつらのようにわしを怖がらなかった。それだけでわしは嬉しい。お主が謝る必要はないぞ』



春姫は優しく笑った。



「春姫。幸せになろうな」


『お主。変じゃぞ。酔ったのか?』



春姫といつまでも一緒にいたいと思った。





次の日、俺は春姫の言うとおりに目に関する本を全て処分した。



もったいないとか、後ろめたい気持ちはなかった。



むしろ、スッキリとした気分だった。



そのあと、大掃除の続きをした。



昨日は結局何もしないで寝てしまったので、昨日のままの荒れた部屋になっている。



『すごい気合の入れようだな。一体どうしたんじゃ?』


「ああ。春姫知らないのか?年末の大掃除だよ。こうして部屋をきれいにして新しい年を迎えるんだ」



『ふ~ん。カレンダーをめくるのと同じか?』



なんだかまだピンと来ない春姫は言った。



「アハハ。そういう感じかな」



春姫はまだ知らないことも結構あるみたいだ。


どうして祝祭日は休みなのかとか、この前なんかはハロウィンとはなにかとも聞かれた。



その度に俺は分かる範囲で教えてやる。



今日は掃除を終えるという目標があったので、久しぶりに早起きした。



美保ちゃんとの待ち合わせの時間に間に合わなければならないからだ。



これぞ計画的。





品川の喫茶店の前で美保ちゃんは待っていた。



いつもながら美保ちゃんは来るのが早い。



言い訳させてもらうと、俺は今日十分前に着いている。



なのに、それでも美保ちゃんに勝てない。




俺たちはこのまま喫茶店に入った。



喫茶店は珍しく空いていた。



この時間だったら混んでいてもおかしくないのに。



「忙しいのに呼び出してごめんなさい」



「ううん。別に大して用とかないし」


美保ちゃんは安心したような表情を見せた。



「本当は大晦日も過ごしたかったんだけど…」



「いいって。だって美保ちゃん、家族と過ごすんだろ」


「あのね、正式に引越しをしたの。その、新しいお義理父さんのところに」



少し、お義理父さんと言うことに美保ちゃんは照れているようだった。



「今日はその報告をしたかったの。直接会って言いたくて。だってアツヤ君のおかげだから」



「別に、俺は何もしてないよ」


「ありがとう」



美保ちゃんはそう言って頭を下げた。



「ねえ。美保ちゃん」


「なに?」



「初詣行こうね」


「うん」



うんと言った美保ちゃんの顔がすごく可愛かった。



そのあと、少し、慌しい街を歩いてから美保ちゃんと別れた。



俺も部屋の掃除のラストスパートをかけに戻った。









はい。



今日はここまでにします。




明日は晴れますか?



私たち営業にとって雨や雪なんかはマジで営業妨害DEATHよ。



次の章でこの章は終わりです。



それでは次の章で会いましょう。




バイバInBan。











「私はOLダ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ヾ(。`Д´。)ノ



はい。



またもやInBanさんはおかんむりですね。



どうしたのでしょうか。






そう。



それは世の中がHAPPYな給料日の日。



私だって例外ではないさ。



久々にオサイフCHANもHOTになったところで私は美容院へ行きました。



髪の毛のダメージ具合がハンパなかったんで。。。。。。。。ヽ(;´ω`)ノ



見事モテ髪GIRLになった私。(これで彼氏できるかな?)



太っ腹なノリでタクってGO HOMEだよね。



チッチッチ!



個人タクシーじゃないよ。



ク・ロ・タ・クドキドキ(キムタクじゃないよ)



やっぱ違うのよ。



座り心地ってヤツがぁ~。



超→ご機嫌な私。




っひゃ~いアップアップ



「運転手さん。中野まで」


「かしこまりました」



フン♪フン♪♪フ~ン♪




運転手:「それにしても、やっぱり不景気だとお客さん来ないですよね」


InBan:「え?」


運転手:「給料日だって言うのに人少ないですもんね」


InBan:「はあ。平日だからじゃないですか?」


運転手:「昨日、調布まで乗せたお客さんが言ってましたよ。やっぱり不景気だって」


InBan:「給料にも響いてるんですかね」


運転手:「でも、お金ある人はあるんじゃないですか?」


InBan:「あはは。世知辛いですね」



しばらく運転手の節約術を聞く大人な私。



InBan:「へ~運転手さん、ご自分でお弁当作ってるんですか。すごいですね」


運転手:「誰も作ってくれないからね。あはは」


InBan:「あはは。」


運転手:「でも、その調布の人が言ってましたけど、二時間で15万ですって。考えらんないですね。僕には」


InBan:「へ?」


運転手:「女の子たちが暇なもんだからたくさん付くんですって。おかげで出費がすごかったって」


InBan:「へ~……ん?!」


運転手:「大変ですよね。そちらも」


びきっ!(*^ー^)ノ……。!



