このお話も残り少なくなって参りました。



このお話は主人公の一年間の記録を収めたものです。



主人公が一年を通して恋に友情に夢に向かって成長していく物語です。



ひとつだけ他の人と違うところは主人公を支えていた存在がこの世にはいない幽霊だということ。












『24.     最後のカウントダウン』    ①





浩志も京子もお正月は実家です過ごす。


俺はいつもは実家で地元の友達と過ごしている。



でも、今年はハルカがご懐妊なので年越し、三箇日はこっち(東京)で過ごすことになった。



と、いうことでなぜか俺もこっちで過ごすことになった。



「初めてだな。実家で過ごさない年末年始は」


『美保と過ごせばいいではないか』


今俺は、大掃除の合間の休憩中だ。



春姫は幽霊なので、掃除の間中いてもちっとも邪魔にはならないのに、なぜかベランダに出ている。



気を使ってくれているのだろうか。



「美保ちゃんは家族と過ごすんだってさ。まあ、新しい家族と過ごす最初の年末年始だし」


『そうじゃな』


「まあ、俺は春姫と過ごすけどね」


『否でもそういうことになるからな』




掃除を再開したときにはもう日が暮れてしまっていた。


そんなに広くはない部屋もこだわってしまうと一日では終わらなかった。



…まあ、俺がちょこちょこ休憩を挟んでいるのもあるが。


『アツヤ。姉から電話じゃ』



電話に出ると、忘年会のお誘いだった。


思えば、今は忘年会シーズンだ。



今年は浩志が早く実家に帰ってしまい、京子も友達とスノボに行ったりとで恒例の三人での忘年会をしなかった。



忘年会はバイトだけだったのでなんでこんなにお金が余っているのだという疑問は解決した。



「いいよ。七時ね」


電話を切って時計を見るとすでに時刻は六時だった。



ハルカの誘いはいつも急だ。



春姫に留守を頼み、急いで支度をし、家を出るときにはもう七時十分前だった。



駅に着くと健一がいた。


「健一」


健一は俺に気付くと軽く手を挙げた。


「ごめんね。ハルカ急に呼び出したでしょ?」


「本当だよ」



健一はハルカに電話して、デパートで材料を買って帰ると言った。



「やっぱ忘年会といったら鍋だよね」


と、言って健一と俺はデパートへ向かった。



そういえば、俺は初めて健一と買い物をする。


健一の料理は美味しい。



一体どんな買い物をするのか楽しみだった。



しかし、俺はここで金銭感覚の違いを思い知るのだった。




健一はデパートに入るなり慣れた手つきでカートにカゴを二個セットし、まず野菜コーナーに向かった。



「健一慣れてるね」


「ええ。ハルカのお陰で」



そう言いながらなんか高そうな野菜を次々にカゴの中で入れていく。



カゴの一段目はすでに野菜でいっぱいだった。



俺は何も言わずにカゴの中に入っていく野菜たちを見ていた。



「アツヤ君は何が好き?トマトは嫌いなんだよね」


「うん。健一に任せる」



すると、今度は果物コーナーへ行き、またもやカゴにどんどん詰めていく。



「健一。もう一セット持ってくるよ」


「そうだね。ありがとう」



俺がカゴを持ってきたときにはすでに健一はたくさん入ったカートを押して鮮魚コーナーにいた。



「アツヤ君。今日は海鮮鍋だから」



そう言うなり、これまた高そうな魚や貝をカゴへ入れる。



蟹にホタテ。



アワビに海老。



それに聞いたこともない魚や、貝。



値段なんてお構いなしに健一はカゴへ入れていく。



「健一カッコいいな」


俺が感心して言うと、健一は「そう?ハルカが買い物できないからたくさん買っておこうと思って」なんて、アッケラカンと言った。



いや…そういう問題ではない。



「次はお酒だね」


「う…うん」



俺は健一の言いなりだった。



大丈夫なのかと心配になった。





しかし、そこはパラダイスだった。



どこもかしこも見たことのないお酒や、飲みたかったけど高くて手の出せなかったお酒が並んでいる。



「どれにする?」


健一は言う。



俺は目を輝かせながら慎重にお酒を見ていく。



値段は気にしなくていいからね。



俺が払うから。



その一言に俺の理性が吹っ飛んだ。



ビンの当たる音に我に返ると、俺の押しているカーとの中にたくさんのお酒が入っていた。



「いいチョイスだね。アツヤ君」



健一はご機嫌だった。



つい、今まで飲めなかったお酒を片っ端から入れてしまっていた。



そのほかに、健一おススメのワインを買ってレジに向かった。



「アツヤ君はこれを袋に詰めといてくれる?」



俺は合計金額がいくらになるのか気になったが、健一に言われ、合計四つのカゴに入った品物をせっせと袋に詰めていく。



「随分買っちゃったね」


「健一、あのさ…これ買い過ぎじゃねえの?」


「え?!」



健一は本当に驚いた表情をした。


「ううん。なんでもない。ごめん」



言った俺が正しいのだと思ったが、謝ってしまった。



「重いからタクシーで帰ろう」


「うん」



俺はもう健一の言いなりだ。








はい。




私のことをご存知の方はお気づきでしょうが、健一は私の理想の男性です。



KEDO.こんなやついは日本にはいねえよ。




って、カンジね。



っひゃ~い。



分かってます!!!!!




それでは残り少ないこのお話、また次回の章でお会いしましょう。



バイバInBan。