今日は早速本題に入りたいと思います。




InBanの小言を読みたかったアナタ。



ごめんなさいね。



どうやら酔っ払ってないかと思ったら少し、目が回ってます…











『24.           最後のカウントダウン』     ⑤






もう日が暮れて、春姫の大好きな夕日が見える時間となった。



「春姫。ただいま」



春姫はやはり夕日を見ていた。



『おかえり。アツヤ』


「これ、今年最後の夕日だぞ」



『ふむ。そう思うと愛おしいな』



夕日を見たまま春姫が言った。



俺は洗濯物を取り込み、新しい枕カバーと布団カバーをセットした。



大掃除がやっと終わり、もはや夕食を作る気はないので、昨日の残りを食べることにした。





そして、二人仲良くアイボリーのソファーに座り、紅白を見た。



『一年とは早いのう』



春姫がしみじみと言った。



カレンダーはすでに来年の年のものに変わった。


この部屋はもう来年を迎え入れる準備が万端だ。



「確かに。春姫と会ったのがついこの間のようだよ」


俺も思い出していた。



この一年を。




この部屋に引っ越さなければ出会うことはなかった、小さな女の子の幽霊。



しかし、その正体は戦時中にこの世に産まれる事のできなかった子供たちの霊。



春姫は自分のことよりも相手が喜ぶ顔を見るのが好きな、お世話好きな性格で、その性格のせいでこの部屋を後にした人は数知れない。



春姫は決して弱音を吐かない。



人の感情を読み取る力があるから、人の思っている事をいち早く感じ取り、悩んだり、落ち込んでいたりするときは助けたくなるのだという。



優しい性格なのだ。




「初めて会った時の春姫、かわいかったな」


『ふん。お主は怖がっておったくせに』


「でも、こんな小さい子だとは正直思ってなかった」



俺が素直な気持ちを話したところで、春姫は真剣な顔になった。



『お主にわしの姿を見せたのは賭けじゃった。どうせ、ここを出る気でいたのだろう?だったら会えなくなることを覚悟して姿を見せてもいいと思ったのじゃ』



春姫は初めて弱気なことを言った。



「でも、結果的には良かったな。俺が優しい性格だったから」


『本当じゃな。しかし、その性格のせいでわしはお主のために何度頭を使ったか』


「感謝してます」



時刻はいつの間にか十一時になっていた。



「春姫は年越しそばって知らないだろ?」



俺は少しでも多く、春姫が色んな経験をして欲しくて、年越しそばを食べさせようと思った。



『引越しそばみたいなものか?』


「あはは。そうそう。なんでそういう時ってそばのかは知らないけど」



俺は早速調理に取り掛かった。



春姫が興味津々に覗き込む。



「春姫にも作ってやるからな」



『本当か!』



春姫は嬉しそうに言った。



贅沢に昨日もらった海の幸をかき揚げにして乗せた。



「はい。どうぞ」



小さな小鉢に入れて春姫の前に置いた。



春姫は食べることこそはできないが香りを楽しむように目を閉じて食べるふりをしていた。




ちょうど時刻は十二時二分前だ。



テレビでは芸能人がカウントダウンイベントを開始した。



「春姫。もうすぐカウントダウンだ」


『ん?なんだ?』



「十秒前になったら一緒に数えよう」



テレビ画面に数字が出たので、俺は春姫に促した。



「『5・4・3・2・1』」




新年が始まった。



テレビでは大盛り上がりだった。



『アツヤ。なんか言うのか?』



「“あけましておめでとう”だ」


『あけましておめでとう。アツヤ』


「あけましておめでとう。春姫」



春姫と過ごす年末年始も悪くないと思った。



また来年も迎えたいと思った。



しかし、これが春姫と過ごす最後の年末年始となった。







はい。




今日はここまでです。



いやぁぁぁ。



まだ目が若干回ってます。




どうしたことか…




それではまた次の章で会いましょう。




バイバInBan。