私はキャバじゃねえよ!むかっ



確かに、私のメイクは気持ち濃いかもしれないよ。



でも、わかんだろっ?



どこの世界に夜の11時に新宿から中野へ向かうキャバ嬢がいるんだよっ!逆だろうが!!!!!



夜のメイド喫茶か!



別料金か!!



アヤナミレイの格好してピンクのドンペリってか?



クラナドの伊吹風子の格好して同伴か?


ローゼンメイデンの真紅の服着て「いらっしゃいませ」か?(→詳しい…)




すいません。


取り乱しましたね。久々に。





それでは気になる続きでも見てってちょうだい。













『24.      最後のカウントダウン』    ②





家に着くと、遅いとハルカに怒られ、現実に引き戻された。



健一がお風呂に入っている間に俺は下準備をしていた。


ハルカも手伝いたいと言ってきたが、高級食材たちがハルカの手によって悲惨な運命を辿るのはかわいそうなので、断った。



しかし、さすがの俺も今手に持っている名前も知らない魚がいくらするのか、あそこにある貝はどんな高級食材なのか分からないので、おとなしく健一を待った。





健一は調理師免許を持っているわけではないが、手際がいいし、味付けもうまい。


魚もきれいにさばくし、野菜なんかもおしゃれに飾り切りしてしまう。


ハルカも少し見習うべきだ。




あっという間にお鍋はいい音をしている。



その他にも健一様は贅沢にあわびのお刺身や、ハーブと白身魚のカルパッチョも作ってくれた。



鍋がいい音をしているうちにテーブルに運び、野菜や魚に火がまんべんなく通るまでおつまみを食べることにした。



「ねえねえ。アツヤ。分かってると思うけど、今日呼んだのは他でもないよ」


「は?なんか日本語間違ってねえか?」


「あんた。なにかアタシたちに言うことあるでしょ?」


「え?なに?」



ハルカがお行儀悪く箸で俺を指して言う。



「報告?なんの?」


「ク?」


ハルカが煽るように言う。


「リ?」


もう何が言いたいのか分かる。



「クリスマスの報告だよ!バカ」


待ちきれなくなったハルカが怒鳴った。



「お前、赤ちゃんいるんだから大声出すなよ」


「ごめん」



ハルカがおなかを撫でながら言った。



「アタシたちには聞く権利があるんだから、話なさいよ」


「ねえよ。そんな権利」



「いいから。早く」



根負けした俺は恥ずかしいながらも話すことにした。



敢えて人のいない場所を選んで歩き回ったことや、そこでプレゼント交換したこと。



そして、隼人さんのお店に初めて美保ちゃんを招待したこと。




「へえ。おもしろいね」


健一は路地裏に興味を持ったようだ・



健一だったらすごくロマンチックなクリスマスを提案しそうだ。



「アツヤ君のバイト先の先輩が美保ちゃんのお義理兄さんなんてすごい偶然だね」


「世の中狭い」



「狭いとか言うなよ。ハルカ…」


ハルカは一通り聞いて満足したようだった。



「それよりハルカ。体調はどうなの?」


「うん。超順調。つわりもそんなにないし」



「俺から聞いといてなんだけど、ハルカ、ご飯中」


「毎日胎教にいい音楽聞いて、おいしいもの食べてるから幸せ」



ハルカは健一を見ながら言った。



そりゃあ、健一のように生きているだけで社会に貢献しているような人が旦那なら幸せだろう。



「エコー見る?」


ハルカは赤ちゃんのエコーの写真を見せてくれた。



暗い影のようになっているが、頭や手足が確認できておもしろかった。



鍋料理の後は、とてもじゃないが三人で、しかも鍋料理を食べた後に食べる量ではないくらいの特大のフルーツの盛り合わせが出た。



ハルカはどこにそんな胃袋があるのか!というくらいの食べっぷりだった。



「ハルカね、果物よく食べるんだよ」



健一がうれしそうに話す。



「アツヤ君は年越しはどうするの?彼女?」


食後の後片付けのとき、健一が言った。



「ううん。美保ちゃんは家族と過ごすから」


「じゃあ、家で一緒にする?」



健一がせっかく誘ってくれたが、俺は春姫と過ごしたかったので断った。



「いや、たまには一人でのんびり過ごす」


「そう。いつでも遊びにおいで」



優しく健一は言ってくれた。



そして、残ったものや果物をタッパーに詰めてくれた。



「じゃあ。良いお年を」


泊まっていこうかと思ったが、まだ大掃除が終わっていないことを思い出し、酔ってはいたが帰ることにした。



駅に向かう途中、美保ちゃんからメールがあった。



明日、少し会えないかというお誘いだった。



即効OKした。










はい。




今日はまたもや個人的なお話のほうが長くなってしまい、申し訳ない。




ちなみに、書いてある萌えキャラを知りたい方は中野へお越しください。



私がご案内致しましょう。




※私もそんなに詳しくないので質問等は受け付けません






それでは次の章で会いましょう。




バイバInBan。












このお話も残り少なくなって参りました。



このお話は主人公の一年間の記録を収めたものです。



主人公が一年を通して恋に友情に夢に向かって成長していく物語です。



ひとつだけ他の人と違うところは主人公を支えていた存在がこの世にはいない幽霊だということ。












『24.     最後のカウントダウン』    ①





浩志も京子もお正月は実家です過ごす。


俺はいつもは実家で地元の友達と過ごしている。



でも、今年はハルカがご懐妊なので年越し、三箇日はこっち(東京)で過ごすことになった。



と、いうことでなぜか俺もこっちで過ごすことになった。



「初めてだな。実家で過ごさない年末年始は」


『美保と過ごせばいいではないか』


今俺は、大掃除の合間の休憩中だ。



春姫は幽霊なので、掃除の間中いてもちっとも邪魔にはならないのに、なぜかベランダに出ている。



気を使ってくれているのだろうか。



「美保ちゃんは家族と過ごすんだってさ。まあ、新しい家族と過ごす最初の年末年始だし」


『そうじゃな』


「まあ、俺は春姫と過ごすけどね」


『否でもそういうことになるからな』




掃除を再開したときにはもう日が暮れてしまっていた。


そんなに広くはない部屋もこだわってしまうと一日では終わらなかった。



…まあ、俺がちょこちょこ休憩を挟んでいるのもあるが。


『アツヤ。姉から電話じゃ』



電話に出ると、忘年会のお誘いだった。


思えば、今は忘年会シーズンだ。



今年は浩志が早く実家に帰ってしまい、京子も友達とスノボに行ったりとで恒例の三人での忘年会をしなかった。



忘年会はバイトだけだったのでなんでこんなにお金が余っているのだという疑問は解決した。



「いいよ。七時ね」


電話を切って時計を見るとすでに時刻は六時だった。



ハルカの誘いはいつも急だ。



春姫に留守を頼み、急いで支度をし、家を出るときにはもう七時十分前だった。



駅に着くと健一がいた。


「健一」


健一は俺に気付くと軽く手を挙げた。


「ごめんね。ハルカ急に呼び出したでしょ?」


「本当だよ」



健一はハルカに電話して、デパートで材料を買って帰ると言った。



「やっぱ忘年会といったら鍋だよね」


と、言って健一と俺はデパートへ向かった。



そういえば、俺は初めて健一と買い物をする。


健一の料理は美味しい。



一体どんな買い物をするのか楽しみだった。



しかし、俺はここで金銭感覚の違いを思い知るのだった。




健一はデパートに入るなり慣れた手つきでカートにカゴを二個セットし、まず野菜コーナーに向かった。



「健一慣れてるね」


「ええ。ハルカのお陰で」



そう言いながらなんか高そうな野菜を次々にカゴの中で入れていく。



カゴの一段目はすでに野菜でいっぱいだった。



俺は何も言わずにカゴの中に入っていく野菜たちを見ていた。



「アツヤ君は何が好き?トマトは嫌いなんだよね」


「うん。健一に任せる」



すると、今度は果物コーナーへ行き、またもやカゴにどんどん詰めていく。



「健一。もう一セット持ってくるよ」


「そうだね。ありがとう」



俺がカゴを持ってきたときにはすでに健一はたくさん入ったカートを押して鮮魚コーナーにいた。



「アツヤ君。今日は海鮮鍋だから」



そう言うなり、これまた高そうな魚や貝をカゴへ入れる。



蟹にホタテ。



アワビに海老。



それに聞いたこともない魚や、貝。



値段なんてお構いなしに健一はカゴへ入れていく。



「健一カッコいいな」


俺が感心して言うと、健一は「そう?ハルカが買い物できないからたくさん買っておこうと思って」なんて、アッケラカンと言った。



いや…そういう問題ではない。



「次はお酒だね」


「う…うん」



俺は健一の言いなりだった。



大丈夫なのかと心配になった。





しかし、そこはパラダイスだった。



どこもかしこも見たことのないお酒や、飲みたかったけど高くて手の出せなかったお酒が並んでいる。



「どれにする?」


健一は言う。



俺は目を輝かせながら慎重にお酒を見ていく。



値段は気にしなくていいからね。



俺が払うから。



その一言に俺の理性が吹っ飛んだ。



ビンの当たる音に我に返ると、俺の押しているカーとの中にたくさんのお酒が入っていた。



「いいチョイスだね。アツヤ君」



健一はご機嫌だった。



つい、今まで飲めなかったお酒を片っ端から入れてしまっていた。



そのほかに、健一おススメのワインを買ってレジに向かった。



「アツヤ君はこれを袋に詰めといてくれる?」



俺は合計金額がいくらになるのか気になったが、健一に言われ、合計四つのカゴに入った品物をせっせと袋に詰めていく。



「随分買っちゃったね」


「健一、あのさ…これ買い過ぎじゃねえの?」


「え?!」



健一は本当に驚いた表情をした。


「ううん。なんでもない。ごめん」



言った俺が正しいのだと思ったが、謝ってしまった。



「重いからタクシーで帰ろう」


「うん」



俺はもう健一の言いなりだ。








はい。




私のことをご存知の方はお気づきでしょうが、健一は私の理想の男性です。



KEDO.こんなやついは日本にはいねえよ。




って、カンジね。



っひゃ~い。



分かってます!!!!!




それでは残り少ないこのお話、また次回の章でお会いしましょう。



バイバInBan。



おこんばんは。



皆様元気にLet'sDanceしてますかぁ?



最近は私の嫌いな寒い日が続いてもうっ!カンベンて感じ。




この不況なんとかなんないのぉ?



まあ、そんなことはさておき、アツヤ君と春姫の仲が大変なことになっているようですよ。











『23.     路地裏クリスマス・キャロル』    ⑥





家に帰ると大変なことになっていた。



あちらこちらにカップやお皿の破片が散乱し、足の踏み場もないくらいだった。



「なんだこりゃ…春姫」


俺はそれらを避けながら部屋を進んだ。



こんなことをするのは春姫か空き巣しかいない。


しかし、空き巣だったら間違いなく春姫に追い払われているはずなので、春姫しか犯人はいない。



「春姫。どこ?」


何度も言うが、俺には霊感というものはない。


なので、春姫のほうから姿を見せてくれないと俺からは見つけることができない。



だが、今回は春姫が姿を現すことを拒否しているようだ。


やはりあの時、春姫を傷つけてしまったからなのだろう。



「春姫」


何度名前を呼んでも春姫は出てきてくれない。


でも、春姫は俺がこの部屋にいる以上、ここから出ることはできないので俺と同じ空間にいる。


いやでも俺の声も聞こえるはずなので、俺は春姫がこの部屋にいることを前提にして、話すことにした。



「春姫。ごめんな。春姫がなんでこんなことをしたのか、なんでずっと姿を見せてくれないのか分かったよ。怒ってるんだろ?あの時のことを。あの時春姫は俺のことを考えて言ってくれたのに、俺は春姫にひどいことを言ったよな。ごめんな」



俺はそう言いながら、いつ春姫が出てきてくれるかどきどきしていた。


と、同時に冷や冷やしていたのも事実だった。



でも、ここまで言ったので続けることにした。


「本当に悪いと思ってるんだ。だから姿を見せてくれないか?春姫の思ってること、言いたいことを言って欲しいんだ。隠さないで…」


それでも、何の変化もなかった。



もしかして、成仏してしまったのかと一瞬思っていたとき、近くにあったペンが微かに動いていることに気がついた。



そのペンは書くジェスチャーをしていたので、俺は急いで紙を用意した。


紙を用意すると、ペンは文字を書いた。



“わしはおこってなどおらぬ”



正直きれいとは言えないが、そう読めた。



続ける。



“わしはだめじゃな”


俺はペンに合わせて紙を足していく。



“きっと、わしはみほにしっとしておるんじゃ。おぬしにあわせるかおがない”



「なんでだよ」



俺は答えた。



“ひとを、みほをうらんでしまった”



その文字を見た途端ゾクッとしてしまった。


が、それと同時にペンの動きが止まった。


きっと、俺の一瞬でも感じた感情を読み取ってしまったのだろう。



春姫は迷っている。


この続きを伝えるべきか、どうか。



「続けてくれ」



俺は静かに春姫に言った。


ペンは再び動き出した。



“わかっておる。そのこういがおぬしをうらぎることになることくらい。だからだまっていた。ときがたてばこのきもちはうすれていくとおもって。でも、だめじゃった”



春姫の姿が見えないことが怖さを煽った。


でも、そんな感情を出していけないと必死に堪えた。



“みほもおぬしをすいておる。こうなることをのぞんだもはわしじゃ。ほんとうならばよろこぶところなのにわしは”



と、ここまで書いてまたペンは止まった。



そして、今まで隠れていた春姫が姿を現した。



でも、怖くなかった。



だって、その姿はやはり普通の泣いている女の子だったからだ。



そう。俺が春姫と初めて会ったときと同じだった。



「なんだ?春姫寂しかったのか?」


俺は自分から春姫に近づいて言った。


『?わしが怖くないのか?美保を恨んでしまったわしが』


春姫は予想に反して俺が怖がっていないことを不思議に思ったらしい。



「ああ。怖くない。だって、春姫、これはな嫉妬ってやつだよ。恨むなんてたいそうなもんじゃない」


『嫉妬?』


「春姫~そうか。嫉妬してくれたのか」



俺は嬉しかった。



春姫は普段あまり自分の感情を出さない。


だかた俺は少し、不安に思っていた部分があった。


春姫は一体どう思っているのだろうと。



春姫はきっと優しく接するはずだ。



それが俺じゃなくても同じだろう。


春姫にとって俺はどういう存在なのか知りたかった。



でも、こうして今嫉妬してくれているということは、少なからず俺の事を好きだということだ。


それが分かっただけでも嬉しかった。



『アツヤ。嫉妬とはなんだ?お主に迷惑がかかることなのだろう?』


春姫は心配そうに聞く。


俺の心を読めばすぐに分かるのに、きっと、今はそんな余裕すらないのだろう。



「嫉妬っていうのは、自分が好きな人が他の人と一緒にいることを良く思わない感情のことさ。極端な話、その人を独り占めしたい、他の人のことを考えることも我慢できないって思うことかな?」



俺は春姫に説明しながら、今日は春姫よりも優位に立ったような気分になった。


次の春姫の言葉が早く聞きたかった。



きっと、図星だから照れるに決まっている。



春姫の慌てた姿を早く見たかった。



『わしはお主に対して、そこまで思ったことはないぞ』


「え?!」



一瞬止まってしまった。


空耳かと思ってしまった。



今、俺は世界一ハチが豆鉄砲を食らった顔が似合うはずだ。


『確かに、お主の事は大切に思っておるが、その感情は好きとか、独り占めしたいというのとは違う気がするぞ』


「ああ…まあ、そうなのかも」



なぜか春姫の言葉には変な説得力があり、俺は納得してしまった。




だが、悔しいので春姫が嫉妬したことは事実だと思うことにした。








はい。




この章はここで終わりです。



またもや、春姫の意外な一面が見れたんじゃないですか?



良かったですね。



次回は春姫と過ごす大晦日をお送りします。





それでは次の章で会いましょう。



バイバInBan。